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ホンマモンの古楽器を真夏に持ち歩く人々 [演奏家]

なんとまぁ、古い暦だと本日から秋らしい今日この頃、灼熱の日本列島にお暮らしの皆々様におかれましてはいかにお過ごしでありましょうか。あたしゃ、もうダメですっ。

なんせ本日は昼前から東京湾岸、向こうにまだ使ってないのに売り出しが始まったという御上公認元オリンピック村なる中古住宅が建ち並ぶ晴海まで行き、1時間ちょっとの演奏会を拝聴。その後は地下鉄京急バス乗り継いでヨコハマ市郊外某所まで、某演奏家のアウトリーチ取材で出かけ、今、葛飾オフィスまでのながあああい京急の旅を終えて戻って来た次第。どこが秋なんじゃい、という勢いで生い茂る巨大柿の木、どうもこのところボトボト落ちるダメな実の数が減ってきて、いよいよ本格的に実り出すかいな、ってところに微かな秋を感じる川向こう新開地なのであった。

なぁんて季節の挨拶はそこそこ、暑さですっかり働く気が無い前頭葉を必死に動けと命じて記す本日の御題は、昼間に拝聴させていただきましたデン・ハーグ五重奏団についてでありまする。こちら。
http://denhaagpianoquintet.webstarts.com/
って、あれ、この写真は今日の昼間に眺めたような顔ぶれ5名だけど、下のメンバー名は7つあるぞぉ。なんなん…ってか、妙に納得したりして。

もとい、この団体、本日昼間に晴海トリトンで演奏したのはこういうもんでした。
https://www.triton-arts.net/ja/concert/2019/08/08/2888/
要は、《鱒》タイプの常設、ってか、固定メンバーの所謂「オリジナル楽器」五重奏団。本日舞台の上からの情報によれば、この編成の作品は3ダースくらいは存在しているとのこと。ま、名曲となるとシューベルトと、知る人ぞ知るフンメルくらいなんでしょうけど、それだけあれば年間に4つくらいのプログラムなら作れるのかなぁ。

演奏そのものは、やはりどうしても関心は「音色とバランス」にばかり行ってしまうのは仕方ないでありましょう。善し悪しの問題ではなく、「ああ、鍵盤ってこんなに聴こえないのか」ってのがホンネの感想。特にメイン演目となったメンデルスゾーンの六重奏曲では、まるで弦楽器群がオーケストラのようにフォルテピアノの前に立ち塞がる、とすら感じられた程でありました。

きけば、この団体が用いている鍵盤楽器はレプリカではなくオリジナルだそうな。弦楽器群はどうなのか訊かなかったけど、ともかく2世紀以上昔の木製工芸品ですから、中に張られた弦も周囲に合わせて強くするなんてオソロシーことは不可能でありましょう。このフォルテピアノにどうやって弦楽器のバランスを作っていくか、ということになるんでしょうねぇ。

こういう音楽って、録音になってしまうとどんなに立派なものであれスピーカーなりヘッドフォンから耳にするバランスは調整されてしまうわけで、ホントのところは判らない。その意味で、極めて貴重な機会でありました。この晴海の会場が演奏会としては限界の大きさだなぁ、と思わせて下さいましたし。

終演後、楽屋裏を襲って、もう他では演奏会ないのですかと尋ねたら、残念ながら今回の日本ツアーは本日でオシマイだそうな。この数日、このアホみたいな暑さの中、楽器を持って歩いていたという。言われてみればそりゃそうなんだろうが、この暑さと湿気の中で、運搬中の車から外にちょっとであれ出てホールへと動かすなんて、アイスクリームを炎天下で運ぶみたいなもんでありましょーぞ。

どうして今、敢えてニッポン・ツアーを、世界大運動会の予習ですか、なんてどうでもいいことを考えんでもないが、とにもかくにも貴重な秋の初めの経験でありましたとさ。

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