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気軽に行こうコロナ後クラシック・コンサート [パンデミックな日々]

ニッポン首都圏でおそるおそる「専用音楽ホールでの聴衆を客席に入れたライヴコンサート」が再開しそろそろ1ヶ月。オペラハウス機能を持つ会場をフル稼働させるオペラやバレエのフルステージ公演こそ未だ再開していないとはいえ(明日17日に予定される宝塚公演は、ピットは生オケではなく録音での再開となるそうな)、大ホールでのオーケストラ公演や小規模ヴェニュでの室内楽公演など、合唱を伴わないライヴのコンサートは一日にひとつくらい開催されているトーキョーとなりつつあります。

都知事選が終わり市内感染拡大を隠す必要がなくなった「諸悪の根源」トーキョーでは、予定されていた小規模ヴェニュでの公演が中止になる事例なども出ています。ですがそれらは基本的に規模が小さなイベントなので、マスメディアどころかSNSにも流布することなく、具体例は殆ど知られないのが実情。いかな「書いてあることはみんな嘘、信じるなぁ」をモットーとする当無責任電子壁新聞としても、流石に記すわけにはいかない。ただ、このところの第2波の影響は実は出ている、という事実だけは記しておきましょーぞ。

ま、それはそれ。で、関西圏などはどうなっているか判らぬが、少なくとも東京首都圏で復活した「コロナ後のコンサート」の新しい常識を列挙いたします。なんせ、こういうのが基本ですから。あ、札幌の再開コンサートのものだなぁ、まあいいか。
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以下、やくぺん先生の世を忍ぶ仮の姿の四半世紀も昔の最初期の著書のひとつにして、哀しいかな生涯売れないままで終わるへっぽこ三流ライターとすれば唯一再版がかかった『気軽に行こうクラシック・コンサート』のコロナ時代改訂補遺だぞっ。おお、オリジナルはAmazonで50円から売ってるぞぉ…あれ、これ、第2版の方だと思うなぁ。売れてもあたしには一銭も入らずじゃが。
https://www.amazon.co.jp/%E6%B0%97%E8%BB%BD%E3%81%AB%E8%A1%8C%E3%81%93%E3%81%86%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%88-100-music-2-%E6%B8%A1%E8%BE%BA/dp/4276301025

1:終演後に妻と待ち合わせるのにどれくらい余裕をみればいいでしょうか

終演後、最低でも20分は余裕を持って待ち合わせるべきです。

主催各団体がそれぞれにヴェニュ側との協議で再開を始めている首都圏の事例からみるに、現状のでのコロナ前との最大の違いは、「オーディトリアム退出に時間がかかること」です。主催者とホール側の協議で対応はそれぞれのようですけど、基本、大ホールでの公演は、「ホール出口での密集を避けるため」という理由で、客席から聴衆の退席を制限しています。終わった終わった、と好き勝手に出られません。「終演後、拍手が静まった後の空っぽの舞台を前にした客席に聴衆は取り残され、指示に従い順番に退出する」と考えるべき。今の情勢では終演後に飲み会に行くとか、レストランを予約するとかいうことはないでしょうが、「9時に終わるからじゃあ9時10分にどこそこの店で」みたいなことをすると、遅刻する可能性が大いにあります。勿論、それを避けて関係者評論家などには、演奏が終わるや拍手をせずにさっさと客席から逃げてしまう、という猛者も散見しますが。

2:いつも大きな医療機械を抱えている私はコンサートに行けますか

クロークで預かってくれる可能性はありますけど、今は持ち込みはダメと思った方が安全かも。

現状でのホールの表方担当者は、入口での検温やら消毒準備やら、普段と違う客席指定のための誘導やらで、てんてこ舞い状態です。こんなん。
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業務が大幅に増えている上に、気をつかわねばならないことも多い。そのため、基本的にはどの会場でもクロークは使用禁止になっています。東京は溜池のサントリーホールやJTアートホールの場合、首相官邸や国会議事堂が至近のために周囲にコインロッカーが一切存在していません。ですから、でかい荷物を持ってきてしまうと、困ったことになります。現実的には、そのホールなりに対応してくれるようですが、まあ、表方の皆さんに要らぬ面倒をかけることになりますから、「クロークはやってない」と諦めて出かけるべきでしょう。

3:車椅子の母がクラシックを聴きたがっているのです

現状、もうちょっとお待ちください。

2と同じ理由で、今はまだ表方が一般聴衆への対応で手一杯。障害がある聴衆にどう対応するかは、対応マニュアルがないというより、人出が足りないのが実情でしょう。なお、来週の金曜日に東京文化会館で実質上の実験のコンサートがありますので、その状況は当電子壁新聞でもお伝えするつもりでおります(伝えられるようなものであれば、ですけど)。ホールでの行動に介護や援助が必要と思われる方は、事前に連絡しておいた方が良いと思います。

4:不倫中の彼氏が再開コンサートの切符をくれましたけどバレませんかね

バレます。行ってはいけません。

今のコンサート会場では、「誰がどこに座ったかを把握し、なにかあったときのために連絡がとれるようにする」のが原則になっています。氏名と連絡先、席番号は主催者に提供するのがルールです。つまり、お忍びでコンサートにはいけない、ということ。こればかりはしょーがないわなぁ。なお、会場に掲げられたQRコードを携帯端末にスキャンして登録、みたいなことにはなってません。ニッポンのコンサート会場は中国や韓国に比べるとIT後進国レベルのアナログっぷり、用紙に書いて提出するのが原則ですので、気になる方はマイ筆記用具を忘れずに。

5:どうしても演奏者に感動を伝えたいのです、なんとかならない?

