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小林道夫先生が弾きます [ゆふいん音楽祭]

実質10日間で小倉、長崎、佐賀、博多、熊本、大分、唐津、杵築と福岡、長崎、佐賀、熊本、大分ら九州北部各県をJR九州在来線新幹線乗りまくり動き周った怒濤の取材ツアー期間が終わり、その間、温泉県盆地の新本拠地に肩をゼーゼーしながら戻るとしっかり待って下さっていたお嫁ちゃまが、納税作業などなさるべく新帝都湾岸のセレブなブンチョウ様のところに戻るのをお見送りするために、通るのはJR駅ばかりでまるでこっちはまるで訪れなかった温泉県盆地のバスセンターに久しぶりに足を踏み入れるや、おおおお、こんなポスターが貼られておりました。
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そー、我らが由布院盆地の賢人たる小林道夫先生が、ギターの松本少年と共演すべく、由布院町新公民館ラックホールに登場いたします。

昨年6月の猛烈な湿気の中のオープニング以来、9ヶ月ぶりのご町内登場。それどころか、昨年暮れの上野での《ゴルドベルク変奏曲》を「演奏家人生初の肩の痛み」でキャンセル、その後の1月の大分市内iichiko文化センター音楽の泉ホールで続けていらっしゃるバッハ鍵盤作品シリーズもキャンセル、周囲を大いに不安がらせておりましたが、無事に復帰なさるようであります。

ええ、実を申しますと、この演奏会、当然ながら耳には挟んでいたものの、バタバタと動き回っている間にも駅近辺などにまるで告知がなく(その先のアルゲリッチ音楽祭への由布院駅舎アウトリーチは盛んに告知があるものの…)、観光地の方の名旅館などにはお知らせが出ているという話は耳にしたけど、流石当無責任電子壁新聞とはいえ宣伝は控えておこうと思っていた。ら、本日、別府や博多へのバスのチケット売り場の横の目立つところに上のポスターが貼られており、先週にはなかった様々なイベントのチラシが並んでるコーナーにはしっかりチラシまでありました。どうやらこれは大丈夫らしいので、あらためて告知させていただいておりまする。

何を隠そう、このJR駅使いまくりの10日間ほどの間に、小林先生と駅でバッタリ遭遇すること2回。いかな列車は毎時一本程度、博多に向かう優等列車は極めて限られている狭い狭い道とはいえ、田舎ってのはこういうもんなのかと呆れるばかり。人口一万人って、こういうもんなんかね。

なお、リサイタルのメインを張っているギター少年、って、もうすっかりギター青年は、何を隠そう小林先生のお宅から林を挟んで数百メートルのところで生まれ育った生粋の「ゆふいん音楽祭っ子」でありまする。小さな頃から音楽祭に出入りし、なんとギターを本気で弾き始め、道夫先生もレッスンをなさっていた。欧州に留学して古楽系のギターのプロとして極東の島国に戻り、35年で音楽祭が夏のレギュラーシリーズを終えた後も、ポツポツと開催されてきたゆふいん音楽祭実行委員会主催の演奏会で駅コンやったりしてくださってます。いよいよ満を持して、田舎で「音楽上のおじいちゃん」との共演でありまする。

やくぺん先生ったら、ホントにこの演奏会があるか判らなかったものだから、新帝都での仕事をいれていたのだけど、先程、先方に頭を下げて日程を変更して貰い、ともかくこの演奏会のためだけに数日ここ温泉県盆地に戻る予定。

文字通り、一村一品運動半世紀、音楽の一村一品。皆様、盆地は桜はまだかもしれないけど、温泉入りついでにいらっしゃいな。

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温泉県あちこちアウトリーチ [音楽業界]

現在絶賛開催中の大分県文化財団主催「音楽のアーテイスト・イン・レジデンス」、イベントの大きな柱のひとつがアウトリーチでありまする。

本日12時から、西大分の大分県立図書館で、大分生まれの東響天才コンマス水谷、杵築の静かなる賢人ヴィオラ長石、日田の熱きチェロ宇野のスーパー大分弦楽トリオが、《ゴルドベルク変奏曲》弦楽三重奏版全曲を演奏します!無料ですっ!さあ、大分県民、はたまた福岡東部民は、大分へ走れっ!
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間に合いそうもない方もご安心を。本日の午後2時半と明日午前11時からは、別府のイケメンピアニスト渡邊を加えたピアノ四重奏が大分県立美術館で弾きます!これまた無料!ピアノは向かいのIchiko文化センターから持ち込むそうな。ちなみに美術館は庵野秀明展開催ちゅー!

