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飛行船シアターに行ってきた [音楽業界]

今や新帝都と言わずニッポン国内で最もホットなスポット、上野は入谷の桜咲き乱れ彼方に東京天樹聳える飛行船シアターに行って参りました。過去のネタはこちら。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2022-02-02
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2021-11-16
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2021-11-10
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2017-01-04
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今更なんのかんの言うよりも、現状、どうなってるか、ご覧あれ。ほれ。
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一目瞭然、舞台の奥に鎮座していたオルガンを取っ払い、永田先生が古い時代の楽器などの為に最良であるべく創り上げた過剰すぎる残響を極力押さえ、演劇用の照明を可能な限りぶら下げるためのプロセニアムをポカっと填め込んだだけ、といえばそれまでです。まあ、たった3ヶ月の改修工事ですから、ともかく突貫作業で求められたスペックをクリアーした、という感じですな。

表はまるで変化無し。無論、世間ではいかなコロナは終了空気が漂っていても現場はまだ厳戒状態ですから裏なんていけません。そっちがどうなっているかは判らない。2階のエオリアン・ホールがどうなっているかも、判りません。ただ、もうひとつ誰が見ても眼に入るのはこちら。
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1階2階の客席壁面全体に、布のカーテンがぶら下がっています。昨日のモダン楽器のピアノ三重奏では使用されていませんでしたが、まだこれでも残響が多くて困る場合はこれが活用されるんでしょうねぇ。

ちなみにこれが2010年に竣工した「石橋メモリアルホール」。
http://gkkae.com/works/%E4%B8%8A%E9%87%8E%E5%AD%A6%E5%9C%92%E7%9F%B3%E6%A9%8B%E3%83%A1%E3%83%A2%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB%E6%A3%9F/
どういうわけか、ネットの大海原のどこを探しても、20世紀にお馴染みだった「旧石橋メモリアルホール」の画像やらがさっぱり見当たりません。この情報のアンバランスさ、ホントにおそろしーなぁ、ネット時代って。ちなみに、石橋メモリアルホールが新装成ったときの話がこれ。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2010-04-13

音響は、新会場オーナーさんのリクエストには充分に応えられてるんじゃないかな。善し悪しの問題ではなく、率直に言えば、「街の公民館ホール」ですな。奏者が楽器から弓や手を離した瞬間に音は消え、流石の音響の良さ、個々の楽器の生音は聞こえすぎるくらいに聞こえるけどピアノ三重奏の音が纏まった響きとして客席に出てくることはなく、500席のこの空間でマイクを使って喋るには適当な状況なんでしょう。

まあ、金沢駅前の石川県立音楽堂邦楽ホールとか、私事で言えば今や解体中の旧由布院町公民館ホールで室内楽を聴いているような感じでした。嗚呼、この街にはこの会場しかないのか、演奏家さん、頑張ってね、って。

以上、最新オープン、飛行船シアターのご報告でありました。なお、会場がどうなろうが上野学園問題はまだまだ係争中で、理事会の運営方針の異議を唱えた教授に学長が学問的な難癖を付けて解雇した、というトンデモな話、2度目の公判の日程が決まったという連絡が飛行船シアターに座っている間に「上野学園大学による上尾信也教授に対する不当な懲戒解雇の撤回と前田昭雄学長の謝罪を求めます」からありました。面倒なんで全文コピペ。
「3月29日に、被告の準備書面1を受けての第2回期日が行われました。原告上尾氏と代理人弁護士の先生方、被告は2人の代理人弁護士のみでした。原告の訴状に対しての被告の主張準備書面でしたが、再度整理したものを準備書面2として提出となりました。これを受けて、原告が反論していく第3回期日は5月23日に予定されています。理不尽な懲戒事由であり、全く不当な処分です。今後ともご支援の拡大をお願いします。」

ホールという不動産であり楽器であるモノはどうあれ、人はまた別な話。上野学園問題は、まだまだ続きます。

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21世紀20年代にピアノ五重奏を書く [現代音楽]

