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226アベ要請から2週間で見えてきたこと [パンデミックな日々]

我が業界ではコロナウィルスというより「226アベ要請」以降の騒動、当面の期限となっている2週間を明日に控え、ある程度の流れは見えてきたようである。どうやら今回は我らがソーリはご自身での「要請」は出さず、「専門機関」の座長さんみたいな方が仰って、あとは空気まかせ、って感じだなぁ。この2週間でも、「列島住民全員検査」なんて夢のまた夢、根っこの不安を取り除く対策は御上としてはしない、出来ない、という状況は変わってないけど。

ま、なんであれ、我らが業界は棄民的なポジションであるということは判ったことを踏まえ、2週間目で見えてきた状況の纏め。

《ネット中継大流行の兆し?》

週末7日8日のびわ湖ホールからのYouTube舞台配信と、8日のミューザ川崎でのニコニコ動画による演奏会無料ライブ配信で、ソーシャルネットワークを用いた業界生き残り(再編成、と仰る方もいらっしゃるようですが)という動きが一気に注目されるようになりつつあります。

びわ湖は緊急事態を強引な腕力(恐らくは、政治力)で乗り切った緊急事態という感じだけど、こちらは本日発表された群響の例。
http://www.gunkyo.com/info/%E7%AC%AC556%E5%9B%9E%E5%AE%9A%E6%9C%9F%E6%BC%94%E5%A5%8F%E4%BC%9A%E3%81%AF%E7%84%A1%E8%A6%B3%E5%AE%A2%E5%85%AC%E6%BC%94%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%EF%BC%88%E6%9D%B1%E4%BA%AC/
「地元FMとネット中継」という今後ありそうなやり方ですね。ここはRadikoというところ。要は、FM側から全国に広げた、ということですな。

川崎の事例、狭いせまああああいクラシック音楽業界業界では「10万が視聴」などというと吃驚して舞い上がってしまうけど、IT系の営業じゃなくて現場をやってる方からは「そんな数、ゴミですよ」とあっさり言われてしまいましたです。ま、ネットの常識からすればそうなのかもしれないけど、普段は百から多くても千単位の業界ですから、この数は目がくらんでしまいますな。

ベルリンフィルが10年代にオーケストラのブランド化戦略の中で行ったやり方は、果たして同じようなレベルのオーケストラが1ダースも活動している東京首都圏で成り立つのか、投資に見合うだけの収益があがってくるものか、ぶっちゃけ、極めて難しいでしょう。とはいえ、ともかく非常時に商売になるかの実験をしてみようと考える奴が出てきたのは、資本主義の社会としては極めて健全なわけで、ぐぁんばってください、と見守るべきでありましょうねぇ。

《コンサートスペースの危機?》

今回の騒動、2週間前の時点では「大きな集まりはやりにくくなる、これから暫くはオーケストラやオペラはダメなので、いよいよ小規模コンサートスペースでの室内楽が大盛況になるぞ」と思える空気がありました。

ところが、皆様ご存じのように、大規模コンサート会場での感染が確認された直後、なんと大阪の京橋と梅田のライブハウスがクラスター発症地となってしまいました。富田林市のご注意。特にこの市をアップしたのは深い意味はありません。便利だったから。
https://www.city.tondabayashi.lg.jp/soshiki/28/35966.html
結果、京橋駅がターミナルとなっている京都方面に向けてのコンサートスペースでも、極めて慎重な対応になっております。

正直、この辺りに関しましては、コンサートスペースのオーナーさんが「どのような対応になっているかを含め、やっていることそのものをあまり大きく騒がないで欲しい」という意向をお持ちなので、詳細はいかな当電子壁新聞でも記しません(当電子壁新聞も、下書きはある「パンデミック戒厳列島西へ:関西編」がアップ出来ていない理由は、そこにあります)。ここに書かれたことで「はあ、あそこのことか」とお判りになる方で、本当に興味のある方は、問い合わせるなりしてみてください。

とにもかくにも、小規模コンサートスペースでの演奏会は、開催されているにしても今は不特定多数への開催情報提供がない状況である、と思ってくださいませ。これは恐らく、東京首都圏でも同じだと思います。

ぶっちゃけ、知り合いが出ていてやるかどうか演奏者に問い合わせられる、いきつけのコンサートスペース(世間で言うライブハウス)でオーナーさんやプロデューサーを個人的に知っていて連絡が取れる、という方は、自分なりのやり方で確認してくれ、その指示に従ってくれ、ということです。

