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北関東を空と陸で半周するのじゃ! [たびの空]

世界のコンクールや室内楽音楽祭事情観て歩きの第一線からは引退を宣言したものの、まだまだ喰っていかねばならぬ我が身、たびの空は些かスケールダウンしても、しんどさは変わらず続く2010年代も終わらんとする旧暦晦日前なのであーる。

なんせ今この瞬間も、いろんな事情で北関東は桐生、渡良瀬川の向こうに夕日が沈み空っ風の中に凜として聳える赤城山を眺める桐生市民文化会館でクァルテット・アマービレを拝聴し、北関東にニューロネット網の如く張り巡らされた東武電鉄を乗り継ぎ、葛飾オフィスに向かっているところ(佃縦長屋に戻ろうとするとお高いJRなんぞ乗り継ぐ上に東京駅零時半前になり、そこからまた25分歩かにゃならぬ)。金曜の晩の浅草行き最終電車の中は、全員が着席してだらしなくスマホ画面を眺めている妙なまったり感が漂っておりまする。

さてさて、なんでこんなことになっているのか。話を始めれば昨日の朝、日の出前に佃大川端の縦長屋を出て東京駅まで歩き、延々と各駅停車に揺られ東静岡まで至り、中学生の為の演奏会やってるカナフィルさん聴いて、そこからは断腸の思いでJR東海は新幹線利用し京都まで向かい、ベルチャQのベートーヴェンを聴いて、まるで別件の用事で京都の財団の方と打ち合わせまでする真面目なお仕事っぷりであった。

本当にパワフルな現役時代なら、そのまま深夜バスで高崎に向かい…という経路がいちばん安いのは判っておるわい。打ち合わせがあるといえ交通費が出るわけではないフリーの身、経費削減は至上命令ながら、さすがにもう老人初心者の我が身、深夜バスはかんべんしてくれよぉ…んで、新幹線口の電鉄系ビジネスホテルを$60くらいで確保。数時間たりといえ、ちゃんと横になって寝るのじゃ。

さてもそこからどーすべーか。「国労解体張本人会長がふんぞり返って率いるJR東海の新幹線寡占状態を少しでも打破すべしっ!」という不必要な感情論もあり、なんとか新幹線を使わずに、京都から桐生まで一銭でも一スムでも一ドンでも安く移動したいぞ。あれやこれや、数日前にドタバタと調べた結果、発見されたのが北関東半周反時計回りコースなのであった。

さあ皆の衆、ここに至るたびの空、なんの役にも立たない、暇潰しにもならぬアホな作文、始まり始まりぃ。


朝の4時半に起き、チェックアウトをすると、空は雪雲ではないのだが風に乗って舞鶴の方から飛んで来たらしい小雪が舞っている。5時前に京都駅中央口の改札をPASMOで通り、東海道を京から東に下るのに、まず乗り込むのは何故かJR西日本東海道本線午前5時21分発快速姫路往なのであーる。これに乗り遅れると、もう空港チェックインが危険になるので、本日最大の難関なのであった。

流石にこの時間だと、通学にも早すぎてガラガラ。
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大阪からもそれほど乗っては来ない。伊丹でもなく、関空に向かうでもなく、なんと目的地は三宮なのじゃ。6時半発のポートライナー神戸空港行きに乗車。人工島から抜け出て空港に渡るあたりでやっと夜明けなのであーる。
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京都から神戸空港までポートライナー込み1410円也。梅田から阪神に乗り換えた方が200円安いけど、そのためには朝5時3分京都発に乗らねばならず…流石にお許しを。

空港到着は7時10分前くらいで、Nナンバーのホンダジェット
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それにスターウォーズANA777もおるわい。羽田だったら狂ったように混雑している時間だけど、流石に神戸空港ともなると出発便はANA羽田往きと空印那覇往き、それにやくぺん号の空印茨城空港ことその実態は百里基地往きのみなので、混乱のしようもなく、アッという間にチェックイン。セキュリティを抜け、ANAショップで朝ご飯おにぎり弁当500円也と赤福さんを購入。赤福さん、佃厄天庵に辿り着くのは明日の午後になるのだが、だいじょーぶだろーかぁ?