たまにはまともな話を…とはいえ、月末締め切りのデカい原稿があるので、サラッとメモでオシマイ。あしからず。

世間で、どころか、音楽ファンの皆さんの間でもほぼ全く話題になってませんけど、昨日からこういうイベントが始まっています。
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https://www.jfcomposers.net/concert/asian-music-festival-2022-in-kawasaki/
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2022-03-23

会場はかのミューザ川崎。最終日までは連日、エスカレーター上がって右の集会所がいろいろ納まってる実質上の「小ホール」空間のいちばん入りっ端、小ホール群の中ではいちばん大きいヴェニュなんじゃないかしら。最終日は大ホールでレジデントの東響さんが登場します。川崎市の担当者さんとの立ち話に拠れば、単に作曲家さんたちのお祭りに場所を貸しているのではなく、きちんとミューザ川崎が協賛するイベントだそうな。ううむ、その割には活発で有名なミューザの広報チームが動いたりしてないし(夏のこのホール最大のお祭りの記者発表などがあったからなんでしょうけど…)、地味ぃな感じなんだけどねぇ。

ま、所詮はニッチな「ゲンダイオンガク」業界だからこんなもの、協賛して下さるだけでも有り難い、とは言いませんが、とにもかくにも東アジア太平洋圏から7カ国だかの作曲家が集う記念年の祭り…の筈なんだが、日本作曲家協議会会長で実質上のこのイベントの監督みたいな作曲家菅野由弘氏がお話になるところでは、コロナで海外作曲家は誰も来られず、楽譜だけが来ている状態だそうです。そんな状態であれ無事に音楽家は揃っており、演奏はガッツリ展開されております。このイベント、最終日のオーケストラ作品以外、つまり小ホールで演奏される全ての曲が新作初演!これって、簡単に言うけど、ありそうでないトンデモなことでありますぞ。川崎のローカル紙記者の皆さん、六郷川沿いのお花見取材しているより、こっちでしょーにっ!

正直、このような開催で果たして客席は埋まるのだろうかと心配で顔を出したという些か失礼な状況でもあったんだけどぉ、なんとなんと、昨晩のオープニング室内楽演奏会、100席ほどの会場はパツパツでした。
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シンガポール、韓国、香港の作曲家さんが関係者といっしょに来日出来ていたら、確実に溢れたでしょーねぇ。盛況で良かった良かった、だし、なんせミューザにはこれ以上大きな小ホール空間はないわけだから、運営側とすれば消防署に情報漏れないようにしながら立ち見を出すしかないか、なんて頭抱える必要も無くて有り難かったかもね。

中身に関してですが、中川作品のハイパー娯楽性、最後に演奏された菅野作品の手慣れた感のある達者さはいうまでもないけど、やはり個人的な関心は初演されたふたつのピアノ五重奏作品にありました。

そもそも、所謂「現代音楽」の世界では、ピアノ五重奏曲というフォーマットは最も不人気というか、苦手なもののひとつです。20世紀後半以降のメイジャーな名前の作曲家でこの名称まんま使った作品を遺しているのって、ヘンツェくらいしか頭に浮かばんぞ。あとはシュニトケくらいかな。どちらもシューマンやブラームス、はたまたドヴォルザークみたいな定番になってるわけじゃないのは当然にしても、弦楽四重奏曲はありとあらゆる作曲家が書くのに…という感は否めない。

無論、それにはしっかり理由はあるんでしょうけど、ま、それはそれ。この3月は、なんとそんな貴重な第2次大戦後に書かれたピアノ五重奏がトーキョー近辺では4曲も聴けたわけでありまする。3月11日に紀尾井で開催された諏訪内祭りでタネージとバツェヴィッチ第2番、そして昨晩は韓国のチュン・スンジェ氏と香港のリチャード・ツァン氏の作品(ピアノ五重奏、というベタなタイトルではないけど)が世界初演されたのでありまするよ。

別に誰かがそんな意図を持ってやったわけじゃかかろーが、結果として、「戦後に書かれたピアノ五重奏曲の中で最も定評のある作品のひとつに始まり、西側の売れっ子の作品と、アジア圏の最新作」という興味深いラインナップになった。