大きすぎないメッセージボードを客席から掲げる、という手段は黙認されているようです。

再開したコンサート会場では、当初は拍手もエアだったのですが、今は拍手はOK。スタンディング・オーヴェーションまではOKとする会場もあるみたい。ただし、ブラボーと叫ぶのはウィルス拡散爆弾と看做され、厳禁です。ひとつ、再開後のホールで流行になりつつあるのは、手作りのメッセージボードや、客席に広げる大壇幕。主催者公認というよりも「オーケストラ友の会」の皆さんなどによるゲリラ的な感動の表し方のようです。この解像度なら許されるかな、ほれ。都内某ホールでの某オーケストラでの状況。こんなん。
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現時点ではそれほど派手にやられているわけではないので規制などもないようですけど、主催者さんに真っ正面から「持ち込んでも良いですか」なんて尋ねると、ダメと言われそうだなぁ。

やくぺん先生的には、一人空け席の快適さになれてしまったらヤバい、というのがいちばんの問題だと感じるパンデミックな日々なのでありましたとさ。

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Yamatoの諸君の暑い8月日程決まる [弦楽四重奏]

演奏会が再開されたと思ったらあっという間の「諸悪の根源トウキョウ」化、もう地方の方からそういわれるのは仕方ない、とひたすら都民として頭を下げるばかりの川向こう新開地の田舎者なのであった。いやはや…

で、7月後半からいきなり「三密回避」で目白押し状態になりつつあった諸処のイベントも、またちょっとおかしな空気になってきている。そんな中、一度は振り替え日程も発表になってさあやるぞ、となっていたところ、いろいろまた雲行きが怪しくなってきてすったもんだすったもんだ。最終的に、このサイトのようなことになっております。
http://www.kanagawa-geikyo.com/calendar/concerts/200419-1/200419-1.html

要は、8月の3公演は客席数を減らし、昼夜の2公演にする。最終回は9月なので当初の予定通りに昼公演のみ、ということ。

まあ、Yamatoの諸君にしてみれば、そもそもひとつひとつの演奏会が長かったところにもってきて、昼夜の二回《ラズモ》全部やるなど、まだ「若い」と言える今で無ければ出来ない無茶をすることになったわけで…それはそれでベートーヴェン記念年らしい、と強引に言いましょうぞ。うん、強引さこそがベートーヴェンなのじゃ!

夜券は17日から発売だそうな。終演がかなり遅くなりますが、ご関心の向きはどうぞ。

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生演奏に接する意味 [音楽業界]

敢えて「パンデミックな日々」ではなく「音楽業界」カテゴリーにします。

一昨日昨日と、錦糸町はすみだトリフォニー&溜池サントリー大ホールに連日足を運び、ブラームス交響曲第1番を新旧2つの日本フィルを名告るオーケストラ、そして日本を代表する長老と現役バリバリのマエストロという演奏家の皆様で「聴き比べ」をすることになりましたです。無観客のストリーミングをPC経由で視聴、とかではありません。共に客席に座ってのまともな普通の鑑賞でありました。ちなみに本日午後には都響のコロナ禍後初のライヴ演奏があり、これで在京オケのうち5社は聴衆を前にした演奏を再開したそうな。

正直、このような機会でもなければ、ブラームスのハ短調交響曲を何度も聴くなど、まずあり得ない。ファンの皆様ならよーくご存じのように、世の中には「感動できる回数が限られている」タイプの作品というものがある。個人的な好き嫌いとか、作品としての出来の良し悪しではなく、音楽やジャンルのキャラクターとしてそうなってしまうアート作品があるというだけのことです。ブラームスの交響曲第1番は、例えばマーラーの《復活》や第3番なんぞがその典型。ベートーヴェンは案外なくて、第九でもまぁ、そこまで「もう無理、ご勘弁を」にはならない。室内楽系はほぼ皆無で、唯一の例外が《死と乙女》、かな(そもそもダメな演奏だと始まった瞬間に耐えられなくなるタイプの音楽ではあるが…)。オペラ声楽系では、《カルミナ・ブラーナ》と《神々の黄昏》がそんな作品。ま、後者を嫌になるほどライヴで聴き続ける奴はこの世にいないと思うけどさ。ちなみにぶらいちは、ある時期から弾きたい願望に転化するようだけど、それはまた別の話。

