SSブログ

悪いこととか良いこととか [音楽業界]

今年で16回目、すっかり恒例となった東京文化会館小ホールでの「ベートーヴェン中期後期名曲選」が古典Qの作品135で終わり
IMG_7294.jpg
某ホールのチーフプロデューサーさんと来年もまだまだ大変そうですねぇ、などと話しながら上野の山をダラダラ下り、すっかり人の姿も消えたアメ横を眺めながら地下鉄で八丁堀へ。冷たい師走最後の風に吹かれつつ、大川上流に天樹が新年を迎えるライトアップ
IMG_7310.jpg
反対側には東京タワーの先っぽを眺め、大川端縦長屋に戻って参りましたです。今年もあと数十分、だそうな。なんか阪田さんがリストのコンチェルトをテレビ画面でやってるぞ。

そんな大晦日カウントダウン前のひととき、慌てて記すのは、ちょっと残念な話と安心する話。どっちも当無責任私設電子壁新聞が伝える話ですので、そんなもんかと思ってお聞きあれ。

まずは残念な話から。来月16日、パリはシテ・ド・ラ・ムジークのアンフィシアターで開催されることになっているクァルテット・ビエンナーレの国際若手弦楽四重奏団オーディション、今回で4回目かな、にして初めて遙々日本から参加予定だったクァルテット・インテグラですけど
https://philharmoniedeparis.fr/en/activity/musique-de-chambre/23042-audition-internationale-de-quatuors-cordes
先程、ベートーヴェン撰集で、《ラズモフスキー》全曲でいきなり3番打者メイジャーデビューみたいな大任を果たした後、ちょっと立ち話をいたしました。うううむ、やはりというか、しかたないというか、参加を見合わせることにしたそうです。とても残念ですが、そもそも上のリストに挙がっている聴いて貰うべき世界各国の主催者やプロデューサー、フェスティバル・ディレクターなんぞがちゃんとパリに集まるか判らないし、なによりもこれから先のある若者です、妙な病気など拾ってきたら冗談にもならぬ。賢明な決断と言えましょう。秋のミュンヘンがまともな闘いが出来る状況であることを祈るしかないですな。

で、ちょっと安心な話。当電子壁新聞でもお伝えしましたように、由布院町の賢人小林道夫先生は「90肩」で去る24日の50回目の《ゴルドベルク変奏曲》演奏会をキャンセルせねばならなかったわけであります。その後、どうやらしっかりお休みになられ、元気になられたそうで、ご本人は来月末の大分での演奏会はやりたいと仰ってるとのこと。
https://emo.or.jp/event/3306/
無論、数日前にはマイナス6度を記録した温泉県盆地ですから、4週間先のこととなると、まだまだなんとも安心できるわけではありません。とはいえ、ちょっと期待はして待ちたいものでありまする。やくぺん先生も、明後日に大分入りしたら、パリから帰国後の隔離生活が予定され諦めてたチケットを慌てて買いに行かねば。

何を言おうがもうすぐ新年。頑張って、なんとか生き延びましょ。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

DGが収録時間35分弱の新譜発売 [音楽業界]

年末暇つぶし雑談です。

パリ行きが無くなったんで、内容的にかなり難しいので引き受けられるかちょっと躊躇っていた仕事をやることにし、2021年もあと2日というのに働いている編集者さんのところまで行き、もうホントは閉まっている扉を警備員さんに開けていただき、打ち合わせをして参りました。これで来月前半は温泉県お籠もりでガッツリ働くことになったわけで、ま、ボーッと本棚立ててるだけよりは余程よかろー。っても、お陰で明後日の朝にLCCで温泉県に向かうのに取扱注意で機内持ち込みで運ぶ以外無い重量3キロの資料が出来てしまい、さても、どーするべぇか。行きはお嫁ちゃまがいるから良いものの、帰りは資料を帝都某所まで手持ちで返却するためにまた機内持ち込みにせねばならず、他のもんのために預け荷物を買わにゃならんなぁ。うううむ、赤字仕事にならんか…ギリギリだわい。

てなわけで、少しはある他の仕事の予定を変えねばならず、来月頭に入れれば良いとノンビリしてた作文を慌ててやってる年の瀬。そのお仕事に必要なんで、どっかにラフマニノフのチェロ・ソナタの音はないかとNMLをひっくり返していたら、へえ、こんな新譜があるんかい。
yuja-wang-rachmaninoff-cello-sonata-in-g-minor-op-19-cover(1).jpg
https://www.deutschegrammophon.com/en/catalogue/products/rachmaninoff-cello-sonata-in-g-minor-yuja-wang-12563

天下のイエロー・レーベルさんから出てる、カプソン&ユジャ・ワンなる21世紀20年代の今、世界でいちばんメイジャーなスターさんの二重奏でありますな。一昔前ならさしずめマイスキー&アルゲリッチ、もっと前ならロストロポーヴィチ&リヒテル、って位置づけのレコードなりディスクなり、ってところ。これを聴いておけば、ま、今の趣味や技術水準がこんなもんと判る、ってタイプの録音でありまするな。

なぁるほど、今時はラフマニノフといえ背脂たっぷりベタベタ濃密な味付けとはちょいと違った、切れ味抜群系にふったテイストになるんじゃなぁ…などとノンビリしたこと思いながら聴いていて、終わって、アレっと思いました。

このディスク、ってか録音パッケージ、これだけでオシマイなのっ?