ここまで記しちゃったら、せめてへっぽこお気楽な感想くらい書かないと引っ込みが付かないなぁ。

諏訪内祭りの2作はともかく、昨日の作品の無責任な感想にもなってない感想を防備録として記しておけば…前者は「沈黙」というのを捉える感覚が面白かったです。要は、かなり雄弁な沈黙だった、ということ。へええええ、ってね。後者は、まあ誠にありがちな物言いだけど、まるで香港の地下鉄乗って周囲のおばちゃんの会話やらオッサンの商売の電話やらが列車の騒音の中にいっぺんに聞こえてくる状況を懐かしく感じるようなサウンドスケープで、ピアノ五重奏編成とはいえ名手尾池さんやら山澤氏をもってしても菅野さんの指揮が必要になってくるリズム処理の難しさが、ちゃんとした効果を上げている作品。もういちど聴きたいなぁ、と思わせてくれるものでありました。とにもかくにも、コロナ禍の情報統制社会香港で、現役長老アーティストがこういう音を聴き、聴かせたいと思ってるのか、と実感できたのは得がたい機会でした。

なんせ、韓国や香港の現代作品って、ソウルや統営、はたまた湾仔のアーツセンターや東の外れの工科大学で現代音楽フェスティバルでもないと、まず聴く機会がありませんから、ホントに有り難いことであります。ちなみに本日は、なんと弦楽四重奏作品が3曲も世界初演されるようですが…うううむ、我らがゴールドベルク三勇士が新生なった飛行船シアターに乗りこむ日なので、そちらに行かねばなりません。残念。

お暇な方は、最終日のオーケストラ演奏会はまだ席がいっぱいあると思うので、是非どうぞ。やくぺん先生ったら、恐らくは原稿ギリギリ状態だと思うので、ちょっと弥生晦日に六郷川向こうまで行くのは無理そう。

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2022ゆふいん音楽祭春のコンサート決定 [ゆふいん音楽祭]

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毎度ながら、ホントにギリギリにならないと決まらぬ温泉県標高450メートルの盆地の小さな音楽祭、やっと観光協会のページにアナウンスが出たようなので、お伝えいたします。

当初は日程は5月7日と8日、初日はピアノ、2日目はチェンバロで、町内在住小林道夫先生の円熟の二重奏鍵盤芸を堪能する、という予定で発表されておりましたが、昨年末からの小林先生の体調などを鑑み、現時点で無理のないプログラムとすることになった次第でありまする。なお、演目は現在発表されているものから変更になる可能性はありますが、小林先生はベートーヴェンのハ短調はやると仰っているそうですので、ここは大丈夫ですっ!

夏の音楽祭に関しましては、現時点では予定はありません。やれる規模でやっていく、という感じ。なお、小林先生の東京での演奏会ですが、ちょっと期待しても良さそうな動きはあります、とだけ記しておきましょう。

以下、まんまコピペ。

※※※

2022ゆふいん音楽祭春のコンサートの日程が決まりました。チケットは全て事前予約制です。事前にお電話もしくはメールにてご予約をお願いいたします。皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

<2022ゆふいん音楽祭春のコンサート>

小林美恵ヴァイオリンリサイタル  ピアノ=小林道夫
日時:2022年5月7日(土)16:00開演
チケット:一般3500円 / 小・中・高1500円
ご予約先:由布院観光総合事務所(平日9:00-17:00)
お問合せ:TEL:0977-85-4464 Mail:info@yufuin.gr.jp

-プログラム-

W.Aモーツァルト:ピアノとヴァイオリンのための第28番 ホ短調 KV.304
J.Sバッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 BWV1004よりシャコンヌ
L.V.ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第7番八短調作品30の2

http://www.yufuin.gr.jp/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88.html

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ゲルギーは元気でやっているようだ [演奏家]

音楽情報というか、噂をどんどん流す当無責任電子壁新聞以上にアブナイSNS媒体に、ちょっと前からこんなニュースが踊り始めました。出所は「タス通信」だそうですが、西側の関係者に流れている話の出所はこの辺りなのかしら。
https://www.washingtonpost.com/theater-dance/2022/03/25/putin-bolshoi-mariinsky-gergiev/

