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東京芸術見本市には音楽展示が少ない [音楽業界]

正午に東京国際フォーラムの第11回国際芸術見本市http://www.tpam.or.jp/のアプリケーションカウンター前でクァルテット・エクセルシオの連中と会うことになっている。あっ、こんな時間だぞ。慌てて出ねば。

1年半ぶりの開催となるこの芸術見本市、外務省系の国際交流基金も大きく関与し、日本で唯一のホントに国際的な舞台芸術の見本市だ。昨年夏、ゆふいん音楽祭前に顔を出した大阪の芸術見本市http://blog.so-net.ne.jp/yakupen/archive/20060729も規模は大きいけど、内外の劇団やダンスカンパニーがこれほど多数「俺たちを買ってくれ」と集まるイベントは日本には他にない。ウズベキスタンの演劇団体がコーランに霊感を受けた舞台を連れて来日しているのも、これが理由だし(昨晩電話で話した担当者に拠れば、やっぱり「この作品は危険過ぎて我が国では上演不可能、とアフガニスタンなどのアーティストはうらやましがっている」とのことです)。

なんであれ、もう出かけねばならぬ。我らがクァルテット・エクセルシオといえば、本日は見学です。当初、自分らでブースを出す(=訪れる日本各地のホール主催者とカンパニーが商談を行うスペースを有料で買う)、という話もあったのだが、いろいろ検討した結果、見送りました。理由は簡単で、「どうも音楽関係のブース展示は殆どなく、音楽関係の担当者はあまり来ない」と判断したからであります。純粋に手間と対費用効果の問題ですね。初期にはクラシック音楽関係もいろいろあったのですが、回を重ねる毎に減り、前回一昨年9月など純粋音楽関係は邦楽ものばかりだった。

はて、演劇や舞踏はかくも華やかに各カンパニーが商談会を行うのに、なぜに音楽は低調なりや?どうして国際フォーラムは、NYは42番街のホテル宴会場で開催されるチェンバー・ミュージック・アメリカみたいにはならぬのか?
この問いに真面目に答えていくと、我らが「日本文化圏のクラシック音楽業界」の特異性と問題性、はたまた歴史的な構造、演奏家のメンタリティ(芸術と己の対峙の仕方)など、良い点悪い点取り混ぜ延々と述べたてられる大議論となるのであーる。でも、そんな暇はないぞ。大川越えてチャリチャリ出かけねば。昼間に銀座を突き抜けるんで、田舎町佃から有楽町まで20分くらいかかってしまう。

とにもかくにも、国際芸術見本市、昨日から東京国際フォーラムで開催中です。小生とすれば、ラ・フォル・ジュルネよりも余程重要なあの場所での年に一度のお祭りでんがな。

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てなわけで午後3時前、有楽町から戻ってきました。国際芸術見本市の会場はB棟の上の方、なんかいつもごった返している国際フォーラム全体からすれば、やってるんだかやってないんだかわからんような場所です。でも、長いエスカレーターをどんどん上がった7階の受付は、いろんな国の人で溢れてました。昼間のランチミーティングがあったからみたいですけど。

そー、この緑色の女性、かのクァルテット・エクセルシオの第1ヴァイオリン女史ではあります。

エクは午前中からのセッションを眺めていたそうで、異なるジャンルの芸術家やらディレクターの方たちのいろいろな発言、意見、展示などに、いろいろなことを思っていたようです。基本はやっぱり舞踏などなんで、へええ考えてることや問題意識が違うなぁ、と驚くのがまず最初みたいですけど。

で、エクの皆さんと飯喰いながら必要なことを話し、エクマネさんとちょっと話し、じゃあその件は検討しておきましょう、と別れて、税金作業と原稿が山積みになってる佃オフィスに戻ろうと自転車置き場(なんとなんと、東京国際フォーラムには正規の駐輪場があります)までとことこやって来たら、「Hey、Yakkupenn-san!」と声をかけられる。そこにいるのは、カナダの現代音楽や現代演劇系のマネージャーさん。1月のNYでは小生が彼女のブースに行ったときにたまたま外出中で、会えなくて残念だった辣腕レディBさんではありませんか。なんせ、さっきまでエクの連中とカナダの大学でやったアルディッティQのマスタークラスについて話しをしていたばかり。それを仕掛けた張本人と、有楽町ビックカメラの前で自転車チャリチャリ押した状態で会うなんて、やっぱりこの世界は半径30センチくらいで出来てるぞ。
んで、ひとしきりタン・ドゥンのオペラについてデカイ声で立ち話で議論し、「ゴメン、今、タックスの真っ最中で、それに明日の夕方にアルテミスQ聴きに香港行くんねん。うん、金曜午後に帰ってくるけど…ああ、木曜に帰っちゃうんだぁ。じゃあ、またどっかでね」とバイバイ。チャリチャリと戻って参りましたとさ。彼女は小生が知る中で唯一のタン・ドゥン「始皇帝」擁護派でありました。ま、仰りたいことは判るけどね。「北京五輪の文化参加作品には最高だ」という点では意見が一致しましたとさ。

ちゅーわけで、芸術見本市には少しは音楽関係の人もいるぞ、という報告でした。なお、明日の夕方の「評価を巡って」のシンポジウムですが、もうどーしよーもないほど満杯だそうです。どなたかがレポートしてくださるのを待ちましょう。


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