さあ、温泉県へ急げっ!

[追記]

現在、県立図書館から移動し、県立美術館3階ロビーで本場中。このイベント、原則「どんどん撮影してSNSでアップして宣伝してね、インスタよろしく!」という極めて今風なスタンスなんで、《ゴルドベルク変奏曲》演奏の真っ最中も、この会場でも、ずーっとヴィデオ撮影してる親子とか
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いっぱい出現しております。さても、こんなちょー今時の広報アプローチ、明日午後2時からiichiko音の泉ホールでの有料ファイナルコンサートに、どう影響するのか。大いに興味深いところでありますな。

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JR九州乗り倒し!総括 [たびの空]

遠き伊万里の山に日は落ちたものの、未だ星は空に散りばめられない九州島の新帝お誕生日の夕方。
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半島までは来ていたインキネン氏がニッポン御上の鎖国令で対馬海峡を渡れず、すったもんだで始まった第47回日本フィル九州ツアーは、コロナ感染者を出すこともなく、無事に終わりました。

ちょっと特殊な仕組みで行われているこの日本フィル九州ツアー、最後の相知は例外に、ほぼどれも今時の「音楽専用ホール」とは構造やあり方が違う、バブル前に竣工した巨大市民会館型のホールばかりを廻ってまいりました。とても興味深い経験で、ホントは当電子壁新聞などに記すことはいくらでもあるんだけど、なんせ取材とは言えどのような形で出すか決まっておらず、何を書けて何が書けないか判断できぬ。いつもならドーでも良いネタを羅列するのだけど、後述の理由で当電子壁新聞編纂可能な携帯PCの使用に制限がある。結果として、まるまる1週間も当電子壁新聞が空白になってしまいました。別に謝るようなことじゃないけど、スイマセン。

ってなわけで、じゃどーでもいいネタ、この無茶苦茶なツアーを同公共交通機関で付き合ったか、のご報告でありまする。

毎度のことながら経費がオケから出る訳でもないフリーの常、移動費は可能な限り安く抑えねばならぬのじゃ。で、登場したのが先頃ご紹介した「ネット限定年寄り限定JR九州3日間乗り放題パス」でありました。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2022-02-08

結果として、9日分3枚、総計二万5050円也で直接の取材目的での移動は

博多→小倉→由布院→長崎(中止となった長崎公演の会場周辺探索のため)→佐賀→由布院→博多→由布院→熊本、(新帝都滞在)大分→由布院→相知→由布院、という道筋。用いた路線は、鹿児島本線、日豊本線、久大本線、長崎本線、九州新幹線、豊肥本線、福岡地下鉄(博多姪浜間はJRではないので乗り放題区間にならず300円だか現金払い)、筑肥線、唐津線…まあ、よく乗り倒したものでありまするなぁ。通常の特急料金などを払っていたらいくらになるか、お鉄の方は計算なさってくださいませ。ちなみに久大本線は湯布院の森号に博多まで1回乗車、新幹線は久留米熊本と久留米博多間に乗車しております。

このJR九州乗り倒しでとても困ったのが、「JR九州さんは車内電源設備を全く考えていない」という事実でありました。これだけ各線の優等列車に乗りまくり、座席に電源があったのは、新幹線のJR西日本車両のみ。在来線はいかな優等列車でも、電源はありませんっ!

