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来日クァルテット! [弦楽四重奏]

招聘元のテレビマンユニオンさんからも、ましてや主催の武蔵野文化財団さんからも、一銭も貰ってません。それどころか、明日は早々に切符を買ってあげねば、と真面目に思ってます(真ん中の1曲のため、ってのが本音だけどさ)。以下、モロに宣伝です。

どうやら、ヴォーチェQの来日公演がホントにあるようです。この秋、いくつも招聘が予定されていた外来クァルテットが全て中止になる中、この団体だけは中止の話が流れていなかったのでどうなるのかと思ってたら、先程、かの武蔵野さんから「明日から売るぞ」という案内が来ました。で、チケット購入ページはこちら。
http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2021/10/post-1139.html

ヴォーチェQと言えば、なんのかんのでメイジャー大会では優勝を獲れず、2009年のロンドンでも伏兵イケメン集団ダーニッシュQに勝ちを浚われ、今回はいけるかもと臨んだ続くボルチアーニ大会ではピヒラー御大の厳しい決断で久しぶりの一位無し、それどころか、あのときは「優勝以外の賞は出さない」という極めて特殊で実験的なやり方をしたお陰で、ファイナリストとは言えるものの「一位無し二位」とも言えないという可哀想な結果となってしまった。コンクールのあり方をどう変えていくか、という流れがはっきりしてきた最初の頃で、いろんな意味で弦楽四重奏コンクール業界そのものが模索を始めていた最初の流れに遭遇しちゃったコンクール運には恵まれない団体、って感じがあるなぁ。

まあ、どういうわけか日本では弦楽四重奏マネージメント界のやり手のテレビマンユニオンさんが面倒を見てくれているので、それなりに来日を重ね、で、それなりにメンバー交代も続き、芸風も正直、エベーヌがメイジャー路線をがっちり押さえ、喋りの達者さで世間に人気のモディリアーニ、って状況ができちゃった今時のフランスで、どういう方向で行くか良くも悪くもいろいろやってみてる感はある。今回の顔ぶれになってからは初めての来日になるのかな。ちゃんと調べてないので、よーわからんわい。

今月末29日だかの公演を明日から売るってんだから、これはもう来日後の隔離の決断をした、ということなんでしょう。外国団体としては6月のイェルサレム&キュッヒルQ以来、ヘタするとこの秋唯一かもしれません。さあ、みんな、電話しよー!

昨日は20日のカヴァコスのブラームス全部やります、なんて案内も来たし、どうやら緊急事態明けで、一気に小回りの利く外国ソリストやアンサンブルは一気に入ってくる状況になってきた…のかしら。うううむ、コロナはともかく五輪の負の遺産がいよいよ本格的に出てきそうな空気漂う業界、そう簡単に2019年までの世界に戻るとは思えぬがなぁ。

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アジア・オーケストラ・ウィーク2021のプログラミングについて [音楽業界]

やくぺん先生が帝都に戻ってきてぐちゃぐちゃな作文作業の日々を過ごしている間に、遙か新帝都は内藤新宿の関の彼方、初台のオペラシティでは、秋の芸術祭オープニングを飾るアジア・オーケストラ・ウィークが開幕しておりまする。
https://www.orchestra.or.jp/aow2021/
夏のような異常な陽気も少しは和らいだか、本日3日目は音楽祭のハイライトとも呼べるであろう「冨田勲の夕べ」で、♩あああーあーあーああああああぁ、とかのジャングル大帝のテーマがフルオーケストラで響き渡るんじゃよ、皆の衆!これは行かないわけにはいかんえしょ。

今年は誰でも判る諸事情によりアジア各地からのオーケストラの招聘ままならず、結果として大阪、東京、名古屋のオーケストラが「アジア」をテーマにした演奏を繰り広げているのは皆様ご存じお通り。そのプログラミング、見れば見るほど味わい深い。要は、「明治終わりの山田耕筰から平成後期の細川まで、ヨーロッパの芸術音楽へのその時代のニッポンを代表する作曲家に拠るオマージュのような作品の間に、激動の20世紀に日本、韓国、中国の作曲家達が西洋音楽に真剣に対峙した創作を並べ、間に西洋音楽の古典中の古典、西洋での辺境からのアプローチ、異なる美意識の提示、を端的に示す大名作を据える」というもの。

