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Pendereckiego始まる [現代音楽]

ワルシャワのフィルハーモニーを中心に、木曜日20日から日曜日23日までの4日間に総計8回の演奏会が行われ、その全てが(1曲を除いて)作曲家ペンデレツキ作品、という大個展"Festiwal Krzysztofa Pendereckiego"が始まりました。
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室内楽やピアノ曲が殆どでオケは1度くらい、という「作曲家の個展」連続演奏会ならばいろいろと例はありますが、今回もの凄いのは、連日異なるオーケストラが登場するオーケストラ曲、とりわけ協奏曲が中心に据えられていること。室内楽は2回。残念ながらオペラはないけど、これだけ大きな曲がライブで聴けるのだから、なんとも有り難いことです。

多くの日本の現代音楽愛好家諸氏にとって、正直、ペンデレツキという名前は、「終わった人」になってるんじゃないかしら。生誕75年というのに、日本では「広島の犠牲者に捧げる哀歌」すら一度もやられてないかも。まあ、四半世紀、という感じ方があまり存在しない文化圏だから仕方ないのかもしれないけど、それにしてもなぁ。

本日は初期作品から中期まで、まだ「トーンクラスターの前衛作家ペンデレツキ」の色彩が残る曲ばかりが披露されました。冬の嵐みたいな寒さで、もうボロボロに疲れたので、細かいことは記しません。演目などはこちらをご覧下さい。
http://www.beethoven.org.pl/en/innefestiwale/festiwalkrzysztofapendereckiego/program
ゲンダイオンガク・マニアならば、この演目には突っ込みたいところが多いでしょうねぇ。それにしても、あらためてこの人、弦楽器が好きなんだなぁ、ってか、ピアノ曲って殆どないじゃん、と思う次第。非常に趣味ははっきりした作家なんだなぁ。

ちなみに、ペンデレツキはNAXOSにゴッソリ近作含め録音がありますので、ナクソスライブラリーにアクセス可能な方は、この機会に聴いてみて下さいな。お勧めは、先程演奏され、やっぱりこの頃の作品は力があるなぁ、と思わせてくれたPolymorphiaですね(「広島犠牲者への哀歌」と違って、最後に大オチがあり、今のペンデレツキ作風を予見してます)。無論、第1クァルテットは皆様よーくご存じでしょ-。

いよいよ今日は、小生にわざわざ地下水通の街まで足を運ばせたメインイベント、第3クァルテットの初演があります。朝から練習に潜り込みます。どんな曲か、既に上海Qの連中からいろいろ漏らされてるんだけど、まだ内緒。

最終日のオペラ座公演を除き、まだまだチケットはあるようです(当たり前じゃ)。お暇な方は、ワルシャワまでどうぞ。これだけまとまって一人の同時代作曲家の作品ばかり聴く経験は、ありそうでなかなかありませんよ。

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通りすがりの者

広島の犠牲者に捧げる哀歌、読響が2005年7月に定期で取り上げていましたよ。
このページ、いつも楽しく拝見しています。

by 通りすがりの者 (2008-11-22 00:28) 

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