これって、やくぺん先生のこの数年の常識からすると、もうパニックなんですわ。なんせ、優等列車に乗れば電源があるからなんとかなる、と考えられない。結果として、移動中の車内に取材メモの整理や写真の処理が安心して出来ない。実質観光業と不動産業でやってるJR九州さん、働くオジサンやおねーさんの交通機関としての列車使用を想定していない、ということなんでしょうねぇ。まあ、非電化区間が多いこと、それに進行方向が逆になる箇所がいくつもあり、回転式の座席になっている場合が多いから、各席に電源を付けるのが面倒なのかしら。うううむ、よーわからん。

ともかく、JR九州さんは「ビジネスクラス」という考えは皆目有していない、車内では携帯などの充電は出来ないし、長時間電力消費が必要な作業は危険と考えるべしっ!

実はこの敬老乗り放題チケット、まだあと2日分あって、それは明日から休みなく始まる大分市のアーテイスト・イン・レジデンス同行で由布院駅から大分に降りたり、杵築まで行ったりするために使う予定。まだまだ続く豊後内移動、JR九州さんとのお付き合いは終わりません。

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写真撮影可のイベント [音楽業界]

新帝都滞在3日、大手町の軍センターでワクチン接種し、解熱剤飲みまくり、あちこちに設置された体温チェックは無事クリアーj、温泉県に帰投しました。札幌方面は全便欠航の猛烈な西風で、桃さんのちっちゃな320は成田離陸11時丁度で大分空港タッチダウンは12時8分!なんと対地速度は500キロ以下、ダッシュ8かC-130か、はたまたリニアと良い勝負、あんたはホバリングしてるのかぁ、ってゼーゼーのフライトでありました。

かくて、なんのかんのの日本フィル九州公演追いかけ、掲載媒体が決まらず扱いが判断出来ない状態が続いたため、「書いてあることはみんな嘘、信じるなぁ」をモットーとする当無責任私設電子壁新聞では触れられず、生きてるのか心配なさっていた方もいらっしゃるやも。スイマセン。先程、媒体がひとつ決まりましたので、いずれ書きかけになってるもんをアップするかも。

とにもかくにも、急ぎの話を。今、温泉県は大分市街を中心に、このようなイベントが行われています。
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https://emo.or.jp/event/3866/#:~:text=%E3%80%8C%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%83%87%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%80%8D,%E4%BB%A5%E6%9D%A5%E3%80%81%E5%88%9D%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%AE%E8%A9%A6%E3%81%BF%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

東響の若き俊英コンマス、個人的にはぶっちゃけ現在の在京オケで最高の若手コンマスたる水谷氏以下、大分県出身の演奏家を4名集め、1週間の間に県内各地でのアウトリーチやら含めたレジデンシィ活動を展開するぞ、というもの。

イベントそのものとしては、大分市としてはどうあれ、隣の別府ではアルゲリッチ音楽祭などで行われていた(のかなぁ…)アンサンブルの過程を見せるもので、ある意味でとても判りやすいもんでありますな。公開リハーサルは、舞台の後ろにこんな楽譜出したり。
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ただ、昨今、東京のこのような「公開リハーサル」系イベントでは行われている「解説者によるリハーサル内容実況中継」みたいな手の込んだことはやってません。表に楽譜のコピーは置いておくので、必要な人は眺めて下さい、音響が良い会場なんで4人の奏者にコンタクトマイクなどは使いませんので、出来るだけ前に寄って眺めてください、ってもんです。

このイベント、何よりも興味深いのは、2010年代以降のSNS革命に対応した見せ方をしていることにあるでしょう。なんせ、こんな張り紙が。
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なんとなんと、この公開リハーサル、写真撮影可能なんですわ。要は、どんどんSNSで拡散して下さい、ってこと。更にはリハーサルを公式インスタグラムで生中継するそうです。こちら。
https://www.instagram.com/oita_ongaku_air/?utm_medium=copy_link

果たしてどんな映像や音響が伝えられるのか、年寄りのやくぺん先生は現場に居るので逆に判らないんですけど、世界のどこでもiichiko文化センター音の泉ホールの上で音楽家達がやり合ってることが覗けるのですから、これはもうとんでもないことですなぁ。

