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夏のたび道険し [たびの空]

世間で何が起きようがわしゃ知らん、どーでもいい暇つぶし話ですぅ。

標高450メートルほどの温泉県盆地に月の半分程滞在するようになりはや8ヶ月と少し、10日ごとに東海道から関西、瀬戸内を見下ろし福岡帝国首都ど真ん中空港か、はたまた国東半島先っぽ空港へと通うGoogleマップさん曰く片道955㎞で徒歩なら8日間という遠距離通勤生活をしてまいりました。

こんなことが可能だったのは、ひとえに10年前にニッポンの旅のそらに大革命を興してくれたLCC格安航空会社さんたちの存在故であります。ありがとうございます。

例えば、きちんとデータを採っていないから正確なことは言えぬが、昨年11月末のオフィスリフォーム完成から今に至るまで、通いまくった20数回ほどのホンシュウ縦断通勤路の交通費で最安値だったのは、たぶん…

東京駅八重洲口発成田空港行き激安バス1300円
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ジェット★特別セール成田大分価格諸手数料込み1390円
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大分空港由布院バスセンター直行バス回数券1回1300円
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以上総計3990円也

って道程かしらね。

とはいえ、流石にこれは例外中の例外で、「ジェット★10周年特別大セール」がたまたまコロナ患者再増加のタイミングで、普段なら開始早々に瞬間蒸発してしまうタダ同然の激安チケットが買えてしまった、というラッキーがあった特殊例。激安の指標に出来る額ではありませぬ。なんせこの便、当初購入した便が客が少な過ぎだったらしく、ジェット★さんが勝手に間引いて運航キャンセルにしてしまい、便の変更を迫られた。おかげで、どこに居るのか判らぬ担当者とやっと繋がったライヴチャットをし、あれやこれや半日くらいかけて前日便への振り替え手続きをせねばならなかった。「お客様は神様」扱いしてくれるANAJALなんぞではありえない、「乗客とは自分で勝手に動ける手荷物」というポリシーで運営されているLCCっぽい、乱暴極まりないストーリーがありましたです。いやはや。

ま、それはそれ。現時点でのLCCでのホンシュウ島半分縦断最安値の目安は、チケット額面だけで21世紀のニッポン国中央銀行発行紙幣女性偉人枠分1枚分くらい、というところ。これに発券手数料、クレジットカード使用料、空港税などなどが最低でも1500円くらい上積みになってくる。更に荷物が7キロを超えるなら預け荷物を買わねばならず、これが最近値上がりして2300円くらいが最低かな。そんなこんなで、大雑把な感覚としては「成田大分LCC片道は荷物無しで7000円弱くらい」ってとこかしら。乱暴に言って、東京都内から長野やら浜松やら長岡やら福島やらくらいまでの新幹線普通車程度のお値段でありますな。

そう考えると、コロナ禍後の今時なら、これらの場所から週に3回くらい丸ノ内のオフィスに通ってる遠距離通勤者など、さほど珍しくはないでしょ。ま、ここ温泉県盆地オフィスは半島先っぽ空港からが思いっきり遠いし、最寄りJR駅バスセンターから徒歩25分、200円也のコミュニティバスは週に2本(1日2本、じゃありませんっ!)という別の問題があるが、こればっかりは田舎なんだからしょーがないわなぁ。

※※※

そんな生活を続け、今や由布院駅バスセンターの亀の井バスチケットカウンターのおばちゃんやにーちゃんにすっかりメンツが割れてしまっているやくぺん先生にとっては、これからの1ヶ月半ほどは極めて厳しい時期となるのでありまする。そー、言わずと知れた「夏休み盆休みのハイシーズン」なのじゃよ。

この時期、我ら貧乏人のヘルメス神たるLCC様ったら、お値段を思いっきりアップしておられる。お盆を中心にした8月1週終わりから3週くらいまでは、成田落花生空港からホンシュウ島半分を縦断し福岡、佐賀、大分、長崎、熊本などのLCCが入っている空港まで連れて行ってやるには、最低でも基本料金で€100くらいは払っていただけないとうちだって困る、って仰る。だってね、あんた、他をご覧なさい、この時期に青でも赤でもあんたを客扱いしてくれる航空会社ならお安くても€250ですよ!え、JR東海&西日本&九州さんですか、ANAさんなんかと同じくらいでしょーけど、6時間の長旅、無事に座れると良いですねぇ…

つまり、夏のホンシュー半分縦断は、普段の倍以上値段がかかる、ということじゃわい。

てなわけで、当初の予定では、この木曜日に新帝都に戻ってなんのかんの10日ちょいくらい過ごしたら、バカ高値になる前ギリギリのところでキューシュー島に舞い戻り、来月末に松本の祭りが始まるまでずっと温泉県盆地に蟄居するつもりでおりました。草むしりしながら、いよいよ未だ手付かずのCDなんぞソフト類の整理をするかぁ、ってね。

そしたら、なんということでしょー、8月1日に大阪に行かねばならぬ用事が出来てしまった。居並ぶ偉い先生方の都合で、某団体のイン・パーソンでやる会議がどうしてもこの日しかダメとのこと。うううむ、しょーがないなぁ、じゃあ帰りは温泉県に戻らずトーキョー湾岸大川端に行き、ミューザの山本直純大特集を眺めてくるか。んでもてキューシュー島への戻りは、東京駅を5時に出てもチェックイン時間に間に合うのはギリギリというLCC始発で福岡板付へ、なぁんとなんと、朝一のLCC最安値でも中津の偉人越えでありますっ!うううむ…

それだけで済むかと思ったら、なにをとち狂ったか8月13日なんてお盆大移動の真っ最中に、遙か名古屋でケージの《ユーロペラ3&4》をやるという。この作品は演奏時間指定が2時間ときっちりあるので何時に終わるか判らんという困った事態は起きず、細かい移動のタイムラインは組めるとはいえ、選りに選ってニッポン列島の移動に最も費用がかかる日でありますぞぉ!

