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鎮魂の日に [音楽業界]

狂気の世界大運動会なんて終わればみんな3日で忘れる一過性イベントはともかく、世間で8月6日といえばヒロシマ原爆忌であり、佃住民とすれば住吉さんの大祭が始まる日。だけど、やくぺん先生のお宅では亡母の命日になっていて、ましてや今年は十三回忌。真言宗という宗派ではどういう風に扱われるかよー知らんけど、世の中一般とすればご家族郎党お寺さんに集まって坊さんに読経してもらい、もう12年にもなるんだねぇ、などと言いながら田舎の料亭で昼からビール飲んだりする…筈だったのでありまする。

とはいうものの、いよいよニッポンでは世界運動会が終わって世界から1年ずれた、ってか、アジア周辺諸国に足並みを揃えて、なのか、ともかくこれまで以上に厳しいロックダウンに近いことが起きてくるのはよーいによそーされることなのであーる。当然のことながら、十三回忌ともなれば母方の親族弟妹それなりに後期高齢者揃いとなっており、いくらワクチン打ったからとはいえ、あちこちから頭の上に成田に向けて降りていくカーゴMD11やら320やらが通う千葉の東外れまで来て貰うわけにはいかぬ。かくて、昨日は親族のところを巡り、十三回忌法要は出来ないけどいつも墓の維持管理ありがとうございます、と坊さんに納めるお布施集めてまわる。

明けて本日は、ヒロシマ式典の市長挨拶だけを拝聴し佃大川端の縦長屋から東京駅まで出て、京成高速バスで湾岸住民には15年越しの狂気の祭りにも終わりの空気が漂い始める「ああ、あれをどうするんだろーなー」って施設横目に眺め
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でっかいカーゴジャンボが頭の上をかすめる成田空港アプローチ下を潜って
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バス停真ん前のお寺さんに至り、朝から法事が三本入って大忙し、と電話の向こうで高笑いしそうだった坊さんに今年はこういうわけで集まりが出来ませぬがよろしくお願いします、と頭を下げ渡すもん渡し、ヒヨちゃんギャーギャー叫ぶ下にぐぁじゅいぐぁじゅいと墓掃除をして…

かくていろんな風な追悼が幾重にも層を成す昼間が過ぎていく。

祭りをブンカで最後に大きく盛り上げる筈だった上野の杜の《マイスタージンガー》も、皆様ご存じのように、一昨日だかに全て中止と決定。
https://www.t-bunka.jp/stage/10110/
おおおおお、という悲鳴があちこちから揚がったのではありますが、明日土曜日はなんだか知らぬがコロナなどない世界でもあるかのようにいろいろ演奏会が重なっている日で、なんだか知らぬがそれらはキャンセルにはなっていない。もの凄く元気の良いダヴィッドが聴けなかったのはちょっと残念だけど、まあこういうこともあろうと諦め(秋の初台は行く気はありません)、神様の巡り合わせ、お前はそもそもこっちを聴くべきではなかったのかい、ということなのであろう。こんな演奏会を聴かせていただくことになりましたです。
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https://archives.geidai.ac.jp/4294/
https://readyfor.jp/projects/senbotsu2020/announcements/176354

説明は不要、上のサイトをご覧あれ。文字通り、鎮魂の音楽会であります。残念ながらこの演奏会、盛況にして既にチケットはないとのこと。残念、と思った貴方は、是非こちらへ。
https://toukon1956.com/?event=matsuri-42
こちらも多くを語る必要などありますまい。知る人ぞ知る、旧第一生命ホール時代からこの場所と深い関わりを持つ東混さんが、ホールが晴海に移ってからはここに場所を移して毎年開催している「原爆忌に《原爆小景》を聴く鎮魂の日」でありまする。

なにせ場所が場所(GHQならぬ公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、第一生命ホールと同じビルに入ってます)、果たして今年は無事に開催されるのか心配でしたが、どうやら行われるようですね。配信もあるみたいだし。

祭りが終わる虚しさが既に漂い始めた湾岸に「ミズヲクダサイ」が響き、いつもの、鎮魂の夏が往く。

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