てなわけで、残念ながら遙か数十年前にぶらいち感動チケットを使い切ってしまってるやくぺん先生とすれば、ある意味、一種の拷問に近いイベントなのでありまする。とはいえそんなこと言ってはいられない。真剣な顔で、コロナ第二派荒れ狂う新帝都ホットスポット近辺へと慎重に向かったのでありました。

それぞれの演奏会の様子、入口での消毒から検温、チケットのもぎり方、Faceシールドとマスクで誰が誰か判らないスタッフの動き方、クロークにどう対応しているか、聴衆がどのように席に着き、終演後はどのようにオーディトリアムから退出するか、舞台上でのオーケストラ団員や指揮者の様子、聴衆の反応…そういう「コロナ禍故の特別なこと」に関しましては、もうあちこちのtwitterやらfacebookやら、はたまたブログやら大手メデイア報道でもあれやこれやと伝えられており、検索すればいくらでも出てくるでしょう。ですから、当無責任電子壁新聞では敢えて触れません。すみだトリフォニーホールの正面から入ったところを眺めたこんな風景、起きてること詳細に記し始めればいくらでも書ける。
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大事なのは、この2つの演奏会が、結果的に「ブラームスの交響曲第1番」という極めてイベント性の高い作品を演奏しながら、随分と異なった、というか、今時の言い方をすれば「真逆」の有り様を示してくれた、という事実。コロナだ、活動再開後初演奏だ、とかを抜きにして、普通に議論出来る真面なコンサートが新帝都トーキョーでやっと開催された。

このふたつのぶらいち、オケというより指揮者さんのキャラが「真逆」で、結果として見えてくる風景が随分と違っていましたです。マエストロ尾高の「終演後に一瞬訪れた静寂に、ライヴでしか経験できない時間と音の大事さ感じさせる」音楽と、マエストロ広上の「終演後にブラボーと叫ぶのを禁止された状況がひたすらもどかしい、空気を揺り動かす響きの圧迫感に圧倒される」音楽という、まるで反対のアート(=神ならぬ人が創った何の役にもたたないモノ)。中身的には、金管の音色の扱いの違いが興味深かったです。ひとつのパレットの中に綺麗に収める長老と、様々な演奏技法を駆使しての音色変化を響きの質として意味付ける今がいちばん脂ののった現役バリバリ。静と動、なんて簡単に言っちゃえばそれまでなんだけど、こんなに違うもんなんかいな、とあらためて「再現芸術」の微妙さと多彩さに驚かされましたです。

なににも増して気付かされたのは、PCでのストリーミング視聴では全く判らない、音色だとか響きの重さや透明度の変化というライヴならではの要素。テンポだとか、使っている版だとか、アンサンブルがどうだとか、どんな条件で接してもある程度は判るものとは違う、環境や視聴設備でまるで異なってしまう音楽の要素が音楽の中にどれほどあり、どれほど決定的なのか、あらためて実感させられた二日間でした。そういう部分をなしでも大丈夫な再現のやり方もあるのだろうし、それが「コロナ時代の今風」なのかもしれないけどさ。

オケの皆様、そしてスタッフの皆様、お疲れ様でした。皆様のおかげで、2020年7月半ばの今、コンサートホールの中は世界のどこよりも安全な空間です。ことによると病院の中よりも安全かもね。

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GOTOキャンペーンは使えるか? [たびの空]

昨日は午後に渋谷(とはいえ、道玄坂やらセンター街ではなく、南口の大和田文化センターの方ですけど)、その足で半蔵門線乗って錦糸町、という世界でも最も危険なウィルス汚染地帯に行かねばならず、正直、世間やら御上やらメディアやらがなんと言おうがトーキョーこりゃアウトでしょ、と感じている爺初心者でありまする。今、トーキョー首都圏で最も安全なのは異常なまでの厳重警戒を施したコンサートホールなんじゃないかい、マジで。アメリカ合衆国でいちばん安全な公共施設は国際空港のセキュリティゲートの向こう、ってのと同じじゃのぉ。

再びの感染爆発が始まったとしか思えない中、御上も都の御上も「経済優先宣言」やって、御上に至っては地方の庶民の神経を逆なでにするのか、はたまた喧嘩売ってるのか、って”GOTOキャンペーン”などという旅行業界救済国内移動促進をやる気満々。
https://www.travelvoice.jp/20200710-146622

そんなこんな状況なのはニッポン列島だけなわけではなく、遙かシベリア越えた彼方、華の都巴里ぃでも状況は同じようなもの。オペラ座からは「8月になったら秋からのシーズンのチケット売りまっせ」なんて連絡は来ているし、10月末のフィルハーモニー・ド・パリでの《光の月曜日》も、中止とは申しておりませぬ。とはいえ、上演されてもどうにも遙々極東の島国からノンビリ聴きに行けるとはとても思えぬ。そもそも子どもの合奏団や子どもキャストがいっぱい出てくるこんな演目、普通に考えれば夏からの仕込みが出来る筈が無いわけだしねぇ。そんなこんな、コロナ禍の世界では仕掛けのデカい「ゲンダイオンガク」なんてマーラーやヴァーグナー以上にやれんわなぁ、と思ってたらぁ、そんな渇を癒やしてくれるようなイベントが9月5日にある。ほれ。そもそもがノーノの《プロメテオ》上演のために建てられた(わけではないが)ヴェニュ、秋吉台国際芸術家村でありまする。
https://aiav.jp/13357/