要は、「プーチンがマリンスキーとボリショイの統合を口にし、ゲルギーに意見を求めた」みたいなことでありますな。で、これをネタに、それぞれの論者さんが現状に即した好き勝手な憶測をくっつけたりくっつけなかったりしてネタを拡散している。

ま、個人的にはなーんにも興味が無い世界なんだけど、この短信をみた瞬間、「あああ、ゲルギー、ちゃんと生きてるんだぁ、良かったねぇ」と思ったです、はい。シベリア送りになったり、最前線に慰問に行かされいつ死ぬか判らぬ状況に置かれたりはしていない、ってことなのね。

なんせ「タス通信」ですから、もうホントに時代が一気に半世紀以上向こうにぶっ飛んだような感は否めず、ジダーノフ批判時代に鉄のカーテンから漏れてくる話を眺めるような気持ちで接するべきなんでしょう。

うううむ、ゲルギー、まあ人口が日本より多く、無意味に広い領域の「国」ですから、実質鎖国しようが文化やってる奴らには上手い具合に立ち回っている限りは食い扶持はそれなりにある、ということでしょう。忙しすぎで出がらしになってたわけですから、今こそ勉強できる良いチャンスなんでしょう。

別に「頑張れゲルギー」とはいわんが、もう空港で自家用機を強引に割り込ませて大事故起こしかけるようなことはせんですむのは、みんなのためにもゲルギー氏自身のためにも良いことでしょ。もう、あんな無茶な日程をする必要もないわけだしさ。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2015-11-17

アーティストの生き方にはいろいろある。それだけのこと。こんなネタもあったんだなぁ。なんか、当無責任電子壁新聞で、ゲルギーって格好のネタ演奏家だったんですねぇ。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2015-08-31
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2008-08-23
やくぺん先生ったら、ゲルギーといえば未だに、五反田に簡易保険ホールが新しくなったばかりの頃、恐らくは日本で開催されたほぼ最後くらいのソ連系御用演奏会みたいなやつで東響かなんかでカリンニコフの交響曲かなんかを振った若造、ってイメージなんだよなぁ。あれが初来日だった筈で、そっから先は、何一つ殆どまともに聴いてません。唯一記憶にあるのは、ロンドンのバービカンでマリンスキー引っ越し公演の《パルシファル》かなんかをやったときのこと。長いけどバービカンの周囲はちょっと喰うところが案外なくお弁当をどうしよう、って宿でいろいろ悩んだ記憶くらいしかないなぁ。ま、そんな出会いもある。

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トンヨン遙かなり [弦楽四重奏]

明日、3月26日土曜日午後3時、海を見下ろす統営のイサン・ユン記念コンサートホールで、ノブスQが演奏会を開催します。
https://timf.org/kr/sub/ticket/view.asp?idx=1233&s_date=2022-03-26

レジデント作曲家のアジア初演で始まり、モーツァルトのニ短調、後半はイサン・ユンの第5番で、最後はブラームスのハ短調。誠にこの場所にして王道の演目でありますな。

この演奏会、言うまでも無く、イサン・ユン記念統営国際音楽祭の公演です。今年で20回目になる記念の年、統営音楽祭は昨年来の新監督ウンスク・チンのもと、無事に開催されておりまする。こちらが全体のプログラム。
https://timf.org/en/

日程は今日25日から4月3日まで。チェロのメルクがレジデント・アーティストで、室内管をポッペン御大が指揮。コジューナが来たり、キングス・シンガーズが2公演やったり、韓国伝統楽器の現代アンサンブルがあったり。祝祭管の指揮はシュタンツ様で、KBS響はイサン・ユンの第2交響曲をやります。この音楽祭の最大の目玉である尖った室内オペラの新演出上演は、流石に現状ではやれないようですけど、なんとか「国際音楽祭」としての格好は付けられたようですな。

なによりも、この音楽祭を支えられるだけの演奏家の層の厚みがある韓国音楽界の底力には驚き。なんせいちばん弱かった室内楽を、我らがノブスQがしっかり支えてるんだからさ!