往路は福岡板付空港からラッキーなことにお誕生日割引きを用いて富士夢航空さんで小牧までひとっ飛び出来たんだけど(それでも特別割引きで€100くらい、閑散期最安値の倍以上)、問題は温泉県への復路。どうやっても安くするまともな方法はないようじゃ。こうなったら仕方ない、松本往来なんぞで用事がないとはいえない青春18きっぷと一部区間新幹線ワープの合わせ技、という体力の無い爺には禁断の方策を真面目に考えている次第。朝の5時半に名古屋駅を出て、由布院駅到着は終電でありまする。無論、前日に終演後に名古屋駅を出て、なんとか姫路くらいまで引き返し、駅前で新幹線一区間分くらいの安宿に泊まり、というもう少し軟弱な手もあるんだけどねぇ。

え、名古屋博多の深夜バスですかぁ…ゴメン、数週間前に大阪博多を久しぶりに深夜バスに揺られ、もうこれは無理であるなぁ、と、どうでしょう聖地壇ノ浦サービスエリアで背伸びしてみる海峡に己の衰えを呪ったばかりでして…
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夏のたびの空、ハードル高し。そしてその向こうには、いよいよ2年と10ヶ月ぶりにこの列島を離れるババリア王都訪問が待っている。

コロナ後の世界、たびの道はまだまだ険し。

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北の島の飛ぶものたち [たびの空]

ニッポン列島南のキューシュー島を本格的に準フランチャイズ(?)とすることになって半年と少し、関西は10日に一度くらい飛び越える場所、東北以北はまるで異国の地となっていたやくぺん先生、どういう風の吹き回しか皐月晦日から水無月頭にかけて、遙か北の果てロシア国境は蝦夷の島に立て続けに足を運ぶことになった。なにせ今時、やくぺん先生の移動は貧乏人御用達LCCが前提で、皐月晦日は板付から千歳などというロンドンからアフリカ北端はチュニスとかカサブランカくらいはいけそうな距離をヒョイッと飛び越え、翌日に新帝都は千葉空港に戻る。んで、昨日は湾岸佃を朝っぱらに出て旧葛飾オフィス最寄り駅で乗り換え、また千葉空港から千歳の原に至った次第。欧州各地でオペラを観まくるのがお仕事だけど今は全然やれない某先生曰く、「まるでヨーロッパに居るときの日程ですね」。ま、仰る通り。財力の方は様々な貧乏人のトリッキーな方法で処理があり得るとしても(なんせ今週末には久々の関西福岡深夜バスという貧乏人の切り札まで出さねばならぬ…)どこまでこんなバカな移動生活に体力が持つのやら。

そんなこんなの移動続きの水無月、当無責任私設電子壁新聞、すっかり閑古鳥状態になりそうでありまする。たまに生存証明をアップするでしょうが、パソコンでしかアクセス出来ない状況故に、細かい雑事はfacebookの方をご覧あれ。こちらはアーカイブ用、って棲み分けになって来ましたねぇ、昨今は。

で、どーでもいい生存証明ネタ、「動物たち」シリーズです。無茶な日程の中、朝の数時間だけ空いた梅雨のない札幌となれば、空自鷲の塒たる千歳の原に向かう前にせめて豊平公園の小さな飛ぶ方々に挨拶くらいはしたいものじゃ。今や上野のパンダに匹敵する大産業に成長しているシマエナガさんに遇いたい、などとは言わんけどさ。

かくて、昼の便にはまだまだ早い通学時間帯に中島公園脇の安ビジネスホテルを出て、豊水すすきの駅から10分程地下鉄に潜り、地上に出れば、そこはこの街の小さな飛ぶ方々のオアシスじゃ。ほれ、まずはいきなりお迎えでつつぴぃ。
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なにせ今は飛ぶ方々も産めや増やせやの子育てハイシーズン。シジュウカラ母さんも、御飯抱えて腹ぺこの子供らのところにすっとんでくつつぴぃ。

子育てはせんのか、それとも巣立って数週間でまだ世界が珍しいのか、ナラの森の中ではハシブトガラさんがチュウチュウ追いかけっこ。
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冬とは違い緑萌え出る季節、小さなお姿発見はなかなか大変でちゅん。

おっと、チュンチュン騒いでるのは、やっと跳び始めたばかりの雀っ子でちちち。
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生きやすい街なのか知らんけど、頑張って生きてくれたまえ。

さっきから高い古木の上の方から、もの凄い声で叫んでる奴がおるわい。おおお、アカゲラさんが息子育成中のおうちの隣に、コムクドリ一家がお住まいのアパートではないかキーキー!
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お隣は御飯貰ってるのに、お腹減ったきっききっき!ったら、はいはいわかりましたよ、とアカゲラかあさんが返ってきたぞ。
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まだまだ食い足りないアカゲラっ子、もうお母さんよりも大きいんじゃないか、こいつ。

ちょっと通り抜けてだけでも、たくさんの小さな飛ぶ方々が一生懸命動き回ってる小さな森を抜け、バスで延々と機械鳥のでっかい巣に至ったら、目の前を轟音を響かせて空自鷲が北の空に駆け上っていく。
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おおお、なんとなんと、遙か琉球の海からのヴィジターではないかぁ!

夏の初めの北の島、飛ぶ方々は、みんな元気。

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ミュンヘン厄遍庵再訪決定! [たびの空]

新帝都滞在中はもう温泉県の田舎では不可能な若い連中のゲンダイオンガクとかアヤシげなもん中心にギュウギュウ演奏会を詰め込むので、連日昼からどっかの会場に足を運ぶことになり、締め切りがパツパツの作文仕事をやる物理的時間が全くなくなってくる。ホントはこんな電子壁新聞なんてやってる暇は一万分の一秒すらないのだが、関係者の皆様への報告でもあるので10分で処理します。

さても、昨日来どうするかいろいろ悩んでいたオクトーバーフェスト前のババリア王国首都訪問、諸事情を考慮し、これはこの先のキューシュー島拠点に余生を過ごすやくぺん爺さん、はたまた隠居として第一線連中のバックアップが役回りのやくぺん先生とすれば、この瞬間に老体を出さないといつ出すんだ、という状況。なんせ、参加を許された19団体中の5団体が我が温泉県盆地から最も近い巨大音楽消費都市ソウルが拠点、更には3団体が遙かニッポン国の帝都トーキョーが拠点という連中。正直言えばトーキョーの状況なんてどーでもよくて、それより「キューシュー島北部から東アジア世界を眺める」という意味でニッポンの1980年代終わりみたいな若者達の弦楽四重奏ブーム炸裂している半島の現状を知るためには、遙々シベリア越えて(越えられないが…)、お高い€の帝国に足を踏み入れる必要があろーに。

で、行きます。9月1日午後成田発のエティハド78の9でヒマラヤ越えてアブダビに深夜前に到着。日付が変わった午前2時過ぎに最新鋭78の10でアラビア湾からイラクシリア、危険な黒海を遙か右手に眺めながらハプスブルク帝国飛び越えてミュンヘン郊外に朝の7時前。そこでどんな検疫やらあるかわからんが、まあなんとか空港出てDBで30分、東駅でえっちらおっちら下車し、西口前のトラムに乗り、あら懐かしや、2019年7月以来の我が定宿ミュンヘン厄遍庵に昼前には辿り付き
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荷物投げ込んで直ぐに地下鉄で20分、なんとか一次予選初日午後のセッション開始に間に合うように、音楽院のまぁるいホールに走り込む。

