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日常へのたび [たびの空]

夏がホントに終わるレイバーディの休日最後の日となる月曜日、魔の山での1週間を終えた人々が、サルファーマウンテンの向こうの曇り空から朝日もこぼれる寒いバンフ芸術センターから、朝一番の空港バスに乗り込む。世界のあちこちからやってきた聴衆ども、弓製作者さん、アウトリーチ活動を中心に2週間のレジデンシィを過ごしコンクールの空気を初体験したクリーブランド音楽院のカリオペQ、それに、チェロを背負ってまだまだ世界をまわる勢い満々のクロスニック御大も。
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ええ、敢えて「弦楽四重奏」カテゴリーじゃなく、こんなどーでもいい「旅のそら」でポロッとさり気なく情報を漏らしてしまいますと、クロスニック御大、去る5月には病気で宮崎をキャンセルし、やくぺん先生も宮崎行きをキャンセルしたばかりだったのでちょっと心配でしたが、お元気です。確かにお歳は召した感じですけど、そもそもジュリアードQの中ではそんなに愛想の良い方ではなかったわけで、特に今回も変わった様子はありませんでした。お弟子さんによれば、「音はガンガン出てますよ」とのことです。
ジュリアードQの今後に関して、流石に御大に面と向かって「ファーストはどうなってるんですか」なんてオソロシーことは尋ねられないので、ジュリアードQに極めて近い関係者から北米の関係者、お弟子さん、さらには次のファーストの候補になりそうな顔ぶれなんぞにもさり気なくきいてまわったわけですが、結論から言えば、「ジュリアードQは解散はない、次の第1ヴァイオリンの人選については誰も確たる情報を持っていないし、所謂公開のオーディションみたいなものはやっていない」そうであります。殆どなんにもわからぬ、に近い話ですな。ま、ご本人たちだってホントのこと言うかどうかわからないし、現時点では解散はないことは確かなようです。

なーんて業界噂話を乗せながら、バンフ・エアポーターは、雲の中を抜けながら、アルバータ平原へと山を下っていきます。写真にするとちょっとジャポネスクな風景
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でも、湿度が殆ど無いので、やぱーにっしゅな詩情は微塵もなく、飛行機の離陸直後の雲の中、って感じ。

そして、カルガリ空港で最後のサヨナラ。
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東はトロント方面に向かい大西洋を越える奴ら、ニューヨークでの新しいシーズンの日常が待ってる奴ら、などなど。弦楽四重奏のコンクールは、参加団体とじゃなくて、直接楽譜や作曲家と闘っている空気が濃厚なんで、試合さえ終われば、みんな仲間だ同業者だ。じゃあまたね、どっかのフェスティバルやセミナーで、ってバイバイ。何人かとは、暑い初夏の大阪で顔を合わせることになるでしょう。

雲に覆われたバンフを飛び越し、オリンピックでなんとも綺麗になった雨交じりのヴァンクーバー空港を走り抜け、シアトルやポートランド便なら夏の休みも終わり日本に戻る軍属でパンパンなんだろうけど、どういうわけか拍子抜けな程空いてるエアカナダのながぁいトリプルセブンの貧乏人席に収まり、シンセンのコンサートホールのロビーが一瞬出てくる妙にテクニカルな作りの胸キュン中国映画と、「ラストコーション」の女優さんが普通のおねえさんっぽくても綺麗な香港映画と、ソウル市内での銃撃戦が凄まじく相変わらず熱い韓国映画を延々とハシゴしてるうちに、成田のBランに北から進入。「33度の外気です」との報告に、機内にはうぉおおおおお…といううめき声が。

やがて、そこそこ混雑した空港バスの車窓にTOKYOの摩天楼が世界のどの都市とも異なる奥深い夕方のシルエットを映し、木場の大曲で北へと向くや、おお、正面にツン出るのは僕らトーキョー人の新しいランドマーク!
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1週間ちょっとのご無沙汰の間に、またヒョロヒョロ伸びてらぁ。

いくら暑くても、空はやっぱり秋のそれ。東アジアを覆う熱波の中に、秋がやってくる。次は月末の上海、年末のNY、年明けのホノルルへと、いつ終わるのやら、たびの空。

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