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本日午後はサティ漬け [音楽業界]

遅くなり過ぎた宣伝。なにやら首都圏各地でベルリンフィルやらを頂点にゴッソリ演奏会が開かれる今日、午後をベッタリ上野の杜は藝大でサティ大会が賑々しく開催されます。
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http://www.geidai.ac.jp/container/sogakudo/42470.html

ずっと宣伝しようとして忘れてた、ともかく、あたしゃアホみたいにいっぱいるやり残しの作文作業を横に、出かけます。お暇な方はどうぞ、って定番な物言い、正に《ヴェクサシオン》なんぞ、「お暇な方はどうぞ」としか言いようがないもんだもんねぇ。

とはいえ、ホントはこういうイベントこそ、藝大の中じゃなくて周囲の根津谷中、根岸の地域イベントとしてやって欲しいんですけどねぇ。《ソクラテス》なんて、正に線路の向こうのダンスホール新世紀かなんかで上演するのがピッタリだと思うんだけどさ。

ま、まだ戻って来たら、なんか記すかも。ともかくは、宣伝です。


てなわけで、サティ150歳のお誕生日2日前の藝大挙げての大お誕生祝い、「今日は1日、サティの日」を見物して参りました。いやぁ、まあ、ぶっちゃけ学祭ノリ(先生混ぜての)のイベントだけど、ひじょーに楽しませていただきましたわ。これ、今年のベストテンに入れちゃおうかしら、ってくらい。なんせ、タダだしねぇ!

まずは昼の12時半から第2教室で《ヴェクサシオン》を閉幕の5時半までにやれるだけやってみよー、というイベントが始まっているわけですが、その前に隣の第1教室でサティの映画音楽鑑賞でありまする。皆様ご存知の『幕間』と、《スポーツと気晴らし》を高橋アキさんの演奏録音にイラスト画と譜面(フランス語の短い文章が書き込んであるやつ)を移していく、というふたつのフィルム。さても、このイベント、どれくらい客が来るのかと思ったら、なんともう最初の『幕間』から100人程の教室の席がなくなり、慌てて学生さんが補助席を持ってきて、それでも立ち見が出る勢いでありました。うううん、どうしてこんなイベントをみんな知ったのか。

で、隣の《ヴェクサシオン》演奏中の部屋に行ってみると、ちゃんと入口にはサティが「これを840回繰り返しなさい」と指定した2段の楽譜と、その下のテーマ1段の楽譜とがピラっとおいてある。それを手に、70数回目くらいになってるところから聴き始めます。出入りは自由です。
演奏はボランティアで、だいたいひとりあたま5回くらい弾いては、次の方にピアノを譲っていく。これがねぇ、弾く人によって全然違うんだわ。まず、テーマを間や前に弾くかどうかの選択があり、弾き始めても和音の崩し方やペダリングなど、人様々。97回目くらいから満を侍して登場した作曲家の新実先生など、もう殆ど変奏曲みたいに細かく弄っちゃうし。で、新実先生から渡されたのは、なんと真打ち高橋アキさんでありまして、アキさんは流石に「繰り返す」ということの意味をよーく判ってるというか、基本は同じで極めて明快でテンポも変えたりせず、ルバートもせず、フォルテもピアノも書いてない楽譜に勝手なロマンティックな空気を持ち込むこともなく、それでも微妙に違う音楽を奏でて下さいましたです。
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アキさんから引き継いだのが学内をウロウロしている謎のサティさん、ってのはギャクだけどさ。ほれ、後ろで待ってる謎の男がいるでしょ、上の写真。

慌ててサティ台本の《メデゥーサの罠》を生演奏付き朗読劇として助演するでかい練習室の第6教室に意向とすると、廊下に長蛇の列が出来てるぞ。200席限定ということだったんだけど、なんとか立ち見やら補助椅子やらでその2割増しくらいにした。サティさんも心配そうに会場を眺め回してます。
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作品そのものは、うううん、なんともいーがたいもんですねぇ。これ、同じプロダクションというか、同じ役者さんが完全に演劇の形にして、夏の草津でも再演されるそうです。ってか、本日がプレビューというか、テストランだったみたい。ご関心の方は、草津でその評価をご自身で下して下さいませ。

これが終わると、オケも指揮者の矢崎さんも、もちろん聴衆もだああっと奏楽堂へ移動。ロビーでは、学内あちこちで演奏していた《家具の音楽》が待ち受けています。
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ホールは、客席の平土間がほぼ埋まるくらいの盛況ぶり。つまり、これが本日のイベントのマキシマムな動員数くらいなんでしょうねぇ。で、《ソクラテス》をメインにバレエ付きで上演。藝大という組織の最大の問題たるバレエとのコラボですが、洗足のバレエ科の生徒さんが踊ってます。こういう交流があるんだなぁ。音楽は、実は恥ずかしながらライブでは初めて聴いたんだけど、この極めて劇的ならざる交響的ドラマなる副題の音楽、究極のサティ流BGMになるなぁ、飛行機の中でノイズキャンセルヘッドフォンで流しながら寝るには最高じゃないかぁ、と思わされたぞ。うん。

てなわけで、メインのイベントが終わってもう5時過ぎ。奏楽堂を出て来ると、またまた家具の音楽隊が《家具の音楽》を奏でてる前で、サティさんが帰らないでねと看板出してら。
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まだまだあと30分、400回くらいまではいけたのかしらね。サティさん、案外いいひとみたいで、美女に頼まれればイヤとはいわず自分撮りでツーショット、はいぽーず。
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そんなこんな、藝大のサティの1日、なんとも楽しく、そしてなんとも疲れない、ホントに空気のように音楽に満ちた初夏の午後でありましたとさ。

藝大、やればできるじゃん。

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