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パンデミック下のストリーミング三昧:ゴールデンウィーク編 [パンデミックな日々]

最も人が良いというか、チョロいというか、我らが「炭鉱のカナリア」たる芸術音楽系パーフォーミング・アーツ業界とすれば226アベ要請に始まった異常な日々ももうまるまる2ヶ月。流石に戦時法制化にあるお隣韓国とか、軍部の国家統制がきっちり出来ているヴェトナムなどは出口が見え始めているようで、トンヨン音楽祭など来年の話などを本気でし始めている今日この頃ながら、官民挙げた世界大運動会翼賛体制で初動を誤った上に、なんとかダラダラ周囲に合わせてごまかそうという毎度のやり方がミエミエになっている我らが素晴らしきブンカコッカニッポンちゃちゃちゃ、まるで出口は見えない状況が続き、とうとうやくぺん先生も手持ちの締め切りがある原稿がひとつだけ、というこの商売始めて以来空前の危機的状況。

無論、長期渡欧とかのために強引に仕事をかたづけて締め切り空っぽにして出かける、ということはあるにしても、普通に仕事場にいてこんな状況って、夜の歓楽街やパチンコ屋のにーちゃんや、はたまた現場が無くなっちゃった労働者のオッサンと同じ日銭稼ぎの悲哀というか、危機に立ち至っている次第。この期に及び、「パンデミックな日々」という新たなカテゴリーを創設、過去に遡り適応することにいたしましたです。後の記録に、って、もうその後も多くはない爺の日々なんでありまするがぁ。

以下、ホントの駄文。読者は佃でテレワークしながらぶんちょう様の下僕となっているお嫁ちゃまのみのどーでも良い内容ですので、読んでも時間の無駄ですよ。

もう終わろうとする今月に入ってから、なんだか妙に生活もパターン化されてきていて、月曜から金曜若しくは土曜日までは、葛飾オフィスで自主隔離の閉じ籠もり状態。なんせ、佃の縦長屋では、シン・ゴジラ目線の勉強部屋が公共スペース全閉鎖で使えず、弟君もテレワークになってる塒に籠もっていると、ぶんちょう様たちがキーボードを占拠、ヘッドフォンを突っつき、有線のラインを囓るため…当然、作業は不可能。
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かくて、週末になるとマスクに軍手の重装備でガラガラの京成電車と地下鉄に恐る恐る乗り込み大川端に戻り、人間らしい食事と寝床にありつくのでありまする。レストランの季節も終わったシジュウカラさんご夫妻は、どうやら町工場の向こうのどっかにおうちを作っているようで、今、巨大柿の木の下に出してる佃のセレブなぶんちょう様の食い残しにやってくるのは、若雀らの群れはともかく、若く美しいほーほーさんくらい。
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そんなパンデミックな非日常な日常の日々、まず朝起きると、一頃ほどでは無いにせよ、欧州北米からの「もーやってらんねーぜ」みたいなメールやら業界連絡やらをチェックし、殆どなくなったお仕事系の連絡をする。んでなんのかんの。昼過ぎになると、さて今日は何をやってるのかしら、と世界の劇場がパンデミックな日々を乗り切る文化資産総浚え大提供をやってるのをチェックし、おおおお、これは明日までだぁ、となかると慌てて夕方くらいまで劇場からの舞台中継ストリーミングを拝見させていただく、ってのが日常になってる。夕方からコンサートホールに出かけるという用事がなく年寄りには体と心我楽で有り難い…って感じるようになったら、いよいよホントの隠居も可能なのであろーかぁ。

かくて毎日の日課となりつつある「ため込むための時間と思って観ておかねばならんものはしっかり本気で眺めましょうストリーミングタイム」。先週はメトのシェロー演出《エレクトラ》配信のお陰で、スカラ座売店で投げ売りで買ったエクス初演時Blu-rayを続けて眺めるなどというアホをやってしまたのと
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昨年の悪夢の上野&初台《トゥーランドット》の演出家さんがやってるシュトゥットガルトの《メフィストフェレ》を拝見し、ああこの人、やっぱり基本的に合唱とか現場に丸投げに近い人なのね、と納得するというのが最も大きなイベント。週に2本の舞台をきっちり眺めたから、まあ、よろしいか。