二重奏ソナタとしては大曲とはいえ、それでもたった34分14秒じゃんか。レコード時代後期なら頑張って片面にギチギチ突っ込んだ位の長さじゃあないの。CDだったら、当然ながらショパンのチェロ・ソナタとか、ロシア系チェリストだったらミヤスコフスキとかショスタコとかのチェロ・ソナタを入れて1枚にするのが常識。この曲しかないって、なんなんねん。

ビックリしてNMLの「この曲の他の演奏」というリストを眺めてみると、なんとなんと、ユジャ・ワンさんって、1年もしない前にリン・ハレルとのこんな録音もDGブランドから出してるんね。
https://ml.naxos.jp/album/00028948393114

へええ。まあ、これはハレル御大がお亡くなりになったんで、その追悼で古いライヴを引っ張り出してきて商品化した、ってことみたいなんで、ちょっと特殊な形態かもしれないけど、それにしても同じピアニストが同じレーベルから違うチェリストで30分ちょいの、シングルCDとはいわないが不思議な長さの録音を公式にリリースするって、ちょっと不思議な気がしますねぇ。

音楽を売る、というビジネスのフォーマットが完全にディスクやらのブツからデータ配信に移っているんだなぁ、と爺はあらためて時代の変化に感じ入る年の暮であったとさ。この音源、リアルなディスクとしての販売って、あるのかしら。

いずれ、録音は全部「1分辺りいくら」とかになるのかなぁ。流石に「バイト辺りいくら」ってなると、わしら老人にはもう感覚的に付いていけないけどさ。

nice!(2)  コメント(2) 
共通テーマ:音楽

巴里断念 [売文稼業]

来月11日に巴里行き昼前の直行便で羽田を発ち、真っ直ぐ同月26日午後に羽田に帰国、その後は恐らくは都内での2週間の隔離が想定され、《影のない女》に飛び込めるかギリギリだったツアー
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2021-11-30
昨晩、中止を決断しました。

コロナ状況を眺め渡航を決定し、様々な準備が揃ったのが11月終わりの段階。その時点ではフィルハーモニー・ド・パリ総裁からお嫁ちゃまへの正式な招聘状も出て、大学側もOKを出し学校としての公式の渡航許可がおりたのですけど、その直後から新型コロナ新変種騒動が勃発。あれよあれよと状況が変化し、御上が原則外国人無差別入国禁止という無茶な政策を打ち出してニッポン国世論もそれに賛成の空気が瞬く間に広がって、我が業界すっかり置いてきぼりの大混乱に陥っているのは皆様ご存じの通り。

で、鎖国宣言から1ヶ月、政府中枢が未だに鎖国措置をどうするかきちんと発表はなく、讀賣新聞など政府翼賛系メディアを使った情報リークで世間の空気読みをしている事態に変化なく(というか、自分たちは命令しないけど国民が勝手に萎縮する空気を作る、という我が政府お得意の常套手段で)、宿のキャンセルのタイミングなどからクリスマス休暇明け仕事納め前にニッポン政府の動きがないのを見極め、決定に至った次第でありまする。

葛飾にオフィスがあった頃なら、羽田に入国しどこか数日御上が調達したアパホテルなりに隔離され、そこから最悪でもえっちらおっちら5時間くらい歩けば、なんとか巨大柿の木下まで到達するだろう。となれば、10日の隔離があろうがなんてことなかった。ところが葛飾オフィス無き今、強制隔離解除後に遙か1000キロ近く離れた温泉県盆地の新オフィスまで公共交通機関無しで行けといわれても、いかなノンビリぽかぽか東海道山陽道とはいえ弥次喜多道中越え1週間を野宿しながら徒歩で向かうなど不可能。ヨー・ヨー・マ様のようにHONDAジェットをチャーターして沖縄まで向かう、なんて荒技は貧乏人庶民に出来る筈もない。10日間も自費で都内の宿に自主隔離する費用だけで巴里までの往復航空運賃くらいかかってしまうなぁ、と頭を抱えていた。

それでも、この演目ならば仕方ない
https://philharmoniedeparis.fr/fr/agenda?startDate=2022-01-12&weekend_i=784&utm_source=211215_biennale_quatuors_2022&utm_medium=email&utm_campaign=biennale_quatuors&utm_content=btn_header&fbclid=IwAR0BCeOT8Hw1pbCkuO25oKNXKnezmmwWRHpxo2itqhmhifrj060FaefZlVo
なんせまるまる2年も仕込みをしていないんで、そろそろ商売干上がってしまう寸前。2年分の海外取材経費全部投入、と考えるしかないかぁ、と腹をくくっていたわけでありました。