故あって当日プログラムの作文を超特急作業でやらせていただいたのでありまするが、いやぁ、あらためて実際にその半分が音になったところで眺めても、ホントによく出来た「アジアと西洋クラシック音楽」のレジュメみたいなプログラミングでありまするな。

正直言って、このような明快な視点で並べられたプログラム、プログラミング・ディレクターさんのお言葉をいただくなり、可能ならば曲目解説も監修していただきたいとずっと思っておりました。ホントは俺なんかじゃなくて、プログラム・ディレクターさんが解説を書くべきだろうに、まあ、このご時世、演奏会を実現するだけでお忙しいので、やくぺん先生なんてヤクザな三文売文業者に放り投げて来たんだろう、と思っていた次第でありまする。はい。

んで、昨晩、もうこれ以上判りやすい中国っぽい音楽はない、ってコンチェルトを聴いた後、実質上のフェスティバル・プロデューサーであるところのオケ連の担当者さんに、「で、このプログラムって、どなたが作ったんですか?」と訊ねたですよ。

ったら、事務局さん答えて曰く、「いや、うちの事務局がオケの担当者といろいろ話をして、こういう風に決めたんです。誰か特定のプログラミングのプロデューサーがいる、というわけじゃありません」ってさ。

へええええええ、ビックリぎょーてんだわさ。

音楽史的な位置付け、作品のキャラクターとそれぞれの日に配されるバランス、それに敢えて冨田勲を20世紀後半の日本を代表する作家としてフィーチャーする英断、などなど、どう見てもはっきりした意志が働いたとしか思えない作品の配置。これが、一種の合議制の結果として自然に生まれたとすると、それはそれで驚くべき奇跡としか言いようがないじゃんかい。

別の見方をすれば、100年を超える西洋音楽スタイルの創作の歴史と成果の積み上げの中で、このような見せ方が自然と出来る位の作品が生まれているのだ、ということでもある。

それをどう考えるか、それは貴方次第。昨日や明日に披露されるヴァイオリンの協奏曲を、いくらなんでお恥ずかしい、と堂々と言ったって構わない。その恥ずかしさこそが、「自分らのもの」である証明なのかもしれないんだからさ。

アジア・オーケストラ・ウィーク、あと2日あります。まだまだ当日券はあるみたい。初台へ、是非どうぞ。それにしても今日の最後の曲、なんとか初音ミクさんをソリストに呼べなかったのかしら。ギャラ、お高いのかしら?

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バンフの審査員が決まった [弦楽四重奏]

世間ではコロナ後のニッポンで開催された最初の国際コンコンクールたる民音の指揮者コンクールが大いに話題になり(いろんな意味で…)、世界中のピアノ音楽マニアさんがワルシャワからの予選のストリーミングに一喜一憂している今日この頃、完全に出遅れた、というか、やっぱりちょっと質が違うよねぇ感が漂うアンサンブルのコンクール、メイジャー大会のひとつたるバンフは来年9月開催に向け、着々と準備が進んでいるようでありまする。

んで、ある方から、審査員が決まったみたいですよ、とURLが送られてきました。自分のメモとして、貼り付けておきましょ。ほれ。
https://www.banffcentre.ca/bisqc-2022-competitor-info?utm_medium=email&utm_source=CRM&utm_campaign=BISQ_2022_Open_NR-10.04.21&fbclid=IwAR27paF6V0iWuS0hIrK8fzZQ251KEQg-O6LFryE_SEV-9ZfFdIpmbiJgtGM

うううむ、いかがで御座いましょうか。正直、ちょっとびみょーな感じが漂うのは否めないんじゃないかな。やっぱり、弦楽四重奏やり続けて何十年、って長老がタカーチュの創設セカンドさんくらいしかいない、ってのがなぁ。ケレマンくん、ちょっと弦楽四重奏をやってなかったみたいけど、また再開したそうな。でもやっぱ、ソリストっぽいことは否めない。