寒さでドンドン減っていくiPhoneの充電をしていると、もう搭乗の7時半。百里往きやくぺん号は優先搭乗のご案内をしているも、介護の必要なご老人もお子様も妊婦もいないらしく、直ぐに窓際席から乗せていく。
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9Aという窓側に入る。隣の席は空いていて、朝に一便と夕方過ぎに一便しかない東海道すっ飛び北関東往き、それほどの利用者はいないようであるなぁ。まあ、朝っぱらから神戸や兵庫から筑波やら水戸に向かおうという人はそれほどはいない、ということなのかしら。タチコマの世界なら、第三次大戦後の新浜から筑波なんて大メイジャー路線のような気がするけどさ。

ホンダジェットを眺めつつ、定刻7時45分に空印やくぺん号737はあっさり動き出し、西に向けて離陸。ぐるりと姫路上空辺りで旋回し、半分雲が被る西高東低のラインに沿って名古屋から木曽路をかなり南に通過。諏訪湖から北アルプスを綺麗に見晴らす。そのまま八ヶ岳南からを抜け(反対側には「富士山が綺麗にご覧にいただけます」だったようじゃ)
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下仁田辺りで北関東に突入。眼下に広がるはかつては横田のF-105やファントム、昨年までは厚木のイントルーダーやら超蜂くんが対地上訓練に榛名山に向けて突っ込んでいた名にし負う横田空域。ヤンキーマシン猛禽にぶつけられないように上空10キロ近くを恐る恐る跨ぎ、空っ風吹き渡る北関東、児玉党跋扈する武蔵国から赤城の山の辺りまで、冬の北関東の清んだ大気の中にずずずぃいいいいと広がってる。

渡良瀬川上空から今日これから向かう桐生などをしっかり眺め
IMG_8412 足利から桐生上空.JPG
さあ、午後にはそこに行くぞと手を振る。宇都宮の霞の目飛行場を真下に見下ろし、ぐるりと時計回りに水戸方面から一度大平洋に出る。なんとなんと眼下に広がるは一面の雪景色。鉾田辺りからまた右旋回し、筑波を眺め霞ヶ浦跨いで
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百里西滑走路に南からタッチダウンしたのは8時55分くらいのことであった。
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ちなみにこの空路、キャンセル不可のFIXチケットで6900円也でありましたぁ!

積もった雪を吹き飛ばし、ロートル・ファントムが動いている。スポットインし、前の出口から歩いて降りると、302飛行隊のファントムが雪を蹴立てて西側滑走路から3機続けてテイクオフ!
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世界中の軍用機マニア耽溺、今や世界にここしかない、あと2年もすればこの地上から幽霊の如く消えてなくなる無双のファントム・ワールド!

ちなみに、雪という最高の環境に大はしゃぎのマニアさんが、なんと空印やくぺん号の到着をヴィデオに収めていらっしゃいました。ほれ、このもの凄く長いクリップのちょうど1時間くらいのところ、この前から9つめくらいの窓の向こうにやくぺん先生がご搭乗なのじゃよ。
https://youtu.be/zQHizGpFqzk?t=3600

さてもさても、北関東に到着したとてまだ朝の9時過ぎ。ともかく神戸空港で買い込んだ弁当を喰おうではないかと、ターミナル屋上の展望台に向かう。雪の翌朝の晴天の空は、まるでレフ板で下から煽っているようで、吹き飛ばされた雪が逆光に輝き、ましてやこの空港では珍しいという猛禽類まで西側滑走路での運用。展望台に陣取り、くれるのくれるのと寄ってくるセキレイさんと弁当を分け合いながら
納税者特権、しばしニッポン・マシン猛禽類の跋扈っぷりを見物じゃ、ほーれぇ。
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なぜか小松の306飛行隊のイーグルも3機出て来て離陸。
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さっき出て行ったファントムが東滑走路で着陸し、とうとう世界のヒコーキマニア泣いて喜ぶ貴重品EJ偵察ファントムがハンガーからやってきて南端で待機する間に、今度は今や世界で何機が動いているのやら、オリジナル偵察ファントムも2機出て、雄叫びと共に東滑走路から離陸する。

