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長い長いファミリーコンサート [演奏家]

すっかり夏恒例となったチェロ奏者上森祥平氏の「1日でバッハとブリテン無伴奏全曲」演奏会、今年も恙なく開催されましたです。
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http://www.alti.org/at/20220709.html
http://www.millionconcert.co.jp/concert/detail/2022_07/guide/220718uwamori_bach.html

この演奏会、コロナの一昨年を除けばもう10年以上やってて、死ぬまでやりますと舞台の上で公言しちゃってる文字通りのライフワークでありますな。で、昨日もしっかり完奏なさり(やくぺん先生ったら途中でアウトで、バッハの4番はロビーのフカフカ椅子でぼーっと座ってました)
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最後には昨年同様に奥様とお二人の息子さんが出てきてアンコールにパパお疲れ様御家族アンサンブルがあったりして。なんせ上森氏、知る人ぞ知る話でしょうけど、この演奏会がバッハ全曲だった10年ちょっと前に6番を弾き終えた舞台の上から公衆の面前でプロポーズしてOK取った、というトンデモな心温まるエピソードがあるわけで、そのときからの聴衆がかなりいるであろうことを考えれば、文字通りの「今年も我が家はみんな元気ですよ」って演奏会なわけですわ。

ま、正直、純粋に音楽という意味で聴けば、このような演奏会ってやはり特殊だなぁ、とあらためて思った1日でありましたです。朝のブリテン1番から始まり夕方のバッハ6番まで、全てを暗譜。ということは、録音してパッケージで世に問うような「正確で精密な演奏」である筈はない。特にバッハに関しては、もう午後最初の1番冒頭から極めて上森流の音楽、それが曲の性格に合わせてどういう風にますます上森流になっていくかを一緒に体験する、という午後なのであります。で、最後に、お疲れ様でした、ってファミリー総出演。

音楽的にはこういうやり方だと曲の性格の違いが凄く分かる結果になり、特にバッハ5番の難しさ、その後に長い長い音合わせの後に始まる6番のまるで楽器を変えたのかと思う程の色の違いなど、勉強になった。ブリテンに関しては、夏の朝一発の1番というのはこの曲に凄く合ってるし…で、3番はやっぱり良く判らん、ってものでしたね。

こういうコンサートのあり方がある。ホント、上森氏はなんと幸せな音楽家なのか、と羨ましくすら感じてしまう。ああ、某賞の選考委員をさせていただいていた頃、この方をプッシュしてホントに良かったなぁ、と思わせて下さいました。たまにはこういう時間に接しないと、ニンゲンドンドン悪くなる。ありがとう御座いました。

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