ま、これはこれ、もう時代はどんどん変わっていて、やくぺん先生はすっかりご隠居世代なのである、と腹を据えられるメンツであることは確かであります。

来年の9月、世界はどうなっていることやら。まだまだコロナを甘く見てはならんぞよ。

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由布院盆地の飛ぶものたち:遭遇編 [ゆふいんだより]

新オフィスを遙か温泉県の盆地に移し、引き渡しと家財搬入で二度の滞在、なんのかんの総計2週間弱を過ごし、遙か東は新帝都に戻ろうとしている朝であります。朝っぱらに、ゴミをきっちり纏めて、10日弱後にまたくるまでがらんとしたなにもない部屋で大人しくしてくれよ、と新オフィスの鍵をかけ、夜明け前の田圃の中を駅に向かって歩いて行くと、目の前を青いものが朝の光を振り撒きながら線路の方にすっ飛んで行く。おおお、翡翠色のスター、カワセミさん、それもご夫婦じゃあないかい。
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観光地の方の川辺では盛んに見るけど、大分川ももっと南、こんな線路際にいらっしゃるのは、綺麗な湧き水を使った養魚場がお目当てなんでしょうなぁ。

そう、まだまだしっかりと目を凝らしてる暇はないんだけど、この盆地はたくさんの小さな、大きな、飛ぶ方々の影に溢れている。当電子壁新聞を長く立ち読みなさってる皆様ならご存じ、「飛ぶものたち」シリーズをきっちりやらんとマズいんじゃないのきききききぃ、っていきなりのスターからの叱咤激励かいな。

では、あんまり寝てなくて頭パー、夏が戻ってきたような暑さの中、石武オフィス開設以来出会った飛ぶものたちをご紹介しましょうぞ。

まずは、なんといっても駅前に乱舞するこの方々。
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新オフィスの近辺は、駅周辺のような大量のアパートみたいな住み方はしてないみたいだけど、それでも高く低く、お天気を教えてくれるように舞っておりますじじじじぃ!

と、新オフィス到着の夕方、雨が落ちそうな中を聞き慣れた轟音が渡っていくぞ。おおおお、この盆地の町のもうひとつの主役、マシン猛禽の中でもお馴染み中のお馴染みの鷹くんシリーズ、陸自鷹ではあーりませんか。
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我が陸軍の先鋭海兵隊が駐屯し、山の向こうには「満州に似た地形」ということで戦前から使われ続けている日出生台演習場が広がる盆地の空、西の佐賀は目達原からやってくる鷹シリーズにっぽん版が舞っていて何の不思議があろうや。佃縦長屋の目の前ではヤンキー海鷹黒鷹が新帝都上空を乱舞し、陸自猛禽通勤路の葛飾旧オフィス上空にも陸空、時にはヤンキー鷹も頻繁に顔を出していた奴らが、ここでもいきなりご挨拶かい、うううむ…

翌朝になると、別府からの山越え、道の向こうから吹っ飛んで来て、ぐるりと盆地を巡り、中学の向こうの方に降りていこうとしてる機械飛蝗がおるわい。
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へえ、ここ豊後の国を縦横に走り回るドクターヘリくんですな。その後、何度も顔を出してくれ、日本全国共通ドクターヘリカラー、瞬く間に見慣れてしまいましたです。

あれ、また来たよ、と思って眺めたら、ちょっと違うぞ。へえ、大分ポリスはドクターヘリと同じ奴なんか。
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国東半島先っぽの空港を基地に、こいつも散々に九重の山の彼方までを我が物顔で跋扈してら。盆地の空の頼もしい、でも出しゃばらない、賢いぽりーすまんであってくれよ。それにしても、通常高度が2000フィート以上の新帝都JA-〇〇MP軍団に比べると、ホントに這うように飛んどるなぁ。