これはなにがなんでも駆けつけねば。んで、昨日、主催者さんに連絡したところ、今朝になってチケット確保しました、滞在も確保しておきます、という連絡が。秋吉台国際芸術家村に関しては、まあ、存続を巡るすったもんだを話し出せばいろいろめんどーなんだけど、それはまた別の話。とにもかくにも、担当者さん「ことによるとうちが主催出来る最後の年になるかも」などと仰るスーパーイベントに向かうべく、せっかく我らが頼もしぃぃ御上が用意してくれたGOTOキャンペーンとやら、有り難く利用させていただきましょーか。

と、いろいろやってみたが…ぶっちゃけ、これ、現時点では使えませんな。

ひとことでいえば、旅行代理店や恐らくは楽天トラベルなど大手さんを通した往復から宿までセットになったパック旅行なら、問題なくOK。地元宿泊への直接の問い合わせでどうなるかは、22日にキャンペーンが始まってからじゃないとよーわからぬ。なんにせよ、足代に関してはそれのみではダメであることは確かなようじゃ。

しょーがないなぁ、とともかく入りの羽田山口宇部の便だけは抑え、あとはGOTO騒動が始まってからじっくり動くことといたしましょうか。なんせ、どういう取材日程になるかまるで判らない。せめて1泊、山口県内での宿が半額になると税金の納めがいもあるもんじゃて。ほれ、楽天トラベルなんて、もうすっかりキャンペーンやってるしさ。
https://travel.rakuten.co.jp/special/goto/

…とはいうものの、ホントにそんなにノンビリしたことが言ってられるような世界になっているのやら。キャンペーンそのものがやれない可能性だってあるわけだしね。なんせ明日のことは判らぬコロナの世界なんだから。

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マドリードの三密回避《椿姫》ライブ配信 [パンデミックな日々]

マドリードのテアトル・レアル広報さんから緊急連絡がありました。まんま貼り付けます。

Wednesday, July 15, at 8 pm, from Madrid… TEATRO REAL WILL OFFER ‘LA TRAVIATA' LIVE BROADCAST WORLDWIDE WITH FREE ACCESS TO ITS PLATFORM MY OPERA PLAYER

•Since July 1st, the Teatro Real has been presenting an exciting version of Verdi's opera on its stage, with more than 800 spectators every night and a strict health and safety protocol.

•The performance on 15 July will be the 14th of the 27 programmed with four different casts. That night, the cast will be headed by Marina Rebeka, Michael Fabiano and Artur Rucinski, who will perform together with the Teatro Real's Chorus and Orchestra (Coro y Orquesta Titulares del Teatro Real), conducted by Nicola Luisotti.

•La traviata is presented in a semi-staged version conceived by Leo Castaldi in strict compliance with the current health and safety protocols.

•MyOperaPlayer is Teatro Real's audiovisual platform, which offers a wide range of streaming content from theatres around the world and whose programme is extended weekly.

•Free access to MyOperaPlayer will be allowed uniquely for the live broadcast of La traviata on July 15 at 8pm. The recording will then become part of the platform's catalogue.

•This recording of La traviata, created within the limitations of the health and safety regulations, is an audiovisual co-production between TVE, MOVISTAR and the Teatro Real.

•MyOperaPlayer was created by the Teatro Real in 2019 with the technological participation of Telefónica and Samsung, and is sponsored by Endesa.

以上です。詳細なプロフィルなども来てるんですが、ま、それはそれ。要点だけを記しますと

三密回避の《椿姫》、マドリードの時間で15日午後8時から、MyOperaPlayerで特別に無料ライヴ配信されます。タイトルロールは、この三密回避特別演出のオリジナルになっているメトのプロダクションの中継でも歌っているマリーナ・レベカです。
ちなみに、こちらがトレーラー。1日から月末まで、ほぼ毎日、客を入れて公演やってます。ザルツブルクに先駆けて再開した欧州のメイジャー劇場となりました。

日本時間では16日早朝3時という滅茶苦茶視にくい時間ですが、ま、頑張って下さい!