あとはもう、現時点で19団体といわれているけど、恐らくは多くても13,4団体くらいにまでは減っているだろうとはいえ今時の弦楽四重奏国際大会としては異常な多さのセッションを淡々と眺め、定宿向かいのスーパーで10日間€300くらいの食材を購入しミュンヘン滞在定番の豚肉ビール煮込みを寸胴いっぱいに作って延々と喰らい、昼はそこから作ったお弁当。窓を開ければ朝は裏の教会に住んでるリス君が走り回り、向かいの老夫婦が出しているシジュウカラアオガラ・レストランにやってくるアオちゃん達の意外に図太い声に癒やされながら、10日間の弦楽四重奏漬けの日々が過ぎ…

うううむ、現役復帰、って感じだなぁ。

弦楽四重奏本選の翌日はピアノの本選があるので、こっちの方が余程商売になるからホントは眺めるべきなのだけど、どうやらこの日曜日を過ぎると宿がオクトーバーフェスト価格にシフトするらしくこの1泊延長で€200近くお高くなるので、11日朝にはさっさと退去。8時前には宿を出て、またトラムで東駅まで向かい、えっちらおっちら空港行きに乗り換え、昼前に再びアブダビに向け離陸。なんのかんので親父とお袋の墓を上空から眺めつつ成田に戻るのは、12日の午後になります。この日程が順調に進めば、翌日の鶴見でのプレトーク司会も、入国検疫などで時間がかかっても大丈夫でありましょう。

現状の各団体がちゃんと来るのなら、総経費割の各団体辺り経費単価が€100を切るくらいですから、ま、なにをどうやっても赤字仕事であることは確実ながら、思った程無茶な経費負担ではない(なんせ来月のフェニックスホールのプラジャークQは1公演で€50ですからねぇ、溜池室内楽お庭のホントに来るのかアトリウムQだって貧乏人席で€25くらいなわけだから)。なにより、非難囂々の発言になるのは百も承知で言えば、やくぺん先生、もう日本の若い団体にはそれほど関心はありません。ま、それはもう若い方々がちゃんと追いかけ、付き合えば良い。それよりも、韓国や中国の若い団体を5つ6つ纏めて聴ける有り難いチャンス。恐らく彼らは「ミュンヘン」だから来るんであって、大阪やらメルボルンやらには来ないだろうから、ここまで纏まって聴けるなんてそうそうないだろー。お願いだから、みんなちゃんと来てくれよぉ。参加団体が減る度に単価あたり諸経費が高騰するんだからなぁ!

それからもうひとつ。この大会、セミファイナルとファイナルのプリンツオイゲンテン劇場で恐らくはやくぺん先生に出てくるであろうプレス席の前の列にズラリと審査員連中が座ることになるから、クライヴからオリーから、もう雑談相手にはことかかない。ってか、向こうもストレス溜めてるから、どんなヤバい話をしてくるやら。それに、これだけお隣の半島出身の連中が来ていると、当然、ソウルからノブースのマネージャーも来るだろうし、ノブースのヴィオラくんとか絶対に会場にいるだろう。ジメナウアーの若い現場連中もいるだろう。そんな連中に「やくぺん先生引退しました、これからはこいつに連絡してね」とふれて歩くのに、これほど便利な場所はない。俺はもう来ないぞと言うために行く、ってのもアホな状況だなぁ、とは思わんようにしましょう。

てなわけで、9月のミュンヘン、行きます。石武新オフィス厄遍庵には、久々に大量のアヒルたちをリクルートして連れて戻るという大事な仕事もあるしさ。

その頃には、世界が核戦争で文明社会が消滅している、なんてことになりませぬように。

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大村の教会に松原節が響く宵 [たびの空]

長崎県の空の玄関、浅い大村湾に築かれた日本初の人口島空港から長ぁい橋を渡り、かつての空港が海自鷹基地とショッピングモールになってる横を抜け、長崎新幹線開業にノー文句で沸く大村市内は大村線駅前でバスを降りると、なんだかどっかで知ってるような街の佇まい。あ、そーか、駅前に昔は栄えていた大きなデパート風ビルが使用中止で廃墟になり(どうやら大村バスセンターだったらしい)、駅前広場右手向こうの方に我が軍のマシン飛蝗がグルグルまわってる騒音が響き、姿がちっちゃく見える、その向こうに民間機が降りていく…これって、完全に木更津駅前じゃんかぁ。

ガランとした駅前からもはっきり見える駅前ホテルに向けてズルズル荷物引っ張って歩き、とにもかくにもチェックイン。フロントの素敵な長崎弁のべっぴんさんに、Googleマップさんに拠れば海側の部屋からなら見えるはずの本日の目的地たる教会への行き方を訊ねれば、ああ幼稚園ですね、とかえって面倒な裏道を教えてくれそうになるんで、なんとかなりますと慌てて話を引っ込めるのであったとさ。

用意して貰った湾に向いた西日が入る側の部屋、バッサリとは開かない今時の窓をギリギリまで開いてすっかり桜も終わりかけのキューシュー島北西の春の空気を入れると、一緒に湾の方から海自鷹くんのお馴染みのキュンキュン声も流れ込んでくる。佐世保呉派遣部隊の海自鷹くん、新年度最初の月曜の午後から、遙か東国の相模国は甘利事務所上空辺りでぐるんぐるんやってるのと同パターンの訓練飛行を繰り返してら。
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真面目なんだよなぁ、この島の闘う公務員さんたちって…

※※※

ここ大村には、どういうわけか知らんけど、長崎県で唯一のプロ合奏団たる長崎Omura室内合奏団が存在し、認定NPO法人として活動しております。オケ連は準加盟だったかな。
https://www.omurace.or.jp/
いろんな事情があるんでしょう、ゲストのリーダーというか、指導者として招かれているのが、我らが上野の杜の室内楽科主任、松原かっちゃんなのであります。本日は、松原氏率いる室内楽の演奏会が市内の教会で開催されるのでありまする。コロナ禍で全く開催出来ず、2年ぶりとのこと。
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極めて真っ当な弦楽四重奏の演奏会で、頭に松原氏が座って、いろいろ仕掛ける。今回は松原氏がセカンドになったり、ヴィオラを持ったり、ということはない。聴けば、練習というかここに至るセッションは3日間とのことで、参加出来る弦楽器メンバーは限られているとはいえ、ま、こういう形になるのでしょう。1週間とかをひとつの楽譜でいろいろ弄る、というのならいろんなこともあるんでしょうけど。