木曜日と土曜日の午後5時からもインスタライヴがある筈なので、乞うご期待。

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2年遅れの新作初演 [現代音楽]

本日、大阪ザ・フェニックスホールで、作曲家望月京の新作弦楽四重奏《Boids again》が世界初演されました。こちらの演奏会。
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日本室内楽振興財団さんとザ・フェニックスホールとの共催で行われたクァルテット・エクセルシオ大阪特別演奏会であります。

当電子壁新聞を立ち読みに来るような方はよーくご存じのことでありましょうが、この作品、作曲年が2020年となっていることからもお判りの如く、この演奏会のための新作ではありません。日本室内楽振興財団が開催する大阪国際室内楽コンクール&フェスタの第10回大会で第1部門弦楽四重奏の課題曲として委嘱され、本来ならば2020年5月にいずみホールでほのやらチェルカトーレやらインテグラやらによって次々と世界初演される筈だった作品でありまする。

一昨年来のコロナ禍で、世界のコンクール・スケジュールがすっかり大混乱となってしまい、雪道大渋滞みたいにスタッグ状態になっている。演奏だけではなく、作品にも同じようなことが起きてます。多くの若者が2年数ヶ月前くらいから必死に浚ったこの作品も、今まで公式には音にはなっていなかったわけでありました。

同じようなことが起きている浜松のピアノコンクールでは、委嘱新作をオンラインで参加者が披露する、なんて奇策で世界に問うことをやったりしておりました。状況が同じ、新作が手元にあるけど初演がされていない、という主催者さんたちが世界中にいる。で、どうしようかと皆さん頭を捻っているのですけど、大阪は極めてストレートに、「過去にこの大会で最高位に輝いている日本拠点の団体」にお披露目を託したわけです。ま、チェロの大友さんが運営専門委員だったり、ヴィオラの吉田さんがテープ審査メンバーだったりするわけで、ある意味でエクは「大阪大会出身者」ですから、その責任もあるしね。

さても、作品がどんなものだったのか、本日の世界初演を以て出版もされ、演奏も世界中で解禁になったそうな。世界に少なくとも10団体はこの曲を弾ける若い連中がいるのだから、皆様もどこで出会うか判らぬ。となれば、延々と解説するべきなんだろうけど…ううむ、些か後ろめたいところもあるが、ご本人の言葉がせっかく目の前にあるんで、ここにこっそり公開してしまいましょう。恐らくはスコアの冒頭には記されるでしょうし、チェスターのホームページにもなにかありそうだし。
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なるほどねぇ、音の響きとして「電子音を経た響きのイメージが弦楽四重奏のみで再現される」という感があったのは、理由がないことではなかったわけね。なぁ、ムク共や。
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なお、望月さんがいらしていたのでトークなどあるかと思ったんですけど、ありませんでした。関係者さんに拠れば、来日がどうなるかわからず、コンサートの付帯イベントとしては作れなかったそうな。ちょっと勿体なかったなぁ。

とにもかくにも、レッジョ・エミリアの細川作品、大阪の望月作品と、やっと2020年初夏には響く筈だったニッポンを代表する作曲家さんの新作弦楽四重奏が並び、空白だった2年間の音楽史が埋まり始めた…のか。

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JR九州乗り倒し! [たびの空]

温泉県盆地は朝から雪模様。降り続く雪の中、パーシモンゲート周辺につぐみん軍団withシロハラさんたちが取り付いて、名残の柿の実やら畑に落ちたぐちゃぐちゃやらを喰らいまくってます。
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掃除しなきゃ、と思ってたけど、そんな必要はまるでなかった。

さても、本日締め切りの原稿、まだアウトラインもちゃんと出来ていないという危機的状況の中、この終末に始まる日本フィル九州演奏旅行に新参キューシュー島民として同行するぞ、と広報さんに大見得を切ってしまった以上、ともかく追っかけをせねばならぬ。
https://japanphil.or.jp/community/kyushu
さても、この日程、どうするべーか。いろいろ考え、もうめんどーなんで、今、JR九州年寄り限定連続する三日間新幹線特急熊本までの北半分乗り放題8350円也という切符を予約しました。こういうもん。
https://www.jrkyushu.co.jp/hello/ticket/#pass

