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若者たち [演奏家]

どうも、この電子壁新聞の有り様を誤解なさっている方がいるみたいで、「宣伝してください」などと力のこもった案内をいただくことがあります。

正直、この画面は、東京都中央区湾岸の島の路地に張り紙1枚出すみたいなもんですから、なんの影響力も宣伝効果もないと思ってください。まあ、全てのメディアが消費行為に向けた広報媒体となってしまった1990年代後半以降でありますから、この電子壁新聞も時代の風の中にある、と考えるべきなのであろーかっつ。

とはいえ、いくつかの真面目な若者達の日々の努力は、きっちりお伝えしようぞ。宣伝、というんじゃなくて、こんなことやってる奴らがおるぞ、暇な奴や酔狂者が近くに住んでたら付き合ってや、という程度のものであります。

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◆北千住の芸大で卒業制作発表会
22世紀トウキョウの中心地たる北千住に移転してきた芸大のアートマネージメントやら音楽の周縁部を扱う大学院生なんぞが溜まっている場所で、卒業制作の発表会があります。小学校を改造して大学にした裏路地の向こうにあるキャンパス、ご関心のある方はこのチャンスに是非どうぞ。面倒なんで、昨日送ってもらった案内をまんま貼り付けます。えい。それこそ昨日の駄文で記した、「トーキョーワンダーサイトの差配をする裏方になるべく教育された若者たち」の発表でありますぞ。

「このたび、アートパスに続きまして二期生の卒業制作発表会『So-up』を以下の概要で行います。
在校生の様子は既に見ていただいた通りですが、これから大学院に進む者、就職志す者、フリーの活動を目指す者とさまざま、出発の時期を控え、これまでの研究・活動を発表します。ダンス、衣裳制作、パフォーマンス、スタジオでは収録音源の再生、論文のプレゼンテーション、また学内の各スペースにて、演劇の記録、語り、実験的インスタレーションなど、音やメディアを織り交ぜた作品や記録を展示します。
また、期間中10日(土)15:30より、ニューヨーク在住のマルチメディア・アーティスト、スティーヴン・アピチェラ=ヒッチコック/ Stephan Apicella-Hitchcock(2005年度 音楽環境創造科客員教授)による特別講義も行われます。

      《東京藝術大学 音楽学部 音楽環境創造科二期生 卒業制作発表会 『So-up』》
             Soup のように融けあう持ち味 / 融けあいきれないSo-up
■会期:2007年 2/9 (金)13:00~19:00、2/10(土)11:00~19:00、2/11(日)11:00~18:00
■会場:東京藝術大学千住キャンパス 東京都足立区1-25-1
■交通:各線北千住駅から徒歩5分(千代田線、日比谷線、つくばエクスプレス、JR常磐線)
■入場:無料  イベント内容等は、http://www.geidai.ac.jp/labs/so-up/

パーフォーマンス系はともかく、研究発表、特にメディア論と小出郷研究は見物に行くつもり。10日は来年の例大祭に向けた町会の集まりがあり、11日は知る人ぞ知る佃厄偏庵旧正月祝賀牡蠣パーティが予定されてますんで、9日に見物する予定。待ってろ、若き論客、「日経のI記者と在野のやくぺん先生は、記者会見場を盛り上げる2大突っ込みバカ」と一部業界で呆れられてるやくぺん先生が、しっかり突っ込みに行くからなああああ!