既に上の日程表に挙がっている参加団体を眺めただけでもアングロサクソン系団体の参加は皆無で(アルディッティは昔みたいにマネージャーはおにーちゃんの家族経営ではなく、欧州大陸拠点みたいなもんですからね、実質)、恒例のビエンナーレに比べるとEU圏内だけ、有り体に言ってフランス文化圏ばかりのフェスティバルになっていることは誰の目にも明らか。それでも、チャリックがどうなっているか、なによりもシンプリーがどうなっているか、そして最大のポイントは16日に予定されている若手団体国際オーディション。このオーディション開催4回目にして初めて日本からインテグラが参加するということもあり、多少の無理は覚悟で眺める必要があるべぇ。

無論、ホントはこの後のハイデルベルク、アムステルダムとまわって2月上旬まで滞在出来るにこしたことはないのだけど、ドイツやオランダは同じEU内とはいえ経済優先のフランスとはちょっと違ってロックダウンやら規制が厳しく、フェスティバルがまともに行われるとは思えない。何故かパリは現時点では予定通り決行とのこと。とはいえ、オーディションには日本の室内楽振興財団や中国や台湾の関係者ばかりか、ウィグモアホール総裁やらリンカーンセンター室内楽協会のディレクターやらも来ることになってるけど、英米は来ないだろうし、アジアも日本以下、みんな来られないでしょう。それどころか、オーディションに参加する側だって、フランス圏以外から来られるのかしらね?

コロナへの感染リスク、東京佃大川端のご家族へのリスク、経済的リスク(キャンセル可能な航空運賃以下、普通にパリに行って2週間、って取材ツアーの数倍の経費が予想されますから)、物理的精神的な負担、それらの全てを納得した上での渡航は、流石に無理。これが40代現役バリバリだったら、それでも行くぞ、と思うかもしれないけどねぇ…

ちなみに2022年は4月にロンドン・ウィグモアホール国際弦楽四重奏コンクール、9月にはミュンヘンARDコンクール弦楽四重奏部門、秋から冬にはパリでマキシム・パスカル氏率いるル・バルコンの《光》チクルス「金曜日」が控えてます。ミュンヘンくらいからは顔を出せるようになるんやら。イースター明けに渡欧出来る雰囲気は…正直、ないなぁ。「東京春音楽祭」がホントにやれるのか、って感じだもんね。

というわけで、来月半ばは現状では温泉県盆地新オフィスで粛々と本棚を建て込む生活をすることになりそうであります。冗談ではなく、ひとりで出来る肉体労働を越えているので、日程が決まりましたら「雪見酒露天風呂付き図書館建て込みボランティア温泉県盆地ツアー」を募集するやも。この大寒波で水道管が破裂してないといいんだけどさ。

ふらんすへ行きたしと思へども
ふらんすはあまりに遠し
せめては新しき本棚を背負い
温泉県への通勤にいでてみん

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

ヴァージル・トムソン室内楽全集CD発売 [現代音楽]

この辺りの作曲家の話を「現代音楽」カテゴリーにしていいのか、ちょっと困ったところもあるけど、ヴァイルなんぞよりもお年寄りの19世紀生まれとはいえ1989年までご存命だったということで、許していただきましょう。

なんでもかんでも録音がネット上に存在し、YouTubeやらNMLやらで出てこない音はないんじゃなか、と思える程になった21世紀20年代、当然あって良さそうなのにいまで無かったものが数週間前に出てきましたです。20世紀アメリカ合衆国で最も著名な作曲家のひとり、ヴァージル・トムソンの室内楽全集。数週間前にリリースされて、暇になったら聴こうと思ってたのを、やっと本日、聴けましたです。
9af74c4c-e1c0-481b-bd61-17d0e9b54dd6.725x0.jpg
長い生涯の多作家という気がするのだけど、意外にも純粋に「室内楽」とされる作品はCD2枚で収まってしまうようで、2時間もあればこの長生きした作家の室内楽全容が把握出来ます。録音は2012年だそうで、今時の「昨日録音した奴がもう今はネットで拾える」という感覚からすれば随分時間が経ってるようにも感じるけど、充分に最新録音と言っていいでしょ。

こちらがオフィシャルなリリース。っても、レコード屋さんの、じゃなくて、トムソン協会の公式ホームページにアップされた嬉しそうな紹介文です。
https://www.virgilthomson.org/news/press-release-new-album-from-everbest-music/

主要な室内楽はブーランジェに習っていた頃だかの1930年代に生まれていて、良くも悪くもロマン主義が嫌になった新古典主義時代のパリの空気が流れてきそう。やっぱりまず聴いてしまうのはふたつの弦楽四重奏曲で、上のトムソン協会さんが代表作と宣言している第2番の方は、モルゴーアさんなんかが定期でやっても不思議はない作品ですね。アメリカ特集でバーバーの弦楽四重奏曲、それにアイヴスのどっちかやって、さてもう1曲どうしよう、なんてときには良い選曲になるかも。ちょっとテイストが揃い過ぎちゃうかな。