小さなヴェニュでもネット情報網で不特定多数への告知が出来る状況が、10年代に入ってからのコンサートスペース大発展の基本にありました。今はその手段が使えず、かつてのホントの口コミだけで運営される小規模サロンコンサートの時代に逆戻りしている、ということです。そういう認識を持てばそれまでですので、あとは皆様のご判断で、よろしくお願いしますぅ。

こんな状況で、両手くらいの聴衆を前に演奏されたショスタコーヴィチのピアノ五重奏曲は、正直、《神々の黄昏》よりも強烈に心に染み入った、という事実だけは記しておきます。

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びわ湖リングWeb中継を観ねばならぬ理由 [音楽業界]

昨日来、世界一千万の(?)ヴァーグナー愛好家の皆様を中心に大いに盛り上がっている「びわ湖ホール《神々の黄昏》ネットライブ中継」でありますが、本日8日日曜日も午後1時から昨日とは別キャストで行われます。こちらがいちばん手っ取り早い。わ、びわ湖ホール横を通過する「びわ湖マラソン」もストリーミング中継やってるんだなぁ。
https://www.youtube.com/watch?v=yv5tfl7t_nI

この中継、なんでこんなことになったのか、どうなってるのか、いろいろと皆々様が知りたいことも山のようにあるでしょうけど、ともかく、極めて特殊で異例な事態であることだけは確かであります。なんせ、去る水曜日に館長ご自身とやくぺん先生の立ち話で漏らされた話ですが、「全く急な話で、最初はどこも引き受けてくれるところがなく、NHKにも断られ…」って。226アベ要請以降の上を下への大騒動の中での、ホントに急な決定だったようです。

その結果、普通の「オペラハウスからのプレミア生中継配信」とは些か違った、極めて特別なものになっているのは、昨日の初回ストリーミングをご覧になった皆様ならお判りでありましょう。

いろいろ文句を言いたい方もいらっしゃるでしょうけど、せっかくの空前にして恐らくは絶後のこの規模の舞台緊急生配信、緊急故に予定されていたものならあり得ないいろいろな空前絶後がありますので、そこに注目して六時間を過ごすのも、当無責任電子壁新聞を立ち読みにいらっしゃるような酔狂な皆様には一興ではあるまいかぁ。なにしろこの中継、普通の世界の劇場生中継では絶対にあり得ない、とんでもないことになってる。なんせ、
画面がホール2階か3階正面席真ん中辺りに据えっぱなしで、一切動かない!舞台の上手と下手の隅に配された字幕すらも視野に入らない!
要は、ホールのロビーなんぞに遅刻者用に設置されているモニター画面を、まんまWebに流している状態。

どんな「舞台生中継」でも、映像演出家が画面の一部を切り取り、選択して提供するのが当たり前。ところか今回は、あまりの緊急事態なため、画像配信で常識的に必要とされる類いの演出が一切ない。ホントに劇場に座っているような、素うどんというか、盛りそばというか、炊いただけのお米というか、そんな「生素材」としか言いようがないものを、劇場が公式に提供してくれたのですよ。

無論、びわ湖ホールだって、演出家さんだって、装置家さんだって、映像担当者さんだって、時間があればもっといろいろなことがしたかったでしょう。そもそも今回のびわ湖のプロダクション、《ラインの黄金》の頃はまだそんな感じはなかったものの、回を重ねるに従い「予算1億六千万円くらいのプロダクションで、現在の映像テクノロジーを用いヴァーグナーの無茶なト書きをどこまで現出できるか」という老巨匠演出家の夢の実験場所になっていった。
カラヤンがザルツブルク復活祭音楽祭を始めて《ラインの黄金》を取り上げたとき、せめて映像化に於いてはト書きに限りなく忠実に再現してみたいと考えてディズニーと話をしたが…という神話伝説が伝わっておりますな。ま、どこまでホントの話か判らぬが、現在も簡単に手に入るあの映像を眺めるに、いかにもありそうな話だと思わんでもない。
考えてみれば、ハンペ御大は正にそのカラヤン時代に演出家として出てきた方ですから、人生の締めくくりの、恐らくは最後の《リング》サイクルで、今の時代の映像テクノロジーと、ト書きの意図をきちんと舞台に合理的に再現していくという自分がやってきた堅実なやり方とを融合させ、カラヤンですらやれなかった不可能な事に挑めるのではないか、と思ったのは、当然といえば当然でありましょう。

