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アジアの季節 [音楽業界]

先頃のツアー関連原稿怒濤のラッシュがやっと終わり、来週火曜日からオペラシティにベッタリな次のイベント取材の間、川向こうの新開地葛飾の空もやっとこの秋初めての(多分)秋空っぽく晴れ渡り、柿の木にはシジュウカラさんの群れがやってきて「ご飯、まだないの」とキョロキョロ眺め、この前までの蜂さんならぬ蜻蛉たちが飛び交い、上空には官軍民取り混ぜ機械蜻蛉も朝から乱れ飛ぶ天高き日となっておりまする。

さても、来週に備えていろいろ勉強せねばならない、なにせシンポジウムが終わったら月刊誌に原稿投げ込みせにゃならぬお仕事なんで、準備しておかにゃならぬわい。こちら。
http://www.orchestra.or.jp/presents/aapro-orchestra-summit/
実質的に年に1度だけの我が国の御上が主催するオーケストラ公演シリーズの付帯事業、アジア圏のオケの偉い人やらがやってきていろいろ喋りまくる、というイベントであります。結構露骨なオリンピックネタもあるようで、まあ、皆さん、大変ですねぇ。東京オリンピックの後は大阪万博だそうで、やっぱり今の日本国政府というか財務省は広告代理店に仕事丸投げしてるんじゃないかと思われてくる。これなら悲願の「財務省解体民営化」も可能なんじゃないの。

ま、そういう馬鹿話はともかく、来週のこと。山場は水曜日午後、オーストラリア/ニュージーランドのシンフォニー サービス インターナショナル、カザフスタンのアルマティ交響楽団、韓国は光州市立交響楽団、タイから バンコク交響楽団、中国は国家交響楽団、東京交響楽団、フィリピンのマニラ・フィルハーモニー交響楽団…なんぞの偉い方を集め「今のオーケストラ状況をそれぞれ率直に語って頂きます」ってオープニングの4時間に及ぶ大演説会、ホントに本音の愚痴の言い合いならこんなに面白いことはないでしょうけど…ま、お暇なら、皆様、どうぞ。収集つかないグダグダになりそうな雰囲気濃厚に漂ってますけどねぇ。

ついでにもうひとつ。アジアの所謂クラシック音楽のレベル嵩上げを証明する事態として、この数年、「アジア各地での地力でのヴァーグナー作品舞台上演が大流行」という現象があります。
今、正に台中で演出はあのカタロニアの某舞踏集団からまんま引っ張ってきた《ラインの黄金》が上演中。来月にはシンガポールで同国初のヴァーグナー舞台上演として《彷徨えるオランダ人》がヴィクトリア劇場で出ます。更に11月には、韓国国立歌劇団が《ローエングリン》を出す(指揮者が変更になったそうで…うううん)。そして来年1月にはニューヨークフィル次期音楽監督による香港フィルのナクソス録音プロジェクトが《ジークフリート》まで至り、数日前に日本フィルで同曲を歌ったジークフリートがゲルネ・ヴォータンのトネリコの槍を叩き割ることになりまする。これは演奏会形式だけど、完全にインターナショナルな配給を前提にしたイベントですから。

んで、シンガポールの案内はこちら。ヴァーグナーの曾孫をオープニングに呼んだり、いろいろとスタイリッシュな仕掛けをしたり、21世紀にヴァーグナーに目覚めた文化らしいなぁ。キャストを完全に初台タイプの「海外有名どころ」の日と、一昔前の二期会藤原タイプの「地元関係者歌手の皆様」とに分けてたり、原則として「文化というのは自分のところにしかなく、ヨーロッパ含め世界の他はみんな田舎」という世界認識の華僑文化圏とはいえ、オリジナル文化に対する敬意がちゃんと感じられるのは本土とちょっと違うところでんなぁ。
https://flyingdutchmanopera2016.wordpress.com/

てなわけで、アジアの季節がやってきた。エコノミークラス半日が流石に辛くなってきた年寄りには、有り難いこってありまする。

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