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日経「私の履歴書」小澤記事は間違い [お詫びと訂正]

お詫びと訂正、っても、あたくしめの間違いではなく、正しいのはこっち、という話です。

昨日全国津々浦々の書店に並んだ(と思うんだけど)「音楽の友」誌に、やくぺん先生の外の人、というか、世を忍ぶ仮の姿が記事を書いております。
https://www.ongakunotomo.co.jp/magazine/ongakunotomo/
今、手元に現物がないので「何ページ」とか示せないのですが、まあ、特集記事の中の1ページです。

そこで、1962年10月N響マニラ公演初日で演奏され、所謂「小澤騒動」の理由として団員側から盛んに語られている「小澤がサボっていて振り間違えた」という曲を、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番と記しています。

2022年の今、このN響小澤事件は和解が成ったことになっており、21世紀になってN響に復帰するタイミングで日本経済新聞の「私の履歴書」という著名なコーナーに連載された回想録、それが日本経済新聞社から『おわらない音楽~私の履歴書』という単行本として出版してものの中で、小澤氏側からの「小澤事件を振り返る」で語っていることが、一種の公式ステートメントとして歴史の一次資料として扱われております。

そこでは、小澤氏は「ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番」と言っております。

この小澤氏の発言、記憶違いです。

当時のN響側資料、現地の報道などから、演奏されたのはハ長調じゃなくてハ短調の協奏曲であることはほぼ確実です。断定しないのは、音資料がないから。その原稿にも記していますが、1962年の小澤氏とN響の演奏に関しては、現在、メシアン隣席で日本初演された《トゥランガリラ交響曲》と、片山氏が数年前にNHK現代音楽の時間に放送した黛敏郎《輪廻》しか聴くことが出来ません。前者はN響60周年記念LPボックスに全曲収録、後者はなんとYouTubeにアップされてます。
https://www.youtube.com/watch?v=lyGs7Y1A5_g
ちなみにこのYouTubeに上がった演奏の片山氏の解説、氏が語っている録音データは間違ってるんですけど、ま、それはまた別の話。万事この調子ですわ、この時代のものは。

マニラでの演奏は現地では放送され、NHKも当然ながら音源を持っているんでしょう。当時は「小澤が振り間違えた」という話が初期文春砲などでぶっ放されたわけですけど、恐らくは日本でも放送されているのではないかとも思います。この演奏、小澤騒動が一応終結をした翌年春に、マニラ側から表彰状だか貰っちゃってるんですが、散々に「酷い演奏だった」とふれてまわっちゃった側は、そんなばつの悪いことも言わないわなぁ。あれやこれや、いろいろと封印せねばならない事情はあった、ということなのでしょう。

というわけで、今、売っている「音楽の友」の記述が正しく、日経から出ているデータの方が間違っております。鬼の首を取ったように神楽坂に「違ってます」などと電話すると返り討ちに遭いますから、やらんでくださいな。

以上、日本経済新聞社刊小澤征爾著『おわらない音楽』の「お詫びと訂正」でありました。いやはや…

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