明日朝、由布院駅ミドリの窓口で受け取ることになるのだけど、別府裏の田舎盆地拠点に使おうとすると、案外と難しいチケットだわなぁ。上述のように、日曜日に小倉、月曜は佐賀、で、1日空いて水曜日に福岡という公演日程なんだが、チケット有効期間は日曜朝に福岡空港に降りてから火曜日まで。さて、どーする。

なんせ佐賀で夜の7時開演だと、鳥栖や久留米で乗り継いで由布院駅までその日にはJR九州で戻れないのであります。つまり、どっかで宿泊決定なんですわ。いっそ終演後に最終特急で長崎まで行き、駅前の安いカプセルホテルにでも泊まり、翌日にノンビリともうすぐ新幹線開業で廃線間近の在来線区間を特急で福岡まで走ってサヨナラ長崎本線し、九州新幹線で久留米まで戻り、豪華ゆふいんの森号でパーシモンゲート横をかすめる…って、些か趣旨が異なるインチキ乗り鉄娯楽に用いるしかないかいな(笑)。

んで、水曜の産パレス公演は諦めて大人しくバスで博多に向かうか、もうひとつの切り札「九州満喫切符」九州島内の鉄道がJR私鉄含め乗り放題3日間で11000円、ってのを使ってみるかのぉ。なんせ来週金曜にはまた熊本まで行かねばならんで。

それにしても、LCCの成田大分若しくは福岡のセール値段を考えると、キューシュー島内移動はいかにお高いことになるか、あらためてビックリするのだがぁ、ま、客観的に言えばLCCの値段の付け方の方が今のニッポンの常識とはちょっと異なるオーストラリアや欧州の非常識な価格設定なのだ、ということなのでありましょうな。

さても、その前に明日は由布岳の麓越えて別府に出て、夜は《影のない女》がなくなっちゃったんで仕方なく《フィガロ》に座り、明後日はスカルソープの世界一珍妙な弦楽四重奏日本初演がなくなっちゃったんで大人しく昨日飛びこんだ急ぎの作文の準備、明後日紀元節は北千住で久しぶりに刺激的なアートを堪能し、土曜日には大阪に向かいエクが昨年若者が世界初演する筈だった作品を弾くのに付き合います。世間がコロナ新種感染大流行で揺れる中、如月のツアーが始まってしまった。大丈夫か、あたしっ!

[追記]
ということになりましたぁ。
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来る日曜日から金曜日まで6日間JR九州北半分乗り放題!

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煎餅屋が消えた島 [新佃嶋界隈]

たまにはノンビリ、どーでもいい話。って、あたしとしてみれば、もうこんなところに住んでいる必要が無いと腹の中では思っている程の大問題なんですけど…

世間では「東京の下町の空気が残る」とか「お江戸町歩きスポット」とか、まあとてもじゃないがそんなんじゃないぞ、としか思えぬような形容句くっつけて語られる新佃嶋界隈でありまするがぁ、東京からの転出者超過となるコロナ禍の世界にドンドンと変貌している場所でもありまする。

もんじゃ通りとして知られる月島西仲通にしたところで、この数年で地上階に路地タイプの店舗を入れたハイライズが何本も建ち、勝ち鬨近辺に林立するハイライズ、はたまた都民最後の都心の最大財産を大手ゼネコン共同体がよってたかって常識額の10分の1でかすめ取った晴海地区オリパラ選手村跡地再開発と、御上に裏切られ続けた島周辺大川河口地区は、21世紀になっても相変わらずの無茶苦茶ぶり。

今や気分はすっかり温泉県盆地の田圃の中住人たるやくぺん先生ったら、もう俺は知らん、どうにでもなれ、沈んでしまえ、地震で崩れろ、と腹の中では思っているわけでありまするが…とうとう、ホントに「こんな島、沈んでしまえ」と叫ばざるを得ない事態となったのであります。