とはいえ、松原氏の室内楽をご存じの方はご想像がつくように、普通の意味で「合わせる練習」とか「合奏の精度を上げる」というのが目的ではありません。バッハやらショスタコやらメンデルスゾーンの楽譜に、どのように対して行くか。合わないなら強引に合わせるのではなく、合わないのになんか意味があるのだろう、と考えてそれを探っていく、というセッションが展開されたのでしょう(無論、それを見せようなんて下世話なもんではありません)。ですから、極端なことを言えば、本日披露されたのは「練習の結果の完成品」ではなく、「何日か、何度かのセッションを重ねてきたメンバーが本日この瞬間に何をやるか」というもの。端正に纏め上げたアンサンブル、とかとは無縁の、この瞬間に4人なり5人がなにを感じるか、それがどこまでちゃんと音になるか、という音楽が繰り広げられたわけでります。

幸いにも、会場となったこの大村の街の真ん中の教会、なんてこと無い空間だけど、とても響きが良く、それぞれがやりたいことが良く判る。こういう場所があって、ホントにいいなぁ。今時の新帝都の都心なんかには、案外、こういうさりげなくちゃんとした教会空間って、ないんですよねぇ。

ちなみに、この合奏団の理事をなさっているのは、地元出身のこの方。あ、なーるほど、そーゆーことね、とお思いの方もいらっしゃるでしょ。
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https://www.amazon.co.jp/%E6%9D%91%E5%B6%8B%E5%AF%BF%E6%B7%B1%E5%AD%90%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%81%AE%E6%99%82%E4%BB%A3-%E6%B1%9F%E5%8F%A3-%E6%BA%80/dp/4904561430
皆さん、お元気ですかぁ、って。

春の宵、長くはないけど熱い演奏が終わって外に出れば、教会堂の向こうに新月も近いイースター前の月が、大村湾の方へと沈んでいく。
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いろんな場所で、いろんな音楽が鳴っている。まだまだ、眺めて歩かにゃならん場所は、いっぱいあるぞ、このキューシュー島。

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急な新帝都滞在 [たびの空]

キューシュー島首都福岡帝国のメイン鉄道ターミナル博多駅から地下鉄で一駅、東比恵駅のホームで始発の板付空港行きを待っております。
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なぜかこの時間にホームのベンチには朝一で働きに行くオジサンねーさんではなく、どうみても10代から20代の若いにーちゃんねーちゃんが半ダース程、みんなスマホ眺めて静かに座ってます。

21世紀も20年代、グーテンベルク以降最大の情報革命が勃発してから初の「世界を滅ぼす最終兵器を実際に運用している国家が、核による均衡以前の20世紀以前型領域国家として正規軍運用による近代国家以前タイプの隣接国併合目的の武力侵攻」が始まってからの10日程、SNSを舞台にこんな個人無責任電子壁新聞すらも利用しようとする情報戦が展開される世界となっており、誰ひとりその現実から逃げられない状況になっているのは、既に0年代半ばから「書いてあることはみんな嘘、信じるなぁ」をモットーとしていた当電子壁新聞を立ち読みになってるような酔狂な方ならお判りでありましょうぞ。

「個々人に発言を躊躇わせ、沈黙させる」というのも重要な情報戦の目的であるとは重々知りながらも、結果的にその意図に填まらざるを得ないのが我々庶民。かくて、当電子壁新聞も「戦時下沈黙」を強いられておりました。

てなわけで、そういう部分には敢えて一切触れず、のーてんきな生存証明だけを記させていただきます。

温泉県標高470メートルの盆地と新帝都大川端を二重拠点にする生活が本格的に始まってはや半年。夏が過ぎ、リフォーム真っ最中で紅葉の美しさを一切眺められなかった秋となり、雪の中でつぐみん軍団がパーシモン・ゲートから落ちまくった熟れた柿の実をつつきまくる冬もやっと終わり、庭の梅の木もやっとほころび、桜の木の天辺でホオジロさんが領域宣言を始め
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由布岳眺めるオフィスの庭を縄張りとするジョビ子さんもそろそろシベリアへの帰宅準備を始める弥生始めとなりました。

なんとか春のお彼岸までには図書室整備を終えて、本の段ボールが積み上がった床の間の仏壇に千葉の妹のところに預かって貰っているオヤジとオフクロを連れてこないとなぁ、と思っていたら、一昨日、新帝都郊外は府中から叔父の訃報が飛びこむ。家が東京郊外三鷹市の特殊収容施設たる某学校から近かったこともあり、まだ嫁になっていないお嫁ちゃまと盛んに訪れては散々ただ飯を喰わせて貰っていた方とあっては、家族葬とはいえ三親等、これは行かないわけには参りませぬ。で、昨晩、図書館立込作業もそこそこに、盆地駅前バスセンター午後5時発の博多行き最終バスに飛びこみ、駅前の最安値ホテルで数時間仮眠。5時起きで今に至り、7時板付空港第1便となるANAさん、コロナ禍が始まってから初めての久しぶりの78さんに詰め込まれ、新帝都に向かいまする。

なお、新帝都滞在は実質19日まで。10日も大川端縦長屋に寝泊まりするなど、盆地の新オフィスのリフォーム終了後は初めてのことでありますな。

となると、もう温泉県盆地では不可能なライヴ纏め聴き週間となるわけで、現時点で出没予定となっている場所を列挙すると…

10日:浜離宮高橋悠治
11日:紀尾井諏訪内祭現代物特集
12日:芸劇読響&パスカルくん
13日:オペラシティ諏訪内ブラームス祭パート1→オーチャード東フィル&プレトニヨフ
14日:鶴見エクショスタコ
15日:台東区ミレニアムホール會田瑞樹
16日:紀尾井葵トリオ
18日:早稲田トーキョーコンサーツラボ山澤松平特集
19日:神奈川県民ホール日本フィル&大植えーちゃん

なお、17日から19日はインタビュー仕事の日程がまだ決まっていないため、確定ではありませぬ。

ええ、さらっとさりげなく流してありますけど、15日上野で予定されていた《バビ・ヤール》が同じく上野近辺の會田さんになってます。昨日夕方前に、公式にアナウンスがあったようです。
https://www.tmso.or.jp/j/news/16434/
ううううむ…ううううむ…うううううううううむ…

