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買えない本の紹介文 [売文稼業]

明後日朝には新帝都に戻ります。その理由は、この本を返すため。
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今回の新年温泉県オフィス滞在の目的は、某年鑑の室内楽概論と、この本の紹介文をやっつけることにありました。

本来なら、今、この瞬間は巴里のシテ・ド・ラ・ムジークからトラムで一駅くらいのアパート宿にいて、丸二年ぶりのシベリア越えの長旅でええ加減体もおかしくなっていて寝られんぞぉ、なんて言ってる頃。いよいよ本日から弦楽四重奏ビエンナーレが始まり、まずはやくぺん先生現在の欧州一押し若手チャリック一家の演奏会があるぞぉ、って筈だったのに…。ちなみに来月頭のアムステルダムのビエンナーレは中止になったそうな。ハイデルベルクはどうするんじゃろかね?

もといもとい、そんなあり得なかった今を嘆いてもしょーがない。巴里行きがなくなった時点で引き受けた明日締め切りの仕事、まだ作文作業という意味では一行も出来てないんだからさ。

ええ、そういうわけで、中身に関しては触れられないんですけど、やってるものはこういうもんです。こちらをご覧あれぇ。今時、本の紹介がYouTubeの動画になってるなんてドイツもやるじゃないか、と思うかもしれんが、なんのことはない、こういうやり方がいちばん手っ取り早い書籍であることは、ご覧になればお判りでしょうぞ。

紹介文とはいえ、媒体が媒体だけにペラペラ捲ってさあ書きましょ、というわけにもいかず、重さ3キロの現物をドカンと机にのっけて、去る月曜午後からさっきまでまるまる三日間かけてひと渡り目を通したところであります。昨日一昨日と雪模様で、お籠もり作業には最適な(?)空様。外に出たのは、雲の切れ間に雪景色の由布岳を眺めに田圃の中まで気分転換に出たときだけ。今日は晴れて、昨日から雪の中に射撃音が轟いていた日出生台の新年演習もやっと本格化、朝からヒヨちゃんや、うちの周辺を縄張りにするジョビ子さんや百舌鳥姫だけじゃなく、我が軍の先鋭目達原のアパッチやら陸自鷹やらも飛びまわってるお役所仕事も本格化した正月明け。

この作文仕事、何が困るって、普通の書評とは違って、紹介している本をこの鎖国列島で購入するのはほぼ不可能という事実。今時Amazonやらで買えない新刊本があるのか、と呆れるでしょうが、現実問題、Amazonでも入荷不可だし、いかにも返そうなデゥスマンのサイトでも品切れで入荷未定になってます。実際、仕事を下さった編集さんは自分でも欲しくてリクエストしてるけど、半年以上立つのにまだ来ないそうな。ボンの市ミュージアムに直接頼んでいてこの有様だそうで。日本にはアカデミアに数冊入り、昨年暮れに在庫があるというのでノコノコ行ったら、「あれ、ありませんね」ってことなってましたです。いつ入るか未定だそうな。

つまり、当面のところ、紹介されたところで殆どの人にとって手に取るのは不可能、って幻の本なわけです。デュッセルドルフやらケルンに住んでる人が日本に来るならちょっとボンまで行って買って来てちょ、というのは荷物になりすぎるし、そもそも今、ニッポンは鎖国状態じゃけんのぉ。世の中には「存在しない本の書評」という特殊なフィクションのジャンルがあるけど、なんかそんなもんをやってるような気がしてくるぞ。

まあ、ピリオディカルではなく少し時間がかかるタイプの媒体なので、いずれ入るようになれば、ということでしょう。文化会館の資料室なんかが買っておくべきなんだろうなぁ。

とにもかくにも、これから一休みして、明日の夕方まで作文作業にかかりましょ。明後日は朝の5時起きで水道の元栓閉めて(明日から氷点下6度とかの朝が続くそうで、水道管が凍結して破裂するやもしれんのです)、通学の高校生と一緒に夜明け前の6時台の大分行き久大本線各駅停車に揺られ、デカく太い本をプチプチにグルグル巻きにし納めたアホみたいに大きな荷物をジェット★さんに預け、成田に向かいます。本を編集さんに返却することが目的のニッポン新帝都訪問、18日夜までセレブなブンチョウ様お住まいの佃縦長屋に寝かせていただき、上野やら溜池やら池袋西口やらに出没する予定ですので、対面で用事のある方はその辺りで捕まえて下さいませ。

この三日間、マスクをしたことがないぞ…

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