なんせこのびわ湖リング、ヴァルトラウテは天馬に乗って空を飛び、ラインの乙女は広大な(ラインの流域でこんな場所って、もうオランダの方じゃないかぁ、と突っ込んではいけない)水辺で遊び泳ぎ、ヴォータンの斥候鴉共は地上からヴァルハラへと伝令に走り、ローゲの炎はブリュンヒルデの眠る岩を包み燃え続ける…というもの。それらが「現代の緞帳」たる映像で、背景に延々と写り続ける。

だけど、それらは全て「客席に座っている聴衆がライブで眺める」ことを前提に作ってあって、世界のどこにいるかわからない、手のひらサイズの小さな端末の映像なのか、はたまた50インチ超えの巨大プロジェクターの前にポテトチップスとビール抱えて座ってるのかも判らない聴衆を相手に、作られてるのではない。

普通の状態ならば、舞台を作る側とすれば、そんな状態の映像を外に出すことにOKする筈がない。

ですから、現在報道されている「DVDの高画質映像でパッケージとして発売します」というものは、このライブ中継映像とは別物になると考えるのが常識でありましょう。もしかしたら、特典映像で一部が収録されるかもしれませんけどねぇ。

てなわけで、これからストリーミングされる映像は正に一期一会。今日を逃すと二度と眺められない、ホントの舞台生中継なのです。真っ正面からの一本勝負、二度と観られない映像なのでありまする。

さあ、あと2時間ちょい。皆様、準備して、貴方の端末の前にお座りあれっ!空前絶後のイベントに参加しましょうぞ!

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急告:ブレッド・ディーン氏コロナウィルス感染 [演奏家]

昨日深夜、台湾方面の情報に詳しい方から、以下のような連絡がありました。
https://www.ettoday.net/news/20200305/1660841.htm?fbclid=IwAR09SIYeJ9dFwabh2FRl0QEOpt5FCmGEYeAxyYWLrSCVrE6PpQjx8Y7t6NU

日本ではヴィオラ・スペースでお馴染みの「現代のヒンデミット」。作曲家でヴィオラ奏者のブレッド・ディーン氏がコロナウィルス陽性とのことです。

過去2週間の行動は、まだマネージャーのインタームジカや出版社のブーシー&ホークスから発表されてはいませんが、当電子壁新聞を立ち読みなさっているヨーロッパ方面の方で思い当たる節がおありになる方は、ご注意ください。

ともかく、自分の知っている人、接する可能性がある範囲の人に陽性が出たわけですから、この病気、それくらいの規模の広がりだ、という気持ちになるしかないですね。

以上、ともかく、緊急連絡でした。これ、いかな「書いてあることはみんな嘘」の当電子壁新聞でも、嘘ではありません。ってか、現在、情報ソースは上の台湾フィル絡みの台湾のものだけです。

[追記]

どうやらまだオーストラリアやヨーロッパからの情報が入らないのか、ソースはどこだ、という声をいくつかいただきました。一応、差し障りのない範囲でお伝えしますと、台湾フィルの団員や事務局と直接連絡を取っている中国語がお出来になる方からの、メディアは通していない一次情報に近いものです。この週末に台北で予定されていた《戦争レクイエム》の取材に行かれる予定で連絡を取り合っていたところに勃発したもの。

なお、ブレッド・ディーン氏の台北での活動は、北藝と呼ばれる台湾の藝大音楽部みたいなところでもあったそうで、当然ながらそちらも感染の可能性があるとのこと。

これが台湾からの続報です。
https://news.tvbs.com.tw/life/1287582?fbclid=IwAR0BCnHHjDYdpTI8ZFFOiVZJi6JV1WniNyq9W6D0c2PjBriexucgLNVhYx8

なんにせよ、今回のコロナヴィルス騒動で最初の「オーケストラ、音楽学校直撃」だけに、事態はかなり深刻と言えましょう。なにしろ、これが起こるのが怖くて、現在、殆どの日本での演奏会が中止になってるわけですから。

[追記の追記]

