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マンチェスター大学でヴァインベルク大特集 [弦楽四重奏]

宣伝せねばと思いつつ、なんだかタイミングを逸してしまい、もう絶賛開催中になってしまった話。

去る1月24日から来たる日曜日27日まで、マンチェスター大学では2度目となるダネルQのヴァインベルク弦楽四重奏全曲演奏会が開催されております。
http://www.quatuordanel.eu/event/manchester-weinberg-cycle/
世界中で盛り上がる筈の(なのか?)ヴァインベルク記念年初っ端を飾るに相応しいイベントで、この作曲家のルネサンスに大きな役割を果たしたダネルのサイクルの再演、それもやっと全曲の楽譜が出版されてみんな楽譜を手にし勉強してから聴きにいけるようになってからは初めてのサイクルということで、大いに盛り上がっていると良いのでありますが。やくぺん先生とすれば、弦楽四重奏業界からの第一線引退を宣言していなかったら、絶対に出かけていただろうなぁ。

ダネルQの演奏会だけではなく、シンポジウムなどもあるようで、こっちも盛り上がると良いんですが。
https://goldenpages.jpehs.co.uk/mieczyslaw-weinberg-conference/
これは研究発表の募集時点での案内ですけど、最終的にどんな研究が発表されたんでしょうねぇ。報告書は公開されるのだろうか?
https://arcana.fm/2019/01/21/weinberg-east-west-preview/
日本ではショスタコーヴィチ協会やらベルク協会が関連の動きをしてくれれば良いんだが、あまりそういう感じもないなぁ。

なんせ、ヴァインベルクの弦楽四重奏曲全作品の演奏可能な楽譜が出版されたことで、今後、4番など既に有名な曲(ショスタコで言えば8番みたいなもんです)以外にも演奏されるようになるだろうし、21世紀中頃になれば、今、巷で流通しているショスタコーヴィチの弦楽四重奏創作を巡る定説や、演奏解釈そのものも、ヴァインベルク作品との関係で全て見直されて、かの『ショスタコーヴィチの証言』以降の交響曲解釈の変化に近いことが起きてくることでしょう。21世紀20年代以前のショスタコーヴィチ弦楽四重奏の演奏は全て「時代遅れ」にされる可能性すらあります。残念ながら、そのプロセスを眺めるのはわしらのような隠居爺には無理で、とっかかりのところを眺められただけで満足するしかないでしょうなぁ。

なんであれ、今後は「俺たちはショスタコーヴィチを弾くのだ」という団体は、ヴァインベルクの楽譜は勉強必須となります。若い弦楽四重奏の皆さん、特にショスタコの11番以降の弦楽四重奏を弾こうというなら、ちゃんとヴァインベルクの全曲も楽譜を買って、手もとに置き、お勉強して下さいっ!ロシア系の音楽学研究者の皆さんも、デッカい仕事が待ってますよ。ぐぁんばってくれたまえ。ちなみに、これが「ヴァインベルク100年」のプチ纏めサイト。ちゃんと4月のN響も載ってますね。
http://linesthathaveescapeddestruction.blogspot.com/p/weinberg-100.html

なお、9月には台北でのダネルQの「ベートーヴェン&ショスタコーヴィチ&ヴァインベルク全曲サイクル」はいよいよ最終回になりますので、流石にこれには隠居爺も出かける予定でおります。その後の日本公演は…ううううん、な状況なんですわなぁ。

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