なんだか騒々しいわねぇ、と見上げては、刈り入れが済んだ畑でノンビリと憩ってる方が。
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たぶん、数だけでいくと、雀たちや鴉、はたまたムク共と並んでこの盆地の最大勢力であるやも、って鷺さんでありまする。養魚場の周囲にはすっかり植わっており、森が真っ白に見えることも。

おっと、俺たちを忘れるなギャー、と雄叫びを挙げるのは、ニッポン固有種ヒヨちゃんだぎゃぁ!お、なんであんな場所で得意の急旋回スペシャル空中マニューヴァーを披露していたのかと思ったら
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蜘蛛さんをご飯にしてるんだぎゃぁ!へええ、一見最強生命体に思える蜘蛛さんだけど、ヒヨちゃん相手ではあっさりご飯にされちゃうんだなぁ。

最強、最凶な飛行体といえば、やはりこいつでしょう。
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湾岸から10トントラックで家財が搬入された朝、搬入作業がテロに襲われぬように上空から警備してくれるのか、ぐるんぐるんと新オフィス上空を200メートル台の低高度で飛び回り、一息ついたな、って駐屯地へと降りてった。我が陸軍の最強飛ぶもの、たった半ダースしかない虎の子猛禽、アパッチくんでありまする。葛飾巨大柿の木上空では、質実剛健先輩コブラくんたちの半ダースくらいの大編隊がシジュウカラ・レストラン上空を盛んに往来していたけど、ここ温泉県盆地では新パーシモン・ゲート上空を単機で完全制圧してくれようというのかっ。なんであれ、あんたが本来業務で役に立つようなことなんぞ、ないように祈ろうかい。

やくぺん先生新オフィスの周辺を「俺んち」にして、誰よりも大声からしてるホントの主ってば、この方。百舌鳥さんでじっっじっ!
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この盆地、百舌鳥さん達はたぁくさんいらっしゃり、もう数百メートル毎に縄張りの大声あげて領地確認飛行を繰り返してらっしゃいます。久大本線始発よりも早く、夜明けを告げてくれるのもこの方でじっじ!

もうひとつ、高いところからステキな声で鳴いてるのは、埼玉県民なら一瞬ドキッとしそうな、とっても美人のこの方でほーほー。
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町の方にはどばどばたちもいるようだけど、田圃と森の境のこの辺りじゃ、高い杉の林のてっぺんからノンビリ歌ってるでほーほー。

そして、マシン猛禽らご挨拶のトリといえば、やっはりこいつ。
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今時珍しい二枚ローターの轟音を盆地全体に響けとばかり遙か彼方から響く伝統と格式の「ヘリコプター音」振り撒いてやってくる、余りにも余りにも馴染みの空のハイエース、陸自イロコイくんでありまする。あああ、俺は基地の町にいるんだなぁ。

この盆地上空、海の向こうの岩国空域の筈なんだよねぇ、とFlightraderを眺めると、上空で響いているけど姿は見えぬ爆音は、ぁああ、やっぱりこいつかい。
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国東半島抜けて九重の山をグルグル、我が庭にしているらしい岩国のマリンコまいてぃ・はーきょりー、でありましたとさ。

てなわけで、まだまだホントのスターは姿を見せてなさそうな盆地の空、まずは常連連中の顔見せ、ってとこかな。数年後には確実に温泉付き駐屯地にミサゴくんがやってきて、全国ニュースの大騒ぎになるだろーなぁ。

きくところでは、南の森の向こうにはブッポウソウさんもいらっしゃるというこの盆地…いつ出会えることやら。「由布院盆地の飛ぶものたち」まずは第1弾、遭遇編でありました。

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リンプはんちょー…とは? [ゆふいんだより]

世間の知恵のある皆様に今回の新帝都脱出温泉県盆地へのオフィス移転の話をすると、皆様揃って顔を顰め「田舎暮らしは大変だよ」と仰って下さいます。そもそも由布院町は都会生活を脱出してやってきた人があちらこちらにおり、それらの方々も口を揃え、いかに面倒なことが多いか、嫌になることばかりか、仰ってくださる。

ま、そーなんだろーなー、としか言い様がないです。いずれ俺も言い立てる側にまわって言いたい放題言って、新参者を不安に落とし込むのであろー、とその日を楽しみにする嫌なオッサンなのであった。