音楽史的にそこそこ知られてるのは、ブーランジェ時代にパリで初演されてる《ソナタ・ダ・キエザ》なのかな。なんせ、ヴィオラ、クラリネット、ホルン、トランペット、トロンボーンなんてトンデモな編成で、ヴィオラ・スペースで誰かがどーしてもやりたいとか叫ばないと、なかなか出来そうもない曲ですな。中身も、第1楽章コラール、第2楽章タンゴ、第3楽章フーガ、ですから、若きブリテンみたいなぶっ飛びっぷりですし。

お気楽にどんなもんかちょっと聴いてみたいなら、第1番の3楽章とか第2番の2楽章なんかのワルツ楽章がうってつけ(それにしても長い人生にフルサイズの弦楽四重奏を2作品しか遺さず、その舞踏楽章が両方ともワルツって、なんなんねん?)。後者などお正月のアンコールなんかでやって、実はヴィーンじゃありませんよ、って笑いを取るのに是非どうぞ。面白いのは《肖像画(ポートレート)》という小品集がいくつもあること。エルガーとはまた違った意味の、一筆書きみたいな音のスケッチ集です。厳ついオッサンみたいな写真ばかりが記憶にある作曲家さんだけど、こういう小洒落たセンスもあった人なんですねぇ。それにしても《肖像画とフーガ》なんて曲があるなんて、もうこの人にとって「ポートレート」ってのはひとつの楽曲ジャンルだったんかい。


何よりも才能のホンモノさを感じさせるのは、妙なことをやっても汚い音がしないこと。評論家としても大成したんだから、凄く耳が良い人だったんでしょう。年末の大掃除のBGMに、はたまた急に積もったドカ雪かき作業のヘッドフォンでのお供に、などといったら叱られそうだけど、充分に耳の楽しみになり、好奇心も満たしてくれる格好の年末アイテムじゃないでしょうかね。NMLにも入ってますから、ご関心の向きは直ぐにでもどうぞ。

ってなわけで、たまには珍しくも、真っ当なディスクご紹介でありましたとさ。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

大川端をドローンが渡る日 [新佃嶋界隈]

一昨日の晩、冬至のすっかり日も暮れた大川は中央大橋をダラダラと跨いでると、天樹の方は中央大橋と永代橋の間の大川上空に赤い小さな点が浮いているわい。クリスマス遊覧飛行で東京ヘリポートから出張ってお稼ぎ中のちっちゃなロビンソンじゃ、富豪が大奮発してもホバリングで観光させてくれるわけもないし、警察や報道でもなさそうだしぃ、なんじゃらほぃ、と思って暫く眺めていたら、どうやらドローンくんじゃあないの。へえ、冬至だかクリスマスだかでライトアップされている新帝都の空撮かいな、許可取るのめんどーだったろーなぁ…なぁーんて思ってた。

そしたら、昨日になって中央大橋越えて仕事に出て行ったお嫁ちゃまから、「橋の上でドローンの実証実験やってるよ」との連絡。へえ、と眺めてみると、おおおお、こんな奴が目の前を川下に向けて渡っていくではないかいな。
DSC_0553.JPG
って、この写真は縦長屋から東京駅方面を眺めたときのもんじゃなく、その後に地上から見上げたときのもの。縦長屋からセレブなブンチョウくんと一緒に眺めてると、川向こうは映画「空気人形」の舞台になった鉄砲洲に数年前に立ち上がって都庁方面の眺望を遮ってしまった36階建て縦長屋との間を、まっ黒けドローンくんが突っ走っておりましたです。高さは、こちらの縦長屋の最上階よりもちょっと上くらい、250から300メートルくらい、ってところかしら。

なんせ中央区は全面的にドローン飛行禁止区域。とはいえ、昨今の動向では、東京都だか国土交通省だか知らんが、放送局やら創価学会系の流通企業やらに圧力加えられてドローン運用解禁に向けた重い腰を上げ、実験でもやってるのか、と勝手に納得しておったであります。

かくて本日、温泉県盆地の賢人がわざわざ新帝都は上野の杜に出向いて50回目の年末《ゴルドベルク》を披露してくださる予定が九十肩で中止。その後で京成電車で急ぐ予定だった千葉市立美術館での弦楽トリオ《ゴルドベルク》のいんちきカメラマン仕事を久々に行うため、ノコノコと大川越えて茅場町から西船橋まで地下鉄でえっちらおっちら向かうべぇか、と中央大橋を越えんとす。その前に、久しぶりに大川端のドバやら雀やらの様子でも眺めてやるかいな、とノマド場に下ってみると、ほお、橋の上で今日もなんかやっておるわい。
DSC_0552.JPG
一昨日夜に目撃した辺りに、今日もドローンくんが舞っておりまする。ちっちゃいけど、お判りかな。

