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今年は《金曜日》 [現代音楽]

夏休みも盛り、なーんにもすることないぞ、しょーがないから暇つぶしに《リング》のBlu-rayでも眺めてやるか…なーんて思っていらっしゃるそこの貴方!ちょーっと待ったぁ!今やYouTubeを漁れば20世紀前半の歴史的演奏からつい先頃ドイツの田舎の劇場で出た最新演出の全曲まで、ありとあらゆる録音映像が溢れている《リング》です。急ぐことはない。人生に、まだまだ何度も全曲に触れる機会はあるでありましょう。

ところがぁあ、《ニーベルングの指話》全曲よりも遙かに巨大、もう何度説明されても何をやってるか判らない、何度聴いても何が演奏されてるか複雑すぎて判らない、そんなとんでもないサイクルの映像を、今ならタダで視られるのです。そー、タダですっ!ほれ、こちら。

シュトックハウゼン《光》より3作

《光の火曜日》

https://philharmoniedeparis.fr/fr/live/concert/1136785-karlheinz-stockhausen-dienstag-aus-licht?fbclid=IwAR0egaPusN6SBFj_QcGHZfkSZmg6tbmCNtJvJJohoe8oRJ-wCM3et-HJn2E
《光の木曜日》

https://philharmoniedeparis.fr/fr/activite/opera/22671-stockhausen-donnerstag-aus-licht?fbclid=IwAR3xN2wKSXoZJtQr8IPzE6RAVMN-snDbJW2HdRuHqGSMZ1qH7opFulguE9A
《光の土曜日》

https://philharmoniedeparis.fr/fr/live/concert/1111564-karlheinz-stockhausen-samstag-aus-licht?fbclid=IwAR2hIadSKsGxv9-l6PbHF8nl-GUrKqsjmKbFYFXx6fA1HjAW2X4c_0gosKA

21世紀の鬼才、こんなまともにしてトンデモな指揮者他にいない、我らがマキシム・パスカル率いるル・バルコンが、グループ存続を賭けて挑む20世紀最大の狂気の作曲家カール・ハインツ・シュトックハウゼンの《光》チクルス、1週間かけての全曲演奏という誇大妄想炸裂のプロジェクトに向け着々と企画が進む中、コロナ禍も、インチキトーキョー五輪でニッポン国東京都がスポーツに予算使い果たし共同制作が出来なくなるという呆れかえったトンデモ話も乗り越え、いよいよこの秋11月には《光の金曜日》が上演されます。

それに先駆け、皆さんに過去にフィルハーモニー・ド・パリで上演された3作品を復習して貰おう、ということ。なんと太っ腹な企画、凄いぞ、フィルはもニー・ド・パリ!

このチクルス、まあなんとか上演出来ないこともない《木曜日》で始まり、巴里が摂氏40度を超える熱波に頭がおかしくなりそうな中で運河挟んだ教会も舞台に上演された《土曜日》。そしてコロナ禍で子供たちの練習などが出来ず予定された《月曜日》が上演不可能、それならばと、順番を換えて上演された比較的コンパクトで短い《火曜日》と、七分の三が上演されてきました。で、今年は中身的には最も「難解」、というか、「一般の人類としては生理的に理解することが極めて困難」な「生物と非生との愛」を描くオペラ・バレエ《金曜日》に至った次第。ま、とはいえ、筒井康隆『虚構船団』が大丈夫な方なら、もーまんたいでありましょうぞ。

ここまで来れば、あと残されるは、舞台のど真ん中に巨大な女性器がドカーンと据えられる、これまた困ったといえば困った《月曜日》、みんな大好きヘリコプター上空乱舞の四重奏が巨大な間奏曲として奏される《水曜日》、そして2つの舞台が並行して進み遙か数百キロ離れたところで誰も聴いていない演奏も同時に行われねばならない祝祭劇《日曜日》と、ウルトラ級に上演困難な作品ばかりが並びます。さああ、どーするパスカル君!って、どうやら既に勝算はあるようなんですが。

暑い夏、トンデモな話に頭をパーにしたいなら、《光》チクルスを眺めてやろーじゃないかぁ!

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