日本時間の夜、オーストラリアから情報が出ました。ま、動くべきところが動いている、という漢字です。
https://www.limelightmagazine.com.au/news/brett-dean-diagnosed-with-covid-19/?fbclid=IwAR0JIHARjAfBwncjCJOVQWrYXxu35wOev24Xm-17rnY3r3m5z6zaaK6przU

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速報:大阪大会参加団体発表 [大阪国際室内楽コンクール]

先程、第10回大阪国際室内楽コンクール&フェスタの記者会見があり、参加団体が発表になりました。
IMG_3854.jpg
おうWebサイトに上がってますので、こちらをご覧あれ。
http://www.jcmf.or.jp/compefesta2020/

第1部門では、アメリカ団体4つ、日本団体3つ。ヨーロッパが少ないのは、やはり翌月にレッジョがあるからなんでしょうかねぇ。それにしても日本団体3つというのは、第2回以来じゃないかしら。0年代終わりくらいからあちこちで見えてきた室内楽セミナー、アカデミーなどが一定の成果を上げ始めた、ということなのかしら。

第2部門はもう、圧倒的にヨーロッパ勢が来てます。ピアノ四重奏はひとつだけ、というのは、毎度ながら難しいところでありまするなぁ。

というわけで、とにもかくにも速報。なお、演目などは近くなったら公式サイトで発表とのことですので、それまでお待ちを。ストリーミングもやるそうです。

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パンデミック戒厳列島西へ:東海道編 [たびの空]

「書いてあることはみんな嘘、信じるな」をモットーとする当私設無責任電子壁新聞、開設から足かけ16年の月日を重ね、ソフトとしてはまるでダグラスDC-3かB-52か、というへっぽこロートル。どうやらユーザーもドンドン減っていて、いつ廃止されるやら判ったもんじゃない。なんせ、写真をアップしようとしたら、別のソフトを使って小さくし、アップして、という作業をせねばならず、今時のインスタやらFacebookやら、その瞬間に世界に配信できちゃうお手軽なもんの100倍くらい手間がかかる。

んで、やくぺん先生も、このような「道中記」みたいなどーでもいーもんはFacebookに移行してしまってるのだがぁ…簡単にアップ出来、拡散も桁違いなツールは敢えて使わない方が良い状況もあるわけで、今が正にそのときなのであーる。状況が常に変化し、2時間前のfactがこれから2時間後にはそうであるとは限らないというオソロシー状況にある実質上パンデミック下の世界、これくらいノンビリした情報ツールの方が安全なのでありまするよ。

てなわけで、本日から明後日まで、折に触れてドンドン追記しながら、パンデミックのプチパニック状態ニッポン列島を西へ向かうやくぺん先生、なんの意味もない、読んでも時間の無駄にしかならぬどーでもいい弥生春も始めのたびの空、はじまりはじまりいいいい!!

※※※

このプチツアーの目的は、明日の午後に大阪城脇某最近ちょっと話題のホテルの大阪店で開催される大阪国際室内楽コンクール&フェスタの参加団体発表なのでありまする。勿論、それはそれで別項で速報いたしますので、乞うご期待。

…の筈が、このパンデミック騒動に便乗して成された「226アベ要請」の音楽業界に対する国家正規軍によるテロ攻撃みたいなもののお陰で上を下への大騒動になっている我らが狭く小さく弱い黄昏の業界、その中でもなんとか強引な闘いをしようとしている連中がおり、外人部隊含めたそいつらが無謀とも思える特攻に限りなく近い大作戦を敢行することになって、従軍記者として緊急に彼らの自己犠牲の玉砕を見届けに行くことになった次第でありまする。いろんな意味でレイテ沖海戦の戦艦武蔵になりかねない悲痛な大作戦、せめて空母瑞鶴くらいの活躍はして哀れ湖に沈んでいって欲しいものである。なんか、そんな風に書いてるだけで涙が出てきたぞ、マジで。ぐぁんばれ、若きN艦長!闘え、新任広報H氏!