さても、とにもかくにも現時点でのやくぺん先生ったら、逃げも隠れも出来ない絵に描いたような新参者でありまする。それでも、巨大倉庫や物流ヘッドクォーターから車で5分の大川端のテキパキピリピリした新帝都湾岸のヤマト運輸さんと南由布ヤマト運輸センターのおにーちゃんのノンビリマイペースぶりを比べてお客様センターに電話してやろうなんて思わないし、エディオン販売店に行っても話が判る若社長がいつも不在でご隠居しかいないと呆れないし、神楽坂からの普通郵便が5日もかかるとビックリすることもない。ま、田舎なんだからこんなもんなんじゃろ、と鷹揚な気持ちで縄張りの雄叫びを挙げては15分毎にやってくるうちの百舌鳥さんにご挨拶を繰り返すのでありまする。うん。

とはいえ、流石にこれは困る、ということがある。ゴミ出しです。

なんせ新帝都縦長屋の場合、各階にゴミステーションがあり、どんなゴミできちんと分類しさえすればいつでも指定の場所に持って行きさえすれば良い。葛飾区の場合にも、曜日による細かい分類があり回収日や場所の指定はあるものの、それさえ守れば区民納税者じゃなくてもそれなりの頻度で出すことが出来た。

勿論、我らが温泉県盆地の人口1万の町も、町が曜日指定でゴミを回収するシステムは出来上がっております。ほれ。
http://www.city.yufu.oita.jp/wp-content/uploads/2021/03/yufuin-gomicalender.pdf
ペットボトル、瓶缶、燃やせないゴミは毎月一度、というオソロシー事実におののきはするものの、一応、ベルリン市みたいな頭抱えるような細かい分類が求められるわけでもなく、葛飾区と同じ常識的な分類で持って行ってくれることにはなっている。うん、偉いぞ、由布院町。しばらくの間は、缶ゴミなどに関しては、LCCの荷物1500円だか2500円也だかを購入し温泉県から新帝都まで成田経由で手で運ばねばならんことになるのは、もう今から眼に見えてるけどなぁ。ううううむ…

がぁあああ、問題はそこではない。ゴミを出す場所、なんです。

指定した日にゴミを持って行って貰うために朝の7時半までに出しておけ、という場所は、葛飾ならば巨大柿の木下から数メートル、やくぺん先生旧オフィス敷地とお隣の退役した中学の先生のお宅の間からちょっと向こうの公道の隅っこだったわけです。ところが、ここ石武地区のシステムは、「ゴミ出しステーション」というしっかりと囲われた場所に、扉を開けて納め、また閉じておかねばならない。いくら久大本線が走っていて、向こうの我が軍最強の海兵隊官舎がある方からは鹿やら狸やらの野生動物さんたちが束になって降りては来ない辺りとはいえ、野良の猫さんなどはいるそうだし、いろんなこともあるんでしょう。ともかく、地域住民がお金を出し合って建てたボックスのようなものが設置されてます。

前のオーナーさんからは、「あのゴミステーションは私がお金を出して建てたものですから、使えます」とは仰るものの、その表には堂々と「このステーションが使えるのは以下の者のみ。それ以外は罰金を取りますよ」と記されている。

となれば、取るものも取りあえず、この場所を管理している方のところに挨拶に行き、前のオーナーさんの名前をやくぺん先生の世を忍ぶ仮の姿の名前に変更して貰わないとマズい。なによりの急務でありますな。

んで、不動産屋さんに「この方に連絡してください」と渡されたのが、「石武自治委員」という肩書きの方の電話番号。調べてみると、駅に向かう表通りの、それなりに大きなお宅にお住まいの方のようだ。了解しました、連絡してご挨拶し、話を聞き、指示に従います、ってことになり、先程、電話してみたら…繋がらない。

面倒だから直接行ってみましょう、と佃の佃煮の折り抱えて出かけら、やっぱりいらっしゃらない。

しょうが無いから、裏の畑のお宅とか、その隣のご隠居とか、敷地を接しているご近所には佃煮撒いて歩き、人畜無害の怪しいものでありませぬ、とご挨拶。更に、ゴミステーションから最も近い町工場のご隠居宅の扉を叩く。幸いにもいらっしゃって、これこれこういうわけでよろしくお願いします、ともうマシンのように同じ事を繰り返し、ついでに自治委員の某さんがいらっしゃらなくて、と漏らすと、いやいや、その人に言っても話は判らないさ、りんぷはんちょうの某さんに言わないとダメだよ、って。

リンプはんちょう…って、なに?

