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政治家の豆撒きは法制上問題ないのかっ? [新佃嶋界隈]

節分である。豆撒きなのである。東京駅銀座から最も近い田舎佃も、無論、豆撒きデーである。

なんせ、月島西仲通りは、通りの途中にある神仏にかこつけ、恐らくは東京湾岸地域で最も派手な商店会単位の豆撒き大会をやらかすし、元佃の住吉さんは当然神事として年男年女が厳かに豆を撒く。なぜか知らぬが佃嶋の長老がやたらとお気に入りな銀座松屋の袋からなにやら取り出し、おもむろにほーりなげるのが恒例。

とはいえ、本日は土曜というのに昼間に遙か内陸は神保町で打ち合わせがあります。多少なりと寒くなろうも、とても節分の日とは思えぬ温々さ。ミネアポリスの世界一のショッピングモールのセールで元値142ドルを40数ドル也で嫁さんがせしめてきたダウンのコートは、チャリチャリ走るには暖かすぎる。なんなんだ、この根性なしの冬!昨年の今日は、朝など氷点下の寒さだったのに。http://blog.so-net.ne.jp/yakupen/archive/20060205

土曜の午後の神保町はちょっと妙な雰囲気。考えてみれば、今世紀になって土曜の午後にすずらん通りをウロウロしてたことなんてなかったかも。まるで佃近辺か谷根千みたい、熟年カップルの町歩き観光地と化している。「スヰートポーヅ」に人が並ぶのは良いとしても、「キッチン南海」なんて、今っぽいお嬢さんが並んで喰らうような場所じゃあないぞおお。打ち合わせに入った「さぼうる」まで「懐かしい昭和の神保町ランド」みたいな嘘臭さが漂うのはどーしてか。

ま、いいや。ここはやくぺん先生夫妻にとっても「昨日の町」だもん。そうそう、お誕生日おめでとう、のトランスブルー君、今はここは君の町なんだっけ。頑張って、なんとかしてちょ。

んでもて、打ち合わせが終わっても、広報栗鼠がハイパーチャリチャリで追ってくる。東京駅の横をかすめ、遙かにリバーシティの高みが見えてくるとヒョイっと右に折れて、おおお、やっるやっとる、このところ東銀座近辺のオフィスを支えた小さな印刷屋が次々倒産し、限りなく砂漠化しつつある東京駅銀座から最も近い過疎地湊入船近辺も、流石に今日ばかりは賑わっておるぞ。かつての赤穂浅野家の内屋敷があり、あの両国討ち入り後の雪の日に凱旋する浪士たちを見送ったという、湊は鉄砲州稲荷神社の豆撒き大会なのであーる。掲げられる有難いお言葉、「生命は親様から来たのだ」、「御先祖を供養するのだ」って、ちょっとバカボンのパパが入ってる気もするのだ。

ええ、この豆撒きという行事、神事なんだかよー知らんが、「節分の豆撒きは何刻に行うのだ」という決まりはないようで、この大川河口近辺湾岸地区の数ある神社お稲荷さんでも、微妙に上演(じゃあないなぁ)時間が違っている。だから、その気になれば、水天宮の派手派手、佃住吉さんの神事っぽさ、はたまた長ぁい商店街のあちこちで延々と投げてる月島西仲通りと、豆撒きのハシゴが出来るのであるぞ、皆の衆。来年は日曜日になる筈だから、そのへん、よーく研究してみたまえ。

さても、2時過ぎからの打ち合わせを終えてから豆撒き見物をするならもうここしかない、というのが鉄砲州稲荷なのである。どういうわけかここはスタートが午後4時と遅く、7時まで断続的に善男善女に向け豆なんぞが投下されるそうな。到着するや、どうやら2度目のステージが迫っているらしく、素人神楽がどんちゃか盛り上げてます。

まるで神事らしからぬ司会者(?)のオッサンが登場。「銀座吉兆の年男たちが捲きます」とアナウンス。うぉおお、ふくわうちいいい、おおにぃわそとおお…若いモンばかりなんで、遠くまで飛びます飛びます。おいおい、そこのにーちゃん、グローブで掴むもんなんかぁ。

アウトリーチでこの辺りの小学校にも盛んにお邪魔し、土地勘や地元意識ばっちりの地域密着アートNPOトリトン・アーツ・ネットワークきっての体育会系たる広報栗鼠は、当然のことながら果敢に突入。このステージではろくな戦果を上げられず、憮然とした顔をしておる。ううん、判りやすい生命体であることよ。

暫くして始まった第3ラウンド、おお、我らが中央区長が年男として登場したぞ。衆議院議員やら、都議会議員なんぞも出てきた。なんだか妙な空気だなぁ。まあ、あたしにも投げて、とあちこちから上がる手に向かって何かをするなんて、プロの政治家には慣れたことなのかもしれません。飛ぶは飛ぶは、近くへ遠くへ、右へ左へ、満遍なく豆の袋をまき散らす。高級料亭の厨房をコントロールする年男たちよりも、遙かに巧みに餌を撒いておるぞ。心なしか、赤い当たり袋もさっきのステージより多いような気がするけど…そんなことはあるまいよなぁ。

ま、おくれおくれと手を伸ばす善男善女のどれほどが人口10万人突破万歳の東京都中央区選挙民なのかは判りゃせぬ。なにせ、そこに路駐してる車なんて沼津ナンバーだものね。神楽殿からの豆撒きは、宗教行為でもなければ、選挙の事前運動でもない…のだろうなぁ。ま、そんな野暮なことは言いっこなし、なんでしょね。←曖昧なニホンのあたし

というわけで、我らが広報栗鼠はダースほどの豆袋をゲット。なんせ、ぼーっと立ってるこのやくぺん先生だって、知らぬ間に2つも取れたんだから、区長さんたち、よっぽど沢山捲いてくれたんでしょー。当たり袋、使い切っちゃわないでくださいよ。

さても善男善女の諸君、これが捲かれた豆袋の何割かに入る「当たり」印で引き替えていただけるもの。「テレビが当たる」とか「ハワイ旅行」(うううん、レトロっぽい庶民の夢じゃ)とか、あらぬ噂が飛び交っていたが、ま、こんなもんです。どら焼きは鉄砲州稲荷前のお店の提供でありました。

大川端から昭和通りまでの地域を氏子とする伝統と格式の鉄砲州稲荷の節分、かくて騒々しくも賑々しくも暮れていく。豆を投げる年男年女の向こうには、歯抜けになって残ったトタン張りの長屋跡、そして彼方に聳える聖路加タワー。かくて世は、こともなし。

政治家が 去りて飛び交う 生蜜柑


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