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年末晴海音楽風景 [新佃嶋界隈]

このところロクでもない話題ばかりなので、今日は強引にノンビリ系です。なんせ明日の深夜にはタンソニュット空港(この言葉に感動を覚えるのはジジイか)に到着し、怒濤のヴェトナム・ツアーに入るので、ご当地ネタなどやってられない。で、まとめてふたつ。

◆みはるちゃんのお腹の下でダイクが響く!

ちょっと前、エクがアウトリーチにまわった房総半島の外れで関係者と話をしてて、吃驚した会話。
やくぺん先生:「へえ、こちらでも年末のダイクはしっかりおやりになるんですね。きちんとした音楽愛好家の組織があるのはスゴイなぁ。」
南房総の某音楽団体オバチャン:「もうダイクは毎年やってて、みんな飽きてきてて、この数年はやってなかったんですけど、久しぶりにやってみようか、ということで。でも、今更ダイクじゃ人も集まらないかも。」

へええええ、「今更ダイク」なんだぁ。ダイクって、それほど全国津々浦々、人口数万程度で市民会館があるくらいの場所ならどこでも、年末になると合唱団とアマチュア地元オケでやり、毎年続いていて、もう「うちのお母さんが歌うから」くらいじゃ切符も売れぬ、あったりまえのイベントなのであるのかああああ!

安部そーり、イシハラ知事様、ニッポンはスゴイ文化国家だっ!これじゃあ嫌でも愛国心がムラムラ沸き上がってくるぞっ!偉いぞ、ニッポン、凄いぞ、ニッポン、世界一だっつ!

ぜーぜー。もとい。なんであれ、どうやらベートーヴェン交響曲第9番ニ短調作品125という作品は、我らがニッポンブンカコッカではそのようなものなのであーる。

ところで、ここに「東京駅銀座から最も近い田舎」と人が呼ぶ人工島があった。そーーー、佃月島晴海の2島であーる。こここそ、年末アメヨコのチョコレートのように文化が山積みされたたき売られるトーキョーにあって、最もダイクから遠い絶海の孤島群だったのだっ。おおおおお!

さても、この田舎、このところの所謂「都心回帰」と局地集中豪雨的バブル再燃のお陰で、すっかり人口が増えた。運河の向こうクリスマスライトアップが輝く「都心から最も近い郊外」豊洲とはまた性質が違うものの、人がジャンジャン住み始め、人口数万の地方都市規模になってる。新たにこの島の住民となった方々の多くは、ちゅーか、ほんの4年前に地べたに結んだ佃厄偏庵みたいな庵は例外中の例外、ほぼ全ての新住民の方々は、天高く聳える高層マンション(いわゆる億ション)か、年老いた地べた人が世を去り空いた空間をかき集めた小規模マンション(いわゆる縦長屋)にお住まいであります。

結果として、我が佃2丁目町会なんぞを筆頭に、新旧住民、もっと端的に言えば、地べた人と天上人との不思議な混在が生まれている。んで、最大の問題は、この地べた人と天上人の地域として融和交流なのであーる。なんせ、お互いの交流は殆どない。というか、天上人の方々は、共同住宅としての管理組合があるので、そこでもう自己完結してしまい、周囲は風景に過ぎない。
ま、これはその通りでしょうね。かつて厄偏庵が根津のマンションにあったときは、小生にとって周囲のヤネセンはあくまでも背景であり、風景に過ぎませんでした。大家さんとの付き合いしかなかった。マンションってのはその意味でオソロシイです。そこが火星であろうがシリウス星系第4番惑星であろうが、内部空間で自己完結してしまう。

もとい。で、この新旧住民の垣根を少しでも下げようと、なんのかんの画策するお節介者も出てくるわけです。以下、途中大幅に省略。「じゃ、ダイクでも年末に歌って交流しよう」ということになった(我が佃2丁目町会役員会でこのイベントのチラシが配られた瞬間の地べた人長老たちの不思議な反応は、是非とも商売の作文で書きたいので、ネタとしてとっておきます)。
場所としては、金がかからない、雨が吹き込むようなオープンスペースではない、ある程度以上の広さがある、ということでふたつの島内をあちこち捜し、めっかったのはなんと音楽専用ホール…じゃなくて、その真下。晴海トリトンの3つの塔の真ん中に宇宙からポッカリと降下し、太りすぎで動けなくなっちゃったみたいななぞの円盤生物「みはるちゃん」こと第一生命ホールのお腹の下。あの広大なロビーでやることになりました。