とはいえ、石武新オフィスからの距離は広島に行くくらいなのに、玄界灘の向こうはまだまだ遙かな彼方。来年こそ、由布院駅前バスターミナルから福岡空港国際線ターミナルまで100分、そこから釜山空港まで45分、あとはバスで統営バスセンターまで90分。新帝都大川端ノマド場の桜並木に戻るより遙かに近い統営港の桜を、眺められるんだろうか。

なにはともあれ、明日のノブスQの演奏会、ぐぁんばって祭りを盛り上げてくれたまぇ!

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新川学びの森交流館の将来が決まった [こしのくに音楽祭]

まさかまた使うとは思わなかったカテゴリー。いろいろなことが起きるなぁ。

かつて「シモン・ゴールドベルク・メモリアル」のメイン会場となりトリオ・アコードが学び、「こしのくに音楽祭」の教育部門の会場となり、2010年代に入ってからはサントリーホール室内楽アカデミーのセミナー会場となり葵トリオの面々も宿舎に泊まった富山県は魚津市、北陸新幹線が向こうを走るダラダラ丘の上の新川学びの森交流館ですが、この数年、存続を巡って様々な動きがあったのは当無責任電子壁新聞でも触れて参りました。

コロナ禍の世界となり、やくぺん先生オフィスの葛飾から温泉県移転騒動になり、それが落ち着くや21世紀にはもうないと思っていた大国の隣国への武力による領土併合侵略戦争なんて頭がクラクラしそうなトンデモなことまで勃発、あの施設がどうなっているか、失礼ながら全く視野に入っておりませんでした。スイマセン。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2020-07-25
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2020-05-10
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2020-04-17
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2019-09-23

ったら、驚くべく嬉しいニュースが飛びこんできました。なんとなんと、存続に動いていた「にいかわ学びの森未来会議」という団体が一般社団法人となり、来る4月1日から施設を解体せずにそのままの姿で文化施設として維持することになったそうな。こちら。
http://www.nice-tv.jp/~manabi-t/
経緯に関しては、維持存続に動いていた会の会長さんの書道家さんがこちらに記していらっしゃいますので、そっちをご覧あれ。
https://manabinomorimirai.jimdofree.com/%E5%BE%A1%E7%A4%BC%E3%81%A8%E3%81%8A%E9%A1%98%E3%81%84/

まずはオープニングのイベントとして、シンポジウムみたいなものをやるらしい。ほれ。
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https://manabinomorimirai.jimdofree.com/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88/

正直、やくぺん先生には一体何があってこういうことになったのか、これからどうなるのか、全然判りません。ただ、あのとんがり尖塔が聳える懐かしい場所は、これからも若い人たちや若くない人たちの学びの場になっていけるようです。

このシンポジウム、覗いてこようかしら。東京春でヒンデミット大会の日だったけど、なんせここ新帝都大川端からなら、シンカンセンでひょいっと2時間切る場所なわけだからねぇ。あああ、魚津、近いなぁ…

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桜の六郷川辺りでアジア音楽祭 [現代音楽]

些か滑稽とは思いつつ、ニッポン社会伝統の長男のお勤めとして親の位牌をお彼岸には仏壇にきちんと納めるという仕事をするために遙々温泉県標高450メートルの盆地まで行って、今、新帝都に戻ってきました。溜池のスタバに座ってるんだけど、ここから数百メートルのニッポン国国会なる場所では、今行われている核保有大国の19世紀型領土侵略戦争に対抗する21世紀型メディア戦争の最前線の戦端が開かれようとしているわけでありまして、この冬の戻りの寒さの中、新帝都は実は戦場となっております。人生の最後辺りに、こんな経験をしようとはねぇ…

