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2020年9月に入稿した原稿が~テト沼津最安値日帰りたびの空 [たびの空]

上海の知人からは「朝からゴロゴロしてます」、ハノイのヴァイオリンの先生からは「テトの朝は昨晩は市内に溢れていたバイクがまるでいません」、ってノンビリした新年の挨拶が舞い込む旧正月元旦の日曜朝、寒そうな曇が半端に覆うのに妙に視界は利く新帝都は大川端を出て、異教徒の祭り故か初詣客は見当たらない住吉さんを佃堀の向こうに眺め、月島駅から空いた地下鉄に乗車。有楽町で乗り換え日比谷駅まで、リニューアルで小綺麗なのに妙に殺風景に感じるようになった三田線沿い地下道を急ぎ、千代田線で代々木上原。接続時間ほぼゼロで新宿からやってきた小田急の快速特急とやらに飛び乗り、あらまぁ広大な世田谷の原ったら経堂も成城学園もじゃんじゃんスキップ、あっという間にアルバイト押し入り強盗事件で揺れる「彼岸のアルバム」狛江から多摩川越え武蔵の野に突入した列車の車窓は、占領軍密集地を抜け相模の川を渡り、ヤマカズⅡの故郷たる温泉地を過ぎるや、久大線日田以東山間部のような峨々たる容貌を見せ始める。かくて帝都地下鉄&小田原急行乗り継ぎ2時間ちょい1037円也、到着した小田原駅はJR東と東海を跨ぎ箱根には向かわぬ観光客多数故か、やくぺん先生含めSuicaPASMO使えぬ人が券売機に行列を成し、680円也の切符を手に慌てて駆け込むは
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JRイーストさん最高の車窓を提供してくれる各駅停車。おお、絶景かな相模湾、大震災ではこの海に列車が転げ落ち、遙かこの海の上でJAL123便の未だホントは謎っぽい悲劇が起こったのか、などと思う間もなくトンネル…を通るに至らず、その手前の我が街の山向こうベップと並ぶニッポン列島の名温泉アタミに至る。東海道本線を実質ぶった切るJR東日本と東海の越えられない壁を地下通路の闇をえっちらおっちら通った数多旅客を暖かく向かえるかのように、なんとまぁ、青春18きっぱーには悪名高き永遠の静岡をこれで乗り切ってくれとステキなクロスシート車両じゃああーりませんかっ。
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っても、御殿場線終点までのわずか数駅なんだけどさぁ…なに考えてるんじゃろね、この鉄道会社。ま、それはそれとして、総額1717円也3時間と少しのたびの空を無事に終え、駅前ロータリーに富士山湧き水(なのか?)流れる三島駅に正午過ぎに到着したのでありましたぁ。ちなみにやはいぞ凄いぞシンカンセンこだま号ですっ飛ばせば、2.5倍程度のお値段で1時間ちょっとで到達可能な場所でございまする。はい。

本日のプチたびの空、目的地はこちらじゃ。
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三島駅の旧東レ本社と反対、昔からの町場側。駅前ロータリー徒歩3分の交通至便な場所に聳える三島市民文化会館なのであーる。この会場、なんのことはない、かつてこの町に住まわれたなにやら豪奢な偉い方のお屋敷跡を日本庭園にした敷地の隅っこで、本来ならば富士の湧き水を淡々と讃えた麗しい花鳥風月水辺風景が広がる市民憩いの場(300円也の維持管理費をお布施として払うのは仕方あるまい)。ところがところがその庭園ったら、工業用水汲み上げで今やこの有様。
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ぷかりぷかりと典雅にノンビリ浮く気満点だった御隠居あひるも、余りの痛々しい風景に驚き呆れを通り越し、これはこれで風流ではないかだっく、などと強引に己を納得させておりまするだっく!

とはいえ、それなりに整備された日本庭園は、小さな飛ぶ方々にとってはなんとも有り難いオアシス。ヒヨちゃん、むくの群れ、カラスたち、どばどばらのお馴染み連中は当然として、貴重な地面をつつくアカハラさんやら、松の木なんて誰も寄りつかぬような場所を大喜びで渡り歩くカラの群れの先導は、「シマ」って付かなくても充分に可愛いぞぃえながん集団ちちちぃ!
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日差しが暖かいとは言わぬものの凪いだ春節の昼下がり、流石に常春の伊豆半島付け根、もうちらりほらりと薄桃色が枝の間に見え取るではないかい。
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おー春じゃ春じゃ、これはもうなんか呑んだり喰ったりせにゃらなん、ってオシャレな屋台も並ぶ中を抜け、敢えてダサダサそうな常設食堂棟に入れば、「三島ゴムそば」なる訳の分からぬご当地名物らしきもんが、さほどの宣伝もなく当たり前に供されておる。では、肉入り金600円也、現金でぱっさり払って喰ろうてみようではないかいだっく。
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ちなみになんとも愛想のないお店ののおねーさん、「味が薄いのでソースをかけながら食べて下さい」とな。うーむ、今時流行の日田焼きそばっぽいパリパリ麺の対極、なんとも不思議なコシのねちょねちょ麵が、鰹節味しかしない薄味と相まって…ま、三島行ったら喰らってみたまえ、皆の衆。
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1087114.html
おっと、もう開場時間を過ぎてしまったではないか。慌てて庭園抜け、辿り付いたパブリックホールは、アンカナさんには適正規模のバブル前の公民館じゃ。
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そもそも本日の三島詣で、やくぺん先生の世を忍ぶ外の人がその恥多い人生でも最もしんどかった2020年秋の初め、コロナお籠もりとはいえ狭い大川端縦長屋でのオンライン仕事は御家族の現役二人で精一杯、葛飾にひとり幽閉され、殆ど仕事もなく、無為にオンラインでオペラ三昧するばかり、結果、月収3万円というオソロシー現実を前に葛飾オフィス維持も不可能でどうするべーか、と悩み始めていた頃にやらせていただいた数少ない貴重なお仕事の結果を眺めるのが目的。中学生向け演奏会という難しい条件の仕事、お互い暇だった遙か静岡県の財団の方とやりとりしつつムダに丁寧に処理し、挙がった原稿を前に「いくらなんでも来年には演奏会もやれるでしょうねぇ」なんてメールを投げ合っていた演奏会が、なんとまぁ延期に延期を重ね、当初の予定日程からまるまる2年遅れでやっと開催されるという、2023年兎年春節元旦の良き日なのだぴょん!

沼津市民ばかりか、制服の中学生が多数座り、どうやら宮田のだいちゃん追っかけらしき関東から遙々東海道を下ってきた方も随分といるらしき客席。カバレフスキの協奏曲をバリっと弾き、アンコールに無伴奏で奏でられる《白鳥》は、ピアノ無しでは裏の水のない日本庭園の池に浮かぶ瀕死の白鳥かと思われたがなんのなんの、まるで鳥の歌のような深く篤い響きが会場を満たし、今年こそは良き年をと集う善男善女のやんや喝采を得たのでありましたとさ。

さても、箱根の山は越えたといえ東国は伊豆の付け根、4時を過ぎればそろそろ夕方の気配も漂う。なにやらシンカンセンは事故だかで混乱しているとのこと、諦めて在来線で新帝都に戻らんとする人々と共にまたまた券売機の列をつくり、ロータリー向こうの無人チケットショップでいじましくも購入した小田急割引券と一緒に、またながぁああい夜半のたびの空
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遙か新帝都大川端に戻りましょ。

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