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今年のアジア・オーケストラ・ウィークは… [音楽業界]

昨日、文化庁主催お盆のオペラシティでのプチ「地方都市オーケストラ・シリーズ」を話題にしたついでに、こっちも取り上げておきましょうか。

毎年、文化庁さんが主催して日本各地、というか、最近はオペラシティと東北311被災地のどこかで開催されている芸術祭の開幕を飾る「アジア・オーケストラ・ウィーク」、昨年はそもそもトーキョー2020疲れでやるんだかやらんだか判らん妙な空気だったところにコロナ禍で、結局、やるもやらんもない中止にきまってるでしょ、って感じで過ぎてしまった。五輪関連で文化予算を使い果たしてしまった今年はどうなるのか、なんせまさかコロナ禍がここまで引っ張られるとは思ってなかったし…

ったら、どうやらちゃんとやるようです。ほれ。
https://yufuinbkff.wixsite.com/bunkakiroku

なーるほど、こういう手があったか、と恐れ入るラインナップですな。いや、批判や皮肉ではなく、ホントに心から驚嘆しておりまする。

公演は10月4日から7日まで、会場はオペラシティのみ。参加団体も、大フィル、読響、東フィル、セントラル愛知と東海道新幹線で来られる団体に限る。出演者も指揮者ソリスト国内アーティストのみ。

うううむ、どこが「アジア・オーケストラ・ウィーク」なんじゃい、と机を叩きそうになる貴方、まあまあ、演目をご覧あれ。ベートーヴェン《運命》、ドヴォルザーク《新世界》、ドビュッシー《海》、ストラヴィンスキー《火の鳥》、などなど泰西名曲以外の演奏予定曲目を、団体演奏者無視し演奏される順番でだああああっと列挙してみると…

★グエン・メイツィ・リン:「穏やかな風」オーケストラのための
★細川俊夫:月夜の蓮―モーツァルトへのオマージュ―ピアノとオーケストラのための
★ベイサン・ユン:Bara(1960)
★陳鋼&何占豪:ヴァイオリン協奏曲 「梁山伯と祝英台」
★冨田勲:交響詩「新・ジャングル大帝 2009年」
★冨田勲:「ドクター・コッぺリウス」Rise of The Planet 9より
★山田耕筰:序曲ニ長調
★貴志康一:ヴァイオリン協奏曲
★ペルト:東洋と西洋

いやぁ、やってくれるわ、なるほどねぇ。この手があったか!

恐らくは、最も多くの注目を集め、人々が詰めかけるのは、冨田勲の《ジャングル大帝》組曲でありましょうなぁ。独奏者の都合であまり無茶は出来ないコンチェルトにも、よくまあこれだけ定評のある定番作品(若しくは定番になりつつある作品)を並べて来たものだ、と。

流石に「現代音楽」カテゴリーにするにはちょっと躊躇するラインナップではあるものの、こういうときなんだからこういうものをしっかり聴かせちゃいましょう、という割り切った企画、大いに賞讃せねばならんでしょうなぁ。無論、欲を言えばあれこれ言いたいことはありますけどねぇ、ま、そういうもんはまた別の機会があるでしょうし。

10月の頭、ちゃんとやれると良いんだけど…どうなることやら。

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