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香港颱風騒動その後~LCCは安くない…かも・ごたび [たびの空]

数ヶ月に一度の定番化しつつある「LCCは安くない…かも」シリーズ、今回は非常事態に於けるLCC活用について、相当に現実的な話です。

前世紀の終わり頃にまずは北米のサウスウェスト航空から始まり、今や世界中のメイジャー虚空会社をぶっ潰す勢いのLCCがアジアの東隅っこの日本列島地域にも出現してから、もう…何年になるのかな。うちのお嫁ちゃんみたいにシドニー・メルボルンしか使ったことがないなんて幸せな方から、もうLCCがなければ東京には行けないなんて中毒症の方まで、その影響はお財布事情や旅の頻度などにより様々でありましょう。でも、「すっかり定着した」という表現を使っても、それほど間違いじゃあないでしょうねぇ。

これまでの当電子壁新聞「LCCは安くない…かも」シリーズは、「日程が決まっていてLCCを使った旅程を作った(作る)のだけど、結局のところ…」という展開が基本でありました。ところがあああ、回を重ね第5弾となる今回は、ちょっと状況が違います。結論から言えば、「LCC断然安し!ってか、LCC以外に実質選択肢なし!」という話なのじゃ。

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そもそも、今回の香港短期滞在、最初からLCCでの往復を考えておりました。ところが、まあいろんな事情でANAの航空券が実質タダで取れることが判明し、タダより高いものはない、という人間社会の真理を突いた言葉があるのに耳も貸さず、うっほうっほとタダ券利用、さらにはホテルも「10泊すると1泊タダ」という予約サイト特典を利用し、経費としては静岡日帰りくらいの額で押さえられそうだとぬか喜びをしていたわけであります。今にして思えば、なんと考えの浅い己であることか、情けなや。

香港文化中心が台風直撃で閉鎖となりロビーから追い出され、《松風》公演延期が決定したのを知ったのは波立つ香港湾を前にした文化中心のレストラン前の軒下。やたら元気な観光客やら、雀やらツグミ系の知らない方なんぞといっしょに雨風避けつつ、香港政庁の無料ネットに繋げて状況を見守っていたわけであります。その直前に翌日の帰国便をチェックイン、無事にプレエコへのアップグレードまで出来ていた。まあ、なんとかやるだろー、と甘いことを考えてたわけでありますよ。

とにもかくにも、中止と決まった瞬間、「ああ、玉川学園のカサド演奏会はダメだなぁ」と思った。つまり、端から滞在延期しか考えなかったということ。

恐らく、無意識ながら、この瞬間に既にやくぺん先生の前頭葉はLCCに浸食されていたわけでんな。だって、これがノースウェストかそのアライアンスしか選択肢にない00年代半ばまでなら、「ううううん、しょーがないなぁ、これじゃ原稿にならないけど、編集長に事情を説明するしかないよねぇ」と思った筈。今持っているチケットを捨てて、いちばん安そうなキャセイとかの片道切符を買うなど、絶対に考えなかったでしょう。だってさぁ、レガシー・キャリアの直前片道チケットは正規料金フルプライスしかないから、アホみたいに高い。往復で格安チケットを買って片道を捨てる方が絶対に安い。でも、明日明後日となるとそんなチケットがあるかどうか判らないし、そもそも航空会社の比較が面倒極まりない。なんせ、webサイトでいくらでも運賃比較が出来る、なんてことはなかったんだし。