ええ、やくぺん先生にとって、この地球上で最も必要としていた食い物のひとつが、月島西仲通商店街の入口近くにあった煎餅屋さん胡萩堂の「げんこつ」でありました。写真を示したいけど、あまりにも当たり前のもので、探してもない。ガラスじゃなくて袋詰めだったんで、この紹介ページにもない。
https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/archive/2016/08/post-3576.html

ここで「げんこつ」について論じ始めれば、もう新書本どころか単行本一冊書ける勢いなんだがぁ、敢えてそんなことはせんわい。ともかく、銀座あけぼのの「われげんこつ」みたいな紛いもんを「げんこつ」と思ってはいかんぞよ。あれはあくまでも「われげんこつ」で「げんこつ」ではない、とあけぼのさんも正々堂々と認めているではないかい。うん。
http://www.ginza-akebono.co.jp/about/material.html

ま、あちこちの煎餅屋に「げんこつ」と名告るものは存在し、それはそれでやくぺん先生が文句を言うものではないけれど、ともかく、世界一の、いや、この我々が知る宇宙で唯一にして無二の真の「げんこつ」を提供する店は、月島胡萩堂しか存在しないのであった。これはもう、絶対の真理なのじゃ!

ああ、そんな貴重なお店、数年前からおばちゃんがやる気あるんだかないんだかよーわからん状態で、たまにまとめ買いに行くといろいろ話はしたものの、いつまでやるかねぇ、という雰囲気漂っていた。向かいの「世界で最もメガ盛りな唐揚げ弁当」を無造作に出していたもの凄く仲の悪い爺ちゃんと婆ちゃんがやってた弁当屋が311後になくなった頃から、その日がいつか来るのではないかと感じてはいたものの…

コロナ禍、葛飾オフィスへの自主隔離、そして葛飾巨大柿ノ木から温泉県パーシモンゲートが迎えるオフィスへの移転と、周囲バタバタして西仲通にもまるで顔を出していなかったこの2年、そもそも温泉県があるキューシュー島には「煎餅」と呼ぶべき食物が存在しないという驚異的事実を前に、ともかく周囲からありったけの煎餅を温泉県盆地に持ち込まねばと万札握り締め、「おばちゃん、在庫のげんこつ、みんなちょうだいな」と叫ばんと西仲通に向かったらぁ、おおおおおおお…
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ない、ない、ないっ!我が魂の「げんこつ」屋さんがなくなり、別の店舗となりつつあるじゃあないかぁ!

いずれそうなりそうな気配はあったから、一億歩譲ってこの現実を受け入れるとしましょう。問題はそこからじゃわ。せめて交代の「げんこつ」モドキをば購入せんとGoogleMapさんに「煎餅」と入れて検索を掛けたら、なんとなんとなんとなんと、銀座方面にはいくらでもあり、門仲にもいくらでもあるのだけど(敢えて暴言を吐かせていただけば、「日本一固い」などと自分で煽るような店は信用できませんです)
https://www.kikaku-sembei.co.jp/
佃月島晴海の大川河口島の上には、煎餅屋が一軒もないと仰るではないの!え、冗談だろ、って。

かくて、「銀座東京駅から最も近い田舎」たる佃嶋界隈は、煎餅屋すら存在しない新帝都の僻地であることが判明したのであった。

ホントにないのか?ほ、ホントに…

[追記]

いじましく「月島胡萩堂」とWeb上をウロウロしていたら、ある方の個人サイトに今は亡きあの至高の「げんこつ」のお姿を発見しました。勝手ながら、遺影をここに掲げさせていただきます。
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世界は遠くなった… [現代音楽]

