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クラシック音楽サイト日本発海外版の現状(簡易版) [音楽業界]

先月の末、こんなお願いをしたことがあります。
http://blog.so-net.ne.jp/yakupen/2007-03-23
何人かの方から、コメント欄やら個人メール宛やらへの反応をいただきました。幸か不幸か、「俺の英文サイトは御上なんぞに教えないでくれ」という要請はありませんでした。ひとつふたつあるかと期待したんですけどなぁ。

さて、以下の文章はそれら数人の方が読者対象です。ほれほれ、他の方は見ないように(横から覗き見するぶんにはかまいませんけど)。
文化庁孫請け仕事の結果報告をちょっとだけさせていただきます。簡易版。詳細版はお見せしません。契約の中に、この仕事で得た情報を開示してはいけない、なんてのはなかったけど、まだギャラ貰ってないしなぁ、どうなんだろうか。ま、基本的には誰にだって出来るエレファントな仕事で、小生の「音楽ジャーナリスト」としての職能は「海外に向けて情報を伝達してくれていると良いなぁ、と思う価値のあるサイトの選択と、クラシック音楽ウェブサイトとしての内容評価」の部分なわけで、結果の概観と感想ならば特に問題はないんでしょうね。

なーんて勝手に解釈して、話を進めるわけだけど、特に大したことはありません。以下、情報提供者様への領収書みたいな感じで、幾つか気づいたことの箇条書き。あくまでも2007年3月末現在での状況です。瞬く間に状況は変化するでしょう。

①日本語文化圏から発信されているウェブサイトで、英文(韓、中、独、西、などを含む)の情報提供が成されているサイトは、小生が調べた限りでは、150程度存在した。調査の分母は、所謂「オフィシャルサイト」が殆どで、演奏家や作曲家のファンが個人的に発信しているサイト、演奏家や小規模演奏団体が個人的に発信しているサイト、楽器製作者が個人的に発信しているサイトは含まれない。除外理由は、単にデッドラインまでに時間が足りずに調べられなかっただけ(あと4日間まるまるこの作業に従事できればなんとか出来たかなぁ)。ざっとあたりを付けた限りでは、恐らくは更に100を越えるくらいの英文サイトは存在していると思われる。ざあああああっと鳥瞰した感じでは、「日本(日本語文化圏)発」と断じ得る外国語クラシック音楽関連サイトは、まあマキシマムで300くらいなんじゃあなかろうか。

②外国向けに積極的な情報を提供しているのは、音楽祭とコンクール、それに学校であった。

というようなもんでしょうかね。

中身についてちょっとだけ概論しておきます。

・オーケストラはウェブ濃度がまちまちで、所謂常識的な意味でのメイジャー度とウェブ充実度、はたまた外国語サイト充実度は、殆ど無縁なようである。
とはいうものの、讀賣日響のウェブサイトに英文がないままになってるのは、ちょっとマズイんじゃあなかろうか。かつてNYケネディ空港のノースウェストやらエアリンガスやらJALやらが到着するターミナルに「世界で唯一オーケストラを持つ新聞社」などと讀響の写真をでっかく出した広告をやってた部数だけは世界一の讀賣さんなんだから、直ぐにも改善してくださいな。

・音楽祭のサイトは、海外からの聴衆及び参加者を考えているのであろう。PMFは日本発ウェブサイトで英文が最も充実している。また、内容は簡素ながら、「東京のオペラの森」の日・英・中・韓の4カ国語対応はちょっとスゴイ。

・学校のサイトで最も充実していたのは、神戸女学院でした。へえええ、と思いますよ。藝大など、頑張って欲しいですねぇ。

・最も多彩な外国語に対応していたのはどこでしょうか?これ、クイズにしようかなぁ。ま、それほどのもんでもないから解答を申しますと…東京外国語大学管弦楽団でありました! 恐らく、日本語文化圏から発信されているクラシック音楽情報サイトで、ロシア語、中国語、韓国語、ヴェトナム語での情報発信があるのはここだけでしょう(アマオケの演目知ってなんになるんじゃあ、と突っ込まれそうですけど)。

・ホールや主催者などは、基本的にローカルな存在なので、思ったほど外国語情報は充実していない。福岡のホールが韓国語、中国語に対応しているのは興味深い。また、外国語情報が充実していると予想していたレーベル関係(日本国内録音)は、案外と充実していなかった。今時、ネットで世界中を対象に商売をするのは当たり前だと思ってたんだけど、まだまだでんなぁ。みんな、もっと稼ごうぜ!

というわけで、これ以上やると秘匿情報までばらしそうなので、こんなもの。ご協力いただいた皆様、有り難う御座いました。皆様の情報は、小生なりの評価の上、文化庁にデータとして提出させていただきました。文化庁肝いりの「日本から文化を発信する総合ポータルサイト」が早く完成することを願いましょ。日本語文化圏の現状を「未だに情報鎖国状態」と思うか、「案外と情報が流れているなぁ」と思うか、皆様のご判断に任せします。

ちなみに、同じ作業を演劇などで行った方の経過を漏れ聞く限り、クラシック音楽はそもそもが外来文化とされるだけあってか、小生の調査した数は決して小さいものではなかったようです。へえええ。


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