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ミロQベートーヴェン全曲ストリーミング有料ライヴ [弦楽四重奏]

宣伝です。世間はおそるおそる聴衆が座るホールでのライヴの演奏が戻ってきている梅雨の終わり、北半球はいつもならば5月の終わりに通常のシーズンが終わり、巣籠もり強制という状況がほぼ変わっていないマンハッタンのメトはともかく、ヴィーンにせよスカラにせよミュンヘンにせよ、はたまたベルリンにせよ、連日の劇場からの日替わり無料ストリーミングもシーズン終了と共にほぼ終了いたしました(ベルリンのリンデン・オパーは7月最初の10日にフェスティバルっぽくまたやってるようですが)。

都市のシーズンが終わり、7月のバカンスシーズンの大規模音楽祭が始まるまでは、セミナーや小規模音楽祭の季節。とはいえパンデミック下の世界、今年はそんないつものカレンダー通りに展開する筈もなく、先月後半からは「オンラインでの夏のフェスティバル」が次々に開催されているのは皆様ご存じの通り。有名どころでは、タングルウッドもオンライン・フェスティバルになってますし。
https://www.bso.org/brands/tanglewood/features/2020-tanglewood-season/2020-online-festival.aspx

これらを追いかけていたら、とてもじゃないが体が幾つあっても足りないのだけど、ひとつこれだけは紹介しておきたいものがあります。アメリカ合衆国本土の北西の端っこ、シアトルとバンクーバーの間というより、バンクーバーからの方が近いオーカス島でジョン・木村・パーカーが芸術顧問を務める「オーカス島室内楽音楽祭」が開催されます。
https://oicmf.org/
この音楽祭、今年はオンラインのライヴ配信になり、メインイベントはミロQがベートーヴェン弦楽四重奏全曲チクルスでありまする。こちら。
2020-07-16 OICMF Beethoven Cycle One-Sheet.pdf
7月16日から始まり、作品18は木金土の3日続けて毎日2曲づつ。次の木曜日23日からはラズモ3曲を毎日1曲づつ。で、また次の木曜日30日からは《ハープ》&《セリオーソ》に始まり、作曲順に《ガリツィン・セット》の作品127、作品132まで。最後の8月6日からの木金土は、《大フーガ》付きの作品130、作品131、そして最終日8日は、作品135とアンコールのように作品130の改訂版終楽章、というプログラムです。基本、完全に作曲順というやり方。

毎回、開演時間は西海岸時間の午後5時半だから、日本や韓国の時間では翌日の朝9時半ですから、そう酷い時間ではありませんな。金土日の朝、1時間のベートーヴェン、ってこと。

なお、ミロQはワシントン州の島の上でライヴで弾いているので、別に普通のコンサートの長さにしてもいい筈なのに、連日のコンサートは1時間弱になってますね。この理由、第1ヴァイオリンのダニエル曰く、「だって、PCの前に1時間以上座ってるなんて、無理でしょ」とのこと。仰る通り。流石にテキサス州オースティンで長いお籠もり生活をしていただけのことはある。

さても、これ、PDFリリースの最後をご覧になればお判りのように、有料のチケットを購入しないと聴けません。チケットはこちらからどうぞ。
https://ourconcerts.live/orcasisland#%2F
いきなり英語でチケット購入の仕方の案内が始まりますので、吃驚しないように。セット券は$120、ってのは、まあ、適正価格でしょう。

サントリーホール・チェンバー・ミュージック・ガーデンで全曲をお聴きになった方、あの初夏の思い出を、おうちでどうぞ。なお、世間の情勢が良い方に転じれば、ミロQは11月には晴海で3回、《ハープ》以降の全曲を演奏する予定です。多分、これでミロQは晴海で全曲弾くことになるんじゃないかしら。さても、どうなることやら。
https://www.triton-arts.net/ja/concert/2020/11/07/3169/

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千歳の飛ぶものたち [たびの空]

やくぺん先生現役時代の「たびの空」カテゴリー定番たる「動物たち」「飛ぶものたち」シリーズ、昨年秋以来の病人認定&第一線引退宣言及びその後のパンデミックの世界にあって、最も疎遠となってしまっておるわい。ほぼ一年ぶりの復活なのであーる。

札幌恵庭でのお仕事を終え、無料航空券などの諸事情でもう1泊することになった千歳の某航空会社系ホテルの空港アプローチ側に向いた窓から、写真と動画の整理をしつつ、助っ人M女史とエクの出発を見送る。皆様、お疲れ様でしたぁ。
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一夜明け、昨日の「梅雨が無いはずの北海道の梅雨の終わりの豪雨」は去ったものの、まだまだ雲は低く、湿った空に向け、今日は働くぞぉ、とお腹ぽってり救難くんが元気に上がっていく。おいおい、お仕事じゃなく、訓練なんでしょーねぇ。
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視界も良くなり、旧空港ターミナル跡地にズルズル並ぶコロナでお仕事がなくなったJALANA767777らを跨いで、空軍チヌークくんが軍管制塔辺りをぴょんぴょん揚がったり降りたり。こういう奴が飛び回ってくれると、距離感が良く判って有り難い。なるほど、この宿から軍の施設までは、佃縦長屋から総務省屋上よりは近いのか。
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客の激減で空港ホテルなのに連絡無料バスが運休中途のこと。しょーがなく、ずるずると荷物を引っ張ってJR千歳駅に向かえば、さっき上がっていった空自鷹が湿気を引っ張りながら戻ってくるわい。
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数年前までの厚木近辺の超蜂共の騒々しさに比べればまだまだまともとはいえ、この町って、最後の有人戦闘機「栄光」号現役時代は、どんだけ騒々しかったんじゃろか。