なんにせよ、そっちに関しては、事が終わるまで一切発表が出来ません。来週以降、お伝え出来るということであればお伝えしましょう。期待しないでおくれなもし。

さてさても、まずは戦場にほど近い京都駅まで向かわねばならぬのじゃ。アンチJR東海、シンカンセンの東海道独占にで少しも抵抗する会のメンバーたるやくぺん先生なれど、今回は諸事情で新幹線を利用せねば成りませぬ。諸事情で京都には11時くらいには着いていたかったため、逆算すると大川端縦長屋を7時半くらいには出ねばならない。嫌だなぁ、東京駅八重洲口行きの都バスがいちばん混む頃だなぁ…で普段なら済むわけだが、なんせ縦長屋は高齢者と同居で(だから、このパンデミック騒動が始まってから、出歩くことが多いやくぺん先生は基本的に葛飾オフィスに泊まり込み、家族とは別居のちょんがー生活になってます)、あたくしめがどっかからヴィルス拾ってきたらもう冗談では済まないので、混雑したラッシュアワーの都バスなんて乗るわけにいかぬ。しょーがないなぁ、雨が降ってなくてラッキーだったけどさ、って思いながら、この半年死に損ない病人認定やくぺん先生たびの空のお供になっている6キロの医療器具引っ張って中央大橋を渡り、ズルズルと東京駅に向けて歩いて行く。

と、都バスが2台、オムニバスになってやってくるではないか。1台目は大混雑だけど、追いかける2台目は外から眺めてもガラガラなのであーる。おおお、これはなんたるラッキー、と、後ろの都バスに医療機材くんと一緒に乗車。これが朝の8時前の東京駅行きとは思えぬわい。
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かくて、午後の長いお仕事(大丈夫な人には夢の時間なんだろうが、これがぶっちゃけかなりの苦行なのでありまするよ、やくぺん先生には)を少しでも楽に出来たわいと八重洲口長距離バス停前の降車場で下車。普段は朝から深夜まで個人インバウンドさんで溢れかえる長距離バスターミナルは、成田空港行きも茨城空港行きも、どこもガラガラ。だーれもいません。マスク姿の通勤客が黙々と歩いていらっしゃるだけでありまする。

朝の8時台の西行き新幹線なんてパツパツだろうなぁ、混雑した閉鎖空間だなぁ、それどころか適当な時間に席があるかしら、自由席はもっと混雑した密閉空間だろーし…と危惧しつつJR東海キオスクに切符を入れると、あらまぁ、8時台の新幹線、全部席状況は〇ばかり。おいおいおい、なんじゃこりゃ。8時20分の途中停車駅が最も少ない列車を恐る恐るぽちんと押せば、どの車両も席はたっぷりございます。流石に下り右側二列の富士山鑑賞席は皆無のようだが、三人掛けが全部空いてる列がざらざらあり、第1列まで空いてます。これは確かに異常事態だぞ。

団体さん皆無の八重洲口、JR東海専用入り口から入り、ガラガラのお弁当屋さんでおにぎり&飲み物セット500円也を購入し、14番ホームに向かうと…なんじゃこりゃ!
IMG_3761.jpg
朝の8時台の下り新幹線ホームとは思えない、まるでホーム上の人の姿を画像ソフトで全部消してしまったんじゃないか、ってな風景でありまする。

なるほど、これがパンデミックというものなのかぁ。この東京駅ホームを眺めるに、沿道に7万人集めちゃった東京マラソンがいかに今の新帝都で無茶苦茶なイベントだったか、あらためて思い知らされるなぁ。

乗り込で、走り始めた新幹線車内では、「ただいまコロナウィルスが…」と乗客に行動の注意を呼びかけるアナウンスがされる。なぜか日本語のみなのは、あぶないのは日本人だけ、ということかいな。車内はこんな。
IMG_3763.jpg
車掌さんに「朝の8時台って、こんなもんなんですか」と素知らぬ顔で尋ねると、「このところ、こんな感じですね」とのこと。

かくてやくぺん先生乗せたシンカンセンのぞみ号、どんよりした曇り空の下、すっかり静かになった厚木基地アプローチ南を抜け(厚木を去った空母ロン艦載機は、岩国からグアムに避難してるそうな)、富士の姿など欠片も拝めず、淡々と東海道を下っていくのでありました。

さても、続きはいつになるか判らないから、期待しないでお待ちくださいませぇ。基本、ダラダラ追記をしていく予定ですぅ。

※※※

今、ノンビリ京阪電車が追分駅を通過、いにしえの帝都から近江の国へと入りました。あのいつもは奪い合いになるみんな大好き先頭及び最後尾の一人がけ席も、すっかり余裕で座れます。