だけどだけど、そー、今は我々には貧乏人の味方LCCがあるのです。そりゃ、上手い具合にセールス値段を見つければベラボウに安いけど、そうじゃなくて明日や明後日乗りたいのだ、それも片道、という状況でも、LCCは特に違いはない。それよりも、月曜午前中に葛飾オフィスの車庫修理に工務店さんが来るのでそこにいなければならぬ、だから日曜深夜というか月曜早朝の日本行き深夜便しか選択肢がない、という方が厳しいかも。だってLCCというのは利用者が多ければ高い、そうじゃなければ安いというのがレガシーキャリア以上にハッキリしている。日曜の夜に香港を出て月曜早朝に成田なり関空なりに到着するなんて、香港で週末を満喫したい元気だけは良い若者やらにはベストの選択名わけです。それに、自腹で《松風》見物に来てる真面目な我らが業界関係者なんぞも、午前1時過ぎ発の成田往き香辛料航空さんで戻ると言っていた。そんな酔狂な輩がどれくらいいるか判らないけど、モダンダンスや現代演劇関係者なんて貧乏人で体力だけはある連中は、当然のようにその選択肢を選んでいるでありましょうぞ。さあ、席があるのかあるのぁぁ。

てなわけで、まだ辛うじて動いている地下鉄を乗り継いで懐かしいカイタック空港向こうの宿まで戻り、部屋でネットに張り付いた次第。最初からANAJAL、キャセイ、KALやアシアナの仁川乗り換えなどは考慮に入れず。今となってみれば、来年の春までに香港には3回も来る予定がある(もう1月22日の香港フィル《ジークフリート》は最安値の切符を買ってしまってるし、ブライト・シェンの《紅楼夢》は絶対来るし、うまくいけばブルノ国立歌劇場の《マクロプウロス事件》も来るつもり)。それなら往復買っても良かったんだが、そこは目の前のことしか見えていない糠味噌頭、そっちには頭が回らなかった。いやはや…

で、香港から片道で午前中に東京首都圏に戻る方法は3つ。ひとつは1時過ぎに出る香辛料航空の成田直行便。もうひとつは1時くらいに出る香港航空の成田往き。そしてもうひとつは、日本列島から外国へのLCC便の先鞭を付けた老舗、桃航空の関空往き深夜便でありまする。最後の選択の場合は、当然、関空で乗り継ぎになります。他にも、恐らくは韓国のLCCを仁川で乗り継ぐという手がありそうなんだけど、流石にそこまで考えるのは止めました。

普通に考えれば香辛料航空さんなのでしょうけど、なんとなんと、日曜深夜はもの凄くお高いのですわ。なるほど、混んでるだろうなぁ、という便だもんね。で、結果として、桃航空の関空便を購入。深夜でデブ2人の真ん中に挟まれるのは流石にイヤなので、通路際を指定する指定料金も払いましたです。結果、運賃そのものは880香港ドルなんだけど、香港の空港税(空港使用料120、セキュリティ経費45はともかく、空港建設費90香港ドルって、たわけた話じゃないかああ!)、座席指定料60で、総計香港ドル1195となります。日本円にするといちまんろくせんきゅうじゅうごえん也。無論、これにクレジットカード会社の換算が入ってくるだろうから、まあ、16500円位でしょうかねぇ。
さらに、これに関空から成田への便も買わねばならない。それがなんのかんので、8380円也(こっちは実質1時間を切るフライトですから、座席指定はしません)。この時点で、香港から東京圏まで25000円くらい、ということであります。

さあ、これ、いかがでしょうか。キャセイのセールスなどでは、往復でこれくらいの値段は出るでしょうし、LCCの通常セールスでも往復でもっと安い。とはいえ、明後日の便でさらに片道ということを考えれば、博多から新幹線で戻ってくるくらいで香港から戻れるなら、まあOKであろー、と考えることにしましょう。絶対にもっと安い手はあるんだろーけどなー。

※※※

もう誰も読んじゃおらんだろーしょーもない駄文、まだ終わらんぞぉ。

さても、てなわけで颱風が香港の中心が東ちょっと向こうに逸れたとはいえ、そっちに向かって風が吹き込んでまだまだ安全とは言えぬ金曜の晩、上述のように帰りの切符を買い、なんとかホテルチェーンのポイントを使って米$100くらいで済む酷すぎない宿を湾仔駅の真上に予約し、今晩はオシマイ、とひっくり返る。明けて台風一過、とはいうもののスッキリした空とはほど遠い湿った湿度100%の曇り空、ANAさんは持ち込み手荷物にした荷物を詰めて宿を出ようとすると…これ、結構、重いぞ…