空港カウンターまでJRで至り、さっさと三脚以下大荷物を預け、無料シャトルバスがあるはずだから、軍民滑走路に挟まれた北側のアプローチ帯に開拓されたショッピングモールに向かい、敷地内にあるらしい「千歳空港発祥の地」の公園にでも行ってみるべーか…と思ったら、これまたコロナでシャトルバスはやってないという。うううむ、じゃあしょーがない、またJRで一駅戻るとするか。歩いても良いのだけど、せっかくの北の大地、さっさと森があるところまで行き、せめてハシブトガラさんくらいにはお会いしたいし。

かくてやってきたガラガラのモール駐車場裏の「千歳航空公園」とやらなんだけど、周囲を飛んでいる小さい方々は、シジュウカラさんとひよちゃんばかり。
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雪の妖精シマエナガちゃまとまでは高望みをいたしませぬも、せめて手乗りゴジュウカラさんのお姿ほどは拝みたや。とはいえ、モールと公園を囲む樺やらの低木を眺めるも、コロナで暇している新アベちゃん号がタッチアンドゴー練習を繰り返す昼ぼらけ。
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お、公園の向こう、沼地が干上がったような原っぱの彼方から、素敵なお声で盛んに歌ってる方が。
極東の島国の夏を北で過ごす野のコマドリ、喉色鮮やかなノゴマさんじゃああーりませんかぁ。
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素敵なお声が聞けたので満足し、鷹軍団の轟音響くたびの空、コロナ再爆発がヒタヒタと迫る新帝都に向けて戻りましょ。

かくて、久しぶりのたびの空、終了。新帝都への機械鳥着陸は梅雨の北風で、副都心上空通過の新アプローチ体験はならず、千葉の山を見下ろすばかり。
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うううむ、残念。

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札幌のエク [弦楽四重奏]

一昨日7月1日、札幌キタラホールで、クァルテット・エクセルシオ第13回札幌定期演奏会が無事に開催されました。何故かホールにポスター掲示がなかったので、近くの飲み屋さんの前のもの。東京定期の方は、コロナ禍真っ最中で中止となってます。
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なにせコロナ禍が日本列島で最初に猛威を振るった北の島、キタラホールも実質上4ヶ月演奏会が一切なく、先月にホールとしての貸し出しは再開したものの、そもそも7月に向けての札幌はPMF一色で塗りつぶされる季節、ホールの主催公演は殆ど入っておりませんでした。民間からも演奏会を再開しようという手は挙がらず、偶然にも当初から7月1日に札幌定期演奏会を予定していたエクが「聴衆を入れ、ライヴストリーミングなどはない、完全な長さの普通の演奏会」の最初になってしまった次第。

4月に認定NPOになったエク、弦楽四重奏団としては日本で唯一の公的な活動団体と認定され寄付への税制免除が許されることになった組織としてみれば、公共性を御上(エクの場合は札幌市ならぬ東京都ですが)から認めらてから初の演奏活動として誠に相応しいものとなったわけでありまする。舞台上の光が吹っ飛んでる露出失敗写真で、三密回避の会場の様子をご覧あれ。
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これまた全くの偶然なのですが、メインの演目が「病から癒えた感謝を神に讃える歌」を第3楽章に据えるベートーヴェン作品132であったのも、このような機会に相応しいものでありました。

なにやら当電子壁新聞らしからぬ物々しい書き方になってしまってますが、中身に関しましては某専門月刊誌にレポートを記すことになっており、まだ体裁が決定していないので、気楽に書けないのであります。で、以下は、昨日取材に来ていた讀賣、朝日など地元紙媒体の記事をまんま引用し、記録としておきます。まずは札幌版讀賣さんの記事。Web記事は会員限定なんで、紙まんま。本日2日朝刊です。
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読めますかねぇ。事実関係を簡素に纏めて下さっております。

もうひとつ、朝日はWeb記事なので、ボリュームもあります。記者さん、エクの練習の間の休憩時間をガッツリ潰して下さったのだが…ま、インタビュー動画も挙げてくれたし、これだけ書いてくれたのだから、許してあげましょう。
https://www.asahi.com/articles/ASN7277P4N72IIPE00G.html

とにもかくにも、「楽しい名曲を集めた1時間の昼間のコンサート」などの真逆、午後の7時に始まり、モーツァルトの最後のクァルテット、バルトークの3番、作品132と、普通に考えても一曲多いんじゃね、という長くヘビーなコンサートで、ホール客席内マスク着用の負担を減らすために1曲毎に休みを挟んだため、終演は9時10分を過ぎる長い演奏会。終演後のエクはクタクタでありましたとさ。

さあ演奏活動再開、と言いたいところだが、次の演奏会は1ヶ月後の8月1日、本拠地首都圏を越えた茅野とのことであります。まだまだ普通の日々は戻りません。

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コロナ禍の北の島へ [たびの空]