実質昨日から明日までの短い新帝都滞在、本来の目的は納税作業に向け佃縦長屋に送られている書類の整理なんですが、急ぎの原稿が先週入ってしまい、昨日からそっちにかかりきりでまだ本来業務に手が付いてません。その合間に、大川越えてチャリチャリと銀座の手前まで行き、一部では一生懸命盛り上げようとなさってるこんなもんを眺めておこうか、と思ってたんだけど
https://www.shochiku.co.jp/met/program/3760/
なんせコロナの新種が街に蔓延している中に飛びこんでいく、それも命賭けてもかまわん、って演目ならともかく、ライヴなら座って眺めてられるけどパッケージや配信だったら絶対に積ん読になるぞぉ、って不得意演目(としか言い様がない)なものを諸々の責任上眺めなきゃいけんなぁ、という類いなんで、田舎で実質一人暮らし状態ならともかく、高齢者と同居の佃縦長屋での寝泊まりを考えると、どうしても怯んでしまう。うううむ、ゴメン、今日はおうちで團伊玖磨先生指揮の《夕鶴》オーセンティック演出演奏の映像を眺めて勉強する時間にさせてください、と遙か太平洋とロッキー山脈向こうに手を合わせたところ、シカゴからもこんな案内が来ていた。
https://www.lyricopera.org/shows/upcoming/2021-22/fire-shut-up-in-my-bones/

うううむ、アメリカ合衆国オペラ業界、そこまでしてプッシュしてくるかね、それじゃあ眺めに行ってやろうか。ま、川沿いのリリックオペラなら、オヘアに朝着いて、延々と地下鉄乗って、ループ北東端の定宿に荷物つっこみ仮眠をし、歩いて出かけて、2公演眺めてちゃっちゃっと戻ってくれば1週間。昼間はいろいろ遊ぶ奴らもいなくはないし、シンフォニー並びのマンチェのアパートに押しかけてもいいし…なんて思ってANAさんのサイトを眺めたらぁ…おおおおおおおお、羽田発オヘア、イースター休暇前のいちばんお安い時期に、なんとなんと最安値で往復24万円也!$1000はしないでなんとかなるじゃろ、と思ったら、とてつもないことになっておるわ。

そもそも、羽田から出たとして、オヘアに着いてそのまま地下鉄方向に向かわせてくれるのやら。春の嵐の南風都心の夕方の桜風景を眺めながら無事に羽田に戻って来たとしても、そのあとの身体拘束はどうなるんじゃ?板付空港に降りて温泉県盆地のオフィスに缶詰にされるならまだしも、板付から北米直行便なんて民間定期便はそもそもなかったわけだしさ。

かくて、2年前まで自分の常識として広がっていた世界は、もうとっくに失われている、あんな世界はもうない、とあらためて現実を突きつけられ、隠居として余生をいかに過ごすかを真面目に考えるしかないのぉ、24万円あるんなら物理的に足りない本棚と耕運機の購入に充てねばなるまい、と己をたしなめる新春の朝なのでありました。

ちなみに来年の同じ頃はこういう演目。いよいよキャロライン・ショーがオペラやりますか、ってのが話題でしょう。それより、「もうひとりのジョン・アダムス」がネタにされるのかしら。
https://www.lyricopera.org/shows/upcoming/2022-23/proximity/?utm_source=ActiveCampaign&utm_medium=email&utm_content=JUST+ANNOUNCED%3A+Explore+the+2022%2F23+Season&utm_campaign=2223+-+Season+Announcement+w2+2-2

この頃には、21世紀10年代までの世界が戻っているのか?それとも、世界は遠くなったままで新しくなっているやら?

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石橋メモリアルホールその後 [音楽業界]

些か旧聞になってしまいましたけど、後の記録の為に記して起きます。昨年秋の終わりくらいから急に世間に浮上した「石橋メモリアル売約問題」ですが、その後の状況です。

なにせ、事柄が些か微妙なもので、いかな「書いてあることはみんな嘘、信じるなぁ」をモットーとする当無責任電子壁新聞たりといえ、周囲で流れている情報をダラダラと記してしまうわけにもいかず、ううううむ、という様な話を知らんぷりしてもおりました。とはいえ、こんな発表があったので、最終的な方向が見えたということ。
https://www.tokyo-harusai.com/news_jp/20220124/

