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如月はSQの月 [弦楽四重奏]

昨日、先月末からずっと東京は錦糸町に長逗留してNJPと5回の本番だけをやったブリュッヘン御大の最後の演奏会があって、珍しくもチャリチャリとサントリーに行きました。サントリーホールは、自転車置き場がない。非常に困った会場です!デンマーク人やヴェトナム人なら暴動を起こすでしょう。そのせつは、佃の住民たるやくぺん先生も積極的に暴動に参加したいと思いますです。ちなみに、墨田もこのところ駅周辺の放置自転車撤去ということで、自転車が置きにくくなってます。
環境に優しく、無駄なエネルギーも消費しない自転車が東京ではこれほど冷遇されるのは、東京がコペンハーゲンやベルリンみたいな平らな街じゃあないからなんだけろうなぁ。無論、日本国の経済が巨大な自動車産業に支えられているからなのは、言うまでもない事実ですけど。

もとい。小生らの業種にとって、コンサート会場に行くのは、社交及び仕事の連絡が半分以上です。で、昨晩も会場でまたまた春から仕事がひとつなくなる連絡があり、極めて独特なブリュッヘンとNJPの駆け抜ける哀しみの世界に浸っていたわけでありますな。早く小生もブリュッヘンの境地に至りたいものだ。うん。

あ、そうそう、先頃この電子壁新聞に、雑誌『バンドジャーナル』大高編集長(もー、実名出しちゃいます)の「ブリュッヘンは古楽のフルトヴェングラー」なる至言を記したところ、業界関係者、はたまたオケマンからも「そーいやそーだわなぁ」という反応がありました。
で、昨日の会場での大高編集長、音楽編集界唯一のジャーナリスティックな才覚を発揮し、返す刀で言うよう、「で、アルノンクールが古楽のトスカニーニなら、さしずめノーリントンは古楽のストコフスキーですかねぇ」。以下、爆笑。わああっはっはっははぁ!
ま、ノーリントン氏とすれば、「古楽のビーチャム」と言われた方が喜びそうな気はするけど、あのお下品ギリギリの娯楽系音楽作りは、確かにストコフスキーだわなぁ。表の媒体には書けん。

ううう、また仕事が来なくなりそうなことを書いてしまった…

                            ※※※

さても、ブリュッヘン週間が終わった極東島国の首都とーきょー、ふと気付くと、この週末からクァルテット月間じゃあないの。以下、自分への月末までの動き方のメモを、まんま貼り付けます。クァルテットにご関心のある方は、参考になさってくださいな。

●8日(木)&9日(金):芸大奏楽堂室内楽定期 卒業発表会で、K.387やらメンデルスゾーンの作品44の2やら、いろいろあります。午後6時半からで有料公開です。
●9日(金):イェルサレムQ 武蔵野
●9日(金)&10日(土):紀尾井シンフォニエッタが、あのケルビーニQ(ご存じの通り、EMIが一頃やたらと録音して力を入れていた団体だったが、フィッシャー=ディスカウの息子のチェロがオケに入ることを選んだために解散)以降、ドイツでの室内オケ指揮の帝王になりつつある元第1ヴァイオリンのポッペン氏が、自分の編曲でヴェーベルンのクァルテットを指揮します。これって、作品番号がある方の曲なのか、それとも1908年の奴なのか、どっちなのかしら。なんにせよ、番外編ですな。ポッペン氏という方は、とてつもない場所で会う人で、マニラの日本大使館主催演奏会でいきなりお会いしたことがあります。ホント、驚いた。マニラのユースオケを指導に来ていたという。
●10日(土):テレビマンユニオン主宰で若い連中にクァルテットを組ませてマスタークラスを公開でやるシリーズ、モーツァルト編の発表会。紀尾井小ホールにて2時から。←佃例大祭に向けた最初の二丁目と三丁目の新佃連合町会役員会があるので、小生は行けません。
●14日(水):大倉山 アンサンブル・ステラ
●15日(木):パシフィカQの晴海レジデンシィ始まる。午後5時くらいから銀座のどっか。
●16日(金):パシフィカQ 中央区のどっか
●17日(土):紀尾井H東京Q、津田ホール松尾発表コンサート(フォーゲル、アルモニコ、エク)、文化小ホール日本モーツァルト協会パシフィカQ これがぜええええんぶ2時から。おいおいおい!
●18日(日):フィリアH東京Q
●19日(月):墨田小NJP室内楽シリーズ、王子H東京Q、サントリー小ツェトマイアーQマスタークラス これがぜええええええええんぶ7時から。おいおいおいおいおい!
●20日(火):サントリー小ツェトマイアーQ、トッパンH東京Q、鵠沼室内楽協会パシフィカQ これらがぞぇえええええええええんぶぅう……えええい、もーどーでもいいわい!
●21日(水):晴海第一生命HパシフィカQ、サントリー小ツェトマイアーQ
●22日(木):神奈川県橋本コルビヌスQ←小生はまるでこの団体知りません、全く知らない団体というのも珍しいので興味はある。山根三銃士の山根先生追悼演奏会の日なので行けませんが。
●23日(金):武蔵野 ツェトマイアーQ
●24日(土):横浜のどこかで昼 パシフィカQ、紀尾井午後7時から 20世紀の音楽展 エクが野平さんのSQ弾きます

これ以外も、煩雑になるので挙げてませんが、ゲンダイオンガクの2月らしくあちこちで現代作曲家の新作Qが披露されたりしてますね。

まあ、毎度ながら、業界どおし首を締め合うような日程を作って、わずか300人しかいない東京圏のクァルテット聴衆を奪い合っている姿は、総理大臣を筆頭にあらゆるものがマーケッティングリサーチで動くようになった1990年代後半以降の末期的資本主義ニッポンとは思えぬ、まことに健全な業種だこと(要するに、イェルサレムQと東京QとツェトマイアーQとパシフィカQが一緒に東京にいる、ということです)。いやはや。 


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