SSブログ

イシハラ都知事を使い尽くそう! [音楽業界]

いくらなんでもこれはマズイと封も切っていない郵便物の山を処理していたら、昼になってしもーた。毎度ながら、この「自分に対する秘書業務」というのは面倒である。小生らの職種が、世間から「公的な職務」と認知された本当のプロフェッショナル業種(『プロフェッショナル原論』というトンデモ本ギリギリの新書でネタを仕入れて以来、佃厄偏庵でプチブームの表現なのじゃ)ならば、全てのギャラに3割上乗せして秘書を雇うべきなんだろうが…なんせ、来年度からの連載が急に2本なくなり(担当者諸氏に恨みがあるわけではありません、「紙面改訂で連載終わります、好評だったんですけど、有り難う御座いました」といきなり言われてオシマイなのが我らしがない売文業者の常なのですから)、家賃と保険がレギュラー原稿で賄えぬ危機水域に突入したワーキングプアとすれば、そんな話は夢のまた夢。いやはや。

もとい、で、先週来、気になってたこと。このところすっかり不安神経症がお顔に出てしまい、精神だけではなく肉体の健康も心配な我らが愛すべき東京都知事のお話。

ヤクザの恫喝と同じやり方で記者団を煙に巻いていたこの方も、この2ヶ月くらいの言い訳しようのないトーキョー・ワンダーサイトの騒動に関してのみは、すっかり低姿勢なのが哀れですね。さて、果たして首長のそんな空気が現場に伝わったのか、ワンダーサイトさん、いきなり「わたしたちはいろいろやってますよ、頑張ってますよ」という姿勢を示し始めました。事実のみを列挙すると…

Ⅰ:実質上のディレクター公募をまだ続けてます。これまで、この騒動が始まる前からディレクタークラスを、笑っちゃうくらい虫の良い条件で求めていたんですけど、どうも全然決まらないみたいで、騒動発覚の頃に募集し、なんだか知らぬが、また募集してます。ほれ。
http://www.rekibun.or.jp/promotion/20070126-work.html
募集しているのは、東京都歴史文化財団。小生はアホなので未だにここがどのような法律的な根拠でトーキョー・ワンダーサイトを運営しているのか判りませんけど、ともかく現場をやってる。騒動が始まった頃の財団現場の声では、「現場がふたり、出向で出ていて、もう業務が山のようにあって過労死しそう」ということだったんだけど。
ここで求めているのは、アートマネージメントは素人のトップふたり(トップが素人であっても、バランスある判断力と頭があれば問題はないんだけど…)の下で実質的な現場の決定を行っていく現場プロデューサーですな。前回の募集では、確か、「学芸員資格」だったのが「学芸員資格若しくはそれに準ずる」になってるんじゃないかしら。きちんと調べてないけど、誰か関心があったら調べてちょ。
なんにせよ、1年近く現場のトップを捜していて、ずっと決まらない、というのは尋常ではない。

Ⅱ:同じく、現場のアシスタントを求めてます。http://www.tokyo-ws.org/news/20070131_staff.html#assistant
リリースの下の方で、上はⅠです。歴文職員、なのかしら。なんか仕切りもよーわからんですなぁ。
現実問題、案外大変なのが条件の最初にある「現代美術、現代音楽等に興味をもっている方」なんじゃないかしら。つまり、現代美術と現代音楽の両方に商売レベルで関心を持つ専門家の卵というのは、案外多くないような気がする。どっちかなんですよねぇ。
まあ、ワンダーサイトの基本的なポリシーがどうもよく判らない、現象としてはどうあれ、マネージメントのポリシーとして、「アート系でいくのか音楽系でいくのか」が常にぶれてる感じがする(ホントは両方必要で、ポンピドーセンターとIRCAMみたいにすべきなんだろうが)。で、小生らの目から見ると、結局は音楽系じゃない人材を選んでる、という感じ。
現代音楽系に徹するなら、少数ながら、こういう場所での就職を希望する人はいます。他の場所から移ってきたい人、移ってきてやれる人も頭に浮かびます。ただ、かつては西武系のアールヴィヴァンとか、そのような「ゆくゆくは公立現代芸術施設のディレクターをやりたい」というⅡクラスの若手人材のプールがあったんだけど、今はそんな場所があるかしら。なんせ、日本のポンピドーセンター+IRCAM+バスティーユオペラを目指したオペラシティの惨状という前例があるからなぁ。うううん。北千住の諸君、いかがかね。

Ⅲ:小生の良く知る某ディレクター職の方に、いきなりワンダーサイトから招待状が来ました。ビックリです。ちなみに、小生には来てません。その方は、「どんなメーリングリストを使ってるんだろうねぇ」と不思議がっていました。
我々業界関係者は、リリースや招待状が送られて来ると、「この団体の広報は、いったいどんなラインの情報や判断で動いているのだろうか」と、相手の手の内を考えるのが常なんです。ワンダーサイトって、誰が広報やっとるんだろう?謎だ。
スイマセン、ワンダーサイトの広報の方、この電子壁新聞を読んでたら、個人宛にメールいただけませんかね。「やくぺん先生の如きしがない町場のヘッポコ売文業者には広報資料など送る必要なし」とご判断なさってる可能性は高いんだけど、歴史文化財団関係の仕事はそこそこやってるので、メールくらいは送る価値があると思いますよ。←自前の電子壁新聞で売り込んでどーする!