なんだかすっかり「コロナ」が終わった感も漂う新暦文月朔日、今世紀に入って「梅雨空」という言葉の喚起するイメージが激変してはいるものの(「梅雨」というよりも「雨期」でんなぁ)、とにもかくにもなまぬるぅく湿った梅雨の大気をかき分け、遙か北の大地は札幌に辿り付き、エクがこの街でのコロナ禍後最初の通常の演奏会再開という認定NPO最初の仕事に相応しい公共性が高いイベントになってしまった演奏会のお手伝いに参っております。

一応、某紙媒体の取材でもあり、それよりもなによりも去る3月頭にびわ湖ホールの《神々の黄昏》GP見物以来の「取材」ってか、お仕事っぽいお仕事だったもので、もうヘバヘバ。コロナお籠もりですっかり体がなまっちゃって、どう動けば良いか忘れてしまった爺初心者なのであーる。

てなわけで、もう細かいことは言わず、羽田から札幌中島公園までたどり着く道中を、後の記録のために記しておきましょうぞ。

今回の札幌行き、当日は地元媒体の取材がいっぱい入るとのことなんだけど、そういう媒体から写真やら映像資料を貰うのは実質不可能なので、自分らで押さえねばならない。とはいえ、札幌では特別価格でお願い出来る信頼出来るプロのカメラマンなどはおらず、しろーとカメラマン及びヴィデオボタン押し係の主催NPO雑用担当として向かったわけであります。エクNPO化前の東京在住の頃にあれこれ現場の手伝いをしてくれ現在は関西の某ホールで指定管理職員やってる強力な助っ人M女史も来てくれるとのことなので、本州助っ人チームとして動くことが決まったのが出発の数日前のこと。

なんせ状況が見えない中での記録用動画撮影があるので、大風が吹いてもひっくりかえらないような一昔前の重く巨大な三脚を背負っていかねばならず、昨年秋の病人認定以降連れて歩いている医療器具一式もある。となると、もうこれはLCCでは無理。追加荷物10キロ超過は確実、ましてや三脚はコロナだなんだ以前から機内持ち込み不可能、預けるとなると身ひとつを運んで貰う額と機材のお値段が違わないくらいになってしまう。それだったらもうレガシー航空会社にするしかない、とANAさんのタダ券を差配したのが「県を跨いだ移動」を御上がお許しになった直後。最初に予約した飛行機はガラガラで、おおいおいおい、これ、ホントに飛ぶのかといぶかしく思っていたら、案の定、以降、往路は機材がどんどん小さくなるわ、復路は便そのものが間引かれてネットでの変更が出来ず延々とANAさんに繋がらない電話を1時間もかけねばならぬわ…ある程度は予測した事態とはいえ、ここまで思った通りのドタバタぶりだと、もうこれはこれと腹を据えるしかないぞよ。いやはや。

ご家庭内にも先週末に家族会議をし、成田じゃなく羽田なんで佃の縦長屋からの出発帰宅も仕方あるまい、気をつけて下さいね、と合意を取り付ける。かくて、ありったけの機材とアホのようにデカく重い三脚を準備するうちに水無月晦日の夜も過ぎ、月も変わった朝ぼらけ、なんだか半端な空であることよ。荷物が多いので都心のラッシュアワーの移動を避ける便にはしたのだけど、天気予報は土砂降りみたいなことを申しており、この大荷物で月島駅まで行くのは一騒ぎじゃのぉ。ええええい、収入激減のおり節約必至ではあるものの、これは仕方ないと東京五輪マーク入りのタクシーに機材を詰め込み、浜松町まで向かいます。

三密回避、運転手さんとの無駄話なども厳禁らしいけど、やっぱり築地の魚河岸横を抜ければ、「ここってどうなってるんですかねぇ」とか
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再び幻となった五輪関連施設の中途半端な惨状に悪態をつくことになるのは、今の都民ならば仕方ないところであろー。

これまた世界大運動会に向けて整備していた駅周辺車寄せが滅茶苦茶になったままで今に至る浜松町駅に文句ひとしきりの運転手さんにバイバイし、モノレールのホームへと大荷物抱えておっちらえっちら。長距離バス乗り場の方からだと、直接改札階に届くエレベーターがないんだわなぁ。通勤時間の東京モノレール、途中までは通勤ラッシュと朝の空港利用客で大混雑になる。とはいえ、そもそもが空港アクセス用に設置された交通機関とあって、京急の朝ラッシュに空港に向かう大荷物を詰め込む際の周囲の白い目とは些か異なることは確かで、こっちの方が罪悪感は少ないわい。意外にも、浜松町を発車した各駅停車は、ガラガラとは言わないけど、充分に空いてました。
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天王洲アイルで下車するサラリーマンさんもあまりおらず、途中から乗ってくる人もなく、コアジサシ飛び込む運河を眺めるアヤシげな空の下、辿り付いた羽田の整備場近辺は、この数週間地上に置きっぱなしにされてる巨大機械鳥たちの巣窟になっておるわいなぁ。
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つらつら考えるに、羽田空港を利用するのは昨年9月の札幌からの戻り、台風で房総半島先っぽが大被害を受けたとき以来ではないかい。それからは国内線もLCCで成田ばかりだったからなぁ。いつの間にやら「国際線ターミナル」が「第3ターミナル」になってら。ただ、空港ターミナルそのものは、そもそもがセキュリティやら体温検査をやってたわけだから、コロナ対応でバタバタしている感はあまりありません。ラウンジもひとり空け座りにはなってないし。ただ、売店の空弁はいつもの5分の1程度の入荷量。朝ご飯のおにぎり屋さんもガラガラで、「それでも8時くらいまでの便はお客さんは戻ってるんですけどねぇ」とヒマそうなおねえさんがマスク越しに仰いまする。

