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誰が為に自動搭乗確認機は或る [たびの空]

成田第1ターミナル、北ウィングの3階ラウンジです。遙かトウキョウ方面から差し込む西日がひどく眩しい。あ、今、やっとブラインドが下がった。このラウンジ、サテライト上の4階ラウンジに比べるとひどく狭く、パソコン対応の仕事っぽいブースはもういっぱい。みんな勝手にライトの電源引っこ抜いたりして、普通のソファでお仕事してる。
なんせ北米からアジアに向かうスカイチーム旅客のハブたる成田だもの、午後から夕方に向けてのラウンジは日本を素通りし好景気のアジア各地に向かうビジネスマンでいっぱい。京成成田空港行き特急の車内でなんとも騒々しかったお休み遊び旅行の女子大生のおじょーちゃんたちが醸し出すキャピキャピした空気とは大違い。ホントにビジネス用ラウンジですな。

午前中にテープ起こし原本をひとつ入れ、2006年度税金ソフトをパソコンにようやく積み込んだら午後2時。今回は超特急の貧乏ツアーなので、TCATから3000円也のリムジンバスもモッタイナーイ。で、パスネット使い地下鉄と京成で、延々と成田空港まで到着したわけであります。

さても、「香港滞在実質30時間、なんせ税金手つかずだ、二泊三日で出発日と帰国日もしっかり働くぞ超特急ツアー」なんぞアホをやる理由は、おいおいまた。一応、小さな記事を書くことになっているので取材仕事だから、内容は明かすわけにはいかぬ。5月発売「音楽の友」誌をご覧あれ、とだけ申しておきます。それにしても香港芸術祭の広報ねーちゃん、木に竹を括った対応、というか、いかにも香港チャイニーズつっけんどんねーちゃんというか、気が短く喧嘩好きの血が騒ぐようなこの数日のやり取りだったなぁ。いやはや。

もとい。さて、成田の第1ターミナル北ウィングに到着し、スルスルとビジネスクラス・チェックインカウンターに入っていくと、並ぶのはマシンばかり。カウンターはあるけど、おねえさんやオジサンはいない。911前頃から北米各地の主要空港には導入され、大混乱を巻き起こしていたあのセルフチェックインマシンが、カウンターの前にドカンドカンと並んでいるだけじゃあーりませんか。
不思議なことに、それぞれのマシンの近くにスタッフがウロウロしている。どうもマシンひとつにひとりが張り付く格好になってる。おいおい、これじゃあ全然人減らしになってないぞ。うううん。

でもあたしゃ関係ない、なんせ家でチェックインして、ボーディングパスまでプリントしてあるんだからね!と、空いた端末にパスポートをかざしてそれでOK、と思ったら、なにやら日本語のアヤシイお兄さんが寄ってくる。「お客様、パスポートを…あ、既にボーディングパスをお持ちですか…」と、パスポートと佃厄偏庵で今朝4時頃にプリントした搭乗券を奪われてしまうのであった。

あれぇ、結局、セルフチェックインマシンを操作するのは、あたくしじゃなくスタッフのお兄さんなんだ。

さて、お兄さん、まず、A4紙っぺらに印刷された搭乗券のバーコードを、懸命に画面に押し当てている。「おや…」などと呟きながら、何度もギュウギュウ押してるぞ。いくら待っても表示画面が変わらぬ。「すいません、こちらへ」と、別のマシンの前に連れて行かれる。ま、香港滞在30時間でチェックイン手荷物一切なし、大阪日帰りくらいの格好の身軽な客ですから、どこに動かされようと結構ですよ。はい。

今度は自分でやらせてくれるかと思ったが、お兄さん、なんとしてもやくぺん先生を無事に機内まで送り届けねばならぬと強い決意を固めていらっしゃる様子であるよ。新端末もなかなかバーコードを読んでくれなかったけど、やっと数回のトライの挙げ句、マシンさまのお許しが出た。
さて、次はパスポートのチェックであります。別の画面にパスポートをぺたっと押し当てます。なんか一生懸命読んでるんでしょうねぇ。あ、またダメだぁ。お兄さん、なんか意地になってるぞ。はい、頑張ってください、マシンも、それから人も、ね。

てな調子で、カウンターで美女が謎の番号を次々と入力する旧来のやり方の方が余程早いのではあるまいか、という大きな疑念を抱きつつ、佃の庵でプリントアウトした搭乗券は没収され、マシンがピロっと吐き出したペラペラな搭乗券を手に、手荷物検査と出国手続きを終え、なかなかしっかりしたカリフォルニアの白ワインをラウンジでグビグビあおる「やくぺん先生まだ地面」でありまする。

それにしても、あのセルフチェックインマシン、地上従業員を減らす役には立ってないし、隣の隣くらいでは日本のしゃちょーさんみたいなオッサンがなにやら怒り出してるし。少なくとも我らが成田空港では、まるっきり意味がないんじゃないかしら。エコノミークラスなら、まあこんな面倒もコストカットのためには自分でやらねば仕方あるめぇなぁ、なんせ安いんだから…と納得してあげようも、他人にものをやって貰うのに慣れ切ってるビジネスクラスのカウンターでは、やっぱりおねえさんがニコニコとカウンターの向こうで相手してくれた方が良いんじゃないの。
北西航空公司の方、この電子壁新聞、見てませんかぁ。ちょっと前までは、ノースウェストさん、勝ち鬨に東京オフィスがあって、佃のお隣さんだったんですけどねぇ。

成田→香港の時間的距離は、ちょうど新幹線の東京→博多くらい。上海やソウルに比べると、案外、遠い。もうちょっとで懐かしの越南だぞ。現地滞在30時間のたびの空、どうなることやら。次の更新はネーザンロードを見おろす高層宿か、はたまた再びトーキョー湾岸は厄偏庵かっ。

                             ※

かくて深夜、見おろすはまだまだ騒々しいNathan路、そして湾を隔てたワンチャイ近辺。

なんだか一昔前に比べると、怪しくも絢爛豪華な電飾看板が少なくなったような。摂氏12度、湿度は85%。


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