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伊福部バレエ冊子売ります [現代音楽]

昨日、こんな演奏会がありました。このサイトなら、まだ生きてるのかな。
https://spice.eplus.jp/articles/294292

オーケストラ・トリプティークをコアに、20世紀以降、特に1950年代から80年代くらいの日本の管弦楽作品、あまり使いたい時代区分ではないけど「昭和中後期のニッポン音楽」、それも20世紀末まで世界を支配した音楽史パラダイムからは落ちていたような作品を掘り返している団体があります。この公式サイトがいちばん判りやすいですね、やっぱり。
https://3s-ca.jimdofree.com/

20世紀後半には芥川也寸志さんが率いる(と、言っていいのかしら)新交響楽団が「前衛音楽主流から落ちた作品」を取り上げる代表選手だったわけですが
http://www.shinkyo.com/concert/i232-2.html
アマオケとしての新交響楽団の性格が変わってきている今(善し悪し、好き嫌い、の問題ではなく)、21世紀20年代の今、かつての「芥川&新交響楽団&フォンテック」の役割を担っているのが、この団体であることは衆目の一致するところでありましょうぞ。この団体、コロナ禍の中でも比較的活発な活動をなんとか続けており、それもそれでまた凄いところなんだが、ま、それはそれ。

そんな団体が昨日やったのが、いちばん上のURLで前パブ記事が出ている「伊福部バレエ作品大会」だったわけありまする。どんな演奏会だったか、多分、「トリプティーク 伊福部」でググればいくらでも感想が出てくるでしょうから、そっちをご覧あれ。オケの皆様、裏方の皆様、お疲れ様でした。

で、本題はここから。昨日、ミューザ川崎でコロナ禍の演奏会スタンダードとなった「自分でチケット半券もぎって入場し、その向こうに置いてある当日配布物を自分で拾う」というプロセスを経て指定されたオーディトリアムの席に向かうわけでありまするが、そのピックアップする配布物が、なんとも凄いものだった。こちらが表紙で
IMG_6387.JPG
総計40数ページのオールカラー写真満載の「伊福部昭のバレエ作品論」小冊子なんであります。曲目解説にはこんなページとかも。
IMG_6388.JPG
こういう団体の演奏会は、演奏そのものもそうですが、配布物に猛烈に力が入っているのは皆様ご存じの通り。今時、なによりも真っ先にコストカットの対象となる曲目解説なんぞが、猛烈に充実し、力が入りまくったものになる。なんせ、言葉の最良の意味でコスト考えずに書き手も冊子作り手も全力投球してきますからねぇ。

いやぁ、これは凄い、充分にこれだけで売り物になる冊子ではないかぁ。考えてみれば、21世紀の紙からSNSへの情報媒体の変化、グーテンベルクの印刷革命以来の大革命を目の前にしてただ狼狽えているわしら旧世代とすれば、20世紀にはこういう冊子タイプのピンポイント情報媒体って、大手から弱小に至るまで出版社さんが出してたよねぇ、と懐かしく思うほど。字数やページの制限がなく映像資料のレイアウトも簡単なウェブとなって、定価数百円でB5より小さいくらいの判型の冊子、という媒体は絶滅していたのであるなぁ、とあらためて気付かされた次第。だってさ、今は「Webに上がってますから、必要ならご自分でプリントアウトして下さい」だもんね。

これは冊子として書棚に並べるに値する資料である、と主催者さんに感謝しつつ、積み上がってたのをもっと貰ってくれば良かったなぁ、欲しい人は日本語文化圏にそれなりの数はいるだろーに、なーんて思ってたら、先程、主催者さんから、「冊子をネットで販売します」というアナウンスがありました。ほれ。
https://3scdjrl.shopselect.net/items/55738062

これ、近代現代日本の管弦楽作品に関心のある方は、絶対に基本資料として揃えておかねばならぬ冊子です。いろいろ面倒なこともあるけど、ちゃんと国会図書館やら上野の東京文化会館音楽資料室に納めて貰わないと困る類いのものでありまする。恐らく、昨日の演奏会はライヴCD化されるでしょうが、流石にこの冊子をまんまジャケットに納めるのは物理的に無理でしょう。このような形で公式に分売するのは、極めて賢く、よろしいことでありまするな。

紙媒体とはなんなのか、とあらためて考えされられるところもあるが、ま、それはまあ、それとしておきましょ。欲しい人は慌ててポチットして下さいな。当然ながら、在庫のみ限定品ですから。

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