ともかく、現場にちゃんと音楽関係の状況が見えている人がいないのが困る。アート系は、そこそこの人がいるみたいだけど。
かつてワンダーサイトが立ち上がり、まるで「企画を公募している、他の芸術NPOとの連携をする」みたいな宣伝の仕方をしていた頃、某町場のNPOのディレクターが、パシフィカQのカーター弦楽四重奏全曲演奏会の企画書を出したことがありました。あの頃は本郷で、現代音楽の演奏会を随分いっぱいやっていた。アルディティQがラッヘンマンやったり、いろんなことがあった。こちら、公式ホームページにある、過去にやった様々なイベントの案内。
http://www.tokyo-ws.org/old/eventsonsite/index.html
このページをスクロールしていって、「コンサートシリーズ「音の境界線」 vol.1~8」というのをご覧あれ。コロンビア大学のミラーシアーターとか、エジンバラ音楽祭とか、クリーブランド美術館「アキ」現代音楽祭とか、ハイデルベルグ大学とか、そんな錚々たるとこでやって世界中の室内楽業界に大評判となった「エリオット・カーター弦楽四重奏全曲演奏会」を東京で開催するには、これ以上の場所はないと思うでしょ、まともなプロのアート関係者ならば。

ところが、どういうわけか、この企画は一発で却下されました。それどころか、現場の方は、例の建築家が本職の館長さんの奥さん(中国文学者さんでしたっけ)というトップから「こんな面倒な企画書、持ち込まないでよ」と叱られたそうです。「そうです」なんていい加減なソースみたいですけど、これ、ガチの事実です。http://sqcafe.at.webry.info/200612/article_2.html

まあ、イシハラ都知事お気に入りの館長さんの奥さんとは別に、実態としてこの音楽関係シリーズを差配していたのは誰か、どの音楽事務所か、業界関係プロならばこのラインナップを眺めれば、だいたいのところは読み取れるでしょ。というか、「このラインナップを眺め、誰がこのシリーズを実質的に差配しているか具体名で述べなさい(音楽事務所や制作プロダクション名でも可)」という質問は、今回のⅠで求めてるディレクターへの就職試験問題みたいなもんですね(ちょっと高度な応用問題なので、Ⅱのレベルの人材には無理かも)。この問題に正解出来ない人材は採っちゃダメ。
ええ、堅気の方のためにヒントを洩らしますと、「昨今の新聞報道で出ている名前は」です。その方の人脈を考えてください。

ま、そんなこんなで、小生の「トーキョー・ワンダーサイトはアヤシイ」という認識は、この事件があった今を去ること3年以上前からのことなんでありますな。

他にも「昨年秋から始まると発表があった某ピアニストのシリーズが、いきなりなくなって、その方は結局、文化会館を借りて自主公演でやってる」とか、音楽関係の企画決定に関しては疑惑だらけの場所であります。要は、ちゃんとものの判ったプロがトップにいない、ということ。まあねぇ、任せられてる方にしても、「東京都直営高級料亭の仕込みを素人さんが任されてしまったので、築地の魚河岸にその店にドンピシャな出物があっても、そうと判断できない」なーんて状況だもん。

とにもかくにも、誰でも良いから、まともな人が現場プロデューサークラスに早く入ってくれないと困る。せっかくマスコミが眺めていて、イシハラ氏としても「ほら、反省してますよ」と選挙に向けて言い立てたくてたまらないときなんだから、この状況を利用しない手はない。
政治家はしょせんは納税者の使い捨ての特別公務員なんです。みんなで我ら都民の下僕イシハラ氏を利用し、骨までしゃぶっりましょう(幸い、都知事が動かせる合法的暴力組織は警視庁止まりだから、非武装市民としても軍隊を動かせる首相よりは喧嘩相手として安全だし)。イシハラ氏の焦りと小心者の瞬間湯沸かし器みたいなキャラをどんどん利用し、ワンダーサイトをきちんと運営する方針を出させ、誉めてあげましょう!そのうえで、お疲れ様、と選挙では別の候補に投票すれば良い。


nice!(0)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