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日本拠点団体初のベートーヴェン弦楽四重奏全集CD完成 [弦楽四重奏]

足かけ何年になるのか、とうとう、クァルテット・エクセルシオのベートーヴェン弦楽四重奏全曲CD録音が本日発売になりました。最後を飾るのは、作品130と《大フーガ》でありまする。
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何を今更、世の中にはベートーヴェンのクァルテット全集なんて唸るほど溢れかえってるじゃないかぁ、とお思いでしょう。確かに仰る通り、ホントにこの瞬間にマーケットに流れている(何がマーケットか、というのはもう訳が分からなくなってますけど、20世紀的な意味でのレコードCD市場がまだあるとして)か知らん、幸松先生の著作が温泉県オフィスの段ボールの山の中にあるのでここ大川端では調べられないんですけど、ともかく、SP時代からオンラインの今に至るまで、ベートーヴェンの弦楽四重奏全曲録音にだってもうなんのかんの80年くらいは歴史があるんじゃないかしら。その壮大なリストの中に、なんとまぁ、普通の意味での「日本の団体」の名前はひとつとしてなかったわけであります。

例えば、だれでも「あるに決まってるだろ」と思うだろう巖本真理Qでも、実は全曲の公式商業録音としての全曲はない。これまた幸松本も拙著も温泉県オフィスの段ボールの中で調べられないものの(うーむ…)、確かラズモの何番だかの全楽章正規録音が欠けていたような。これも撰集ですし。
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2020年の生誕250年に向け、日本初全集をエクとウェールズが競っていたら(わけじゃなかろうが、だれだて考えるタイミングの企画ですからねぇ)、エクは途中のメンバー交代で暫く録音がストップ、更にはコロナ禍で業界全体が止まってしまったこともあり、どっちが日本初かという半分笑い話みたいな競争どころではなくなっていた。それを思えば、とにもかくにも1年遅れの251年目のお誕生日にはこの島国代表からの供物がお供え出来たのでお許しあれ、って感じですかな。

ちなみに、全曲録音という意味では、既にDVDでの映像付き全曲はエク自身が出しております。去る3月に終わった新浦安での250歳記念チクルスのライヴ収録でありまする。形としては一昔前の言い方をすればプライベート盤、ってか、インディーズ・レーベルで、エクの会場でのみの販売に近いので、欲しい方はライヴに来て下さいな。

それにしても、映像付きライヴの方がスタジオ録音よりも先に世に出るって、いかにも21世紀初頭の音楽受容の変化を見せつけてくれてる感があるなぁ。レコードの時代って、歴史的には20世紀の特殊現象として論じられるようになるのかしら。ブダペスト、アマデウス、コンツェルトハウス、スメタナ、アルバン・ベルク、遙かなり…

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