SSブログ

クロノスが来ないならクセナキス! [現代音楽]

夏の名古屋のケージ《ユーロペラ3&4》に始まり、9月末から10月頭にかけては久しぶりの来日となるクロノスQのライヒやらクラムやら三昧、10月の第2週末は日本では天王洲アイル開館以来の日本での上演となる横浜でのグラス《浜辺のアインシュタイン》新演出上演、そして月末には大阪で同作品の日本で考えられる最高メンバーを揃えた音楽面に割り切った上演と続き、やくぺん先生はその足で再び欧州に渡って来年2月に池袋で上演されることはなくなってしまったシュトックハウゼン《光の金曜日》上演で生まれなかった子供の歳を数える、って「ゲンダイオンガク」の古典目白押しの筈だったコロナ明け鎖国も終わった2022年秋だったわけでありますがぁ…

関心のある皆様はもうとっくにご存じのように、数日前には「日本国入国に問題が起き…」という理由で昨日から始まる予定だった京都での公演などがキャンセルになっていた。何があったか知らないが、月末の首都圏での公演はやれるんだろうねぇ、とノンビリしていたらぁ、昨日には「結局、全部中止になります」という悲痛な案内がありました。

その辺のコンサートスペースのオッサンおばちゃんが個人で招聘しているならこんな笑い話みたいなこともあるのかもしれないけど、きちんとした大手音楽事務所のお仕事で、こんな様々な仕掛けが準備されていた日本ツアーがギリギリになって法手続きで入国出来ずにキャンセルなんて、前代未聞じゃないかしら。何が起きたか、いろんな噂は渦巻いていますが、温泉県盆地の田舎者爺にはわかりゃしない。ホントの事は永遠に判らないのかも。

ま、そんなこんなで落ち込んでいらっしゃる皆様、じゃあ、これにいきましょう。クロノスがあるんでこっちは涙を呑んで諦めた、という方も多いんじゃないかしら。こちら。
https://www.kunitachi.ac.jp/event/concert/college/20221001_01.html
内容は、こっちかな。
20221001.pdf
今年は記念年ということであれやこれや上演されているクセナキスですけど、この第1部で演奏される電子音作品は、殆ど耳に出来ないものです。この日を逃すともう聴けない、ってもんですから。

秋のゲンダイオンガク古典シリーズとすれば、誠に相応しいこの作品、期待して秋を迎えましょうぞ。

[追記10月1日]

この日、何故か我が狭い業界でライターが人手不足で、夕方5時開演の紀尾井ホールでの演奏会のレポーターが調達できず、どうしてやってくれ、と某編集部から泣きそうな連絡があり、まさか「娯楽でクセナキスに行くのでダメ」とは言えず、前半の電子音楽《Lの物語》だけを拝聴し、慌てて玉川上水からモノレール乗って立川に急ぎ、特快で四ッ谷まで走ってホールに駆け込む、というオソロシーことになってしまいました。いやはや。
IMG_5543.jpg
んで、後半の殆どライヴで聴けないアンサンブル作品群は涙を呑んだのですけど、ともかくこれまた余程の条件が揃わないとライヴで聴けないし、ライヴで聴かないと全然判らん電子音の大作だけにふれたんですがぁ…

これ、結論から言えば、「簡易版《ペルセフォネ》」でした。無論、音楽の中身は遙かに判りやすく、冒頭の秋の夜の田圃で虫が鳴いてるような冒頭から都会の大喧噪に、なりまた田圃の夜に戻る、みたいなストーリーもはっきりしてるノイズアンサンブルでした。こういうもんが文献だけでなく耳に出来ただけで、ホントに有り難いです。電子音の古典って、聴けるときに聴いておかないと永遠に文献だけの幻の作品になりますから、無理をしてでも機会は捉えておかないとね。

nice!(0)  コメント(0)