なんと、これ、湾岸地域では初めてのダイクだそうな。詳細こちら。http://bach.cso-arts.net/dai9/さり気なくトンでもないことが書いてある。しーらないぞ、しらないぞ。

貧乏なので、オケはありません。ピアノ版です(ピアノはプロ)。合唱もアマチュアです。ですから、ホントに「年末の無料ロビーコンサート超巨大版」です。ただし、合唱指揮者は知る人ぞ知る郡司博さんです。ってか、の筈でした。先週来ご病気で、現時点では誰が本番を振るか判らないそうです。でも、いずれにせよ、東京の合唱界では知らぬ者ないカリスマ郡司の世界が広がります。

さても、やっと晴海通りを大川のこっちまでやって来てくれたダイク。この話が動いている間に、ホームページが洩らしてるとてつもない野望が沸き起こりつつあるんだけど、ま、詳細はそのうちお伝えすることになるでしょ。なんにせよ、12月26日の夕方、晴海トリトンのロビーでダイクやります。お暇な方、通りがかりの方は、是非とも一緒にはなうたしてくださいな。そこにいた人たち全部で歌う、という曲も用意されてますよ。やくぺん先生は遙かハノイ音楽院から、成功をお祈りしております。

◆今年も若い音楽家がやってきた

今、この瞬間、晴海のトリトンスクエアには、若い演奏家たちがジャブジャブいます。第一生命ホール恒例となった「アドヴェント・セミナー」の最中。
http://www.triton-arts.net/concert/advent/index.html
去年の様子は、こちらをどうぞ。http://blog.so-net.ne.jp/yakupen/archive/20051221下の方のお話です。上は栗東話。あれから1年かぁ。
昨日はバルトークのディヴェルティメントを、松原勝也芸大教官を筆頭にお馴染みのプレアデスQ(去年まで名前はなかったけど、よーするに松原、鈴木理恵子、川崎、山崎といういつの間にか東京を代表する室内楽若き長老の集団)が頭に座って指導。それから、松原先生以外は全部下りて、舞台下から厳しい眼を注ぐ中を、ブリテンのシンプルシンフォニー。学生だけで譜読みからなにからする例年の試練、メンデスルゾーンの弦楽交響曲もあります。

いつのまにかもう6回目となるこのセミナー、派手さはないし、ジャーナリストも評論家さんもまるで興味を示してくれない企画なんですけど、少なくともこの時期は楽器を持った若者がトリトンスクエアをウロウロしていて、ここにホールがあるんだっけ、と思わせてくれる。セミナーのレッスン風景はずっと無料公開されているので、東京で最もコアなお客さんの顔も昼間っから見える。ほれ。

明日22日は昼から無料の室内楽セッション。24日はいよいよ本番です。皆さん、頑張ってね。あ、イギリス音楽好きは、ブリテンのこの疑似古典弦楽合奏曲、ちゃんとした演奏はなかなか聴けませんから、是非どうぞ。

以上、年末晴海の音楽2題でした。クリスマスの頃、今年は埠頭に帆船はいるのかしらん。


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I嬢

この話題と関連して(音楽ネタじゃなくてすみません…)
南極のドイツ基地周辺のペンギンのおなかの下では新しい命が誕生しました!
http://www.martingrund.de/pinguine/pinguincam2.htm#2
このページは以前「山尾好奇堂」にあがっていたもので、お疲れのときにはとてもなごみますよん。

ちなみに別の投稿にあった「ゴリジョフ問題」ですが、
要は ハラペーニョ(Jalapeño)という読みがすでに浸透しているのと同じですね。私の知る限り、メキシコ以南ではj=hと読むのが当たり前で、移民の多い北部アメリカでは知識階層でなくてもじょーしきのこと。
ゴリホフさんご自身にお会いし、敬愛している私としては彼の名前は正しく伝えられてほしいものです。
長文失礼しました。
by I嬢 (2006-12-21 11:46) 

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