さても、この帝政ロシア成立前からの領域紛争にはホントは無縁のアジア圏の音楽家たちが、桜も盛りのトーキョー近郊でこんな春祭りをしようとしておるのを、皆の衆、ご存じであろーか?
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https://www.jfcomposers.net/concert/asian-music-festival-2022-in-kawasaki/
主催は日本作曲家協議会、要は、「現代音楽」系作曲家の集まりですな。で、中身は、上のURLをご覧になればお判りのように、シンガポール、韓国、香港、日本、マレーシア、オーストラリア、フィリピン、イスラエル、などからの作曲家の作品がジャカジャカ演奏されます、ということ。興味深いのは、中国大陸の作曲家の参加がないことなんだけど、何か意図があるのでしょうかね。マジ、あたしゃ、知りません。だってさ、普通に考えれば「日中国交正常化50年」とかいう題目で、あっちこっちからお金だって引っ張り出せるだろうにさ。どーなんでしょうねぇ、こちらの業界では。

作品の形態も、伝統的なオーケストラやピアノ五重奏から、もうなんかよーわからん、というものまでいろいろだけど、基本、電子音的なものはないのかな。出演者は、おいおいおい君はいくらなんでも忙しすぎないかい、と心配になるチェロ君を筆頭に、今の東京首都圏でこの類いの作品を演奏するとなれば顔を出すような若手がズラリと揃ってますね。

面白いのか、こんなの、と訊ねられても、正直、判りません。今やある種のニッチな伝統芸能となりつつある「現代音楽」を、なんとかやっていこうとしている連中がこのアジア圏にもこれくらいいるのだ、ということを知るだけでも意味はあるんじゃないかしら。上野の山は満開の桜の下でメイジャーなもんに酔いしれるのに疲れたら、公園口から上野東京ラインに乗ってわずか30分弱、六郷川越えた向こうにいらっしゃいな。川崎の祭りは、夏だけじゃない。

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音楽祭の孫がゆふいんに戻る [ゆふいん音楽祭]

コロナも落ち着いたわけではない中に、全人類を滅ぼせる量の核兵器を運用する超大国が正規軍で隣国に武力侵略するという、もうこの世の中はどうなっちゃってるのか訳が分からんぐちゃぐちゃな2022年の春のお彼岸、ニッポン国キューシュー島北東部標高450メートルの盆地も春うらうらというわけにはいかず、数日前までの一気に春になった陽気が一転、冷たい雨でも落ちてきそうな曇り空。一斉に咲いちゃった菜の花やら、ちょっと早めに辿り付いちゃったツバメさん達も、なんだかどうしていいか困ったような陽気に、卒業旅行とやらの若い人たちの姿ばかりが駅前に目立っておりまする。亀の井バスのオジサンおねーさんらは、久しぶりの大忙しに殺気だった表情、ううううむ、みんな忙しがり方を忘れちゃったのかしら。

そんな不思議な春の日に、昨年竣工成った由布院町公民館内らっくホールで、松本富有樹ギター・リサイタルが開催されました。
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だれじゃ、それは、とお思いでしょうけど、湯布院町民、ってか、旧ゆふいん音楽祭関係者には言わずと知れた「松本先生んとことのギター少年」でありまする。由布岳の麓、今世紀に入ってからの音楽祭では小林道夫チェンバロ・リサイタルの定番会場となっていたアルテジオに登っていく途中にある歯医者さんちの富有樹くんは、小さい頃から音楽が好きで、お父さんに連れられて音楽祭の会場回りをウロウロしており、高校生になるや音楽祭の実行委員に参加、チラシ撒いたり公民館の演奏会の立込の手伝いをしたりしてた。いつの間にやらギターを弾くようになり、森ひとつ隔てたご近所の小林先生のところで音楽をみてもらったり。あるときからは音楽祭からは姿を消して、どうしたのかと思ったら、どうやら本気でギターを勉強することになったそうでヨーロッパに渡ったという。なんのかんのなんのかんの、レギュラーの夏の音楽祭が終わった後、折に触れて何度か開催された復活「ゆふいん音楽祭」のひとつに、ヨーロッパで知り合った古楽系の仲間を引き連れて参加、駅前で無料演奏をしたり、へえええ立派になったねぇ、とみんな喜んでた。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2018-07-28

そんな松本ギター少年、いや、今や立派な若き古楽系ギターのプロフェッショナルとなった松本青年が、ようやく誕生した由布院町の新たなまともな響きの会場に凱旋、地元での初リサイタルとなったわけでありまする。マンボウが解除された温泉県とはいえ未だ一席空け使用に、満員の聴衆が詰めかけたのは当然のことでありましょうぞ。