ちなみに、13日のウェールズQは第1ヴァイオリン氏のコロナ感染で延期。東京春音楽祭もチケットを発売している演奏家で現時点でコロナ感染だか陽性だかで欧州で隔離中の方がおり、ご本人もtwitterで事実を発信しております。まだ音楽祭から演奏会中止のアナウンスはありませんが、肺や呼吸器がやられるとダメな楽器なだけに、音楽祭最後の辺りの日程とはいえ体調を戻し練習を再開し北極だかシルクロード周りだかの半日を越えるフライトを経て日本に至り、無事に本番を迎えられるのやら…まだこれからの方ですから、将来を考えると無理をなさらない方が良くも思えるのですが、こればかりはご本人と主催者の判断ですからねぇ…

そんなこんな、お急ぎの方は上述の場所で田舎者やくぺん先生をライヴで捕まえられますので、よろしくお願いしますです。さて、動かねば。黒服がないので、通常ジャケットで葬式参列の田舎者、まだまだ新帝都は1000キロ彼方。

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江ノ電と進駐軍のない湘南~糸島無宿 [たびの空]

新帝都で武満前衛時代の鮮烈な響きを浴び、琵琶湖畔で聖なる愚か者の大冒険を純粋音楽として拝聴したあと、温泉県盆地に戻るべく福岡帝国大空港に到着したところ、ちょいと離れた糸島というところで明日、ゆふいん音楽祭の孫とも呼ぶべき青年がバロック・ギターを弾くという。キューシュー島首府から遙か山の彼方の盆地まで行き、また翌日戻ってくる交通費を考えると、大都会に無数にある安宿に泊まった方がお安いじゃあないかい。ってなわけで、「福岡の湘南」と呼ばれ今や古き観光地ゆふいんなんぞを追い越す勢いの糸島にほぼ唯一のつまらんビジネスホテルを当日飛び込み割引き税込み€40ちょっとで確保、明日朝最終締め切りの原稿をやってます。今や福岡近郊の夕日が綺麗なデートスポットの春の初めの夕方、こんなん。
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日本の大都市で最も空港アクセスが便利な福岡は板付空港、国内線ターミナルの地下から市営地下鉄に乗り、あっという間に巨大ターミナル博多やら、若者溢れる天神やらを通過し、大陸や半島から田舎の島に文化が最初に入ってきた海を眺めつつボーッと座ること40分くらい。いつの間にやら市営地下鉄はJR九州になっていて、ここから先は佐賀へと繋がる単線区間になりますよ、って駅で降ろされる。

さても、ここが今や若者人気のオシャレな観光地、糸島への入口らしいんだけど…ま、特に派手なことはありません。駅舎の上に観光っぽいローカルアピールなアンテナ店みたいなものはありますが、南は百均とCoopしかないし、北側はまあ、当たり前のちょっと疲れた郊外の駅前。

目的地の市内旧街道沿い、ローカル警察や地元図書館に向かい合った糸島市の官庁街なのかい、って場所のコンサートスペースまで歩き、たまたまいらした主催者おばちゃまと立ち話。明日のチケット、ホントは20席限定でもうあんたで23席目なんだけど、なんとでもなりますよ、大丈夫大丈夫…

じゃあ、半端に時間もあるから、名物糸島の夕日とやらを眺めるべく岬巡りのバスやらはないのかい、ひとつ乗ってやろーじゃないの、と駅前観光案内所で訊ねると、どうやらそういうもんはないそうで、車じゃないとなると貸し自転車しかないんですけど…

※※※

ってなわけで、糸島のビジネスホテルで作文仕事三昧の一夜が明け、午後の2時からのギター青年演奏会までの時間、観光でもしてやろーかと一大決意をし、猛烈な強風にもめげず駅前観光案内所で自転車を借り、隣町のロシア軍ウクライナ侵略に心痛め争う友人らの姿に悩みつつも九州北部地域で生きるロシアルーツの方々に今こそほんまもんのロシア菓子を提供する決意を固め敢えて国旗を掲げるロシア菓子の小さな名店さんまで走り(警察が安全確認に来たそうな…)ギター青年への差し入れを買ったり
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https://m.facebook.com/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E8%8F%93%E5%AD%90-%D0%A1%D0%BE%D0%BB%D0%BD%D1%86%D0%B5-%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%84%E3%82%A7-564825650538087/
312後に東京を離れこの地に移ってきた某シンクタンク研究者さんが絶賛ご推薦の尖った本屋さんで時間潰したり
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https://mamma.company/category/business/itoshima-book-store/
一部地元民には中毒症状を起こしているらしいローカル饂飩屋さんでへえええと思ったり
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https://tabelog.com/fukuoka/A4009/A400901/40044888/
じみぃにインな観光地糸島を満喫したわけでありまする。

結果、やくぺん先生の正直な感想を述べるとぉ…糸島は江ノ電と進駐軍のない21世紀車社会の湘南でであーる!

ま、それがどーゆー意味なのか、そのうち暇があったらまた。この場所に来るのはこれが最後ではないことは確かだから、続きはまたそのときに。

さても、大都会博多から遙か温泉県盆地のパーシモン・ゲートに向かう大分道は亀の井バスの車中、早春の夕暮れに、梅は咲いたか桜はまだかぁ。

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JR九州乗り倒し!総括 [たびの空]

遠き伊万里の山に日は落ちたものの、未だ星は空に散りばめられない九州島の新帝お誕生日の夕方。
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半島までは来ていたインキネン氏がニッポン御上の鎖国令で対馬海峡を渡れず、すったもんだで始まった第47回日本フィル九州ツアーは、コロナ感染者を出すこともなく、無事に終わりました。

ちょっと特殊な仕組みで行われているこの日本フィル九州ツアー、最後の相知は例外に、ほぼどれも今時の「音楽専用ホール」とは構造やあり方が違う、バブル前に竣工した巨大市民会館型のホールばかりを廻ってまいりました。とても興味深い経験で、ホントは当電子壁新聞などに記すことはいくらでもあるんだけど、なんせ取材とは言えどのような形で出すか決まっておらず、何を書けて何が書けないか判断できぬ。いつもならドーでも良いネタを羅列するのだけど、後述の理由で当電子壁新聞編纂可能な携帯PCの使用に制限がある。結果として、まるまる1週間も当電子壁新聞が空白になってしまいました。別に謝るようなことじゃないけど、スイマセン。

ってなわけで、じゃどーでもいいネタ、この無茶苦茶なツアーを同公共交通機関で付き合ったか、のご報告でありまする。

毎度のことながら経費がオケから出る訳でもないフリーの常、移動費は可能な限り安く抑えねばならぬのじゃ。で、登場したのが先頃ご紹介した「ネット限定年寄り限定JR九州3日間乗り放題パス」でありました。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2022-02-08

結果として、9日分3枚、総計二万5050円也で直接の取材目的での移動は

博多→小倉→由布院→長崎(中止となった長崎公演の会場周辺探索のため)→佐賀→由布院→博多→由布院→熊本、(新帝都滞在)大分→由布院→相知→由布院、という道筋。用いた路線は、鹿児島本線、日豊本線、久大本線、長崎本線、九州新幹線、豊肥本線、福岡地下鉄(博多姪浜間はJRではないので乗り放題区間にならず300円だか現金払い)、筑肥線、唐津線…まあ、よく乗り倒したものでありまするなぁ。通常の特急料金などを払っていたらいくらになるか、お鉄の方は計算なさってくださいませ。ちなみに久大本線は湯布院の森号に博多まで1回乗車、新幹線は久留米熊本と久留米博多間に乗車しております。

このJR九州乗り倒しでとても困ったのが、「JR九州さんは車内電源設備を全く考えていない」という事実でありました。これだけ各線の優等列車に乗りまくり、座席に電源があったのは、新幹線のJR西日本車両のみ。在来線はいかな優等列車でも、電源はありませんっ!