さても、これで我がニッポン軍隊保有するロートルファイター総動員の雪上大ページェントも終わったので、さて、11時15分の石岡駅行きバスに乗りましょか。バスはPASMO大丈夫というので現金殆ど手持ちないまま乗客3名のバスに乗り込み、PASMOタッチで雪が積もる田舎を走る。バスの運ちゃん曰く、昨晩の11時頃から降り始め、今朝は道路が随分と混乱したそうな。関東鉄道の線路跡を専用線で走り
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降りようとPASMOタッチすると、30円足りないと言う。5000円現金しかなく、1000円札以外にリフィルが出来ないという。仕方ないので待って貰って、石岡駅のコンビニに行き、飲み物を運転手さん分含め400円くらい買って、おつりを作り、戻って来てリフィルしているうちに、11時54分の下りが行ってしまうのであった。結局、バス代は640円であった。ちなみに、飛行機利用者は東京駅までの高速バスは500円也だそうな!1人頭1000円も補助金を突っ込むなんて、畏るるべし、茨城県!

しょーがなく、なにもない駅のコンビニで缶コーヒーとカレーパン喰らいながら1時間待ち。12時54分発の下りで友部まで行き、反対ホームの水戸線始発で9分乗り継ぎ1時時9分発小山往きに乗り換え、裏筑波を眺めながら北関東を数時間前に上空で横切ったのと反対向きに延々と移動。まっさらな空を見上げれば、さっき空港ターミナルで雪遊びをしてた上海の子どもらを乗せた春秋航空が、同じ進行方向上空を大陸に向け高度を取っていく。日本は楽しかったかい、また茨城空港へいらっしゃいっ!

14時20分に到着した小山駅では、両毛線40分待ち。仕事の電話を遙か神楽坂としながら待つホームは、空っ風が冷たい。15時2分発の両毛線高崎行き車内はポルトガル語の宇宙が展開し、筑波はどんどん遠くなる。途中で単線の反対方向列車が遅れて待たされたりしても、単線とあればとばせば早く、ほぼ定刻の4時過ぎの桐生に到着。駅は高校生がホームから溢れそうであった。

石岡駅から桐生駅まで、JR東日本の運賃は2270円也。京都から桐生まで、全部の交通費を合わせると総計11220円也。ちなみに運賃検索サイトで京都から新幹線利用し桐生までJRで到達すると17700円也。うううん、丁度差額は京都での宿代くらいじゃのぉ。


日が沈む方に駅を出て、市民文化会館に向かう。日暮れ前なので渡良瀬川の川原まで歩いてみる。空っ風吹き荒れ、体感温度は恐らく氷点下。赤城山が美しく見えているが
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とてもじゃないが立っていられず、市民会館に戻り、なんのかんのノマド作業をしつつ7時開演を待つのであった。
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アマービレの演奏会、終わって、アンコールのピアソラは聴かずに出て、桐生駅に向かう。わたらせ渓谷鉄道のチケットはPASMOでは買えずバタバタするも、ともかく9時24分発の最終足尾行き1両編成で二駅
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渡良瀬川を渡った相老という駅で3分待ち合わせで東武桐生線に乗り換え、太田まで行き、更に館林行きに乗り換え、関東平野の真っ暗な夜をひたすら走る。最後の京成電車で葛飾オフィス最寄り駅に到着するのは深夜零時4分予定。ふううう…長い1日もあと少し。

本日の京都発桐生経由葛飾オフィスまでのたびの空、総計金額は桐生からの1600円也込みで、12820円也でありましとさ。

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