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データ・インフォメーション・インテリジェンス [売文稼業]

本日も読者対象は数人、殆どの方々にはなーんの関心もない売文商売の技術的な愚痴話です。お忙しい方はさっさとお仕事にお帰り下さい。

さても、この数日やってる商売で、毎度ながらの困ったことが起きてます。非常に単純、「一次証言の食い違い」です。

記憶の混乱も当然なほど過去のこととか、発言者の立場によって見え方が異なって当然なこととか、じゃあない。単なる事実関係の食い違い。その日は晴れてたか雨だったか、とか、目の前を歩いているのはハムスターなのか栗鼠なのか、とか、そんなもんです。

具体的な内容を書けないのがもどかしいんだけ…ちょっとだけ記せば、この数日、某町有名演奏家のインタビューのテープ起こしをしており日本語訳で原稿用紙40枚以上の量になった。ふうううううう。んで、勿論、こういう作業では相手の発言を信用しないわけではないのだけど、なんせ目の前に資料があって喋って下さったことではないだけに、細かいデータの記憶違いなどがないとも限らない。だから、「おや」っと思ったことは、チェックをするわけですね。

今回のインタビュー相手くらいの巨匠になると、記憶違いなどが発見されても、特にマネージャーや本人に確認することもなく、正しいデータに差し替えてしまいます。なぜならば、有名人だけに本人の証言以外のデータがそれなりに残っていて、正確さの客観的評価が可能だから。
これが新人だったり、無名の大物だったりすると、喋ってる内容の検証なりチェックができないので、全面的に相手の話を信用する以外にない。ま、それはそれ。だって、「違ってるぞ」と読者に突っ込まれることもな~いもん。←なんて悪辣なっ!

んで、何が困ったって、某名演奏家K.L氏の仰ることと、その演奏家のCDを作っているプロデューサーI氏が御本人のホームページで日記風に書いていることとが、どうも微妙に違う。←もろばれ…
時期が違うのならば、「ああ、こういう話だったのが、結局はこうなったのか」と思うことも出来るが、筆者が演奏家にインタビューした時期と某有名プロデューサー氏がウェブ上に記述している時期が殆どいっしょ。この短い数日の間に両者が会って、話し合いをして、ある方向に決まった、というならばそれはそれで良い(記事としては、日付が1日でも新しい方を用いる)。でも、某プロデューサー氏が日記のように記しているウェブの内容では、そんな形跡はない。

うううん、困るなぁ。つまり、こうなると、このデータはどちらが事実として正しいかまるで判らないので、記事には使えない。「じゃあ、ふたりにもう一度聞いてみれば良いじゃないか」と思うでしょ。そりゃ正論なんですけどね…でも、録音プロデューサーは商品を企画制作する責任者だから、アーティストとはまた違った複雑な思惑があり、敢えて演奏家の思っていることとは違うと知りつつこのような言い方をしているのかもしれない。うううん、両者の間の微妙な駆け引きがあるとしたら、そんなもんには巻き込まれたくないぞ。

いやはや。困る。

昨今、ウェブによるアーティストや業界関係者の直接の情報流出が常識になりつつあります。無論、この際、編集者はいないから、その情報をコントロールしているのは発言者本人だけになります。
さても、そんな状況に於いて、ある情報はデータとしての一次情報なのか、それともデータの並べ替えや整理をしたインフォメーションなのか、はたまた価値的な意味付けをされたインテリジェンスなのか?どう判断すべきなのか?うううううううん。

ジャーナリストという商売とすれば、有難い反面、難しいことも増えている21世紀初頭のウェブ社会だなぁ、と思うのでありました。以上、愚痴はオシマイ。働け、あたし!


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