これって、やくぺん先生のこの数年の常識からすると、もうパニックなんですわ。なんせ、優等列車に乗れば電源があるからなんとかなる、と考えられない。結果として、移動中の車内に取材メモの整理や写真の処理が安心して出来ない。実質観光業と不動産業でやってるJR九州さん、働くオジサンやおねーさんの交通機関としての列車使用を想定していない、ということなんでしょうねぇ。まあ、非電化区間が多いこと、それに進行方向が逆になる箇所がいくつもあり、回転式の座席になっている場合が多いから、各席に電源を付けるのが面倒なのかしら。うううむ、よーわからん。

ともかく、JR九州さんは「ビジネスクラス」という考えは皆目有していない、車内では携帯などの充電は出来ないし、長時間電力消費が必要な作業は危険と考えるべしっ!

実はこの敬老乗り放題チケット、まだあと2日分あって、それは明日から休みなく始まる大分市のアーテイスト・イン・レジデンス同行で由布院駅から大分に降りたり、杵築まで行ったりするために使う予定。まだまだ続く豊後内移動、JR九州さんとのお付き合いは終わりません。

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JR九州乗り倒し! [たびの空]

温泉県盆地は朝から雪模様。降り続く雪の中、パーシモンゲート周辺につぐみん軍団withシロハラさんたちが取り付いて、名残の柿の実やら畑に落ちたぐちゃぐちゃやらを喰らいまくってます。
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掃除しなきゃ、と思ってたけど、そんな必要はまるでなかった。

さても、本日締め切りの原稿、まだアウトラインもちゃんと出来ていないという危機的状況の中、この終末に始まる日本フィル九州演奏旅行に新参キューシュー島民として同行するぞ、と広報さんに大見得を切ってしまった以上、ともかく追っかけをせねばならぬ。
https://japanphil.or.jp/community/kyushu
さても、この日程、どうするべーか。いろいろ考え、もうめんどーなんで、今、JR九州年寄り限定連続する三日間新幹線特急熊本までの北半分乗り放題8350円也という切符を予約しました。こういうもん。
https://www.jrkyushu.co.jp/hello/ticket/#pass

明日朝、由布院駅ミドリの窓口で受け取ることになるのだけど、別府裏の田舎盆地拠点に使おうとすると、案外と難しいチケットだわなぁ。上述のように、日曜日に小倉、月曜は佐賀、で、1日空いて水曜日に福岡という公演日程なんだが、チケット有効期間は日曜朝に福岡空港に降りてから火曜日まで。さて、どーする。

なんせ佐賀で夜の7時開演だと、鳥栖や久留米で乗り継いで由布院駅までその日にはJR九州で戻れないのであります。つまり、どっかで宿泊決定なんですわ。いっそ終演後に最終特急で長崎まで行き、駅前の安いカプセルホテルにでも泊まり、翌日にノンビリともうすぐ新幹線開業で廃線間近の在来線区間を特急で福岡まで走ってサヨナラ長崎本線し、九州新幹線で久留米まで戻り、豪華ゆふいんの森号でパーシモンゲート横をかすめる…って、些か趣旨が異なるインチキ乗り鉄娯楽に用いるしかないかいな(笑)。

んで、水曜の産パレス公演は諦めて大人しくバスで博多に向かうか、もうひとつの切り札「九州満喫切符」九州島内の鉄道がJR私鉄含め乗り放題3日間で11000円、ってのを使ってみるかのぉ。なんせ来週金曜にはまた熊本まで行かねばならんで。

それにしても、LCCの成田大分若しくは福岡のセール値段を考えると、キューシュー島内移動はいかにお高いことになるか、あらためてビックリするのだがぁ、ま、客観的に言えばLCCの値段の付け方の方が今のニッポンの常識とはちょっと異なるオーストラリアや欧州の非常識な価格設定なのだ、ということなのでありましょうな。

さても、その前に明日は由布岳の麓越えて別府に出て、夜は《影のない女》がなくなっちゃったんで仕方なく《フィガロ》に座り、明後日はスカルソープの世界一珍妙な弦楽四重奏日本初演がなくなっちゃったんで大人しく昨日飛びこんだ急ぎの作文の準備、明後日紀元節は北千住で久しぶりに刺激的なアートを堪能し、土曜日には大阪に向かいエクが昨年若者が世界初演する筈だった作品を弾くのに付き合います。世間がコロナ新種感染大流行で揺れる中、如月のツアーが始まってしまった。大丈夫か、あたしっ!

[追記]
ということになりましたぁ。
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来る日曜日から金曜日まで6日間JR九州北半分乗り放題!

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大阪の近代産業遺産にアヒルが浮かぶのダック! [たびの空]

なんのかんので、スカイマーク最終便羽田行き最終便への搭乗を、寂しい神戸空港で待ってます。ANAさんの最終便は先程出発し、今、多分、本日最終の到着便から人々が降機してるところ。

なんでこんなことになってるかといえば、こいつのお陰ダック!
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言わずと知れたオランダのアーティスト、フロレンティン・ホフマンの代表作「ラバー・ダック」が、かつての大阪の造船業を牽引した湾岸地区の工場跡地にポッカリと浮かぶのじゃ。

モダンアートの定番のひとつに、「見慣れたどーでもいいものを巨大化させ、日常の中に配置することで、世界を異化する」というやり方があるのは、当電子壁新聞を立ち読みしようなんぞ暇で酔狂な奴には説明不要な常識でありましょう。所謂パブリックアートの何割かは、こういう「デッカい〇〇」ですな。デッカくするものは、怪獣やら宇宙人やらな映画館NETFLIX画面で見慣れたものではダメで、可能な限り当たり前で、人畜無害なものであればあるほど良い。んで、ホフマン先生ったら、お風呂にポッカリ浮かんだアヒルを運河に浮かべてみたいと思ったんでしょうな。運河が縦横にあって、ラバーダック文化圏のオランダに住んでいるアーティストなら、ま、極めて自然な異常な発想(?)でありまする。