ともかく、言われるがままに集落の方へ引き返し、教えられた「リンプはんちょう」さんのお宅に向かう。幸いにも佃の佃煮の折りはまだ残っているわい。んで、ガラガラに開けられた玄関の向こうに向けてこんにちわ、と叫ぶと、相当にご高齢のおじいちゃんがおひとりでいらして、出てくる。うううむ、と思うも、ともかく何度も繰り返してマシンになってしまったような挨拶を繰り返し、折りを渡すんだけど…どうも要領を得ない。また来ます、と引き返すわけにもいかず、ともかくご挨拶だけして、いちばん知りたいゴミ出しシステムについての話は出来ないままに、早々に引き上げることになった次第。

さても、やくぺん先生新オフィス、あのステーションにゴミを出してもいいのやら。

とにもかくにも、現時点でやれるだけのことはやって段ボール屋敷の新オフィスに戻ってきて、「リンプはんちょーとは、自治委員とは、いったい何じゃらホイ?」と、この地域では恐らく最強のインターネット回線を駆使し調べたところ、以下のような諸事実が判明した次第。

★ここ温泉県には、行政の下請けの「自治委員」というものが存在し、ゴミの管理などはその人が行う。町会のようなボランティア組織ではなく、準公務員のような扱いらしい。
https://www1.g-reiki.net/yufu/reiki_honbun/r222RG00000017.html

★「リンプはんちょー」とは「隣保班長」で、なんとなんと大政翼賛会が作った隣組組織のことのようであーる。三宅坂の国会図書館には、ちゃんと概説してくれる文献が存在しておるわ。
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001636071-00

ゼンリンさんの最新住宅地図のこの地域抜萃版を500円也払ってダウンロードして眺めてみると、どうやら隣の田圃なさってるお隣さん一族やら、線路向こうで超高級温泉宿やってる社長さんやら、二軒くらいの大きな農家さんが住んでらっしゃった場所で、その中にちょろちょろとよそ者が住み着くようになったらしいことは推察できます。んで、なにがどうなってるやら知らぬが、第2次大戦に向けた戦時体制から戦後、その後の数度の市町村大合併を経て、地方自治のあり方は既存のものをチャラにして新しくするのではなく、その時点で存在している組織なりを適当に(適切に、というべきか)利用し続けることで動かしてきたみたい。

そこに持ってきて、農家さんと町工場、さらにはお寺やら、狭い農道がまんま観光地になった迷路のような町内に入り込まずに済む高速インターから近いロケーション故にこちらにまで進出してきている1泊お一人様5万円が当たり前なんて超高級温泉宿も複数あり、地域住民さんの間でもいろいろと面倒なことがあるんじゃろ。
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とにもかくにも、やくぺん先生としては基本的にはウルトラスマイル路線、言われるがままに「はいはい」と良い人をし続け、金を払えと言われれば税理士さんに相談して(っても、東京の人だから、状況は判らんだろーなぁ…)、明らかに法的に筋の通らないおかしな話でなければ、言われるがままにいたしましょ、ってな無抵抗主義で行くつもりでありまする。人間関係横並びがなにより、同調圧力にはガンガン従いましょ、ってね。

いやぁ、まさか21世紀も20年代の今になって遙か温泉県は標高450メートルの盆地で近衛文麿の遺産と対面し、目を白黒させられることになるなんて。ヴィオラ弾き近衛双子兄妹よ、あんたらのご先祖様、なんて迷惑かけてくださるんじゃいっ!

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