演奏会は、前半は古典派時代のギターと、バロック時代の古いギターを用いた独奏。正直、バロック楽器はこの会場で大丈夫なんだろうかとちょっと心配だったんですけど、なんとなんと、このゆふいんラックホールなる今時の公民館併設ホール、一昔前の「室内楽専用ホール」とも遜色ない(とはいえ、80年代後半永田音響型の残響些か強すぎ系ではない)空間、人口1万人の町相当の小規模総合施設とはいえきちんと遮音もされほぼ完璧な静寂が作れるアコースティック音楽用の施設ですから、物理的には小さめな音でも少し座っていればやがて耳が勝手に繊細な響きも拾うようになり、そんな作業の邪魔になる騒音は完全にシャットアウトされてる。なんでそんな当たり前なこと言ってるのか、と不思議がるでしょーがぁ、なにせご存じの方はよーくご存じのように、先月から解体作業が始まった向かいの懐かしい旧公民館ったら、遮音なんて夢のまた夢。向こうの小学校から太鼓の練習は聞こえるは、空調入れれば轟音がするわ、って世界だった。おおおお、こんなほんまもんの音楽ホールがこの盆地の田舎町に出来、そこで育った若者がこんなに微妙で繊細な響きを奏でるのをしっかり受け止め、座っている善男善女の耳まできちんと届けてくれている。もう、音楽祭古参のじじばば共は、涙が出そうでありまするよ。

正直、数週間前に福岡の湘南、今や由布院を凌ごうという勢いの盛り上がりの観光地たる糸島のコンサートスペースでも松本青年はバロック・ギターを披露してくれたんだけど、小さな空間ながらやはりこのヴァージナル規模の音量の楽器の真価を万人に伝えるのはちょっと厳しいかなぁ、と思わざるを得なかった。空間的には圧倒的に大きな会場ながら、なんの問題もなく聴けんだから、こりゃもう驚きと言っても過言ではないであろーぞ。

で、後半は、音楽的には「近くに住んでるおじいちゃん」小林道夫先生が登場。昨年のホールオープニング以来の懐かしい公民館ピアノを使い、ギターとの二重奏です。スイマセン、今回は主催が「ゆふいん音楽祭」ではなく松本氏個人、松本氏のFacebook写真からいただきましたが、クレジットが判らなくてスイマセン。
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フンメルの《ドン・ジョヴァンニ》なんぞが登場するポリプ作品と、なんとなんとロドリーゴ《ある貴紳のための幻想曲》をピアノで、という意欲的なラインアップ。前半にはバロック楽器を用いてロドリーゴが協奏曲に用いたサンス作品を聴かせる、というなかなか凝った趣向で、ギターという楽器の時代を超えた響きを網羅したわけです。

昨年暮れの上野の《ゴルドベルク変奏曲》キャンセル後、恐らくは初の復帰舞台となった道夫先生ですが、あくまでも主役は孫ほども歳が離れた若者で、ある意味で繊細すぎる響きの楽器をしっかり立てて、ピアノがギターを圧倒することは絶対にない精妙さ。文字通りの好々爺っぷりでありました。

本日の演奏会、我らが音楽祭の孫の凱旋というだけではなく、このゆふいんらっくホールという新しい空間がどういう可能性があり得るか、いろいろ考えることも多かったです。音楽祭の真の意味での世代交代も、やっと少しは見えてきたかなぁ、とも思わんでもなくもないし。ホールそのものも、大友宗麟後の隠れキリシタンという土地柄といい、古い時代の音楽再現には格好の場所とされる可能性はあるなぁ。なんせ、意外といっては失礼ながら、古楽の伝統が半世紀以上の長きに渡りしっかり存在している九州北部地域ですから。

なお、道夫先生登場予定の「ゆふいん音楽祭2022」に関しましては、数日中に当無責任電子壁新聞でも珍しくも責任を持ってきちんと発表いたします。乞うご期待。

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ボルドーまで2ヶ月切ってる… [弦楽四重奏]