かくて出現したら9メートルのデッカいアヒル、まるでかつてちょっと流行した世界を旅するペンギン写真集みたいに世界中の港やら海やら池やらに姿を現す大人気パブリックアートとなった。今回のイベントの冊子には「実はこのアヒルちゃん、北加賀屋生まれなんです!」って詳細な説明無しにビックリマークが付けられてるんだけど、ホフマン博士(かどーか知らんが、こういう巨大〇〇というのは「博士」が誕生させるものなのじゃ)の設計図があって現地で制作する複製アートでもあり、どうやらアジア地区ではこの辺りの工房(だか、工場だか)で製作しているということですかな。

ま、どういう経緯か知らんが、「大阪近代化遺産・名村造船所大阪工場跡」なる大阪湾岸地区のアヤシげな辺りの地元関係者が立ち上げた地域活性化ローカル・イベントの人寄せパンダ、じゃなくぅ、人寄せアヒルとして、「ラバーダック」がプカプカ浮くことになったようじゃわい。
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やくぺん先生とすれば、ラバーダック文化圏ではないニッポンでは極めて困難なアヒル部隊新兵リクルートが可能な貴重なイベント、これは足を運ばねばなりませぬダックダック!

かくて、コロナがなければ華の都ぱりぃで「シュトックハウゼン・ウィーク」を見物していた筈の日曜日、冬でも日の出が早い東経135度住民とはいえまだまだ夜明けは遙かな午前4時過ぎに新帝都大川端を出て、朝5時東京ハウプトバーンホフ発のバスで成田空港に向かい、朝7時台出発ラッシュのジェット★に乗りこみ、一昨年夏にミュンヘンだかから戻って以来の関空島に到着。南海電車と大阪市営地下鉄(じゃないのかな、維新の世界になってからは)乗り継いで大阪湾岸は北加賀屋って駅まで届くと、もうお昼前。なるほど、20世紀初頭に大規模再開発が始まる前の豊洲みたいな場所ね、って(とはいえ、あまり軍関係の匂いがしないのは商都大阪でんな)、湾岸住民とすれば妙に懐かしい空気も漂う場所で、ぞろぞろと地下鉄駅からイベント会場に向かう人の流れに乗るのであったぁ。

正式には「すみのえアート・ビート2021」なる名称のアート・フェス、イベントとしてみればあちこちがゆるゆるで、正直、警備会社手配含めうん千万円で引き受けました、って広告代理店がっつり入ってる空気バンバン漂う首都圏っぽいテキパキきっちりイベント、はたまた「なんかあったら大変」で全てが発想されるお役所系のイベント、なんぞではあり得ないいーかげんさというか、ノンビリさというか、緩さというか、ちょっとマズいんじゃね感満載というか…ま、我らが温泉県盆地の音楽祭と似たり寄ったりの田舎祭り。コロナ対策の入場者連絡先書かせる列の横に張られてた会場案内がこれ。
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んで、メイン会場とも言えぬ工場跡地から眺めた全体風景が、こちら。
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一応、全宇宙に遍く存在する数十万人のアヒル愛好家諸氏のために、あくまでもアヒルっぽいところを拾って紹介すれば、これとか
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おお、参列者に混じるカッパアヒルは、初めて現物を見たぞ。んで、これとか
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これ、展示なのか、子どもがアヒルで遊ぶところなのか、よーわからんなぁ。展示っぽいといえば、これとか
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後ろにはアヒルトヨタ車があるのだけど、流石に痛々しく、どんなもんかは皆様のご想像に任せまするダック!んで、メインの巨大ダックをも凌ぐ人気は、こちら。
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おおおお、運河に浮かび自由に空を駆ける、ドローンダックなのダックっ!

会場に至る道にはマンホールの蓋にアヒル描いたり、洋食屋の看板には「本日限定ラバーダック・オムライス」などと宣伝が出ていたり、それなりに盛り上がっていた…んだろーなぁ。

「世界のアヒル展示即売」とか「造船所跡地の運河にアヒルごまんと浮かべて大アヒルレース」とか、アヒル関係なら当然あり得るだろうと期待していたイベントはなく、アヒルアヒルと集まった人々は、たこ焼き食ったり地ビール飲んだり、ローカルアーティストの作品を買ったりしてる都市型秋祭りでありましたとさ。

ま、おーさか市民がアヒルみたさにこれだけ集まった、という状況を眺めるだけでも、新帝都から出張っただけの価値はあったであろーと、リクルートした総計3匹の新兵アヒルを背負子に詰め、これ以上ここにいるとコロナになるぞ、さもなきゃ維新ウィルスがうつるぞ、ってさっさと会場を跡にし、新帝都に日帰りで戻るシンカンセンよりもLCCよりも安かった公共交通機関たるスカイマーク最終便が待つ神戸へと遁走したダックダック!

ちなみに、ラバーダック・オムライス、案の定twitter上を検索するといくつか紹介している写真が発見されますが、うううむ、「インスタ映え」から遠い散々な出来だったよーで、敢えて紹介いたしませぬ。どーしても眺めたいという方は、「ラバーダック オムライス」で過去1週間の映像検索でおしてみてください。ハラホロヒレハレ、って情けなさに崩れ落ちること必至。

なお、我らが巨大アヒル、次にこの鎖国列島に浮かぶのは大阪の中之島とのこと。なんでオーサカ人、アヒル隊長好きなんねん?なら、アムステルダムみたいな専門店を作ってくれダック!
https://www.hikari-kyoen.com/area/nakanoshima/

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別府にて [たびの空]

温泉県空港のカードラウンジにいます。そもそもは明日のジェット★さんで戻る予定だったんだけど、コロナ減便であえなくキャンセル。しょーがないなぁ、それなら前の晩にはかわもといねちゃんが別府アルゲリッチハウスで弾くので由布岳跨いで別府まで出てくるので、そのままオフィスには戻らず別府市内に泊まり、その足で空港に向かう、って日程にいたしましたです。

なんせ、別府市内から由布岳向こうの盆地まで演奏会終了後に戻る公共交通は大分経由のJRしかなく、1130円也。流石に深夜に田圃の中を歩くわけにもいかず、JR九州由布院駅から観光地お迎えタクシーに乗れば800円也。で、翌朝にバスセンターまで歩いてまた朝一のバスで別府まで戻ってくれば950円也。以上、総計2880円也かかってしまうわけじゃ。ちなみに、タクシーナビで別府ビーコンプラザから石武温泉近辺までお値段調べると、下道で行っても7000円弱とのこと。うううむ、羽田国際線ターミナルから佃縦長屋までタクシーぶっとばすくらいかぁ。