搭乗もいろいろいままでと違ったらしいのだど、ラウンジでグズグズしてたらもう全員搭乗になっていて、慌てて駆け込むと、最初は777だったはずがあれよあれよと321になった千歳便、となりはひとりあけくらいの客の入り、殆どが明らかにビジネスマンで観光客の姿は見えませぬ。流石メイジャー会社のメイン路線、ちいさいとはいえ最新の機材で、過剰なまでに立派なモニターが目の前にあり、どこ飛んでるかは良く判る。電源もUSB対応のみながらあるしね。

今日はダメだろうなぁ、と思っていた通り、Cランの南風の離陸で
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あっという間に雲の上。葛飾オフィス巨大柿の木を上空から真下に見下ろすことは叶わず、市川上空の雲の中を上昇していき、ぼーっとしているうちに、はや北の島に到着。

ゲートに入ったはいいが、ソーシャル・ディスタンスとやらを保った降機がなかなか大変。前列から数人ずつ、おそるおそる降機していき、自分の番になるまで原則、ヘッドビンの中の荷物も出せません。ま、これはこれでいいんだけど、今、飛行機に乗る方で到着後に急いでるなら、前方座席にしないと10分くらいはかかりますよ、ヘタすると。ここでやたらと時間がかかるので、幸か不幸か、荷物拾いテーブルに至る頃には、もうデッカい三脚も医療機材もぐるぐるまわってました。お、本日の主役、エクの皆さんも無事に荷物を拾えたようじゃ。
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エクは明日の帰京便が間引かれたとのことで、ちょっとカウンターで交渉せねばならぬとのこと。ではまたキタラで、と手を振り、関西から到着する助っ人をJALの到着口前でしばし待ちます。表のバスターミナルに巨大観光バスがまるで通らない、ここはどこのローカル空港だ、って閑散っぷり。目の前のファーストフードも、午後4時に閉まります、なんて書いてあるし。

待つこと半時間ほど、伊丹からちっちゃなジェットで到着したM女史と無事合流、激安レンタカーに向け連絡バスに乗るも、他に客は誰もいません。通過する国際線ターミナルには、2ヶ月以上の間1便も到着がないそうな。いやはや、維持費だけでなんぼかかるやら…

梅雨が無い筈の北の大地、新帝都程湿っぽくはないものの小雨が落ち、いつもなら世界一真面目に練習している我らがニッポン空軍の鷲部隊も静かなもの。久しぶりのお客だわ、って感じのレンタカー事務所のおねーさん、こんなに稼げない客で申し訳ないねぇ。

ちっちゃな、ブレーキの効きが今みっつくらいで絶対に雨の高速なんぞ走りたくない車を転がし、あとは、ただダラダラと移動じゃわい。早めにキタラホール楽屋口に到着したところで、今の情勢では時間まで中に入れるかも分かりゃしないしさ。ノンビリと下道で札幌まで参りましょまいりましょ。途中、感染対策らしきものはしているようだが、なにやらほのぼのお気楽ムード漂う道の駅で、小雨の中のセキレイさんに迎えられ
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地元農家さんの持ち込んでる野菜を眺め、あああ白アスパラの季節は終わってしまったのだなぁ、と失われた過ぎた春に思いを寄せるのであーる。
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無論、「インカのめざめ」は激安購入しましたですっ。北広島の近辺で新たな野球場建設のための巨大なクレーンが森の中に立ち上がるのを眺め、手入れの悪い国道をまああああっすぐひた走り、コロナ禍で激安の中島公園隣の宮内庁御用達某高級ホテルに到着。コロコロコロと素敵なお声をあげるカワラヒワさんが迎えてくださりまする。
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さても、慌てて荷物を放り込み、キタラホールに向かうと、セキュリティは存外にあっさりしたもの。数ヶ月ぶりに入るホールの裏は、これ見よがしに「ちゃんと綺麗にしてますよ」と仰るのであったぁ。
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かくて、札幌で4ヶ月ぶりに鳴った演奏会、エクがベートーヴェン作品132の第3楽章「病から癒えた感謝を神に讃える歌」が客席数半分のホールにしっとりと響いたのでありましたが、ま、それはまた別の話。

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