んで、佃に戻り2泊、その間に葛飾では観られないNetflixで攻殻機動隊の新しいシリーズを半分眺め、なんで素子さんはこんなおねーちゃん型スタンダード擬体に入ってるんじゃ、話はまるでサイボーグ009じゃないかぁ、なーんてバカなことを思い、旧某大手証券会社本社ビル近くの新川の肉のハナマサで食材を買い込んで、日曜の午後に葛飾オフィスに戻る。まずは直ぐに眺めておかねば、とハンブルクの劇場が流して下さっているペンデレツキの《ルドンの悪魔》映画版を眺め、うううんこの曲はやっぱりこういう70年代っぽい映像に最高に合うなぁ、『エクソシスト』とか『シャイニング』って、この頃の映画だけか、なーんて思ったりして。

で、その勢いで夜にはもう一本、コヴェントガーデンが流してくれてるブリテンの《グロリアーナ》なんぞ拝見。これも、こんなときでないと劇場でやってても敬遠しそうなもんだしね。ま、ドニゼッティのエリザベス女王三部作なんぞを聴衆が知っていることを前提のハイアートであるとはいえ、エリザベス二世戴冠の記念でエリザベス一世晩年の苦悩を王都の王立劇場で出すことを許されるって、それはそれで凄い話だなぁ、とあらためて感嘆。こういう神話素材って、ニッポン国天皇家にはありそうでないんですよねぇ。

その勢いで、さあこの先、ゴールデンウィークのストリーミングは何があるべぇか、と深夜に各劇場のサイトをチェックしていく。と、なんとまぁ、ちょっと困ったことになったぞ。来る4月30日木曜日、ベルリンのリンデン・オパーが、かのヴィドマンの《バビロン》改訂版新演出を一日だけストリーミングして下さりまする。
https://www.staatsoper-berlin.de/de/staatsoper/news/unser-taegliches-video-on-demand-programm-kostenlos-fuer-sie.142/
当電子壁新聞ではミュンヘン初演時の「感想にもなってない感想」を記した作品
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2014-01-28
なんせ、このパンデミック騒動がなければ、3月の上旬には新帝都は大曲でエクとの共演なんぞが予定され、恐らくは練習から貼り付いてお姿を間近で拝見することになり、お言葉も交わすことがあったであろう天下の人気者ヴィドマン様でありまする。これもなんかの縁なのでありましょうか。果たして何時からの配信か判らぬが、これはもう身辺綺麗にしてしっかり眺めねばっ!

もう今週はこれで充分なところへ、ネットの海を渡って大西洋を越えて未だ戒厳令下のマンハッタンに辿り着くや、おおおお、なんと困ったぞ、同じ日にメトの日替わり配信で、普段は$4ちょっと払わないと眺められないかのヒッチコック原作(としか言い様がない)《マーニー》をやるではないかぁ!こっちはマンハッタンの夕方からだから、実質、日本時間では5月1日の朝からとはいえ、眺められる時間はミュンヘンからの日替わり限定配信と同じ時間にせざるを得ないではないですかっ。ううううううん…

困ったなぁ、28日から3日間のみ配信のベルリン・ドイツ・オペラの《ダナエの恋》もあるし、これは東京時間の29日午後に眺めるしかないか。そんなところに、ボストン響からメールが届き、おおおおお、なんとなんと、5月1日には、あのもう忘れもしない苦い記憶、小澤氏が風呂場で転んで松本がキャンセルになり大騒ぎになった取材をやらざるをえなかった《ベアトリーチェとベネディクトゥス》をボストン響演奏会形式でやったときの音が出てくるじゃないの。こういうの、ちゃんとパッケージで売って欲しいなぁ、ホント。

かくて、この週末は素晴らしいストリーミング放送の日々が続くことになった。みんなでおうちで巣ごもり鑑賞の、風薫る5月がやってくる。

なんだか、赤ペン持ってFM雑誌ひっくり返してエアチェックすべき時間を確認してた遙かな昔が戻ってきてるよーな…パンデミックの日々は、かくの如く時間軸を滅茶苦茶にしつつ、ダラダラと、淡々と、しっかりと過ぎてゆく。

てなわけで駄文を終わりにしようと思ったら、またまたとんでもないもんを発見してしもーた!明日、スカラ座でクルターク世界初演の《エンドゲーム》があるじゃないかぁあああ!
http://static.teatroallascala.org/static/upload/pro/programmazione-teatro-alla-scala-raiplay-def.pdf

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