追記:その後、発表順番が変更になったという連絡がありました。「webに掲載しています明日9日のスケジュールに一部入れ替えがありまして、9日の松岡の発表時間は15:50-16:30となります。
山田の音響についての発表が14:10からとなっています。ご了承下さい。」

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◆山根三銃士トリオ・アコードによる故ゴールドベルク山根美代子氏追悼演奏会
「こしのくに音楽祭」のセミナーで、様々なゴールドベルク翁の秘技を習ったヴァイオリンの俊英白井圭君以下、山根三銃士と呼ばれた若者によるトリオ・アコードが、ゴールドベルク山根美代子さん追悼演奏会を行います。この写真は、ヴィーン室内管&フォルクスオパー管コンミスでニックと同期にフィラデルフィアでゴールドベルク翁に習ったベシュナから、ベートーヴェンを伝授されるトリオのうちのヴァイオリンとピアノのふたり。真剣勝負の姿だ。

以下、これまた白井君からのメールをまんま貼り付けます。

「2月22日 『故ゴールドベルク山根美代子に捧ぐ TRIO ACCORD ピアノ三重奏』
於・市ヶ谷ルーテルセンター 19時開演 問い合わせ 03-3954-4383又は03-3398-1130

音楽ネットワーク「えん」主催の4公演
2/17  藤沢リラホール 14時半開演
2/18 布池文化センター コンコルディアホール (名古屋) 14時半開演
2/24 ノンクトンク 16時半開演 
2/25 カフェ・モーツァルトアトリエ 19時開演
問合わせ:音楽ネットワーク「えん」代表 佐伯 隆 ts-cnulp.1915@nifty.ne.jp 03-3314-6720

曲は前半は全公演とも、ハイドン 第39番 Gdur、ベートーヴェン Ddur Op.70-1 「幽霊」
後半が17,18日は ブラームス H dur Op8、24、25日は メンデルスゾーン dmoll Op.49」

山根先生のお葬式で弾いたモーツァルトのトリオは、今回は封印するのかしら。和声の意味を叩き込まれた連中ですから、ちょっと硬派な音楽になることでしょう。
なお、白井君は昨年第一生命ホールでライブも行った小倉貴久子さんのショパンのピアノ協奏曲5重奏版でも桐山氏と並んでヴァイオリンを担当しており、現代の若者らしくそんな時代様式もきちんと理解した音楽をする方です。正に21世紀の室内楽奏者でありますな。

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◆三浦一馬君すみだに登場!
昨年の春、別府アルゲリッチ音楽祭の曲目解説を巡る騒動を、この電子壁新聞で公開していたのをご記憶の方もいらっしゃろー。で、その中で知り合った三浦一馬君という若きバンドネオン奏者がおります。別府に来る巨匠に習いたいが手はないか、とコメント欄で質問され、「ともかく突っ込め」と無茶苦茶なアドヴァイスをしたら、さすが若者、怯まずにホントに突っ込んで、その後はなんのかんのでアルゼンチンまで習いに行っちゃったという若き猛者。そのときの経緯は、これ。http://blog.so-net.ne.jp/yakupen/archive/20060518
で、その三浦君が、いよいよ東京でリサイタルです。以下、まんま貼り付けます。

「3月に文化庁研修の修了を兼ね、僕のデビュー・コンサートをする事になりました!3月17日には埼玉県久喜総合文化会館大ホールで、3月20日にはすみだトリフォニーホール小ホールで行います。このコンサートでは、バンドネオン協奏曲も演奏します。その時に、夏にマルコーニから頂いたカデンツァを日本人初演します。あのころネット上で渡辺さんと、このカデンツァの話をしていたのに、そのカデンツァを僕が弾くのかと思うと不思議な縁を感じます。渡辺さんとこうやってご縁をいただけたのも、別府でマルコーニ氏に聴いて頂き、アルゼンチンに行けたのも、カデンツァが導いてくれたような気さえします。」
案内はこちら。http://www.k4.dion.ne.jp/~kaz-.-bn/

なんかねぇ、まだまだ日本国にも未来があるかもしれない、と感じさせてくれますね。本気で何かをやりたいと思えば、なんとかなる社会。閉塞感なんか感じず、ドンドンとあちこちで無茶をしてくれる若者がいるんだから、この地球人類社会にも22世紀くらいは迎えられるかもね。

頑張れ、若者たち!わしらじじーはじじーなりにおーえんするぞっ!


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