中央大橋越えて、目の前を通って佃大橋の方に向かい、聖路加の辺りで見えなくなりました。なにやっとるんだか。

ってなわけで、橋を渡る途中で歩道に立ってるスタッフさんに、あれやこれやと訊ねてみました。
020434.jpg
以下、そのお返事を箇条書きで列挙。

◆運用実験をやってるのは、国土交通省や東京都ではなく、JAL系の民間企業。

◆やってることは、「隅田川の橋3つを越えて、向こうの製薬会社から聖路加病院に医薬品をドローンで緊急搬送するための実証実験です」。

なるほどぉ。Googleマップで調べてみると、確かに永代橋の向こう、豊海橋から日本橋川にちょっと入った浜町の川縁に東和薬品の営業所があるわい。ここからドローンくんのお腹に薬詰め込んで、永代橋→中央大橋→佃大橋を越えて大川筋を飛ばし、聖路加ガーデンまで持ってく、距離にして1.7キロくらい。超速歩きで知られるGoogleマップさん曰く、歩いて22分で自転車なら9分、車なら8分とのこと。ドローンくんたちって、性能はいろいろあるんだろーけど、無風時の普通の運用なら時速にして50キロから80キロくらいだろうから、日本橋川から大川に入って右折、あとは真っ直ぐ大川上空を来るとすると距離は500メートル+1キロ半くらいで約2キロ弱、この距離を突っ走れば、離着陸含め3分くらいで来るだろうとは思えますね。

大川端周辺住民とすれば、心配なのは「うちに突っ込んでこないか」ってことであります。んで、おにーさんに「どれくらいの高さで飛ぶ予定なの、昨日から眺めてると300メートル弱くらい、って感じなんだけど」と訊ねると、そんなこと訊ねられてもあたしゃ操縦士でないので知らん、とのこと。広報でないので応えられない、ではありませんでした。

ま、ホントの事いうと、もっと心配なのは、この空域はヤンキー海鷹黒鷹の牙城で、地位協定でニッポン国内法一切無視の「川筋に沿って上空1000から1200フィートで飛行」という見知らぬ占領地などでの基本的な飛び方をしっかり実行なさっている場所なのだ、という現実。コロナ禍になってからは眼に見えて飛来が減っているとはいえ(ってか、大川端縦長屋勉強部屋がコロナで使用中止になっていた為、ロンの海鷹や座間の黒鷹、横田のイロコイがお仕事中のやくぺん先生の目の前を突っ走っていく姿を目撃する機会が圧倒的に減っていただけかもしれんけどさ)、新帝都に君臨するマシン猛禽類の頂点在日米軍と聖路加運搬ドローンが空中衝突する可能性は否定出来んわなぁ。この実証実験、厚木や座間に連絡行ってるのかしらね。

とにもかくにも、やくぺん先生が大川端にいる間に、目の前にまっ黒な聖路加ドローンくんが行き来するのが当たり前な風景になるのか…どうなんでしょ。ま、ドローンくんがカワウやら烏やらチョウゲンボウさんの生活の邪魔をなさらないといいんだけどさ。

トンビども そこのけそこのけ ドロンがとーる

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

とてつもないクラリネットの祭り [現代音楽]

年末進行で当電子壁新聞作業が遅れ、アップがもう今日明日という話です。勝手連宣伝にもならないけど、ともかく、記しておきます。

12月23日午後7時から、江古田の武蔵野音大ブラームスホールで、とてつもない演奏会が開かれます。主催者日本クラリネット協会の公式ページがどうやらFacebookらしいので、まんま貼り付けると
https://www.facebook.com/jpclarinet.org
チケットはこちらからどうぞ、どうやら電子チケットのみみたい。
https://teket.jp/541/7039

一言で言えば、このニッポン列島にクラリネットという楽器が本格的に入ってきてから第2次大戦の敗戦に至るまでの昭和初期に、日本の作曲家が書いたクラリネットための主要室内楽作品を延々3時間かけて網羅してやろう、というとてつもないイベントであります。演目をコピペすると…

成田為三:クラリネット三重奏「春が来た変奏曲」「洋上の曙」「波上の夕陽」(昭和16年/1941)
三木鶏郎:2本のクラリネットのための「ソナチネ」(昭和14年/1939)
菅原明朗:5本のクラリネットのための「協奏曲」より第2楽章(作曲年不明)
下總皖一:クラリネットとピアノのための「三つの小品」(昭和7年/1932)
北爪利世:クラリネットのピアノのための「舞台風小品」(昭和16年/1941)
清水 脩:クラリネットとピアノのための「譚詩」(昭和16年/1941)
草川 信:クラリネット四重奏曲「成田為三の御霊に捧ぐ FANTASIA」(昭和20年/1945)
草川 信:クラリネット五重奏曲(昭和14年/1939)

こんな演奏会、貴方が人生数回繰り返したとしても、絶対に二度と出会えないでしょう。この時代の音楽や文化、とりわけ日本の室内楽創作や管楽器演奏伝統に関心のある方は、借金してでも聞かねばならない演奏会でしょう。それにしても、三木鶏郎が皇紀2600年の年に書いたクラリネット曲なんて、想像がつきませんな。どんなんねん。

ちなみにクラリネットはともかく、これだけの作品に付き合うピアノと弦楽器の面々も蒼々たるもので、お疲れ様、では済まない演奏になることは確実でありましょうぞ。これは金を払う価値がある演奏会ですっ!