10時過ぎにシンカンセン京都駅に到着、そのまま地下鉄で京都御所近くまで参ります。のぞき込むと、こんなん。
IMG_3784.jpg
桜はまだだけど、梅は満開、シジュウカラさんつつぴぃと鳴きながら遊んでる閑散たる御所へ、皆様、おいであれ。

お宿は、御所真ん前の高級ホテルで、なんとなんと一泊税抜き5000円を切ってます!ホテルのマスターに「新幹線ガラガラでした」というと、「私どもも、東京での会議出張を見合わせておりますよ」とのことですう。

なんでこんな駅から遠い場所に泊まっているかといえば、それにはふかあああい訳があるのじゃよ。無論、コロナさん絡みの理由。今日及び明日の午後じゃなく、明日の晩が問題なのであります。それはそれで興味深い話なんだけど、果たしてこんな無責任電子壁新聞といえ、書いていいものか、明日の状況をみないと判らない。ま、大丈夫そうだったら、しっかりお伝えしましょうぞ。

さてさて、そろそろ谷を越えて浜大津。イソヒヨドリさんや冠カイツブリさん、小雨も落ちてきた湖面にお姿ありや。次の追記は、おそらくは深夜前。

※※※

京都御所前の宿です。今、京都中華という不思議な食い物を喰らい、ここでも「ガラガラです」という会話をして戻ってきたら、マエストロ沼尻からこんな連絡が来ました。
https://www.biwako-hall.or.jp/topics/20200304_7455.html

今回のコロナ騒動のお陰で、全世界の皆様にびわ湖の《神々の黄昏》の舞台が、土曜と日曜の両キャスト、全く無料で観られることになりました。暇してる学生の皆さん、対訳はネット上で探せばあるから、さあ、土曜の1時まではヴァーグナー猛勉強だぁああ!

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226アベ要請から1週間で見えてきたこと [パンデミックな日々]

226アベ要請から一週間経とうとする桃の節句の良き日、我が小規模零細なくせに妙に社会的インパクトはあるらしい業界でも、職種間の微妙な対応の違いが見え始めています。以下、ざっくり過ぎるプチ纏め。なにしろ、「個々人は他人と触れ合わず、マシンを通して外界に接する」という、正に今の社会が向かっていたディストピアが最も安全と思われる恐怖の世界ですから…

《マイナス業界》
昨日3月2日、政府が国会で「イベント業界には経済的な損害保証はしない」と切り捨て宣言をなさいました。その結果、経済的な体力のないところは基本的に全てダメ、ということになります。実態は企業社会主義のニッポン国で、企業のシステムに乗っかっていないフリーの職種は、基本的に淘汰、絶滅に向かう、ということ。それを助けることは国家、社会としてはしないそうなので。

具体的には、「古楽や現代音楽など特定のジャンルに絞った小規模マネージャー」、「実質的に個人がやっている、客席ギチギチで人いきれや演奏家の汗まで感じるようなコンサートスペース」などは、廃業や営業中止の可能性は高い。なにしろ、ヴィルス拡散リスクが大きく、何かあったときに責任がとれない。そして、止める決断をするのが難しくない。今世紀ゼロ年代からの「大規模アリーナ公演とコンサートスペースへの両極化」という流れは、前者は企業規模などから現政権の中枢に影響力があったりもするのでこの数週間を支えられれば良いだけでしょうが、後者は短期的瞬発力がないので極めて厳しい。

《プラス業界》
この数日で、中止になる前から作っているけれど上演が不可能となったステージをクローズドで上演するという流れが、あっという間に出来つつあります。無論、そういう臨機応変の対応が可能な経済力とスタッフがいるところだけしか出来ない強引な荒技ですけど。

その結果、規模を問わず、ライブ中継や配信を引き受ける専門会社やスタッフは忙しくなっているようです。無論、動画系のみ。スチールはアウトです。明日からの京都方面取材である程度見えてきそうですけど、「バタバタしているだけですよ」と言われそう…

※※※

実演者やその周囲は、ライブはダメと見切って、メディアを使った対応に割り切れるかでしょうね。まあ、実演者の皆様とすれば、貴重な基礎練習の時間と思って、先の見えないイースター休暇としていただくのがいちばん!

