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シンガポール室内楽フェシティバル2024折り返しへ [音楽業界]

なんのかんのバタバタしていてい当電子壁新聞も放置状態、ともかく、外は30度室内は20度の無茶苦茶な寒暖差の南の島で、生き延びてはいますです。嫁さんは昨日から酷いアレルギーにやられていてスーパーで買ってきたカップお粥しか食えん状態なんだけど、うううむ…

ヨン・シュ・トウ音楽院ホールを会場とする本公演は4つあり、うち、去る土曜日の葵トリオ、週末には参加28団体へのコーチング・セッションと、フェスティバルたけなわでありまする。昨日はヨン・シュ・トウ音楽院の各セクションのチーフ系ファカリティによる室内楽があり、本日水曜日は葵トリオさんは音楽院学生へのコーチングと、オンちゃん以下参加演奏家をバラバラにしてセッションするいかにもフェスティバル的な一晩。で、明日以降は土曜日のフィナーレに向けた練習などになりまする。ま、葵さんとすれば、その間にもシンガポールの日本商工会議所みたいなところでのクローズな演奏会があったりで大忙しなんですけど。若き日本の「音楽大使」っぷり、立派なものであります。

表のメディアに何か書く可能性もなくもないので、中身に関してはあれこれ言えないんで、ここで本日シンガポールの讀賣朝日毎日全部合わせたみたいなスーパー独占メディア「ストレーツ・タイムズ」に批評が出たのでそれを引用して…と思ったら、なんと有料記事しか見られなくなってるわい。残念ながらヘッドラインの写真は昨日のアンコールのものですが、ま、雰囲気だけ判っていただくために貼り付けておきましょか。
https://www.straitstimes.com/life/arts/concert-review-chamber-music-festival-s-successful-return-with-aoi-trio-and-pianist-ning-an

ちなみに「ストレーツ・タイムズ」の音楽批評は担当の評論家が2人で、そのうちのひとりがなんと音楽祭のディレクターさんご本人。「まさか私が書くわけにいかないけど、彼は悪いことは書かない奴だから」と苦笑しております。葵さん本番の写真などは、こちらの公式Facebookページからご覧あれ。
https://www.facebook.com/sgchamberfest
せっかくだから大盛り上がりの初日葵トリオ演奏会後、舞台裏にいらしたシンガポール日本大使夫妻と歓談する葵トリオさんの様子。
IMG_3498.jpg

ちなみにこのフェスティバル、当日プロはダウンロードのみで、ここからでも問題なく拾えちゃうんじゃないかな。本日は元マレーシア・フィルの首席オーボエだったヨン・シュ・トウ音楽院の先生にオンちゃんや元タンQの創設チェロのレスリー・タン氏らが加わるモーツァルトと、コンコーディアQという今のシンガポールでいちばん若い世代でアメリカに勉強に行ったりもしている奴ら(日本ならタンQがエクで、コンコーディアQがQアマービレとかQインテグラとか、って感じの位置付けかな)、それに葵さんが絡んでくる、いかにも「フェスティバル」ってプログラミングですな。
https://www.hopp.bio/scmf2024?fbclid=IwAR0EjzmtQT6CWoh5VfLjvycqiL7-Rs3ToFKX3cedvdZF-vvp9uEWbCAggsc

とはいえ、どんなもんか最低限のことくらい記しておけば、終わった二つの演奏会は「室内楽」のあり方として両極端にあるものでありました。

なんせ我らが葵トリオは、1曲を仕上げるのに数ヶ月、年間レパートリーを作ってそれを組み合わせて活動していく、という典型的な「常設」団体。それに対し、昨日は全員が中国大陸出身の音楽院の先生のアンサンブル(無論、いつも一緒にやってるようで、録音なんぞもいろいろあるようです)、ピアノのアン・ニン氏は北米でキャリアを作りピアノ科准教授に新任となってのお披露目でもあり、ヴァイオリンのチェン・ジュウは音楽院創設以来の弦楽器科主任で「世界一優勝賞金が高額」で話題になったシンガポール国際ヴァイオリン・コンクールの芸術監督兼審査委員長、ヴィオラのゾン・マンチェンはデトロイト響ヴィオラ副主席からシンガポール響首席、チェロのリーウェイ・キンはチャイコフスキーの入賞者でリンカーンセンター室内楽協会でも弾き日本でも知られている名前。要は、今のこの島で「室内楽やるぞ」と言ったらもうこれ以上のメンツはない、という人達ですわ。さしずめ日本なら…ううむ、堀米ゆず子、店 眞積、山崎伸子、江口玲、って感じのメンツかしらね。

で、その経歴からも想像が付くように、葵さんの作り込んだ精密な音楽に対し、パワーをフルにぶつけ合うアメリカンな熱い室内楽が展開されましたです。シューマンの詩情はどこに、なんて言っても仕方ない、そういうもんじゃないものをやってるんだからさ。

この二つの演奏会を聴いた「弾く」という意味では滅茶苦茶達者な世界から集まった学生たちは、どんな風に感じたのでかしら。今日の葵トリオの学生セッション、お嫁ちゃまの体調不良で覗きに行けるかわからんのじゃが、どれくらいのギャラリーが押し寄せるやら。

かくて20年ぶりのシンガポール室内楽の祭り、広く、とはいえないけど、深く盛り上がっておりまする。今日は流石にムリながら、土曜日の夜は日本からもまだ全然間に合いますよ。スコールが連日続く先週の荒れた陽気も収まった、ニッポン列島の初夏くらいの南の島にいらっしゃいな。

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