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

残念なお知らせ [ゆふいん音楽祭]

冬至の朝、既にご存じの方も多いと思いますが、あらためて残念なお知らせです。

12月24日午後2時開演予定だった小林道夫ゴルドベルク変奏曲演奏会第50回は、小林先生体調不良で中止となりました。
IMG_7105.jpg
http://www.millionconcert.co.jp/information/211220_info.html

以下は、あくまでもご近所さんとしてのどーでもいい話ですので、「書いてあることはみんな嘘、信じるなぁ」をモットーとする当無責任私設電子壁新聞の情報として流し読みしていただたいのですが…ご安心下さい、とは言うことではないものの、所謂重篤な状態とかではありません。なんせ先週の月曜日に近くのスーパーでお買い物しているのにバッタリ出くわし、お宅までご一緒させていただき、引っ越し祝い(とは仰らなかったけど)の小さな発砲ワインをいただいてしまったくらいですので。

またお元気になることを期待し、今回は我慢いたしましょう。1月末には大分でのバッハ連続演奏会の最終回がありますし、来年の5月7日と8日には、満を持しての「ゆふいん音楽祭2022」に登場、まだ詳細は発表出来ませんけど(小林先生の問題ではなく、毎度ながらのゆふいんタイムです)同じプログラムで二日間、とのことです。昨年の梅雨の時期での反省を踏まえ、桜が散った後のいちばん季節の良い盆地での開催ですから、先生もお元気に歩いて(にはちょっと遠いけど)ホールまでいらっしゃれることでありましょう。

さても、この日にどうしてもゴルドベルクを聴きたかったという貴方には、こちらをどうぞ。
https://www.gauche-music.com/single-post/%E3%82%A4%E3%83%B4%E3%81%AE%E6%BC%94%E5%A5%8F%E4%BC%9A%E3%81%8C%E8%BF%91%E3%81%A5%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F
場所は上野の杜ならぬ千葉の杜、開演は冬至も過ぎた短い昼が夜になってからです。何を隠そう、やくぺん先生ったら、上野から京成電車で吹っ飛んで行き連チャン予定だったので、ちょっと気持ちは楽になったかな。なんだか知らんが個人的にはチェンバロ、ピアノ、弦楽五重奏、弦楽トリオと様々な形態に触れ「ゴルドベルクの年」だった2021年を締め括る、弦楽三重奏版での披露であります。

道夫先生のご健康をお祈りしつつ、会場はどこになるかは判らないけれど、卒寿のゴルドベルクを期待しましょう。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

日本拠点団体初のベートーヴェン弦楽四重奏全集CD完成 [弦楽四重奏]

足かけ何年になるのか、とうとう、クァルテット・エクセルシオのベートーヴェン弦楽四重奏全曲CD録音が本日発売になりました。最後を飾るのは、作品130と《大フーガ》でありまする。
2021-12-22 10.01.55.jpg
https://tower.jp/item/5287302/%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3%EF%BC%9A%E7%AC%AC13%E7%95%AA%EF%BC%86%E3%80%8C%E5%A4%A7%E3%83%95%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%80%8D

何を今更、世の中にはベートーヴェンのクァルテット全集なんて唸るほど溢れかえってるじゃないかぁ、とお思いでしょう。確かに仰る通り、ホントにこの瞬間にマーケットに流れている(何がマーケットか、というのはもう訳が分からなくなってますけど、20世紀的な意味でのレコードCD市場がまだあるとして)か知らん、幸松先生の著作が温泉県オフィスの段ボールの山の中にあるのでここ大川端では調べられないんですけど、ともかく、SP時代からオンラインの今に至るまで、ベートーヴェンの弦楽四重奏全曲録音にだってもうなんのかんの80年くらいは歴史があるんじゃないかしら。その壮大なリストの中に、なんとまぁ、普通の意味での「日本の団体」の名前はひとつとしてなかったわけであります。

例えば、だれでも「あるに決まってるだろ」と思うだろう巖本真理Qでも、実は全曲の公式商業録音としての全曲はない。これまた幸松本も拙著も温泉県オフィスの段ボールの中で調べられないものの(うーむ…)、確かラズモの何番だかの全楽章正規録音が欠けていたような。これも撰集ですし。
https://www.hmv.co.jp/artist_%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3%EF%BC%881770-1827%EF%BC%89_000000000034571/item_%E5%BC%A6%E6%A5%BD%E5%9B%9B%E9%87%8D%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E7%AC%AC16%E7%95%AA%E3%80%81%E7%AC%AC11%E7%95%AA%E3%80%81%E7%AC%AC8%E7%95%AA%E3%80%81%E7%AC%AC3%E7%95%AA%E3%80%81%E7%AC%AC1%E7%95%AA%E3%80%81%E4%BB%96-%E5%B7%8C%E6%9C%AC%E7%9C%9F%E7%90%86%E5%BC%A6%E6%A5%BD%E5%9B%9B%E9%87%8D%E5%A5%8F%E5%9B%A3%EF%BC%882CD%EF%BC%89_11040927