世の中の動きに付いていけなくなっている年寄り、先頃、某若いバリバリの関係者の方と話をしていて、ボルドー大会が5月で、なんのことないあと数週間じゃないか、と今更ながらのように想い出さされた。当然ながら、もう参加団体の顔ぶれは出ていて、ほれ。
https://vibrefestival.com/en/2022-competition/applicants/

おおお、すっかり島流しながら、2年以上のブランクはあれどギリギリ判っている顔ぶれが並んでおるなぁ。なんせ、純粋ニッポン代表がひとつ、それに列島のファンみんな注目のヴィオラさんが加わる団体もある。審査員も、世代からして知り合いだらけだし(あと数年もすれば、審査員すら知らない顔ぶれになってしまうだろー…)。いかな引退宣言をしたとはいえ、これくらいは眺めに行かないとマズいとは思いつつ…

なにしろ日程は5月9日に一次予選が始まり、14日には結果が出る、というもの。ってことは、インテグラの若者達は鶴見の演奏会が終わったら直ぐに国を出る、ということですねぇ。今の情勢で連休明けくらいって、ヘタをするとトルコ経由は黒海上空が飛べずにダメ、ゴビ砂漠から世界最高峰の辺りをかすめ、アフガン南から中東に入り乗換え、サウジアラビア上空から直接地中海に出てボルドーに向かう、ということになるでしょう。まあ、1970年代の南回りを考えれば、それもまた懐かしい、というだけのことなんでしょうけど、正直、年寄りには体力的にキツいなぁ。それに、今はANAさんは最安値で20万4600円也。2019年までの常識なら、連休明けの日本初は厳冬期と並ぶ閑散期で、貧乏人席ならこの半額程度で行けるのが常識だったのに…このお値段、金になる仕事が殆どなく、当然この取材の原稿で元が取れる筈もないフリーの貧乏な隠居爺ではとてもじゃないが払える額ではないなぁ。

ま、世界ややくぺん先生がどうあれ、ボルドー大会は開催され、育つモノはどんどん育っていく。それをどうやって眺めるか、はたまた、もう眺めないか。うううううむ…

あ、この日程、現時点で予定されているゆふいん音楽祭と重なってるじゃないか!なんてこった。

[追記]

エティハドのアブダビ乗換え、ドゴール着で最後はドゴール地下駅からサン=ジャン駅までTGV、なんのかんの乗り継ぎでまる2日以上、という奴なら、最安値で込み込み85120円也。うううむ、これならなんとかなるか、と思ってしまうのはまだやれる証拠か、歳を考えないアホの自殺行為か…。ちなみにティハドのビジネスで同じ道程だと、ANAさんの貧乏人席よりちょっと高いくらいじゃのぉ。

「たびの空」カテゴリーになっておるわぃ。エミレーツさんも調べてみるか。

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今年のながらは小さな小さな音楽祭です [ながらの春音楽祭]

ものすごくローカルなネタです。

クァルテット・エクセルシオの春の音楽祭として展開してきた千葉県は長柄町の「ながらの春音楽祭」、なにせもの凄く密な状態での小さなフェスティバルですので、コロナ勃発後の一昨年、昨年と当然のことながら中止にせざるを得ませんでした。本年も、戦争でまるでコロナ禍が終わった空気になりつつあるニッポン列島ながら、真面目に考えればこれまでの「密」なコンサートスペース型ではとても安全に開催出来る状態ではない。

さても、どうなるのかしら、と思っていたら、以下のような連絡がありました。まんま、チラシを貼り付けます。
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んで、これが裏面。
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エクの参加はなく、あくまでも会場となっていた長柄町のローカルな、小さな春の午後のイベントです。エクのチェロ、大友さんが参加し、「準エク」のような形で関わって下さっているお馴染みの顔ぶれが並んでいますね。

会場は、恐らくは桜が咲き乱れている頃の千葉の山の中。密を避けた、半分オープンのような空間だそうです。ま、上野の山のようなビールの匂いが蔓延する密状態ではないでしょうから、ノンビリと咲き誇る千葉の桜を眺めたい方は、是非どうぞ。

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