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Bird's Eye [たびの空]

物理的に壊れたパソコンを騙し騙し、真冬とは思えぬ氷点下になるからなぬかのミシガン湖畔の風の街を離陸、雲に覆われたウィスコンシンの丘を跨ぎ、まずは大植巡礼の聖地ミネアポリスで翼を交換。えいやっ、とばかりに中西部大平原を覆う雲の上に出て、両ダコタの境目上空からこのツアーの間ずっとやってる2時間に及ぶ対談テープ起こしをひたすら続けるうちに電池切れ。ちょっとばかり高すぎる鳥の目から下を眺めりゃ、モンタナの真っ黒い平原が雲間に続き、やがてアイダホの峨々たる山々が頭を出してくる。去る5月に「帝国建設者号」で越えたのは、もっとうんと北の方。
やがて山が高原になり、ぼーっと眺める遙か先、太平洋岸に凛として聳えるシアトル富士が視界に入ってくる。真下をみりゃ、あの長かった大陸横断の最初の夕方延々と夕日を映していた大河が、悠然と平安の大洋へと向かってら。おおおお、大河が蛇行するあの場所、中洲というには余りに巨大すぎる大河まんなかの島の有り様は、かつて当電子壁新聞で世間に晒したそのものではあるまいかっ!この写真に写る大河の上中央やや右寄りから、中洲の島の方を左下側に眺めると、去年5月16日付け記事一番上の写真になる。ポートランド富士フット山は機窓反対側に聳えてます。

http://blog.so-net.ne.jp/yakupen/archive/20070516

かつて、ポートランドに育った若きボビー・マンがクァルテットへの熱い思いを胸に遙か東のゴッサム・シティに向かった60と数年前も、コロンビア河は同じように悠然と流れ、若者の青雲の志を見送ったのだろう。「帝国建設者号」最も華やかなりしあの頃、まだ殆どの庶民は、鳥の目なんぞ持てなかった。http://blog.so-net.ne.jp/yakupen/archive/20080107

それと知らず日本にクァルテットの種を蒔き人知れず上野を去ったロマン・デュクソン師が、ボビー青年と入れ替えにやってきたオーガニックの街で、長っぱしり用に翼を代え、10時間の密室缶詰テープ起こし作業にどうにかゴールが見えた頃にゃ、平安の海も反対側で…

                            ※

さても、ヘッポコ三文売文業者、只今、佃厄偏庵にて7日間に原稿3本取材2本、かててくわえて自分のための山のような秘書作業を慌ただしくやっつけ中。来週早々、今度はシベリアと大西洋を越える移動込みの2週間に、弦楽四重奏15団体、オケ2団体、ついでにオペラ1本を見物しようという、狂気の如き怒濤のたびの空。2008年の鳥の目には、なにが映ることやら。

なお次のツアー、マンハッタン厄偏庵に4泊する他はほとんど空に滞在しっぱなし、文字通り「やくぺん先生うわの空」状態となります。ご用の皆々様、ご連絡はお早めにお願いしますです。


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すみこ

無事御帰国、お疲れさまでした!
1枚目の写真の地面に沢山見えてるいろんな色の丸は何なんでしょう??
クリンゴンのメッセージ。。。?
次の旅出立の前にちっともお休みになれなさそうですね。
お身体くれぐれもお気をつけて!
シテの方から今のとこ連絡ないですが、インタビューの件2ー3日中に何も言ってこなかったらもう1度メールしてみます。
by すみこ (2008-01-15 16:27) 

Yakupen

このなぞのサークルは、確かに北米の平原、高原のなーんにもないところでしばしば発見されますね。昨年夏の終わり、サンフランシスコからカルガリまでロッキー山脈沿いにずーっと飛び越えたときも、オレゴン州やワシントン州の黒いたいらななにもない地面にくるりと切り取ったような円が描かれているのがいくつもみられました。ああいう場所でああいう人工的なものを眺めると、「ああ、人間がいて活動してるんだなぁ」と驚かされます。あれがアメリカ大陸、どんな自然でも人に飼い慣らされた世界になってるヨーロッパではあり得ない風景でしょうね。
by Yakupen (2008-01-17 03:10) 

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