2020年の生誕250年に向け、日本初全集をエクとウェールズが競っていたら(わけじゃなかろうが、だれだて考えるタイミングの企画ですからねぇ)、エクは途中のメンバー交代で暫く録音がストップ、更にはコロナ禍で業界全体が止まってしまったこともあり、どっちが日本初かという半分笑い話みたいな競争どころではなくなっていた。それを思えば、とにもかくにも1年遅れの251年目のお誕生日にはこの島国代表からの供物がお供え出来たのでお許しあれ、って感じですかな。

ちなみに、全曲録音という意味では、既にDVDでの映像付き全曲はエク自身が出しております。去る3月に終わった新浦安での250歳記念チクルスのライヴ収録でありまする。形としては一昔前の言い方をすればプライベート盤、ってか、インディーズ・レーベルで、エクの会場でのみの販売に近いので、欲しい方はライヴに来て下さいな。

それにしても、映像付きライヴの方がスタジオ録音よりも先に世に出るって、いかにも21世紀初頭の音楽受容の変化を見せつけてくれてる感があるなぁ。レコードの時代って、歴史的には20世紀の特殊現象として論じられるようになるのかしら。ブダペスト、アマデウス、コンツェルトハウス、スメタナ、アルバン・ベルク、遙かなり…

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

ハノイで日越共同制作オペラ [音楽業界]

昨日の晩、ハノイのオペラハウスからWeb記者会見があり、このようなプロジェクトの発表がありました。
https://anio-opera.jp/
内容に関しましては、上の公式Webサイトを眺めていただけば現時点での情報はほぼ全て出ております。長崎では知られた「御朱印船貿易時代の長崎の商人荒木宗太郎と安南国王女アニオー姫の国境を越えた恋の物語」を日越国交正常化50年を記念しハノイ主導でオペラ化する、というもの。トレイラーはこちら。


記者会見で語られた、現時点での公式リリースには出せていない状況を列挙すると以下。

★勿論、日本での上演も視野に入れているが、まずはヴェトナム側できちんと作品を完成し上演することが当面の目標で、その先の展開にまだ公式発表出来るものはない。長崎との関係は、という質問を投げたんですけど、日本語だったからか、時間も無く取り上げられませんでした。現時点では日本側の支援関係者はエースコックとかトヨタとか出光興産とか大和ハウスとかハノイで活動する日本企業が中心で、長崎県や長崎市は挙がってませんが、広報を含めこれからの展開を期待したいところです。

★作品の進行状況は、既にプロットの大枠は決まり、「1,3,4幕の作業中。2幕の台本が出来上がりつつあり、1幕は音楽を含め完成している」との現状報告が、作曲者チャン・マイン・フン氏からありました。

★作品のストーリー展開上、作品はヴェトナム語歌唱と日本語歌唱が半々程度に混在するものとなり、作曲も歌手への負担もなかなか大変、とのことです。ましてや現在のコロナの状況ですから、ハノイ側のチームと大山大輔氏らを中心とする日本側チームが詰めて纏まった作業をすることは出来ず、オンラインで作業が進められているとのこと。無論、ハノイ側には本名徹二さんがおりますから、安心と言えば安心とはいえ、こんな状況でもこのような国際共同制作が出来るなんて、遙か南シナ海、東シナ海の荒波を越えて渡った御朱印貿易の時代を考えれば、もの凄い世界になったものでありますなぁ。

現在出されているシノプスを眺めるに、「文化を越えた愛の葛藤」やら「国際交流の前に立ち塞がる御上の鎖国令」やら猛烈にシリアスなテーマが中心の演劇というよりも、国境を越えた愛の風景が叙情的に描かれる大スペクタクル音楽絵巻、って感じですね。作曲者さんは電子音前提とするロックオペラなども手掛けている方みたいなんで、所謂現代音楽に耐性のあるマニアさん相手ではない、誰もが抵抗なく眺められるタイプの舞台になることでありましょう。

てなわけで、再来年の日程表に「ハノイオペラハウス」と書き込んでおいて下さいな。いくらなんでもその頃には、この21世紀のコロナ鎖国も開けている…と信じたいものでありまする。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

シジュウカラ・レストラン移転開業 [ゆふいんだより]

