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白熊を征服する男たち [現代音楽]

自分の無知さに呆れる話です。

水曜木曜と、NHK交響楽団でアシュケナージが作品を披露する作曲家シグルビョルンソン氏は、現在晴海に滞在中、午前中には明石小学校に行ってきて、明日は旧GHQに昼間にロビコン、水曜日は晴海の本番で、木曜日は日本橋小学校で無料のサテライトコンサート、とお忙しいパシフィカQの第2ヴァイオリン奏者、シッビ・バーンハートソン氏の、伯父さんだか叔父さんだか、ともかく親戚筋であります。

「木曜の晩はフリーだよね。うん、アンクルがトウキョウにいて、アシュケナージが彼の曲をやるんで、会いに行くんだ」っていきなり言われたときは、ちょっとビックリ。

さて、まあオジサンも2通りあるわけで、母方の親戚なのかなぁ、と思ったら、なんとなんと、そんな単純な話ではない。説明を聞いて、へえええええ世の中は広いなぁ、あたくしめの常識では通用しないことはいっぱいあるものじゃ、とビックリしたですよ。

シッビも、勿論オジサンも、ついでにアシュケナージも、みんなアイスランド人です。人口20数万人、「なんか国中知り合いみたいなもの」とシッビは冗談でいうけど、たかだか中央区の倍程度、調布市くらいの人間しかいない国家なんですわ。実際、シッビはビョーク知ってるそうですし。
そう、アイスランドって、軍備を廃止しちゃってるんだっけ、NATOに委託して。つまり、この世に「アイスランド軍」というのはない。おお、それどころか、今、調べたら、昨年の秋に米軍基地を撤退させちゃってるそうな。つまり、丸腰です。でも、PKOはちゃんとやってます!これって、憲法第九条どころじゃあない。そんな国がこの世界にはあるんだよ、「平和ボケ」を罵倒するのがお好きな現実主義者の皆様、はたまたゴーマニズムまんせー世代の若者よ!それこそ「教科書では教えない」でしょうけどね。いやぁ、世の中広い。

で、そっちの話じゃあない。ええと、なんとなんと、アイスランド人には「姓」がないそうなんです。じゃあ「バーンハートソン」ってのは何かというと、「バーンハートの息子」ということ。姓がないと外国に行ったときに困るから、そういう風になってる。だから、お父さんと息子の「姓」に見える部分が一致しないことになるわけですわ。
ちなみに、アイスランドの電話帳というのはみんな名前で上がっていて、日本語にすれば「イチロー・パン屋」とか「イチロー・左官屋」とか「イチロー・漁師」とか、そんな風に表記してあるそうです。

へえええええええええええええええ…でしょ。

ま、そんなの知ってるよ、という方も世界にはいっぱいいるでしょーが、小生にはもう驚嘆でした。というか、以前、ある有名作曲家のプロフィルを書く原稿があって、どうしてこの人は父親と姓が違うんだろう、と不思議に思ったことがあった。その疑問がやっと解けた。いやぁ、生きているといろいろなことを学ぶことよ。ホントに。

なお、シッビの名前の方も、実は「シッビ」じゃなくて、何を隠そう「シグルビョルン」なんだそうです。長いので、みんな省略して呼んでいるとのこと。なんと、オジサンの「姓」の部分から「~の息子」を抜いたのと同じじゃあないの。つまり、シッビはお爺ちゃんと同じ名前、ということなんだな。
ちなみに、「シグルビョルン」とは、「シロクマを征服する男」だそうです!へええええええええええええええええええええ…!

全然「現代音楽」ネタじゃあないね。


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