LCCご愛用者様のみならず、昨今のEU圏内便などを頻繁にご利用の皆様はよーくご存知でありましょうように、ともかくLCCや格安チケットは手荷物の重量制限が極めて厳格なことがあります。「厳格です」じゃなくて「厳格なことがあります」なのは、エールフランスとかオーストリア航空とか、手荷物検査所の前にデカくて怖そうなおねーさんが立ってて、規程を越えていそうな荷物を持っていると秤で量って、オーバーだったら即座にカウンターに突き返され追加料金を払わされる、などという会社がある。その一方で、なんだかやたらと鷹揚な感じの会社もある。今回、8時にシティホールで開演となるアンサンブル・アンテルコンテンポランを聴けるところまで聴き、香港駅から空港特急に飛び乗って、10時くらいには始まるであろうランタオ島空港でチェックイン時間に余裕を持って間に合うようにせねばならない。なんせLCCだからエリートラインもないのでまともに並ばねばならぬ。そこでギリギリのところで受領オーバーで払え、なんてことになると面倒極まりないもん。

んで、これはもう不必要に焦りたくないので、委託手荷物を購入した方が良いだろう。なんせ一応は取材なのでフル装備、それに今回はオペラグラスまで持っていたので、裸の機材だけで6キロ以上はありそうだ。無料手荷物は総計10キロまでとなってるので、ううううん、やっぱりマズいだろうに、これは。

無事に走り始めたバスで延々と、再開発中のカイタック空港を眺めつつ香港湾北を走り、アーツセンターまで行き、九龍桟橋から湾仔桟橋にフェリーで渡り、湾仔の宿にチェックインしネットに接続するや、慌てて追加手荷物を購入します。香港→関空が280香港ドル(日本円で3780円位)、関空→成田が1200円也。

てなわけで、今回、桃航空さんに払った総額は、なんとまぁ、総額さんまんえん!…これを高いと思うか、お安いと思うか…それは皆様次第。

※※※

さても、アンサンブル・アンテルコンテンポランのながあああい演奏会を前半で抜け出し、シティホールから香港駅に走り、目の前の空港特急に飛び乗ってランタオ島空港に到着したのは10時10分前くらい。あれ、まだチェックインはしてないやぁ、とその辺の安飯屋でチキンライスを喰らい戻ってみると、チェックインカウンターは長蛇の列。
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並ぶこと約20分、チェックイン・カウンターに辿り着き、委託手荷物を実測したところ、なんとまぁ、10.7キログラムでありましたっ。あああぁあ、事前に買っておいてよかったぁ。

なんのかんのでものすごぉく遠くのゲートに到着。ご覧のように、深夜過ぎに日本列島に向かう深夜便って、意外なほどいっぱいあるのじゃ。
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おや、我が桃航空、深夜前になるというのに、まだ姿もないぞ。搭乗時間は11時55分というのだが…ゲートに姿を見せたのは零時3分でありました。
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LCCらしく、到着するやあっという間に客を降ろし、さあ搭乗であります。なんのかんのなんのかんので、ことによるとやくぺん先生がいちばん年寄りではないかと思われる桃航空深夜便関空往きは定刻を半時間ほど過ぎた1時20分くらいに深夜でも忙しい香港空港を離陸、九龍上空を抜けて海に出て、3時間ちょっとくらいで無事に関空島に定刻5時半にタッチダウン。掘っ立て小屋ターミナルにスポットインしたのは5時35分くらい也。
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凄い、これぞLCCじゃ!

入国なんのかんので6時5分くらいにターミナル反対側の国内線にチェックイン&荷物預け。関空桃航空ターミナルお馴染みのサインに従って
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7時5分には成田便に搭乗、寝てるうちに成田に到着、数日前に出発したスポットを眺める沖止めスポットにインしたのは
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午前8時半でござった。立派っ!

さあ、貴方も楽しくLCCでたびの空っ!

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