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地方議員選挙候補者選びにお悩みの方に [指定管理者制度]

当電子壁新聞をご覧の日本国有権者の皆様に、主筆やくぺん先生からのアドヴァイスです。

明日の統一地方選挙後半戦、各地の地方議員選挙でどの候補者を支持するかお悩みの方は少なくないと思います。なんせ、都知事やら県知事クラスならば大手商業メディアやらがいろいろ分析したり書き立てたりしてくれるでしょうが、区議会議員選挙レベルになると、恐らく、殆どメディアの報道はないだろうし、ネットの海を彷徨っても手助けになるような情報は殆ど上がっていないようです。身近な問題であればあるほど情報が減ってくるという事実は、いかにメディアを通して現代の我々が晒されている情報の量や質が偏っているかを証明してくれているわけですが、ま、それはそれ。今日はそんな話はしない。

とはいえ、「しょーがないなぁ、じゃあ、投票をやめちゃおう」とはとても思えない真面目な方も多いでしょう。だってねぇ、区民税やら市民税を払ってるわけだし、自分の払った金を分配する方法を決める代表者は、やっぱり他人に押しつけられたくはないし。

さても、そこで小生も真面目に提案します。当電子壁新聞の内容に興味を持ってご覧の方で、どうしたら良いか困っている方は、「文化」という視点に絞って選挙公報を眺めてみてはいかがでしょうか。

地方行政で、文化はだいたい教育やらスポーツと一緒になっていて、「教育文化」とかで議論されることが多い。教育については、平和の党から現世利益ばらまき政党と化している公明党がこれ見よがしに与党たることの成果を自画自賛していたり、保守系議員が自分の行い棚に上げて道徳教育叫んだり、野党系は1クラスの生徒を制限すると仰ったり、まあ、いろいろ言ってます。だけど、「文化」というわけのわからんものになると、残念ながら殆どの候補者が触れていない。

だからこそ、「文化」について議論できそうな奴がいたら、そいつを一応地方議会に自分の代表として送り込んでおく努力をする、ということでんがな。

それだけのことです。結果として、党派には殆ど無縁な選択になると思いますけどね。

なんでこんなアホらしいことを記すかと言えば、一昨年来の指定管理者騒動、特に栗東市の騒動を眺めることで、ひとつだけはっきり判ったことがあったからです。経緯を知りたい方は、この結論の辺りから遡ってご覧あれ。http://blog.so-net.ne.jp/yakupen/archive/20060125
それ即ち、「指定管理者制度が導入されたことで、地方文化行政の問題は、議会の問題になった」ということ。

栗東の文化施設「さきら」の指定管理を市がお金を出して育成してきた文化のプロフェッショナル集団(=市の文化体育財団)に託すか、JR西日本のビル運営会社に託すかという問題は、最終的に「市長及び市役所(行政)の下した決断に、市議会がYesというかNoというか」というところにもつれ込んだわけです。で、その経緯をいろいろな情報から眺めて行くに、どうも栗東市議会の内部に「この市の文化施設をどう扱うのか=市としての文化行政をどう進めるのか」という基本的な考えが、ほぼ皆無なことが判った。

市議会には、教育専門の議員、役所の代弁者みたいな議員、はたまた土建屋利権の代表議員、その他諸々の代表がいるなかに、文化担当の議員というのがひとりくらいはいるのではないか、と小生は勝手に想像していました(地方議会一般に対する関心なんてそれまではありゃしませんでしたから)。市民会館や市民ホールを運営する市という場所には専門の職員がいるように(専門教育を受けているという意味ではなく、ある時期にそんな部署に配属やら出向になっている地方公務員さんがいる、ということ)、代議員の中にも文化担当者がいるのだろうと勝手に信じてた。だって、そうじゃなかったら市予算の教育文化予算の是非だって判断出来ないもんね。

なんでそんなことを思ってたかと言えば、地方のホールの担当者などから、「議会対策」とか、特に「共産党対策」という言葉が漏れるのを、しばしば聞いたから。それで、「ああ、市のホールの運営予算などに、きちんと批判的な視点を持っている人が市議会にいるんだなぁ」と思っていた。

ところが、どうやら、少なくとも栗東の市議会にはそんな「文化についてきっちり市長を問い詰められる議員」はいなかった。で、結局、毎度ながらの市長の多数派工作が正月議会休会の間に展開され、栗東議会に持ち込まれたJR西日本関連会社が指定管理者となることの可否は、どんどん市長対反市長の政争の具っぽくなり、「文化をどーするのよ」という議論ではなくなっていった。議会内部の誰ひとりとして、「本来の議論に戻そう」とは叫ばなかった。

もしも栗東市議会に「文化行政」という視点が少しでもある議員がいれば、栗東さきら問題はちょっとは違った展開だったかもしれない--小生が栗東騒動で最終的に感じたのは、そういうことでした。

結論を述べます。皆さん、地方議会に文化担当の議員をひとりでも増やすようにしましょう。指定管理が導入された結果、管理者選択のプロセスは行政がやるにしても、最終的にその決定をOKするのは議会となったのです。議員に文化行政の知識が要請されるようになったのです。
文化行政にかかってる予算が一般会計の中でどの程度の規模なのかを考えれば、それぞれの市議会で何人くらいの「文化担当議員」が必要かは、自ずと明らかになるでしょう。例えば市の予算の1%を水戸芸術館に用いる、と言明している水戸市ならば、議員のうちの1%は文化行政の専門家であるべきでしょう(って、水戸市議会は100人もいるはずないから、ひとりすら必要ない、という結論になりそうだけど、ま、端数切り上げで1人くらいはなんとか)。

以上、あまり役には立たないけど、決める理由なしに困ってるよりはちょっとは良いか、という程度のアドヴァイスでありました。

まあ、我が田舎町中央区みたいに、650億円の予算を持ちながら700票以下でも議員に当選出来る自治体なんて、特殊なのかもしれないけどねぇ(ちなみに、今、調べてみたら、栗東市は有権者数は中央区の半分くらいで、最低得票議員の票数は700票をちょっと越えてました、うううううん)。さあ、やっと明日からまた静かになる。安心して通りを歩ける。ふううう。