となれば、別府市内の3000円台の素泊まり安宿に飛び込んでも違いはあるまいて。なんせ、演奏家さんとちょっと会って挨拶するだけでも終演後延々待たされ、一体いつになるか判らぬご時世、最終列車に乗れるか心配しながら待ってることを考えれば、別府に泊まりましょとまりましょ。

別府に素泊まりするとなれば、考え方はいろいろあるわな。まずは定番の、「温泉施設付き旅館若しくはホテル」でありますな。無論、「チェーン店ビジネスホテル」というのもあり、高崎山巻いて大分までいけばごっそりありますけど、この町で超少数派(それでも、「温泉施設のないビジネスホテル」ってのは駅前に新設されていて、この町の新たな展開を感じさせるが、それはまた別の話)。あとは、昔からの古い家族経営に毛が生えたような駅前商人旅館、という地方都市らしい選択肢もなくはない。別府の場合は、こんな宿にも温泉施設がそれなりに付いていて、それはそれで奥が深いなぁと感じさせてくれるわけであーる。

コロナで値段が滅茶苦茶な今、県内限定GOTOくずれみたいなキャンペーンもやっているが、そいう温泉県民観光客の関心ともちょっとズレるところ…この機会に泊まっておくのなら、やはりこの方のお膝元であろーにっ。
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そー、別府駅前でクックロビン音頭やってる変なオジサン、大分県民みんな知ってる別府湯布院を創った偉人、亀の井グループ創設者にして日本の観光イベント広報のパイオニア、油屋熊八氏でありまするな。

やくぺん先生がなんのかんの終焉の地として温泉県由布岳向こうの盆地を選ぶことになったのは、言うまでも無く、もとをただせば90年代初頭からの音楽祭との縁あってのこと。んで、その音楽祭の発端は、70年代初めの亀の井別荘や玉ノ湯の若い経営者たちが結果として高度成長後のディスカバー・ジャパン「故郷見直し一村一品運動」の先駆けとなることになった温泉地広報活動の一部たる震災復興イベントとして始まったもの。んでんで、その亀の井別荘の地を他所者の中谷家に託したのが油屋さん。

つまり、このオッサンがこの地上に居なかったら、この瞬間にやくぺん先生が温泉県と関わっていることはなかった。我が家にとっても恩人なのであるぞよっ。

ってなわけで、現在は別資本になっているとか言い出せばキリがないけど、せっかくこのような機会だから泊まってみようではないかぁ、と別府亀の井ホテルに素泊まり宿泊したのであーる。ほれ、JR別府駅を抜け東側に出て、線路に沿って歩いてくと、こんな案内。
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ううむ、味わい深い。奥の今風のホテルが、現在の別府亀の井旅館でありまする。

本来ならば団体バスが並んだりするのかしら、感染も落ち着き昨年来の閑古鳥ではなくなったとはいえ、やはり寂しさは隠せないホテルロビーでチェックインしようとすると、フロントさんというよりも番頭サンというオジサンからアップグレードしますと言われてビックリ。まる2年まともに利用していなかった宿泊予約サイトで上級会員特典がまだ維持されているなど思ってもいなかったわい。別府駅から別府港を見晴らす無駄に広いツインの部屋に入り、ちょっと古い立派なホテルの常としてネットワークや電源関連が今時の別府市がアピールしてる「ワーケーション」対応としては心許ないなぁ、と感じつつ、直ぐに風呂に行って、あとはもーどーにでもなれ♪ちょチョンノパ(おお、風呂に入ると「船橋ヘルスセンターの唄」が口を突いてしまう千葉県遺伝子の情けなさよ!)。

館内はそれなりに「レトロモダンの街ペップ」をアピールしようとする努力はあり、カウンターは閉鎖されていてフロントでの支払いになってるお土産物屋さんでは、こんなもんも売ってます。
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へえ、じゃあ、大人向けの伝記もあるじゃろ、と探したけど、ない。レトロ別府を懐かしむグッヅをいくつか購入し油屋じいちゃんへの責任を果たしたような気になったものの、一応、フロントの番頭サンに「子ども向けはあるみたいだけど、油屋さんの公式伝記みたいなものって、ないんですか」と訊ねたら、御座いません、と一刀両断。今は資本が違っちゃってるとはいえ、どうみても昔からいらっしゃる方みたいなんだが、なんかいろいろ思うところがあるのかしらね。

ちなみに、油屋氏をニッポン広報の父のひとりと尊敬する藝大で広報を教える准教授氏に伝えると、油屋伝は某出版社から出ているが、初版の事情で絶版状態だそうな。ううううむ、大人の世界だなぁ。ま、逆に考えれば、油屋さんのやらかしたあれやこれや、まだ生きている、ということなんだろーけど。

駅近辺のまだ寂しい飯屋で、なぜかありそうでない鶏天丼なるものを喰らい、ダラダラ坂を登り、上野公園のそれみたいにモダンでオサレなスタバを横目に日も暮れた真っ暗な公園を突っ切り、別府アルゲリッチ・ハウスでいねこさん&阪田氏の超絶リスト=ベルリオーズを堪能し、またダラダラと線路の海側まで戻って来てぶっ倒れ、朝一の成田便に間に合うべく目覚まし鳴らし、おもむろにカーテンを開けるや
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おおお、朝の光を浴び、別府港に大阪からのさんふらわぁが入港してくるのであった。

これからのやくぺん先生、人生最期のフェーズに別府という街がどう関わってくるのか、まだ皆目判らない。そもそもゆふいん盆地という場所とどういう付き合いになるのかすら、まだまるっきり判らない。そんな今回のトラッド亀の井ホテル滞在での最大の収穫は、金600円也だかで購入したこのレトロ絵葉書かもね。
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中谷宇吉郎氏が天下の名文「由布院行」に描いた関東大震災直後の風景よりもちょっと前くらい、油屋さんが先々々々代(なのかな、今は)中谷さんに託した頃の金鱗湖。今は湯ノ岳庵やら庄屋やらになってる辺りがまだ田圃で、隠れキリシタン時代よりも前の古墳じゃないの、と言われるポッカリした丘から安永氏別荘辺りの集落がまだなにもない、我が温泉県盆地の原点の姿。

この場所で俺はどーするんじゃ…

さてと、まだ暫くは、どんどん三等国へと転がり落ちていくニッポン帝都の惨状を眺めに戻るとするべぇかい。

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