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ティーンエイジャーのためのダイク [売文稼業]

ダイクに行ってまいりました。年末恒例、なんでしょうけど、ちょっと趣旨が違うイベント。なにせ、そのチラシが記すに、「東日本大震災復興支援プロジェクト 小・中・高校生対象 ※大人のみの入場不可 「第九」チャリティ・コンサート2011~届け!子どもたちの想い~」ですから!なんだか9時のサスペンス劇場みたいなスゴイ題名だぞ。湯煙や温泉女将探偵が出てこないのが不思議だ。

どういうわけか知らないけど、ターゲットとする聴衆は10代以下の少年少女なのに、開演時間は休日の午後7時から、内藤新宿外れは東京オペラシティ。数日前まで昼間だと思い込んでた。
中身は、下野氏指揮の読響年末第九公演のひとつで、ダイクの前に「主よ、人の望みの喜びよ」がオルガンで奏され、下野氏の短いトークがあるわけです。トークの中身は、曲に付いては解説を読め、と仰って、基本は楽器紹介でした。

オペラシティが3階までそこそこ埋まった客席は、9割までが「お父さん、お母さん、それにお子様」です。核家族まるまる1ユニットが、あんまり滅茶苦茶お洒落した感じじゃなく、ちょっと新宿のデパートまで買い物に行くべーか、ってくらいの格好で集まってくる。客層は幅広く、まだ下のお嬢さんが小さい某音楽雑誌編集長ご一家やら、こんなご一家も。「え、トラで乗ってるの?」ときいたら、いや、クァルテットの練習が終わった後で子ども達は電車で家から来ました、とのことでした。ご長男君、でかくなったなぁ。
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小生が出向いた目的は、客席を眺めることにありました。なんのことはない、この演奏会の当日プログラムの曲解、小生が書かせて頂いているです。

主催の某財団の方から原稿依頼があったときは、正直、ちょっと怯みましたね。だって、読者対象が小学生から高校生で、ものは面倒この上ないダイクですからねぇ。字数もA4片面くらいだから、言葉を増やすことで「簡単」に見せるテクニックは使えない。となると、想定読者を思いっきり絞り込むしかない。いろいろ悩んだあげく、「一見すると簡単そうに見える言葉遣いをして、実質的な読者対象はちょっと生意気な中学校上級生から高校生」とすることにしたわけです。

たら、これが大外れでありましたですよ。

そもそも、本日は演奏会場で配られる配布物が案外といっぱいあって、「子ども音楽新聞」のダイク特集なんてものまである。読むものがたくさんあった。で、開演前の客席を眺めていたら、当日プログラムの曲目解説を読んでる殆どは、お子様ではなくて、お父さんかお母さんなんですね。
なーるほど、「親御さんが読んで、その内容を帰りの電車の中で子どもに蘊蓄する」という手があったかぁ、と思った次第。

今度この仕事が来たら、「これはパパママのネタ仕込み用だぞ」ということを明快にして作文しよー、と決意したのでありました。ま、そんな風にするぞ、なんて口に出したら、主催者側の担当者は困った顔をするだろーけどね。

考えてみれば、昨年暮れのNYサイトウキネンから、ヒンデミット版「オランダ人」編曲をどうするか、秋の大騒動が始まる前には「ドクター・アトミック」とか、いろいろお仕事をさせていただいたマエストロなんで、終演後の楽屋にご挨拶に行き、あんな作文で良かったんですかねぇ、と言おうとしたら、マエストロの方から「ああやくぺんさん、大人も便利な解説でしたね」と言われちゃいましたとさ。いやはや。

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