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裏九州芸術祭駆け足巡り [たびの空]

取材の時間が全く見えないために金曜日の朝4時起きで佃縦長屋を出て、天樹やら狂気の五輪会場林立する湾岸地区の向こうに旭が昇ってくるのを眺めながら大川越え
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最寄りの地下鉄浅草線宝町駅まで歩き、始発の京成高砂行きに乗り込んで旧葛飾巨大柿の木跡最寄り駅まで。北総線を突っ走る21世紀の弾丸列車普通に乗り換えて成田第3ターミナルに至ると、そこはもうコロナやら緊急事態宣言やらは何処に、いつもの夏休みご家族帰省旅行の子連れ若者喧噪が広がっている。

なんのかんの、鹿児島空港に到着、さっさと路線バスで霧島音楽祭が行われている「みやまコンセール」に急ぐ。ホールでやっとこの日の動きが見えてきて、無事に「実際に行ってみないと判らない」取材が出来たのは、既にお伝えしたとーり。

先生達が泊まる立派な温泉観光ホテルからいちばん近い門限九時(!!)の民宿で一夜を明かし
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いくつか付帯取材があり得たのだが、メイン取材対象の松原先生から「昨晩は受講生含め誰も居ないホールだったら問題なかったけど、今日はお客さん含め人がいろいろ動くので、無理はしないほうが良いでしょう」という判断があり、それに従うことにいたします。

てなわけで、朝、ずるずる荷物引っ張って民宿を出て、霧島温泉の観光シンボルにされているらしいアヒル隊長の様子を温泉街で眺め、生徒さんや先生に評判のデイリーヤマザキが自分で作ってる豆大福を購入し、ノンビリと「みやまコンセール」に向かう。なんのかんの、堤先生やらにもご挨拶だけはして、本番を拝聴。おおお、やっぱり「練習→インタビュー→本番」というプロセスを経るといろいろと話の突っ込み先が増えるなぁ、と大いに満足し、終演後に裏でウロウロして余計な迷惑をかけないために事務局にお願いして呼んで貰っていたタクシーに飛び込み、アヤシげな雲行きになっていた空とアヤシげな霧島地区の観光の現状を憂うタクシーうんちゃんのぼやき節を聞きながら
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大枚3190円払い所はここと、日豊本線は霧島神宮駅に到着するのであった。

ホントは青春18キッパーとなって延々と北上するのが身の程なのであるがぁ、なんせこの裏九州縦断路線には各駅停車が1日に早朝と夕方に2本しかないというとんでもない難所がある。霧島温泉駅の駅員さんも「青春18の人も諦めて特急に乗るみたいですよ」とニヤニヤしながら仰る宗太郎越えに付き合ってる暇は流石にないので、躊躇なく由布院駅までの普通乗車券を購入。サウナの中にいるような誰も居ない広い待合室で霧島温泉観光事務所で買ったおにぎり弁当を喰らい
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各駅停車都城行きを待ち、やってきた2両編成に乗って西都城。無駄に広い駅舎で宮崎までの自由席特急券を購入し、かなりくたびれたつばめ型特急車両でこれまた音楽祭開催中の南国宮崎に向かうのであったぁ。

※※※

朝飯を宮崎名物ふにゃふにゃ饂飩にするためだけにこの街ではいつも宿泊することになってしまっている駅と芸術劇場間くらいのビジネスホテルで一夜を過ごし、遙か八紘一宇の碑を眺め、妙に名店化が進んでいるふにゃふにゃ饂飩を喰らって
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音楽祭真っ最中の劇場に歩き、地元のドンK先生にご挨拶しダラダラとお宅でどーでもいい話をしながらお昼をいただいてしまい、音楽祭特別弦楽八重奏アンサンブルを見物。この音楽祭、スターンが来ていた頃から室内楽にはホントに最適の場所が微妙になくて、今回ももうちょっと小さい空間でやれなかったのかなぁ、と力演を残念に感じていたら、明日のどこぞへの出張公演が実質上の本編演奏会だとのこと。
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うううむ、なんせ昨日霧島で弾いていたチェロ嬢も参加しているアンサンブルなのじゃ、なかなか贅沢なことをしてるんだなぁ、この音楽祭。

ま、例年なら5月で大阪のコンクールやらと重なる開催時期が、コロナのお陰でここまでずれ、久しぶりに空気にだけは触れることが出来ました。ありがとーございます、と皆様に挨拶し、宮崎駅までまたまたタクシーを吹っ飛ばす。会話内容は、殆ど昨日の霧島と同じ。「バスが深夜過ぎまでったのがなくなってねぇ」という話題が加わるのは、流石に宮崎市は大都会じゃわぃ。

大分に向かう特急にちりんの発車5分前に駅になんとか辿り付き、自由席特急券買ってホームに走り込むと、直ぐにまたまたつばめ型車両がいかつい顔してやってくる。
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なんせコロナで大幅減便、これを逃すと1時間半も空いてしまうのであーる。宮崎大分は、昔からゆふいん音楽祭を終えて霧島音楽祭に向かおうとする演奏家が難儀していた箇所で、今は都市間高速バスも運休中。延々と日豊本線で北上するしかないのですぅ。かつてのシーガイア眺め、由布院駐屯地のニッポン海兵隊と連動する垂直離着陸雷電の塒になるという新田原の横を抜け、先程のオクテットが明日やってくるという門川っちゅう街に挨拶し、びっくりするくらい文化都市な延岡の文化センターを遙かに眺め、いよいよ宗太郎越え。まるでトンネルが出来る前のミラノからチューリッヒに抜けるトレニタリア優等車両みたいな空気を醸しながら豊後の国に入り、別府湾の向こうに湯煙たなびく超大都会大分に到着するのであった。

※※※

またまた明けて翌朝、すっかりおされになった大分駅から相変わらずオシャレの欠片もない久大本線各駅停車に揺られ由布院町に入り、なんのかんのなんのかんの用事を済ませ、この用事でお世話になった某氏にご挨拶せにゃとかつて音楽祭ボランティアが泊まり込んだ金鱗湖畔の某所の扉を開けると、おおおおおぉお久しぶり、と声が飛んでくるぞ。なるほど、今年はこの盆地もコロナで日程が滅茶苦茶で、本来なら6月の筈がこの週末に開催されることになっているドキュメンタリー映画祭の見慣れたスタッフ連中が、打ち合わせの真っ最中であったとさ。
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かくて、駆け足たびの空、どこに行っても芸術祭行脚、一巻の終わり。落ちも、ネタも、ありませんっ。

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