去る3月終わり、ヒヨちゃん、メジロン夫妻、ほーほーさん、雀たち、時にはカラスくん、そしてなによりもシジュウカラ複数ご夫婦らに惜しまれつつ葛飾巨大柿ノ木下季節限定シジュウカラ・レストランを閉店させていただきました。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2021-03-27
どうやらそれから数ヶ月もしないうちにかの柿の木もこの地球上から姿を消したらしく、その後、葛飾の小さな飛ぶ方々がどのような春から夏を過ごし、そしてまたやってきた冬をどう過ごすのか、残念ながらやくぺん先生には知るよしもないのでありまする。うううむ…っても、この土曜日に温泉県半島先っぽ空港から旧オフィス至近の葛飾シンフォニーヒルズに直行するんだけどさ。

もとい。さてもさても、今、温泉県盆地の新オフィスにおります。師走半ばの狂気の年末進行の嵐、昨日来、大川端ノマド場ならぬ新オフィス横畑の真ん中で遙か新帝都某所の編集者さんと延々と電話で怒鳴り合ったり、ニッポン国民大絶賛の対コロナ鎖国のために急遽原稿全面書き直し命令が金沢方面から来たり、校正送りますとの連絡があったっきり何も言ってこない編集者さんがいたり、もうぐちゃぐちゃな中で冬至も近い西の島は5時を過ぎてもまだ明るいものの、日が落ちればしんしんと冷え込みあれよあれよと氷点下、地面はお湯が沸いてぽかぽか暖かい盆地の朝ったら、霧ならぬ霜で雪がふったかのよう。
IMG_6945.jpg
日が昇るにつれぽたりぽたりと枝から水が垂れ、ノンビリした冬の始まりの日がやってくる。その頃から、まるで佃のセレブなぶんちょうくんのように朝が遅い小さな飛ぶ方々がやっと動き出すのであったでちゅん!

温泉県盆地オフィスの周囲、移転が始まった夏の終わりから秋にかけては百舌鳥さんたちが数百メートル毎に縄張り争いをしており、なんとも物騒な限りだったんだけど、新オフィスのリフォームで実質6週間ほど離れている間に縄張りは決まったらしく、この辺りはこのお嬢さんが支配する空間になったようだじっ!
DSC_0268.jpg
百舌鳥は縄張りとして条件が悪いところに女の子が押しやられるという話を聞きますが、うううむ、この辺りはあまりよろしくない狩り場なんでしょうかねぇ。

んで、新オフィス周辺を縄張りとしている方がもうひとかた。こちらもお嬢さん。
DSC_0251.jpg
くりくりおめめがチャーミングなジョビ子さんでございますちっちっちっ!

ご両人、JR九州敷地内の藪で出くわして威嚇し合ったりすることはあるものの、基本的にはお互いに同じ空間を別宇宙と認識しているようで、喧嘩はしてないみたいでありまするな。

これら、ご自分でいろいろお食事を調達なさっている方々はいいとして、問題はこの方々でありまする。
DSC_0265.jpg
そう、昨日来、北の山筋から線路を越えて南の田圃の方までを盛んに動き回っているシジュウカラさんご夫妻でつつぴぃ!

この場所に来て、新柿の木ゲートの世話などはしていたものの、なぜか観光地や由布岳の麓の方では見かけるセキレイさんやらカラ類、ケラ類は殆どお遇いしなかった。温泉県のシンボルバードらしいメジロンも、何故か全然見なかった。どうやらこの場所ではシジュウカラ・レストランは開店できないのか、いっそ、K先生のお宅の前にでも開店させていただくか、などと無茶なことまで考えていたら、昨日、ひとつが畑周りの桜の木やら柿の木の辺りでつつぴぃと歌っていらっしゃる。おおおおお、いらさるではないかい、これはもう、レストランを開店しないのかと催促なさっているのじゃろ。

かくて、昨日午後、賑々しく石武シジュウカラ・レストランが新たにオープンした次第。メインはこちら。
DSC_0290.jpg
コロナ禍で独国から輸入が途切れ、オランダ式の棒飯としか言い様のない無骨なお店でありまする。足場をそのまま喰らってくれ、というなんとも言えぬ乱暴な供し方ではありますが、中身は輪っか飯なんぞと同じでありましょう。美味しくいただいて下さるといいのですが。

オープニング記念で、ちょっとまだ早いかとも思いつつ、なんせ夜明け前には既に氷点下を記録している盆地でありまする、真冬のご飯も必要でしょうと、栄養豊富な向日葵の種もご近所の九州一小さなコメリから調達してきて、出してみました。ほれ、どこにあるか判るかなぁ。
DSC_0322.jpg
一晩明けて、今朝はシジュウカラご夫婦が近くの桜の木から様子を窺っている感はありまする。まだまだ、いらしていただけるまでには時間がかかるでありましょうが、年明けくらいには常連さんが出来ていると嬉しいんだけどなぁ。

ちなみに、移転が始まった秋の鳥羽口から垂らしてある佃のセレブなぶんちょうくんの食い残しは、現時点では誰も近寄ってくださいません。やはり良い米を喰らっている雀たちばかりなのかしらね、この地は。

とにもかくにも、2021年12月13日、温泉県石武シジュウカラ・レストラン、開店しましたぁ。シジュウカラの皆様、是非お寄りくださいでつつぴぃ!

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