ホールではなく、東京春音楽祭というホールを借りる側からの発表に頼らざるを得ないというのがなんだかなぁ、とはいえ、3月28日からは「石橋メモリアルホール」名称あらため「飛行船シアター」を使用しますよ、という具体的な日程が出たわけですね。ぶっちゃけ、この期間も使えないことを前提に上野地区の別のホールに打診しているという話を関係者から聞いていたもので、うううむこのフェスティバルとしては皇居の遙か向こうハクジュにまで持って行くわけにはいかんだろうし、なんとか上野地区のフェスティバルとして納められて良かったと考えるべきでありましょう。

まだWeb上には「飛行船シアター」内部がどのようになっているのか、きちんとした情報は見当たらないようです。既にオルガンはない、という話はtwitterなどで踊っているものの…ま、数週間すれば否が応でも判ることではあるわけですけど。

石橋メモリアルホール問題は、実はより面倒な「上野学園上尾教授解雇問題」に発展しており、こちらはある意味で狭い狭い音楽売文業界でもどうしていいやら。
https://ameblo.jp/npo-machipot/entry-12717331212.html
https://note.com/aesthetica/n/nb3a0c9b858da
なんせ、上野学園の先生がオーナー一家の学校法人私物化を批判したら、現学長から学者としてやってられなくなりかねないような批判をされ学校を頸にされた、というトンデモな話。

この現学長というのが、困ったことに神楽坂の某専門出版社から本が出ているようなシューマンの権威の長老で、この先生、なんで己の晩節を汚すようなことしてるんだ、と呆れるしかないんだけど、エラい方なんでみんななんと言っていいか判らず下を向いてしまっている、という状況。ああああああ、口に出してしまった、ま、わしゃもう隠居だから失うものはないんだけどさ。

上野学園騒動は、ホールが売却されようが、オルガンが撤去されようが、まだ全然終わってません。それだけは確か。

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アムステルダム・クァルテット・ビエンナーレ交代ライヴ [弦楽四重奏]

中華圏の皆様、新年明けましておめでとう御座います。いろいろと新年メッセージ、ありがとうございますです。

さても、そんな目出度さも半分の旧正月、ひとつどうやっても目出度いニュースが遙かシベリアの向こうから伝わって参りました。こちら。オランダ語だけど、なんとか読めるようにしてちょうだいな。
https://www.nporadio4.nl/uitzendingen/avondconcert/393675fa-4554-4a0b-a221-8c952abc186c/2022-01-30-avondconcert?fbclid=IwAR2ianxhX1GmHmEwglDMZ0cvV9k-A_hhDvYpLzENZivN8BoHnFpXPz1pbUQ

要約すれば、1月30日にビエンナーレ開催予定だったムジークヘボウで収録。若いオランダのクァルテットがテーマだった(のかな)女性作曲家の作品ばかりを3曲演奏。2月6日には、ニッポンでもお馴染みの顔ぶれの連中ばかりの連中の演奏がこちらのサイトで聴けます、ということみたい(強引に英語にマシン翻訳させた頁を貼り付けます)。違ったら、ちゃんと誰か教えてちょ。
https://www.nporadio4.nl/uitzendingen/avondconcert/2ee91dd7-5b9d-448e-b562-98a7993fe778/2022-02-06-avondconcert?fbclid=IwAR06cqkvddtd0OekrLC70pNdx8_FRwEPHtC57xlamAyBwXgSecFqcNt5Yuc

時間は日本やら韓国やらはいちばん困る2月7日午前4時から午前7時、演奏するのは

★アタッカQ:ハイドン《十字架上の七つの言葉》、キャロライン・ショー《エヴァーグリーン》
★シューマンQ他:モーツァルト弦楽五重奏曲第1番
★ダネルQ:ショスタコーヴィチ第2番

どういう状況だったか、今ひとつよく判りませんけど、ともかく実際にダネルやらシューマンがムジークヘボウで弾いたことは確かなようです。次回のビエンナーレは、2024年1月27日から2月3日にやりますよ、との告知も。流石にその頃になれば…

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