やくぺん先生らの業界は、もう世界を繋いだテレワーク、ってか、ネットワークを飛び交う情報処理で明け暮れ、まだ状況を纏めて鳥瞰するところまで至っていないのが現実。だから、ここから何が出てくるか、まるで判りません。月刊専門誌は紙面組み替えをする必要があるかどうか、ってところです。

さあ、今日もはたらこー。明日から京都連泊になったので、予定していた仕事の入れ替えのための連絡作業をしないと。ふううう…

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混乱時こそ学びの時 [パンデミックな日々]

去る水曜日の「226アベ要請」以降、実質上の御上トップからの要請とその後の行政府からの圧力により壊滅状態になった音楽業界、やくぺん先生の周囲でもいろんな情報が飛び交い、怒りと諦めが疲労に変わっていき…という日々を目の当たりにしております。やくぺん先生自身は現時点では被害は数点、数万円程の損失ですが、舞台関係者やフリーランスの演奏家さんたちの間では「これでは家賃が払えない、喰っていけない」という声も挙がっています。総理大臣というのは、こういう多数の人々の怨念の対象になるのがお仕事と思うと、頭が下がる思いであります。まあ、辞任すれば全部済むようになってるんだけどさ、そーりだいじんの場合は(その気がない場合、周囲に大被害が及ぶわけだが、それはまた別の話)。

そんな中、春は弥生、もうこれは梅が考えてもメジロが考えてもどうみても春、ってうらうらした日曜日の午後に、荒川放水路東の新開地から首都圏各所、関西諸方面、北米某都市、北欧某所、はたまた連絡している相手がどこに居るかわからない(パリかソウルなんだけど、今のSNS環境ではこんな状況が不思議ではないし困らないのが不思議)などなどとメールやらチャットやらが飛び交う「テレワーク」の真っ只中にいて、平時のままだったら当日券で顔を出すつもりだった都内某所での某演奏会があったことなどすっかり忘れていた。ってか、もう今日は演奏会なんてものが新帝都のどっかであるとは頭から思ってなかった。

アベ要請以降、最も大きなスポーツイベントが堂々と開催されていたのだから、民間のちっちゃなコンサートなどその気になればいくらでも開催出来るに決まってるのだが…全くそう思わなかったのは、御上の見事な洗脳がやくぺん先生が如きすれっからしにまでしっかり利いている、ということであるなぁ。いやはや…

本来なら、当無責任私設電子壁新聞の最大の社会的役割は、こういう演奏会がどうやって開催されたかを事細かに記録しておくことなのだから、本来業務を怠ってしまったわけであーる。平素当電子壁新聞をお立ち読みの皆々様、誠に申し訳ありません。辞任して謝意を表明します、って言ってもいいくらいじゃわい。

数日前に某大手音楽事務所の方と話していて「今は戦時下ですよ」と仰っていましたのは、こういうことも含めてなのだなぁ、とあらためて実感します。とにもかくにも、今の新帝都は、東京空襲下以降、最もコンサートの告知が難しいときでありましょうぞ。なんせ人々が「どうせコンサートはやってないから…」と頭から信じ込んでいるときに、「コンサートを予定通りやりますよ」とわざわざ告知せねばならないのですから。「中止のお知らせ」は告知が簡単だけど、常にギリギリまで何が起きるか判らない中での「中止しませんよ」という告知は、もう何万倍も難しい。

現時点では「やったようだ」という情報があるだけで、恐らくみんな関係者は「終わった終わった」とひっくり返って寝てるところであろー。で、どういう演奏会で、どういう内容だったかは、敢えて記しません。ただ、普通に開催されていても関係者と演奏家お友達、それに現代音楽に情報の網をしっかり張っている人しか来なかったイベントでしょう。「おいおい、これ、ホントにやるんかい」ってタイプの演奏会でした。

どういうバタバタがあったか知らないが、開催するかの決断を含め、難しい瞬間は山積みだったでありましょう。この演奏会のプロデューサーの若者とすれば、苦しかった経験であればあるほど良い勉強になった筈です。お立ち会いの皆様、未来ある若きプロデューサーYくんに拍手!こういう若者がいれば、まだこの社会は大丈夫かもしれない。春からの現場での活躍を期待します。

少しは、ちょっといい話がしたい弥生三月梅満開。312でセシウムが振っためじろん夫妻舞飛ぶ葛飾の空にも、しっかりとヴィルスが舞っているのであろーなぁ。

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