SSブログ

古楽系弦楽四重奏団を聴こう [弦楽四重奏]

来る火曜日の晩、実は意外な東京東の室内楽プチ・メッカ(?)になりつつある日暮里駅東口出たアジアチックな喧噪のど真ん中のホテル4階、日暮里サニーホールで、こんな演奏会があります。
IMG_6037.JPG
https://quartettooceano.wixsite.com/main/concerts

東京首都圏の古楽系アンサンブル奏者などを務める連中が、「ピリオド楽器に拠るクァルテット」を定期的に演奏していこうと活動しているクァルテット・オチェーアノが、ギロヴェッツ作品集をCDとして発表するのに合わせてライヴをやるぞ、というもの。

東京圏、というか、日本で活動するホントのピリオド系団体というと、雑司ヶ谷のお寺でずっとやってる鈴木秀美さんのクァルテットがまず頭に浮かぶでしょう。一頃は古典Qが古楽系と思われていたこともあるようだけど、流石にその誤解は解けたみたいなのは良かった、というか、面倒がなくなった。一昔前までは、古楽系というと「意識高い=いろいろ能書きが長くてめんどー」というイメージもあったけど、流石に21世紀も20年代の今やそういう空気もなくなり、当たり前に聴けばいい、って空気になってきたのは、マジ、よろしいことでありまする。

とはいえ、ピリオド系で弦楽四重奏というのは自ら手足を縛っているようなところもあり、なかなか大変。秀美さんとかクイケン御大みたいな大家となればどうにでもやりようがあるけど、この類いのアンサンブルが山のようにある仏蘭白独英なんぞからでも、人気団体として認知されつつあるキアロスクーロQなんぞは例外中の例外。酒井のあっちゃんのカンヴィニQもまだ来日出来ていないし、高松古楽音楽祭の招聘で期待されたコンソーネQもコロナ禍で今年は来られなかった。そんな中、古い楽器愛好家さんの渇きを癒やしてくれる演奏会があるのだから、これはもう、聴かないわけにいかんでしょ。

来る火曜日に披露されるギロヴェッツは、バッハ以前のなにやら同じ事を繰り返しているような音楽ではなく、生まれは1763年のボヘミアというのだから、なんのことはないベートーヴェンよりちょっと上、ってくらいの人で、普通に言えば古典派からロマン派を生きたヴィーンの作曲家さん。要は、ベートーヴェンの弦楽四重奏文献を眺めていると名前はいっぱい出てくる同時代の弦楽四重奏作品を遺した人のひとりであります。別に隠れた、埋もれた作曲家というわけでもなく、知ってる人は知ってる、という方ですな。弦楽四重奏の録音もなかったわけじゃなく、NMLなんぞ開けばプレイエルやらチェルニーやらの弦楽四重奏と一緒になったディスクが出てきたり。音楽としても、ビックリして腰を抜かすようなものではありません。なんのかんの言わずに、まずはお聴きあれ。

幸か不幸か、コロナ禍で御上がこういう映像収録の支援をしてくれるという環境を用い、こんな映像が出てきてるのは有り難いことでありますな。

お暇な方も、そうでない方も、火曜日は日暮里へどうぞ。そろそろベートーヴェンも飽きてきたでしょ、とは言わないけどさ。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