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ピエール・ブリュースはサティQにいたのだ [演奏家]

指揮者として初来日のアンサンブル・アンタルコンタンポラン音楽監督ピエール・ブリュースの神戸室内管デビュー、なんとボーッとしている間に明日になってしまったではないかぁ。
https://www.kobe-ensou.jp/wordpress/wp-content/uploads/2024/03/231026_3_kobe_161_omoteura_a_design_syusei.pdf
ご覧のように、ある意味、バッハや古典派を得意にしていそうな気がするこの室内管定期としてはなかなか意欲的、というか、かなり変わった定期なのかしら。なんといってもオーケストラの定期演奏会なのに、ドカンと室内楽作品を1曲まるまる入れてる、ってのはスゴイなぁ。このルー・ハリソン作品、娯楽作品として滅茶苦茶楽しいですから、冗談じゃなくこれ聴くだけでも価値がある土曜の午後でありまするよ。こちら。
なんとやくぺん先生、この作品の初演団体での日本初演、カザルスホールで聴いてるんだわなぁ。いやぁ、爺になったことよ。

もうバレバレになってしまっているだろうから平気で記してしまいますがぁ、昨年11月、《光の日曜日》見物で華の都をウロウロしていたときに、シテ・ド・ラ・ムジークをホームベースとするこの団体が翌週の定期演奏会(なのか?)のリハーサルをしていて、指揮を担当する音楽監督のブリュース氏が通っていた。これ、楕円形ミュージックホールの真ん中にチェンバロ出して、周囲に小編成アンサンブル撒きやりとりする、という新作の練習風景。コパチンさんの後ろに立ってるのがブリュース監督じゃ。
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んで、遙かホンシュー島は神戸からの依頼を受け、楽屋でお話を聞かせていただいたでありまする。ま、せっかく居るなら、とちょっと商売やった、ということじゃわね。結果、こういう映像が出来ております。

なにやらほぼまるまる素材として使うんだなぁ、と未だにこういう映像インタビューには慣れない爺なのであったのであるがぁ、ま、それはそれとして、話としてはいろいろ面白いもんも出てますので、お暇ならご覧あれ。特に「現代音楽」と呼ばれる20世紀作品をどう考えるか、極めて自然な扱いをしているのが興味深いですな。

で、本来はそういう話をせにゃならんのでしょうけど、なんせ「書いてあることはみんな嘘、信じるなぁ」をモットーとする当無責任私設電子壁新聞とすれば関心はそこではなく、ちょっとだけ触れてるブリュース氏の経歴の部分なのじゃ。「私はずっと室内楽をやってきて、室内管のコンマスになり、たまたま指揮をすることになり、指揮者へと転身した」と仰ってるところ。へえ、弦楽四重奏やってたんだ、どこの団体にいたの、と気楽に訊いたら、「サティQです」ってさ。

え、と思ったけど、収録用のテープもまわっている(というか、ハードディスクが動いている、というのか、今は)ので突っ込めなかった。その後も、コパチンスカヤと作曲家がやってくる新作の打ち合わせだかが待っているのでもう時間が無く話が出来ず、それだけだったわけです。どうもそれなりの時期、若い常設弦楽四重奏団としてのキャリアをやっていたようですな。自分の音楽作りで、弦楽四重奏をやっていたときの経験は非常の大きい、とこっちが尋ねなくても応えてくださっていたわけで。

なんでこんな細かい経歴に拘っているかと言えば、なんとなんと、やくぺん先生が一度だけライヴで接したことがあるサティQって、2001年のバンフ大会だけなんです。その時の評論記事、Webにまだひとつだけ落ちていたので貼り付けておきます。世間がまだWeb社会になる直前、あのマンハッタンでトレードセンターにアメリカン航空が突っ込む911テロが起きる直前で、この直後にボルドー大会だかがあり、ハシゴをする団体も多く、大変なことになったときですわ。
http://www.scena.org/lsm/sm7-3/banff-en.html

オフィシャルなページではなく一批評家の私見を記した記事を出すのに深い意味はなく、単に参加団体が全部記してあるから。こちら。
Daedalus, Delancy and Enso from the USA; Herold and Penguin from the Czech Republic; Johannes and Satie from France; Diabelli from Canada; Kuss from Germany; and Excelsior from Japan.

おおおお、当電子壁新聞を立ち読みなさっている方々がならすっかりお馴染みの名前ばかりでありましょうぞ。なんせ、ダイダロスやエンソはともかく、ペンギン、クス、そして我らがエクが参加した年に、一緒に出ていた団体ですわ。

とはいえ、ブリュース氏がこの2001年9月にバンフにいたのか、Web空間を探してみても、よーわからん。

てなわけで、明日、神戸に日帰りする最大の目的は、どっかで立ち話して、「バンフにいたの?」と尋ねることなのであーる…なーんて言うと、神戸室内管のスタッフに叱られそうだなぁ。

そんなやくぺん先生の極めてニッチな個人的な関心はどーあれ、あすの神戸室内管、アイヴス好きにもアメリカ現代音楽好きにも、はたまたフランス音楽好きにも、猛烈に楽しい午後になること必至であります。関東や九州中国からでも、朝のシンカンセンで新神戸まで行き、タクシーで2000円もかからんくらいで到着しますし、簡単に日帰りできますぞ。さあ、これはもう来ないわけにいかんでしょ。

それにつけても、なんで4月のアンブル・アンタルコンタンポランの東京公演には来ないんじゃろなぁ。残念だなぁ。

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