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三善晃弦楽四重奏全曲+α [現代音楽]

あくまでもなんとなくそんな感じがする、というだけでデータを調べたわけじゃないんだけど、1980年代頃には「武満&三善」と呼ばれ日本戦後作曲家の二大巨頭とされていた巨匠、この数年は作品が纏めて演奏されるという意味では、三善氏の方が遙かに売れっ子なんじゃないかしら。無論、武満作品はもう普通の音楽として世間に流布しているからそんな風に感じるんだ、と言われればそれまでだけどさ。

先月には広響が管弦楽作品をまとめて演奏したり
http://hirokyo.or.jp/news/info/18559.html
打楽器の加藤訓子さんがまるまる三善なんて演奏会を繰り返しディスクまで出したり
https://www.hmv.co.jp/news/article/2008071026/
指揮者のシン・ヤマカズ氏が積極的に取り上げようとしてコロナでダメになったり
https://www.tmso.or.jp/j/archives/special_contents/2020/20200508/

まだ生誕100年ということはなかろうし、来年が没後記念年にでもなるのかしら、と思ったら、特にそういうわけでもないみたい。ま、なにもないのに盛り上がってるなら、そんなに目出度いことはない。うん。

んで、明日、2021年の最後を飾る記念碑的な演奏会があります。こちら。
https://www.facebook.com/%E4%B8%89%E5%96%84%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E3%82%92%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E3%81%AB%E4%BC%9D%E3%81%88%E3%82%8B%E4%BC%9A-881958061857664/
今はコンサート告知公式ページがFacebookなんですなぁ。

この演奏会、三善作品を纏めて紹介するという趣旨のコンサートシリーズのようで、3回目となる今回は、ご覧のような「弦楽四重奏+ギター」であります。三善晃の弦楽四重奏曲といえば、なんといっても第3番《黒の星座》が圧倒的に有名で、みんな知ってる音楽(なのかな…ううううむ、ま、いいや)。だけど、オリジナルはギター五重奏だと記してあるけど、恥ずかしながらやくぺん先生ったら、オリジナル版をライヴで聴いたことありません。エクも、いつかギター入りでやってみたいですね、と繰り返してますが、まだやったことない。(後記:その後、エクはやってますよ、という連絡があちこちから参りました。そー、晴海でやったわなぁ。失礼しました、己の恥を晒すため、書き直さずに放置しておきます。関係者の皆様、ホントに失礼しましたです。)

フランス帰りの透明な涼しい感性がキラキラ光っている第1番、前衛真っ盛りの中に「ニッポンのデュティーユ」として(当時は誰もそんな言い方はしなかったけどね)誠実なフォーマットを失わずにいた頃の第2番、これらは巖本真理Qの最盛期に重なっていて、幸いにも定番となる録音が残っている。この演奏会は両者を披露したあとに、ギター五重奏を大阪国際室内楽コンクールの課題曲として純粋な弦楽四重奏に書き換えた第3番が、なんとなんとオリジナルと弦楽四重奏版との両方で演奏されるというんだから、もう涙なくしては聴けない有り難ぁい会でありますよ。

簡単にやれそうで、でも案外やれない企画。これはもう、聴かないわけにはいかんでしょーに。

三善の弦楽四重奏と言えば、アルディッティQの2度目だか3度目だかの来日の際に、カザルスホール企画室アウフタクトの主催で日本作品ばかりの演奏会をやり、委嘱もし、20世紀ニッポンが、ってか今に至るまでのニッポンが生んだ弦楽四重奏の最高傑作たる西村の第2番が誕生したことがあったわけだが、そのときに三善の2番も演奏、フォンテックに録音されてます。で、作品を演奏された作曲家は練習の時からみんなお茶の水に顔を揃えてたわけだが、ひとり三善氏だけは来なかった。どうしてこなかったのか、プロデューサーの岡村さんに尋ねたような気もするんだけど…どうも明快な答えはなかったような。

ま、三善先生はそういう方だった、ということなんでしょうねぇ。

明日の夜はオペラシティへ、皆さん、どうぞ。カーチェン・ウォンのマーラーは土曜日にしてね。

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エク大友

ギター五重奏版、やったことあります!!第一生命ホールで!!!
by エク大友 (2021-12-11 23:00) 

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