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若者たち・Part2 [音楽業界]

来る水曜日21日は、なんだか知らぬが昼間の演奏会が山のようにあり、あちこちでバッティングし取材やらご招待を断らねばならぬ羽目に陥っております。取材依頼やらなんやらで小生に関係あるコンサートだけを列挙してみても…

・上野の森美術館VOCA展ミュージアム・コンサート←来年はMIMで取材します、ゴメン
・新日本フィル「ローエングリン」←キャストに先頃コペンハーゲン歌劇場で見物した顔もいるなぁ
・SQWプレアデスQ←このシリーズ始まって以来、唯一のマチネー公演でありますな
・西新井文化ホール・スチューデントプロデュース白石光隆コンサート

って、まあこれだけ、地味に派手に並んでる。他にも、新国立劇場「運命の力」、東京のオペラの森「タンホイザー」、こんにゃく座「森は生きている」、東フィル、神奈川フィル、日フィル「カルミナブラーナ」、バッハ・コレギウム・ジャパン「マタイ受難曲」、東京バッハ合唱団「マタイ受難曲」、かずさアカデミア記念コンサート、チャールズ・ナイディック夫妻セミナーコンサート、わせおけ…。なんなんでしょうね、これは一体。まあねぇ、季節柄マタイがいっぱいあるのはしょうがないでしょうけど、その上でヴァーグナーのデカイものとヴェルディのデカイものを一緒にやってるんだから、トーキョー圏でいまさらフェスティバルなんてやる必要なんぞ、サラサラないですな。

さても、そんな中で、最も地味そうなんだけど紹介しておきたいコンサートがあります。西新井の駅から徒歩数分の西新井文化ホールで開催される、「スイッチピ!あのコンサート」なる素っ頓狂な題のコンサートです。

この演奏会は、西新井文化ホールを拠点に活動している(財)足立区生涯学習振興公社が主催する、所謂「公共ホールの自主公演」なんですけど、想像付く方にはお判りのように「素人の学生さんが制作するコンサート」なんですわ。財団側が演奏家と会場を用意し、地域の学生さんに呼びかけて演奏会を造り上げて貰う、という企画。晴海のNPOトリトン・アーツ・ネットワークが過去に2度吉野直子さんでやった「高校生プロジェクト」をヒントに、足立区の文化財団の方が是非ともうちもやってみたいと、昨年の前半からいろいろと準備した。その本番が21日ということであります。説明が面倒なんで、このホームページを見てください。ちょっと殺風景なページだけどねぇ。
http://www.kousya.jp/bunka/nishiarai/student/index.html
中身はこっち。http://www.kousya.jp/bunka/nishiarai/event/070321.html いろいろ説明するより、担当広報からの案内を貼り付けちゃいます。えいっつ。ちなみに、「スイッチピ!…」ちゅー、背筋が寒くなってとても口に出来ないようなコンサートのタイトルも、10代後半のお嬢さんたちが一生懸命頭を捻って、議論して、インパクトのある題名として考えたそうな。うううん、なるほど、そーかぁ、わしゃオッサンであると証明されたわけだな。ついでに、業界的な視点として、こちらもどうぞ。
http://blog.goo.ne.jp/shink_2006/e/da9239f6c749b651288c4c454eaf559e

                          ※※※

                 「スチューデントプロデュースコンサート」
                  私たちが発電所!学生からあなたに
                     スイッチ ピ!あの コンサート
出演:白石光隆(ピアノ) 公演日:平成19年3月21日(水・祝)15:00 会場:西新井文化ホール

                          ご案内
春分の季節、ますます御健勝のこととお喜び申し上げます。日頃より格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
さて、いよいよ3月21日(水・祝)に西新井文化ホールにて「スチューデントプロデュースコンサート スイッチピ!あのコンサート」を開催いたします。
このコンサートは、企画・制作・広報・運営などすべて高校生、大学生の若い世代が行うという企画です。約10ヶ月かけて、私たちの手で一からコンサートを創り上げます。
昨年の5月から、参加者募集のポスター制作や、コンサートのコンセプトづくりなど、白石さんからのアドバイスをいただきながら、週一回のミーティングで話し合いを進めてきました。
今回、皆様にはぜひこのコンサートにお越しいただき、「大人」の皆さんが作る一般のコンサートとは、ひと味もふた味も違うコンサートを楽しんでいただきたいと思います。(中略)多くの皆様に私たちの作ったコンサートへご来場いただきたいと思っています。

日時:平成19年3月21日(水・祝)15:00開演(14:00開場)
会場:ギャラクシティ西新井文化ホール(東京都足立区栗原1-3-1)
問合せ:(財)足立区生涯学習振興公社 文化事業課
℡:03-3850-7931 Fax:03-5831-8660 e-mail:bunka@kousya.jp
担当:遠田・中山

                           ※※※

先鞭を付けた晴海のNPOは、運営予算の問題などで次回の開催が未定になっておりますので、このような試みが各地の公共ホールに飛び火し、あちこちでやられるのは素晴らしいですね。実は、このような企画、冷静に考えるとなかなか公共団体が主催するのは難しいんですよ。だって、「一般の人、ましてや高校生や大学生を公募し、(少額足りとはいえ)公的な予算を差配する裁断を任せる」わけですから。民間のNPOやら企業が勝手に金を使うならともかく、公的な資金で運営される地方公共ホールの財団の場合には、想像を絶するいろんな面倒なことがあるんだろーなぁ。こういうことをやろうとするスタッフには、ホントに頭が下がりますね。だって、世間は有名演奏家を買ってきて近くの公会堂で廉価で公演してくれれば喜ぶわけで、こんな手間暇だけはかかることやってくれなんて誰も言わないんだから。

去る12月20日、ヴェトナム出発前日だかの猛烈に慌ただしい頃に、白石さんを交えた学生プロデューサーさんたちの記者発表会があり、見物に行って参りました。その様子も、上のウェブから眺められると思います。せっかくだから、そのときの写真を貼り付けて、若者たちの奮戦振りの一端を感じ取っていただきましょうか。

記者たちはステージ上に引っ張り上げられ、実際に21日の演奏会で行われる白石さんお得意の「ピアノ三枚下ろし」を実演してます。向こうにずらっと並んでる制服の女の子たちが、この演奏会のプロデューサー軍団です!みんなすましちゃって、ホントはどんな奴らなのか全然わからなかったぞ!

21日午後、足立区近辺で暇してる方は、ぶらりと見物に行ってあげてくださいな。これだけいっぱい演奏会がある日に、わざわざ地元のピアニストを聞きに行くなんて、足立区民冥利に尽きるでしょ。「ラ・フォル・ジュルネ」1公演分1500円也で、3倍の長さで内容も数倍の演奏会が地元で聴けますよ。


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