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2020年2月26日の現状:総理のイベントへの要請 [パンデミックな日々]

2020年2月26日午後、日本国総理大臣が「安倍首相は26日昼、新型コロナウイルス感染症の対策本部を首相官邸で開き、多数の観客が集まるスポーツ・文化イベントについて、主催者に対し、今後2週間は中止や延期、規模縮小などの対応をとるように要請する方針を明らかにした。(讀賣新聞オンラインより)」
https://toyokeizai.net/articles/-/332921

この事態で、昨日までと状況が一気に一変しつつあります。本日夜の時点で東京文化会館はこんな告知が出るくらい。
IMG_3721.jpg
で、のちの時系列確認のために、現状を記しておきます。無論、狭い狭い所謂「クラシック音楽業界」の話ですので、万単位を動員するポピュラーなどの興行の世界の話ではありません。そっち方面絡みのまとめはこちらにあるようですので、ご関心の向きはご覧あれ。
http://www.pia.co.jp/t_pia_info/real/

既に先週から、いくつかのイベント(演奏会)中止などの話が出ていました。それらは「日本に行くと、帰国してから2週間公式な場所に出たり出来なくなる可能性がある」という外国人出演者の不安が基本でした。それに対し、いくら「日本は道ばたで人が倒れたりしてないから大丈夫」と言ったところで、相手の御上の判断ですから、どうしようもない。「そうですか、仕方ありませんね」というしかないわけです。
そんな状況で、出演予定者が来日を取りやめることになり、結果としてイベントが中止になっていました。つまり、それがどのような状況であれ、ステージなり雛壇なりに登場する人の都合や意思によって中止や出演者変更が決定されていた。勿論、そうではない例もあったでしょうが(最も早いキャンセルのひとつだった「墨田5千人の第九」など)、多くの事例がそういうものだった。かんまーむじーく直方や、新日本フィルなど、規模やジャンルが違うものの、いくつかの事例がありました。それぞれ、主催者側は難しい判断があったようです。

本日、総理大臣からの「要請」が出て、状況が一変しました。中止を決定するのは、出演者ではなく、主催者や会場になったのです。出演者がそこにいてイベントをやる気満々で、聴衆も自分なりに気をつけて会場に行き、行けない奴は自分の責任で行かないことにしていた場合でも、どういう判断であれ主催者がやらないと決めたり、イベントをするための会場そのものが閉鎖になったりするようになった。

判断の場所が変わってきた、ということです。 後の記録に、具体例を挙げておくと…

※2月29日サントリーホール 慶応ワグネル演奏会←「本日 2 月 26 日に発表された、政府による「大規模なスポーツや文化イベントなどについて、今後 2 週間程度、中止か延期、または規模を縮小するよう要請する考え」を受け、再度開催を検討いたしました。主催者といたしましては、ご来場を予定されている皆様、演奏会関係者の皆様、そして当団員の健康面及び安全面を第一に考慮した結果、2 月 29 日の演奏会の開催を中止し、感染の今後の拡大防止に努める判断をいたしました。」
http://www.wagner-society.net/images/about_229.pdf

※2月29&3月1日神奈川県立音楽堂 オペラ《シッラ》←「文化庁より、公演の実施について中止等の対応を図るようとの通知を受けたことによるもの」
ttps://www.kanagawa-ongakudo.com/info_detail?id=1432

慶応ワグネルは主催者判断(実情はどうだったか、いろいろな話は流れていますが、なんであれ公式リリースはそうなってます)。県立音楽堂の場合は、はっきりと「文化庁が通知してきた」と記してます。開催されるイベントも、当然、たくさんあるでしょう。それらがなぜ開催出来ているのか、開催することにどのような目が向けられるか、興味深いところです。例えばこちら。
https://www.nbs.or.jp/publish/news/2020/02/2020-6.html
うううん、なんでここはやれるんだ、と考えてしまうなぁ。文化庁はNBSには通知しなかったのか、そんなの知らんと突っぱねたというだけなのか?

ちなみに、新日本フィルのサイトに、「ホール」を主語に判断の流れの纏めが見られるようになっています。便利なので、貼り付けておきます。
https://www.njp.or.jp/news/14463

なにはともあれ、226に新しい意味が出来てしまった日かもしれません。雪は降ってないけど、トーキョーは半端に寒い曇り空の日でありました。

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