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グラーツ大会が弦楽四重奏部門を廃止 [弦楽四重奏]

ちょっと残念なニュースです。

来年初めにグラーツで開催される予定の第11回国際室内楽コンクール「フランツ・シューベルト&モダン」、所謂「グラーツ大会」ですな、要項が送られてきて、ボーッと眺めていて、あれぇ、と思いました。こちらが公式Webサイトのホームページ。
https://schubert.kug.ac.at/en/

さらっと書いてあるので一瞬なにも思わずに読み流してしまいそうだけど、大会として大きな改革があります。
https://schubert.kug.ac.at/en/competitions/franz-schubert-and-modern-music-2022/competition/
なんと、科目が「声とピアノの二重奏」と「ピアノ、ヴァイオリン、チェロの三重奏」となってます。あれ…第10回までずっと続いてきた弦楽四重奏が、ない。

グラーツといえば、ともかくシューベルトを弾く。それに、所謂「現代音楽」をメインに据える。その両輪をはっきり示し、古典やベートーヴェンはスッパリ捨てる、というやり方。

やくぺん先生としてはこんなに面白い大会はなかったのだけど、実際に現場で見物したのはオーストリア・アルプスの向こうトリノで冬季五輪をやってる真っ最中に開催された年だけ。優勝団体はなく、一位無し2位がミネッティQだったとき。今や飛ぶ鳥落とす勢いのアマデオ・モディリアーニQを初めて聴いたのがここで、この時点ではまだまだコンクール見物というレベルだった。未だにあたしゃ、なんで評価されてるか判ってない団体なんだわなぁ。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2006-02-17
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2006-02-17-1
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2006-02-19
ま、この辺りをご覧あれ。

なんせカルミナQのシュテファン・ゲルナー(お元気なのか…)が審査委員長をやってて、まあ、ともかくイケイケでしたな。このときは、歌、トリオ、それに弦楽四重奏の科目でやってた。

弦楽四重奏としては、イェルサレムQが唯一出た国際コンクールとして知られ(てないか)、日本ではQアルモニコがその次の大会で勝ってる。その後は、前回2018年にシンプリーQが勝ってる。

そのように誰にでも判るハッキリとしたポリシーがあり、歴史も積んでおり、「国際F3000欧州選手権」くらいの評価が確定していた大会が、弦楽四重奏を科目から落とす。これが「今回はトリオで、次回は弦楽四重奏」みたいなやり方になるのか、まだ判りません。メールして尋ねればいいんだろうけど、ディレクターさんがどういう人かなど調べてからにした方が良いだろうなぁ。

正直、コロナ後の室内楽業界のレベル維持が心配されるところにこういうニュースが入ってくると、心配するなといっても心配になるなぁ。理由のある決断なんだろうけど。

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